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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ストレングスパーンチ、第7話。ブラックとかゴールドとか色の名前が入っている奴らが多い中で、なんで「ストレングス」なんでしょうね。その名前だと貨物船に乗ったオランウータンをイメージしちゃうから悩ましいんだけど。

 前回の話数分の感想を書かなかったのは、ちょいと忙しかったってのもあるんだけど、いきなりの転換で話が理解しきれなかった部分が多かったため。そして、その不可解さは今回も続いている。一番分からないのは、結局サヤちゃん先生が何をしたかったのか、っていう部分。一応説明としては「あっち側の世界をブラックロックシューターから守るために、必死で少女たちに揺さぶりをかけて戦力を増強していた」ってことになるらしいのだが、それって本末転倒なんじゃないかって気がするんだよね。

 異世界というのは、少女達がこっちの苦しみ、悩みを解決するためにシンプルな「代理戦争」を行っている世界。あちら側の生命体に人格を見いだすことさえしなければ、あちらで少女が生まれようが殺されようが、基本的にどうでもいいのである。「生まれること」は「悩みがあること」に対応し、「殺されること」が「忘れること」に対応している。わざわざ「殺されること」を危惧して「悩ませる」ってどこかおかしいと思うんだけど。

 ただ、そんな悩みが少しだけ氷解したのが今回のお話である。ストレングスとユウの奇妙な関係性は、どこか捻れたこの世界においても一際おかしな存在。現世に嫌気がさしたユウが、明瞭さを求めてあちらの世界のストレングスといつの間にか入れ替わっていたというのだ。視聴者目線から見れば、この事実はどうだっていいものだ。どちらがユウでどちらがストレングスであろうと、今まで見てきた明朗快活な方の人格が「外」にいた「誰か」であり、今回初めて口を開いたあちら側のどす黒い人格が「誰か」であるという認識だけが得られている状態なので、どちらが「人」でどちらが「人ならざるもの」であっても、さしたる問題はない。強いて言うなら、サヤちゃんの記憶の中の「忍足ユウ」が現在のユウの姿と重ならないという疑問があったくらいだろう。

 しかし、このことこそが、サヤちゃんをあんな悪逆非道な行為に導いた原因だったというのである。「あちらの世界はどうなってもいい」というのが基本的な『人』の思考であるはずなのだが、サヤちゃんだけは、あちら側にも自分の大切な「人」がいるということを知っているのだ。自分が一瞬でも裏切ってしまい、「何でもする」と誓った不幸な少女、ユウ。彼女は今や、現実から逃げ出してあちらの世界で戦い続けている。そんな彼女を「破壊者」であるブラックロックシューターから守るには、何とかして少女たちのゆがんだストレスから「援軍」を生み出すしかない。たとえそれが、幾人もの少女達を不幸にしてしまうことだったとしても。

 ふむ、理にかなっているようだが、やはりちょっと費用対効果がおかしいお話。そして、何が釈然としないって、カウンセリング中のサヤちゃんがノリノリだったことである。心理療法士の視点から、ああいう「演技」をしないとカガリやヨミ、こはっちをぶっ壊せなかったということなのだろうか。いくらなんでもそれはちょっと。最近の真面目で悩み多きサヤちゃんを見ていると、あのときの謎テンションはどこへ行ってしまったのか、と訝しんでしまうのも仕方ないだろう。まぁ、演出重視の作品なので、そのときそのときの勢いに任せた描写を優先しているためなんだろうとは思うのだけれども。おかげでずっと記事の中でサヤちゃんを「悪の枢軸」だと思い続けてたものなぁ。いや、悪いことしてるのは確かだから間違っちゃいないんだけどさ。

 そんなサヤちゃんの苦悩もどこ吹く風で「最高にハイッてやつだぁ!」とばかりに戦うのが、ストレングス改め本物の忍足ユウ。彼女のトバシ気味のテンションは、なかなか普段の阿澄ボイスでは聞けない貴重なキャラ。どこまでいっても阿澄声では「あら可愛らしい」という印象なのでなかなか「悪者」にならないのは悩みどころなのだが、これはこれで味がある。

