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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  俺の銀河がもう輝いているらしい第16話。「西の巫女編」のラストエピソードとなる回だが、前回の大盛り上がりに比べると、ちょいと尻すぼみな幕引きだったような気がします。

 ケイトの策略によって遂に綺羅星十字団に捕らえられたミズノ。ケイトが「科学部」っぽいことをやってるのは5話のマンドラゴラ以来な気がしますが、科学準備室に大量の液体を沸騰させたり蒸発させたりしてるビジュアルはものすごく怪しい。どう考えても全部が全部管理出来てねーだろ、と思ってたら、どうやらそんな怪しげな煙の中に睡眠薬みたいなものも紛れ込んでいたみたいですね。ミズノだけを眠らせて自分が平気とか、ひょっとして毒に耐性があるタイプの人でしょうか。そして、そのまま綺羅星秘密基地でミズノにレイプまがいの暴行を加え、ゼロ時間に引きずり込んでスターソードでばっさり。封印が破壊された後の解放シークエンスなんかは、いかにもな画面が大迫力です。物語が始まって16話。ようやくフェーズが第2から第3へと移行したことになります。

 そして、ミズノの救出に向かったタクトと、散々スガタを挑発してきたヘッドの直接対決。今回は何故かタウバーン登場シーンが普段と違うオリジナル画面。巫女の歌がないとあのバンクが盛り上がらないからだろうか。スターソードを持ちファンネルも装備するという、同じような能力を有したヘッドのサイバディは、能力を発動すると自分より弱い相手サイバディの能力を全封印してしまうというチート臭いもの。一時は体技でも能力でもタクトを圧倒するヘッドだったが、いざとどめの一撃というところになって、何故かタクトが覚醒。想い出フィールドではミズノがタクトの青春の記憶を追体験し、彼の強さの根底にある記憶を知ることになる。そして、そのまま勢いでヘッドのサイバディを粉砕してしまった。

 封印が解除されたことにより、ミズノは念願の海の向こうへ。先週と全く同じ構図、同じタイミングでアラームが鳴ったときにはドキリとしたが、その音は目覚まし時計ではなく携帯の呼び出し音である。最愛の姉であり、自らの生み出した理想の存在、マリノ。ミズノの夢は破れはしたが、最愛の存在は失わずにすんだようだ。

 

 というわけで、結果だけ見れば「巫女が解放されて第3フェーズに突入」という綺羅星の狙いは果たしたわけだが、それでも特に絶望的な印象もなく、むしろタクト側が狙い通りに綺羅星を叩いているイメージになっているのはどういうことだろうか。ミズノの悲劇も、先週時点で想像してたよりもずっと優しい結末を迎えており、マリノも復帰したし、ミズノの人生も希望が蘇った。もちろん彼女に不幸になって欲しいとは思わないが、気を持たせた割には肩すかしのような展開であった。

 最大のびっくりは、例によってタクトがあっさりとヘッドを撃破してしまったことである。先週無かった分、今回はヘッドの堂々としたサイバディ技能が存分に発揮されたナイスなバトルシーンにはなっていたのだが、いざとどめを刺そうという段になっての、「よく分からない」逆転劇。先週までのヘッドの言動から考えて、タクトもぼちぼち負けるんじゃないかと思っていたんだけど……勝っちゃいましたね。これじゃヘッドが単なるいたい奴になっちゃったじゃないか。彼が負けた今、タクトを倒せるのはスガタしかいなくなってしまったわ(まだケイトが残ってるが、彼女は正面からタウバーンにぶつかるとは思えない)。

 ま、ここから東の巫女関係の諸々を片付けて、最後にスガタとワコを巡ったクライマックス、という展開だろうから、ここでうじうじしていると尺が足りなくなっちゃうんだろうな。よく分からない思い出話を理由にしてヘッドを押し切っちゃったのは仕方ない展開だろうか。勝手な台詞を吐いておいて「あなたには分からないんだ!」って、ひどい言いぐさだよなぁ。お前以外誰も分からんがな。

 しかし……これでミズノちゃんも一時退場。サカナちゃん、ミズノちゃんと、好きなキャラクターがどんどん巫女として退場してしまいます。無念。来週からは東の巫女の歌唱でバトルが進むんでしょうか。こうしてみると巫女連中は安定感のある歌唱キャストだな。東の巫女の中の人(小清水)が25歳、西の巫女の中の人が15歳、南の巫女の中の人が19歳、北の巫女の中の人が20歳、みんな若いなー。小清水が最年長ってどゆことやねん。そういえば、今回はケイトの見せ場のインパクトがなかなかで、小清水の存在感が素晴らしい。そして最大の見せ場を作ったミズノ役の日高里菜も圧巻。泣きのシーンは初めて見たけど、思わずもらい泣きしそうになりました。

 ただ、今回最萌だったのはヘッドでしょうかね。「お前だけが銀河美少年だと思うな」って、どんな台詞やねん。石田彰が言うとギャグなのにギャグじゃないような、ギャグじゃないのにギャグなような、絶妙な笑いどころになってしまうんだよ。柴田秀勝氏に「銀河美少年」なんて意味の分からない台詞を言わせちゃ駄目! 

