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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 気づけば再びのマンボウ、そして放っておいたらまたすぐに緊急事態宣言につながってしまう昨今の情勢。いつ映画館がシャットアウトするかも分からないので、観たい劇場作品がある人は早めに行っておきましょうね。まぁ、正直いうと今作はそこまで「観たい」ものではなかったのだが、何気なく劇場のサイトを確認したら既に1日の上映回数が1回だけになっており、「おいおい、早すぎんだろ!」とびっくりして観に行ったのである。割とCMは見る気がするのだが、そうかー、客入ってないかー。

 

<以下、ネタバレやら何やらもぞもぞします。まぁ、何か大ネタがあるってわけじゃないけど、未視聴の人は私の感想に引きずられる危険性はあるかもしれません>

 




 

 感想を無理やり一言でまとめるなら、「邦画だなぁ……」というもの。なんだろ、多分いろんな意味合いがあるし、人によって受け取り方も変わるような微妙なニュアンスでお茶を濁しているわけだが……まぁ、濁した時点であんまり感触が良くないということは察していただけるだろう。いや、難しいところなんですよ。はっきりと「これはつまらん」って断じるようなものではなくて、時たま「おっ」と思えるような演出だってあるし、構造的に面白い部分だって探せば見つかる。ただ、全体像を一括りにすると……やっぱ邦画だなぁ…………無難にまとめての90分作品。ここ最近電子ドラッグ「スタァライト」やら映画であることの意味を100%活かしきった「ポンポさん」やら、「劇場作品ってすごいなぁ」と素直に感動できる作品が多かったせいで、こうして「まぁ、あっても悪くはないのだけど……」というくらいの作品にぶつかるとちょっと困る。「二ノ国」とか「君は彼方」みたいなはっきりと「これは好かん」と思える作品だと感想書くのも楽なんだけどね。嫌いだと思った点をただあげつらえばいいからね。今作の場合、別に嫌いなところは無いんだ。ただ、好きなところもあんまり無い。

 事前情報で期待を持っていたのはやはりイシグロキョウヘイ氏がディレクションを行なっているという部分で、氏の独特の個性が青春映画でどこまで振り切れるかという期待があったのだが、残念ながら全体的には無難な方向にまとめてしまったようだ。色彩設定などが独特な部分もあるし、小道具の使い方は上手い部分もあるのだが、総じて見たときに心に響く部分はあんまり無かった。個人的に、「いかにも映画的な谷間の作り方」ってのが単純に苦手で、「ここで誰かが失敗してピンチになっちゃうんだよね」っていうのが展開の雰囲気とか残り時間からなんとなく分かることってあるじゃないですか。こないだのポンポさんだったら「ジーン君は1回目の編集では満足できずに時間に間に合わないんだろうなぁ」みたいな感覚ね(スタァライトは谷間っていうか前編が地獄の釜の中なのでハナから問題じゃないです)。

 そこをいかに自然に、すっきりと見せてくれるかっていうのが注目したいところなのだが……本作はそこがキツかったのよ。中心となるレコード探しのミッション。それが無事に達成されて「山」になるところを、純粋にヒロインのポカから一気に谷間に転落させる。そこにあるのが事故とかじゃなくて本当に「ただのバカ」なのがきつい。視聴者側から「なんでそんなことすんねん!」というツッコミが出てしまう。加えて、そんなヒロインのポカに重ねるようにして、主人公の方も「言うに言えないを重ね続けて結局引越しのことが最悪のタイミングでバレる」というダメポイントを重ねており、これも事故の類ではなく、本当に彼がダメだったから発生した悲劇。「言いたいのにタイミングが悪くて言い出せない」の天丼があまりに多くて、ヘタレ具合がかなりネガティブに重なってしまっている。こうしてダメにダメを重ねたカップルが最終的に俳句の力でくっつくのだが、そこも性急に感じられる部分だし、「いや、もう好きにしろや」っていうくらいの印象で終わってしまう。ラブストーリーとして、ちょっとあっけなさすぎるのだ。