 そして、最終的にラスボスポジションに落ち着いたのが、無言のキルマシーン、ブラックロックシューターだったわけだ。幼い頃から抑圧された黒衣マトの絶対正義から生み出された秩序の化身。彼女の傍若無人な強さは、強力なマトの「規範精神」からきたものであった。果たして、今後ブラックロックシューターは打倒されるのか。打倒されたとしたら、マトはどうなってしまうのか。ついに記憶の楔を解き放ったヨミ(ブラックゴールドソー)も参戦し、物語はクライマックスに向かっていくのである。

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 鬱々どよめく第5話。諸事情でちょっと視聴が遅れてしまったが、遅れたのはひょっとしてこの衝撃に備えるためだったのかとも思える。これでもかと積み上げられる黒い固まりが、視聴中に呼吸困難に陥らせるようなどうしようもない感情を生み出してくれる。多分、私のツボはこのへんにあるんでしょうね。

 「壊れて」しまったヨミ。そのことは実に分かりやすい事実で描出されており、出迎えに行った際の明るい声と、対比される恐ろしいブレスレット、朗らかな声と、授業中の自傷行為。誰の目から見てもその状態は同じ一言、つまり「壊れた」で説明出来る。奇しくも「壊れてしまった」と表現したのはあのカガリなわけだが、ヨミに何の執着もなくなったカガリが「客観的に」語った言葉であるから、これが一番の真実だろう。

 問題となるのは、「何故ヨミは壊れてしまったのか」である。サヤの暗躍により、その事実は最悪の手段でマトに伝えられ、マトは「自分がヨミを壊してしまった」と後悔する。しかし、正確に脚本だけを追えば、「マトがヨミを壊した」は日本語として正しくない。あえて言うならば「マトでヨミが壊れた」。もっと突き詰めてシンプルな答えをあぶり出せば「サヤがマトでヨミを壊した」となる。その周りにはカガリやユウなどの他の要因もあるが、今回のエピソードで狙っているプロットはあくまでもマトとヨミの二者関係に落とし込まれるものであるから、とりあえずはそうまとめるのがいいだろう。

 そして、現時点ではその正体をなんとたとえていいのか分からないユウというイレギュラーが現れたわけだが、ひとまず分からないことはおいておくとして、彼女の力により、ついに長年の懸案であった「2つの世界の接続」が果たされたのである。ブラックロックシューターはマトの「分身」として確立し、同様に「緑色の少女」はヨミの分かち身となった。今回は描かれなかったが、当然「赤の女」はサヤに対応していただろう。そして、この接続を果たした直後の異世界において、ブラックロックシューター(=マト)は、文字通りに緑の少女(=ヨミ)を破壊する。こちらはそのものずばり、「マトがヨミを壊した」のである。ただ、ユウの言を信じるならば、異世界での「死」は現実での「執着の死」を意味し、ひょっとしたら「死んだ」ことによって、ヨミは救われるのかもしれないという。「現実世界でヨミが壊れたことの行為者はマトではないが、異世界ではマトがヨミを救うことの行為者たり得る」というのが現在の結論。この写し鏡のようでねじれた関係性は、どのようにつながりを見せることになるのか。

 今回も、鬱々とした中にいくつもの暗示と含意が込められている。悪い方へ悪い方へと転がり続ける物語を彩るように、今回はとにかく「下り坂」のシーンばかりが描かれる。冒頭でヨミを迎えに行った通学路もそうだし、マトがユウを探すために駆け回る町並みも全て「下り」。決して上には上がれない泥沼の状態である。

 異世界でブラックロックシューターを襲う緑の少女は「双頭の巨人」を操っており、2つの巨大な頭は、カガリとマトの間で揺れ動き、真っ二つになったヨミの心情を暗示しているようだし、彼女が生み出した分身ともいうべき多数の亡者たちが1つに集まって巨体を構成する様子は、現実でささやかな自傷行為に没頭して髪の毛を飛散させるヨミの行動の逆になっている。

 今回積極的に前面に出始めたサヤ先生の動きも面白く、彼女はこれまでずっと使い続けてきたトレードマークともいえる「コーヒー」について、「実は大っ嫌い」であると言ってのけた。「何かと便利」だったのに「嫌い」という漆黒のコーヒーは、「他者を破壊して回るために重宝するが、敵対する関係である」ところの「ブラック」ロックシューターに対応している。これまでカガリやこはっち先輩を実際に壊して回ったのはブラックロックシューター。それは全て、サヤ先生の狙い通りであったということ。最終的には、ヨミが自ら描き上げた画の中で「漆黒のマト」を打倒することで、その対立関係は完成を見る。

 相も変わらずのすばらしい動画は言わずもがなの迫力。今回のコンテ演出は初めて今石さんが関わっていないのだが、ポスト今石と名高いらしい雨宮哲氏が参加しているのである。画面の奥行きで見せるダイナミックなアクションが、爽快感とは別にどこか「ぞわっ」とくる迫力を提供してくれる。そして、ついに口を開いた異世界の住人達の声も漏れだしたわけだが、緑色の少女の叫び声は、耳をふさぎたくなるようなおぞましさ、生々しさを伴う。「CANAAN」の時にも思ったのだが、沢城みゆきは、きっと実際に思い切りぶん殴られたり、殺されたことがあるに違いない。でなきゃどこから出るんだ、あんな声。

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 バルティック通りに大してペンシルバニア通りをあげるのはさすがに割に合わない気がする第4話。しょうがないなぁ、この電力会社もつければいいんだろ。ちなみに僕の好きな土地はマービンガーデンです。280$のお得感!

 さておき、今回もいつにもまして酷い(ほめ言葉)内容となっておりますこの作品。少女達を巡るドロドロのあれこれを見ているだけで脊髄がうずくような何とも悪趣味な高揚感が得られるのです。特に沢城先生演じるヨミがお手本のように綺麗な地獄にたたき落とされてぶっ壊れるさまは、背徳感含みの加虐的な楽しみがあります。演出するスタッフ陣も、そのあたりを徹底的に醜く、醜く描いてくれているので、救いのなさにも拍車がかかるってもんです。

 今回、新しく判明した事実が大きく1つある。それは、かの仮想世界における支配力が、どうやら現実世界でもイメージ以上のレベルで介入している部分がありそうだ、ということ。具体的には能登カウンセラー・サヤ先生の象徴たる赤い人の精神操作が、超常的なレベルで現実世界の女生徒たちのメンタルにも影響しているということ。現実世界で直接接触があったこはっち先輩の場合には、あのカウンセリングの影響ととることも出来るのだが、カガリの場合はサヤ先生と直接の接触はなかった。この2人に同じような症状が現れているということは、サヤ先生ではなく、あくまで異世界の赤い人の影響が現実に出ていると考えるのが妥当だろう。

 サヤ先生の生み出す影響力は、一言で言うなら「感情の喪失」。こはっち先輩は憧れの男子生徒への幼い恋心を失っており、「好きでも嫌いでもない、とにかく分からない」という状態になってしまっている。そして、病的ともいえるほどにヨミの執着していたカガリも、その感情を完全に喪失し、記憶ごと改変されてしまっている。異世界で赤い女が「少女の雛」をつぶしたことがこはっち先輩を砕き、「戦車の少女」が打倒されたことが、カガリの破壊を招いたのだ(まぁ、戦車の少女に直接手を下したのはブラックロックシューターだった気もするのだが)。

 先生の目的は、以前も書いた通りに「女生徒たちを自分の理想通りの状態で手元に置くこと」。名簿にマークされたユウとマト、前回完全に「壊して」しまったこはっち先輩に続き、今回は周りから絡め取ることでヨミを「完成」させた。彼女の手の中で踊るヨミの惨状は、彼女が提供したコーヒーのマグカップに1対1対応で表示されている。また、彼女が全く手をつけずにカウンセリング室を飛び出すことになった「コーヒー」のモチーフも、「ブラック」がそのままマトを表示することにもつながっており、彼女が既にマトと相容れない関係性になってしまったことも含意されるだろう。
 全てが崩れ去ったヨミの世界。せっかく手に入れた「親友」のマトは、彼女の思うような接し方をしてくれず、より大切な友人であるユウに奪われていく(とヨミは思っている)。彼女の目からは、既にユウが「敵」としか映っておらず、彼女から「友達」というメールが送られても、「マトは自分の方がより強い友情を持っているのだ」というひけらかしにしかみえない。そうなると、彼女に残されたのは過去の思い出であるカガリだけなのだが、そのカガリも、既にあの病室の一件で思い出を打ち砕かれている。ヨミの思惑とは裏腹に、カガリが望むのは「解放」でしかなかった。