 「俳句」というテーマ自体は非常に面白いし、そのアニメとしての見せ方も決して悪くないと思う(最後にテロップで「タギングは犯罪だからやるなよ」って出てくるのはちょっと興ざめではあるが)。ただ、どうせメインテーマとして扱うのだったら、もっともっと俳句の独自の良さを掘り下げる余地があったと思うのだ。私も俳句のことんなんて大して知らんし、その心意気が理解できるとも思っていないが、ミーハーなので「プレバト」が割と好きで、夏井先生の指導に納得したり首を捻ったりはしているので、なんとなく俳句の良さみたいなものは感じているつもりだ。俳句ってのは、短い中に詰め込む情景の美学。数打って見せるものではなくて、1つ1つの歌にもっと情景を込めてくれて良いと思うのだ。作中で印象深い句といえば何と言っても「やまざくら」の一句であるが、あのくらいのウェイトの句がもう1つ2つ出てくれば、俳句&ラブという組み合わせの良さがもうちょい出たんじゃなかろうか。別に掛詞で遊ぶ必要なんてなくて、アニメの画に合わせて、2人の青春を彩る句を画面に見せてくれれば、それでよかったと思うのだが。

 それと、そうして俳句を中心に据えるにあたり、なぜ主人公のチェリーがそこまで俳句に入れ込んでいるのかが分からないというのもちょっと気になった。まぁそこは無くても話が成立するので構わないといえば構わないのだが、ラストにあれだけ目一杯俳句を叫ぶような(ある意味で無茶苦茶な)キャラなのだから、その成り立ちが理解できないと視聴者目線では彼を応援しにくい。尺の問題もあるのだろうが、せっかくヒロインが俳句に興味を持ってくれているのだから、もう少し俳句を通じて2人が仲を深めるような「俳句エピソード」があってもよかったんじゃなかろうか。

 とまぁ、この辺が不満点かな。一応フォローというかバランスを取る意味で良かった点も書いておくと、まずヒロインの造形は面白い。考えてみりゃ「容姿を気にしまくってるヒロイン」って意外とアニメだといないよね。アニメヒロインは基本的に美少女スタートだから。もちろん本作ヒロインのスマイルも美少女には違いなかろうが、出っ歯への言及が執拗なおかげでそこが個性として立ち現れるし、恥じらいからの克己へと綺麗にストーリーのキーポイントになっている。どうなんだろ、出っ歯ってそんなに気にする要素なんですかね? 今試しに「出っ歯 美人」でググってみたけど、歯が見えることって私の中では全然ネガティブ要素になってないな。冒頭の鏡の前でにらめっこするシーンの口元、めちゃくちゃ可愛かったけどね。むしろヒロインについてすげぇ気になったのは、「ラインライブで配信やってるような女子高生が、思いっきり男の存在を暴露する展開になってるのはどうなんやろ……」っていう部分だけどね。お祭り終わった後にチャンネル登録数激減してそう。

 あと、今作は「俳句」という伝統文学を扱う上で、Twitterや配信ライブなどのスマホツールをうまいこと使っているというのも特徴的な部分。最近のアニメ映画は、スマホ機能を使いこなしがちだが、まぁ、現代文化がどれだけスマホに依存しているかを考えれば、このウェイトは自然なものか。個人的に気に入ってるシーンは、ヒロインが主人公の俳句をファボるかどうか悩んで、最後に押そうとしたところで画面がオフになっちゃって、画面に映った自分の矯正具を見てテンション落ちちゃうところ。「操作しようとしたら画面落ちて暗くなる」は誰もが経験したことがあるシチュエーションで、それをうまいことスマイルの心情の変遷に落とし込んでるのが良かった。あと、馴れ初め段階で2人してTwitterとにらめっこして一喜一憂しているのを残りの家族が陰から大勢で見守ってるシーンもちょっと面白い。今時の学生さんの青春、全部スマホ頼みよねぇ。ご飯の時はスマホやめなさい。

 あとはなんだろ、いつも通りだったらここらでキャストの話かな。個人的にはヒロインは悪くなったと思う。主人公の方は……うーん、まぁ、インキャっぽさは出てたといえば出てたか……残りが職業声優で固めてあるのだが、主人公の親父さんが神谷浩史ってのは正直びっくりした。ああいう役、今までほとんどやったことないよなぁ。あと、今キャスト表見て気づいたけど、スマイルの姉役の中島愛は割と理想の出っ歯系美少女じゃございませんか? この程度だとまだ出っ歯って言わない? 

 まぁ、どうにも結論の置き所が見つからなくてとっちらかった感想になってしまったが……私みたいな鈍い人間には気づかないような、何か良い点がもっと他にも色々あるのかもしれません。なにせ、私はマジで途中までこの映画のタイトルが俳句になってることにすら気づいてなかったので……破調は分かりにくいよぅ。

 

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