 ヨミの象徴たる仮想世界の緑色の少女は、登場当初から「鎖」というイメージにとらわれ続けていた。最初のうちは、カガリに縛られ続ける彼女の身の不幸を体現するものだと思われていたが、どうやら鎖の持ち主はあくまでヨミ本人だったようだ。マトを自分の望み通りに縛りたいと願う鎖。そして、望まざる世界の変容を受けて、がんじがらめの自分を縛り付ける鎖。その鎖の存在に目をつけたサヤ先生が、より強力な束縛を生み出し、新たなヨミを「完成」させたというわけだ。八方ふさがりで高々と立ちふさがるヨミの周囲の「壁」を、はたしてマトとブラックロックシューターは打ち砕くことが出来るのだろうか。

 相変わらず高度な緊張感が持続し続ける本作。今回は部屋に閉じこもったヨミがカガリによって完全に壊されるまでのシーンの盛り上がり方が壮絶きわまりない。沢城劇場に終わり無し。暗躍する能登ボイスもたまりません。至福の作品です。

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 声で人が殺せる声優能登麻美子、第3話。あれだけのことをされたらチョコラータ先生ですら興味を持つレベル。

 カガリの一件はなんだかすっきりしないままに片がついたマトの周り。ヨミは気兼ねなく学校で笑顔を見せられるようになり、当面の問題が片付いたマトは部活へ。最近の花澤キャラはよくバスケをするのである。しかし、あの異世界での動きは穏やかになったわけではなく、ブラックロックシューターは次なるフィールドへと歩を進めている。大量の少女を「育成」する巨大角の女性。今度の相手は、謎の赤目だ。

 メインの敵だと思われていたカガリを打倒してしまって次はどこへ向かうのかと思ったら、どうやら次の火種は学校にあったらしい。こはっち先輩は非常に良いキャラなのだが、いかんせん環境に恵まれておらず、告白した相手はヘタレで、その周りには人道にもとる悪友が取り巻く。それでも気丈に自分を貫き通した中学生らしからぬ強靱な精神を持つこはっちも、残念ながらスクールカウンセラー・サヤ先生の手練手管の精神破壊にまでは耐えられなかった。哀れ、快活を旨とした女子中学生は、すべてを失い卒倒してしまうのである。ひどい。

 どうやら今後の敵は能登カウンセラーということでいいのだろうか。彼女の持つ名簿の記述などを見る限り、彼女の目的は女子中学生の捕食であろう。いや、具体的にどこまで進みたいレベルの人なのかは定かでないが、様々な次元で「女の子を自分のものにしたい」人なのは間違いなさそう。既にマトとユウちゃんは二重丸がついているのである。そして、今回狙われたのが、どこか影のあるヨミと、何とか一人で頑張ろうとしていたこはっち先輩だったわけだ。およそカウンセラーなど必要なさそうなこはっち先輩だったが、あの攻撃を受けてしまえばさすがに耐えられない。今後サヤの軍門に下ることになるのか、はたまたカガリのように病んだ状態で退場してしまうのか。できることなら、また元気に戻ってきて笑顔を見せてほしいものであるが。

 サヤ先生が次の敵キャラということになるなら、異世界でブラックロックシューターと戦う巨大角の女性はサヤ先生の化身ととらえて問題なさそうだ。種をまいて少女たちを育む姿は、中学校という舞台で若い芽を物色する彼女の姿と重なる。そして、そこにメスを入れに来たブラックロックシューター。最初は「救うもの」なのかと思って見ていたら、意外なことにこはっち先輩の象徴たる「若い芽」を一刀に切り伏せてしまっている。現実世界でも、それにリンクする形でこはっち先輩がダウンした。これはサヤ先生はもちろんだが、マトにとっても望まざることである。となると、ブラックロックシューターの行動は、必ずしもマトの意志の体現というわけでもないようである。いったいどのようなリンクを見せるのか、今後の対決シーンも気になるところだ。

 今回は異世界でのバトル要素はそこまで多くなかったので最大の売りである動画面は控えめだったが、その分、現実世界での絡みの執拗さが見せ場として用意されている。最初は妙だと思っていたキャラクターデザインにも次第に慣れてきて、こはっち先輩なんかは可愛く見えてくるレベル。そして、ヨミさんがあっという間にアカン娘になってきてるのも気になる部分。せっかくお友達になれたのに、即ヤンデレっつうのは問題ありまくりだ。今期の沢城キャラは平和というものをしらんのか。

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 テンション落ちずにさらにあげてきた第2話。このアニメ、すげぇな。理屈抜きでアニメーションだけで見せようとする作品ってのは、最近の地上波では希有な方向性な気がします。

 物語の中心は当然マトとヨミの関係性に収束する。その間にカガリが挟まり、友情物語に軋轢と懊悩が混ざる、筋立てとしては実にシンプル。カガリの怪我の原因が明かされた部分に関しては「なんじゃいそら」と思う部分はあったものの、わずか8話で走りきる作品なので、削れる要素はサクサク削って描きたい場面だけに絞り込んでいるのは潔い判断ともいえるだろう。ヨミに対して激昂するマトの台詞回しなんかはどう考えてもおかしいし、厨二病とも違うどうしようもない痛々しさを伴っているのだが、この作品が体現したい「象徴性」の妙を鑑みれば、こうしたどこかズレが感じられる脚本も味わいの一部といえるかもしれない。マトがどれほど素っ頓狂な発言をしたところで、所詮は女子中学生の吐いた言葉に違いは無く、異世界で大活劇を広げる謎のヒロインほどのギャップは生まれないのだから。

 今回のエピソードのおかげで、夢世界でバトルを繰り広げるブラックロックシューターとマトたちの世界の対応関係はおおよそ確定したといえる。もちろん前回からほぼわかりきっていたことではあるのだが、一応ブラックロックシューターがマトに対応しており、それぞれヨミやカガリにも対応する「人物」がいる。そのことが、ヨミに彫り込まれたハートの入れ墨によって確定し、アウトラインはずいぶんすっきり見られるようになった(一応前回までのお話だと、「何の関係もない2つの平行世界」の可能性があったのでね)。また、マトが夢世界のことをきちんと「夢として」見ていることも明かされたことで、彼女は夢世界のブラックロックシューターの影響を直接的に受けることがある、という事実も明示され、2つの世界間のつながりも見やすくなっている。まだ「マトが寝ていないタイミング」で夢世界の描写が現れる部分などについては想像の余地は残るが、あとは感覚で処理出来る部分だろう。

 などとシナリオラインについてはくどいともいえる確認をとっているが、それもこれも、細かい考察を抜きにして動画面を楽しみたいがため。1話目は今石洋之コンテだったからすごかったけど、2話目はどうだろう、と心配していたら、なんと2話目も今石さんだった。それだけで脳汁吹き出すってもんですわ。はったりを効かせまくった夢世界バトルのアニメーションの気合いの入り方が尋常じゃなく、今回は鎖を使った一連のモーションや、謎のマカロン砲を特大マシンガンでぶち抜いていく様子などがけれん味たっぷりで楽しめる。現実世界とのリンクが明示されたことによって、彼女たちが持つ諸々の武器やアクセサリの意味を考えることが出来るようになった部分も楽しく、作中ではほとんど触れられていないにも関わらず、「2つの世界が密接にリンクしながら動いている」というのが画の力だけで伝わってくるのがすばらしい。アニメーションという媒体を使って「少女たちの心の戦い」を描くというコンセプトが、実に見事に結実しているのである。

 夢パートと比べるといくらか地味な印象の現実パートだが、マトが多用する「色」を主題とした思考パターンや、「小鳥遊」という名前に込められたいくつかの含意など、なかなか細かい部分にも労力が裂かれていることが伝わってくる。カガリの吠えたける表情なども真に迫って描けているし、全く毛色の違う2つの世界にも、通底した信念があることが伝わってくるのだ。

 そして、わずか2話で強引にクライマックスまで持ち込んだ無茶なシナリオを必死でくみ上げているキャストの面々のパワーといったら。沢城・喜多村。この2人だったら「こういうシチュエーションでこういうイメージが作りたいので、全部アドリブでお願いします」っていってもものすごいものを作ってくれそう。この2人について行けるようになっているだけで、花澤香菜も大したものだと思う。これ、ずっと聞いてたい作品だなぁ。

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 車椅子で強いキャラって言われても「ファイナルファイト」のラスボスくらいしか思い出せない第5話。あ、ハンターハンターの天空闘技場にも1人いたけど……あいつは弱いな。

 うーむ、前回のものすごいテンションで盛り上がりはしたが、今回は足場を固めるための積み上げエピソードか。花澤声の良いおっぱいを持つ美人さんに手取り足取り鍛錬をつけてもらう幸せな集。ただ、肝心のいのりとの関係が……痛い、痛いよ、それは……NTRが平気な人間でも、その一言は救いが無いわ……しかもその後に男の部屋に行くって……並の心臓の主人公(特に声が梶裕貴)なら耐えきれなくて飛び出してるとこだぞ。だって、もうあそこにいる理由が一切無くなっちゃうわけだし。なんでこの子ったら健気に試験を受ける気になったのかねぇ……正直、まさかわずか5話でここまで救いのない状態にたたき込まれるとは思ってもみませんでした。そして、集が意外と気にしないとは、更に思いませんでした。もううちに帰れよ。

 前回まで見えていたシンプルなボーイミーツガールのシナリオラインだったら、この作品は素直に観られていたところ。まだまだ艱難辛苦は多いだろうが、一度惚れて惚れられた女のために、青少年が頑張って頑張って組織の中で自分の居場所を見付けていくのは充分見られる展開だ。しかし、今回のことで色々と不具合が起こっている気がする。集があそこにいる理由がなくなってしまったのに(今更帰るわけにいかないってのもあるかもしれないが)、戦う理由がまず無い。そして、あれだけヘタレで役立たずなはずの集が、こうもあっさりテストをパスしてみんなから拍手をもらうのも意味が分からない。確かにヴォイドを発現させるのは集だけの特技であるとはいえ、それをたまたま使えたからって、すんなり仲間と認めて迎え入れるってのもヌル過ぎるイニシエーションだろう。あれで出てきたヴォイドが三角定規とかだったらどうするつもりだったんだろう。

 こういう作品において、コミュニティに馴染む訓練ってのは、もう少したっぷり時間を取るものであるという印象がある。「亡念のザムド」のザンバニ号に馴染むまでの過程とか、「BLACK LAGOON」でラグーン商会の一員になるまでの過程とか、(なんでこの2つの例がパッと出てきたのかは謎だが)そういうのって、もっとドラマティックなものだったように思うんだけど。もちろん、今回の集はあくまで一部のメンバーに認められただけで、岡本ボイスの変な奴には訝しげに見られていたわけだが、それにしても、なんだか敷居の低いヌルい集まりだなぁ、という第一印象は拭えないのである。

 結局、主人公の目的意識が見えない、というのが最大の問題点で、そんなフラフラして特に取り柄もない集に対して、車椅子さんあたりがツンからデレるのが早すぎる、ってのがしっくり来ていない要因なんだと思う。あと、見た目に充分可愛い車椅子さんも、あまりに台詞や態度がテンプレ過ぎて、いまいちスタッフの愛が籠もっているように見えないのが残念なところ。ああいう組織にいる女性キャラっておおらかなイメージがあるのに、集の全裸見ただけでビンタってのもなんか釈然としないよ(なんで部屋の中央で立ちすくんでいた集に、ドアを開けたばかりの彼女がビンタ出来たのかも謎だったけど)。

 うーむ、何だかこのシナリオがちゃんと進行できるのかが不安になってきたぞ。特別変なコトをしろってんじゃないから、何とか見られるレベルに落ち着けて欲しいものだが……

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 一気にボルテージが上がる第4話。いや、上がるっていうのは、直前に放送される「UN-GO」と比べて、って意味ですけどね。なんかヌルッとした作品の後に、真正面からアニメ的な見得で勝負を仕掛けるこの「ギルクラ」。こういう温度差があると、連続するアニメ視聴も緊張感が持続して良いものです。

 前回あたりからようやく見るべきポイントが見えてきた気がするこの作品。今回は主人公の集が友達から裏切られる壮絶なシーンから幕を開けるのだが、裏切られたこと自体は割とあっさり目でスルー。その後登場するGHQのお偉いさんの怪しげなキャラクターが全部持っていくことになった。こういう怪しさを持ったエキセントリックなキャラは好きですね。CVだと山崎たくみとか諏訪部順一がやりそうな感じ(実際は井上和彦なわけだけども)。

 そして、捕らわれの主人公を巡って、テロリスト集団のボスが何故かわざわざ自分で出張ってきちゃったり、今まで守られるばっかで戦闘能力があるとは思えなかったヒロインが単身で助けに来ちゃったりと、こまけぇことはいいんだよ! を地でいく、ノリだけのシナリオライン。なんでわざわざ涯が「お前は最下層に向かってヴォイドを解放しろ」って言ったのかも分かんないしね。重力制御ガンはそりゃ強いかもしれないけど、わざわざ救出ミッションにド素人を巻き込んでまでやる必要があった行程じゃないだろうし、そもそも犯行予告をする必要も無かったし。同じ施設に治療中の患者もいたから「予告してやってるんだから避難させとけよ」っていうメッセージだったんだろうか。それなら予告とかせんで隠密にやってくれた方が被害は少なかったと思うのだが……やっぱり適当すぎるだろ、葬儀社。

 とはいえ、クライマックスであれだけの画を見せられてしまっては、盛り上がらないわけにいかないのも事実。この作品、相当気合いが入ってるんだなぁ、というのがよく分かる、陳腐な言い方をすれば「劇場作品クラス」の作画でのバトルパート。個人的にはドンパチやってるとこよりもいのりが単身乗り込んでビュンビュン飛んでるシーンの方が好きだったりするんだけど、とにかくものすごい迫力だった。流石のI.G.。こういう立体的な動静を描かせると、本当に画面映えするのです。

 なにやら主義主張も分からぬまま、主人公はとにかくテロリスト側に傾いちゃった模様で、今後はよりバトル展開が白熱しそうですね。でも、今回1つだけ思ったのは、「ソフト麺は案外悪くなかったと思う」ということだ! いや、もう十年以上も食べてないから、想い出補正がかかってるだけかもしれませんけどね。ミートソースとか、美味しかったじゃない。給食着がベタベタじゃない。

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未だに時代背景がよく分かってないよ、第4話。やっぱりこれ、原作の面影は一切無いよね。

 事件の方は相変わらずパッとしない。焼死体の入れ替わり疑惑から「実はいなかった」という解決と、時代背景を超越した謎のAI人形との絡みなど、もう少し丁寧に料理すれば面白いプロットだったような気もするのだが、わずかに2話でさらっと片付けてしまっているために、どちらかというとぽかーん度合いが高く、「それがOKだったらなんでも良かった気もする」という、釈然としない終わり方になっている。一応2話のボーカロイド事件なんかもあったのでこれくらいの技術ネタは問題無いんだろうけど、ここまでくると、あの金字塔である「攻殻機動隊」と比べてしまうからねぇ。いや、比べるのがおかしいんだろうけど。義体や電脳でやれることはあの作品が全部やっちゃってるからなー。

 などと、シナリオ面については不満点の方が先立つ状態ではあるのだが、今回は2話に話を分けてくれたおかげで、いつものように窮屈な時間で無理な謎解きをする必要がなく、ある程度はお話の情緒みたいなものが確認出来たのがプラス要素。正体を明かしたキチピー博士が結局悪人っぽく処理されてしまったのは残念至極で、あそこをもう少し掘り下げて博士の訴えにも焦点を当ててくれていればもっと良かったと思うのだが、それでも最後にうち捨てられたライの存在感が、この世界に残された矛盾と寂しさを、余韻を伴って表示しているのは面白かった。博士の傍らでがちゃんと崩れ落ちる風守の義体は、外見がストレートな萌えキャラ風、ってのがずるい。あの外見で「私を好きにしてぇ!」っていう新十郎の車の中の台詞をもう1回言って欲しかったもんだけどな。

 ちなみに、そんな「萌えキャラ風性奴隷アンドロイド」の中の人は、どっかで聞いたことがあると思ったら松本まりかだった。エラい久し振りに聴いた気がするのだが、流石に昔と比べると聴きやすい演技になっている。この人は声の温度がものすごく低くて、絶対にキャピキャピした主演なんかには向かないと思うのだが、こういう役どころで使われているのはなかなか面白くて良い気もする。もっとも、メインヒロインである因果タンについては、本当に毎回豊崎の声を聴いて感心しっぱなしだけどね。コレと「LAST EXILE」を同時にやっている今現在が、豊崎ワールドの花盛りと言えるかもしれない。

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 L字と速報の乱舞、最終話。うーむ、せっかくの記念すべき話数だというのにこの台風……仕方ないこととはいえ、やるせない気分である。でも、その程度で揺らぐような作品ではございません。この日常は、ちょっとやそっとじゃ揺るがないですから。

 ゆかりさんの風邪は、結局そこまで大したもんでも無かったようで。大吉とりんは玄関先まで見舞っておいとまする程度に留まった。コウキは相変わらずどこまでもフリーダムではあったが、「しっかり面倒をみろ」と大吉に言われたら良いお返事。男の子だねぇ。りんも、ちゃんと看病してくれたゆかりさんへの恩義を果たすために見舞いの品を送り、ゆかりさんもそれに対して誠意ある返事をする。ほんと、この2つの家族の関係性は素敵です。

 そして、歯の生え替わりやら縄跳び大会やらのイベントを経て、大吉はりんが確実に成長していることを感じると共に、些細な出来事で右往左往する自分の生活に多少の疑問を覚える。こんなに小さなことで大騒ぎしていては、自分の時間なんかあったもんじゃない。この先の人生、これでずっとやっていけるのだろうか、と。奇しくも実家に帰ると大吉の妹さんも結婚が決まり、子供が出来た後の自分の人生について不安を抱えていた。結婚すること、子供と共に生きること。それがはたして、良い人生となるのかどうか。

 だが、そんな疑問に対するパパとも軍団やゆかりさんの答えは至って簡単なもの。「それが普通のことだから」。そう、世の中には父親と母親、子供を持つ人間で溢れているのだ。たとえ大吉のように奇妙な縁に結ばれていたとしても、子供と一緒の生活、子供と成長する生活は、人類普遍の「普通の風景」。損得だとか、苦楽で判断するようなものじゃない。いつの間にかそこにあり、善し悪しで判断するのではなく、自然に受け入れていくもの。だからこそ、そこにあることが平穏に繋がる。

 大吉は、多分それを知っていた。知っていた上で、一度は確認する必要があることだったのだ。当たり前のことは、当たり前だと認識することで幸せにもなろう。これからの大吉とりんは、ずっとこの「当たり前」を受け入れて、幸せに続いて行くに違いない。まさに、ハッピーエンドである。もう、何も言うことはないです。

 今回も素敵ポイントは多数あったのですが、なんと言ってもクライマックスで大吉が振り返った回想がじんと来ましたね。わずか1年足らずのりんとの共同生活の中でも、いっぱいの想い出が詰まっていることがほんのわずかな時間でぎゅっと表されていて、こちらまで想い出を共有しているみたいでした。他にも、少しずつ大きくなっていくりんの勇姿が素敵。後ろとびでトップの回数って、りんちゃんは将来は運動系の部活にでも進むんでしょうかね。歯が抜けちゃったあとの間抜けな表情まで可愛いんだから、きっと将来も絶世の美人さんだしね。

 あと、やっぱりゆかりさんね。優しそうなゆかりさんが不安げな女の子に向かって「さやかちゃんは……」って言ってるのが面白くて仕方なかったです。中の人的に。

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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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