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 相変わらずヴィクトリカが可愛い第2話。なんかもう、作画演出も良好でそれだけ見てればいいような気もするんですが、そこに集中しようとしてもシナリオ部分の浮き方が半端じゃないので、そっちが気になって気になって仕方ないです。こういういただけなさはどうにもやるせない。

 色々と突っ込みどころが多いのだが、そういう場合には、原作読者が「原作では説明されているよ! 削って描写してるアニメ製作陣が悪いんだよ!」という主張をする場合がある。当然のことながら私は原作を読んでいないので、その責任の所在が原作にあるのか脚本を起こした人間にあるのかは分からない。また、一応ミステリ的な題材なので、現時点で分からないとしてもそれが伏線であったり、謎の本質であるという可能性もあり、分からないこと自体が正解ということもある。それでもなお、気になってしまう部分はあるのでとにかくアニメを見た時点で理解不能で、納得出来ない部分をあげてみよう。

 まず、具体的なトリック部分について。1番最初の疑問は、パンしか喰ってない一弥が「一服もられた」といって他の連中と同じように眠りこけたこと。そりゃま、パンにも薬が入っていたと考えられるわけだが、パンにだけ入っていたならば逆にヴィクトリカが眠らないことになるので、全ての料理に満遍なく睡眠薬が含まれていたと考えられる。となると、一弥は圧倒的に摂取量が少ないはず。にも関わらず、彼はむしろ他の人間よりも長いくらいに寝ているのだ。特別薬に弱い体質なのか、それとも寝不足だったのか。少なくとも他の「大量に摂取した人間」に比べたら効き目が出るのは遅かったはずなのだが、何故あんな風に一緒の扱いになるんだろう。少量でもすごく効くような劇薬なら、大量に摂取した他の乗客の命がヤバイ。普通に考えて「論理の再構成」をするなら、パンしか食べてねぇのに一緒に眠りこけていた少年が、一番怪しい人物だ。

 一堂に会しつつ目覚めた12人の乗客、という設定も謎。ヴィクトリカは「食堂に11人いた」と認識しているわけで、最初の食事シーンで顔の判別くらい出来たはずである(画面上は確かに顔が見えないようになっているが、普通はお互いの顔も見えないような暗がりで食事はしないだろう)。10人程度ならぼんやりと覚えていても良さそうなのに、あの場面で「誰が12人目なのか」という魅力的な謎の解明が一切行われなかったのは何故だろう。中年の集団はそれぞれ顔見知りも多かったみたいだし、確実に食堂に居た人間を消去していけば、自ずと「犯人」の顔は見えてくるはず。たった1度の血文字の効果であそこまで取り乱しはじめる意味が分からない。っつうか、みんな普通に食事してたはずなのに、給仕する側(ホスト側)の人間が一人もいないってのは流石におかしくないか? なんでそんなテーブルで平然と飯が食えたのだろうか。

 船の構造も不思議だ。あれだけのパニック状態になったなら、まずは運転室に向かって船を操作しよう、というのが当然の発想だと思うのだが、無人で航海を続ける船は滞りなく海を進んでいる。誰もそこに突っ込まないのは何故か? また、後々の部屋誤認トリック(モロバレだが)の構図を見る限り、一人目を殺したボウガンの矢は隣の部屋のドア付近から飛んでこないとおかしいはずなのだが、どこにも発射装置らしきものが見あたらない。一体どんな構造になっているのか。ドアにトラップが仕掛けられている可能性も高いはずなのに、「その部屋を開けてみろ」と一弥に命令するヴィクトリカもマジ鬼畜。

 そして最大の疑問は、どうにもアップダウンの激しい容疑者(兼被害者)たちの心理状態だ。こうしたクローズドサークルもので最も難しく、描写しがいがあるファクターは「極限状態で追い詰められていくキャラクターたちの心理状態」だと個人的には思っているのだが、そこがまったくついていけない。部屋を飛び出して殺された1人目の老人。これは典型的な「お前らと一緒にいられるか! 俺は部屋に戻る!」役なのでまだいいとして、その後の面々が「ボウガンがいきなり飛んできた」のを目の当たりにしながら考え無しに部屋を飛び出した理由が分からない。「CUBE」のようなトラップパニックものなら、これまで進んでいなかった未知のフィールドに進む方が圧倒的に恐ろしく感じると思うのだが。あの老人達は船のトラップの場所を全て熟知した「猟犬」たちだったということか。それなら最初の一撃で殺された説明がつかない。

 極限状態になっているとはいえ、あそこまで荒れ狂う海に飛び出そう、という神経も分からない。素人目に見ても、船の上なら未知数だが、海に出たら確実にお陀仏だということくらい分かりそうなものだが。もし「死んでもいいから逃げ出したい」ほどの恐怖があの船の上にあるのだとしたら、その描写は未だなされておらず、説得力に欠ける。そもそも、そんな連中は招待状1つであの船に乗ったりはするまい。他の連中にしてもどこまで怖がっているのかが微妙で、舞台俳優の某は自己紹介のくだりで「殺人犯の役をね」なんて余計な軽口を叩きながら、「お前がやったのか」と詰め寄られるとマジギレするという訳の分からない精神状態である。当然、突然ブチ切れて銃を振り回し出すおっさんの心情など分かるはずもない。

 また、これは矛盾というより描写不足の部類だが、一弥とヴィクトリカの絡みでは、序盤に一弥が「ヴィクトリカは死体を前にしても冷静なままで、本当に感情があるんだろうか」みたいなことを思い、後半に彼女を背負うシーンで「やっぱり幼い女の子なんだ」と思い直す部分がある。ヴィクトリカという不思議なキャラクターの内面性を探る効果があるわけだが、他のギャラリーもいちいち死体のことなんか気にしてないし、一弥自身がそこまで事件に恐れおののいている風にも見えない。他との対比で「ヴィクトリカの強さ」みたいなものが見えにくく、かえって「実はふるえている」ことの方が不自然に見える。

 とにかく、色々なシーンにおいて理屈が合わなかったり納得出来なかったり、フラストレーションが溜まっていく。これで一弥がエレベーターに乗ろうとして俳優の人が「よせ!」って叫んだことが伏線になってなかったらどうしよう。マジでこのシナリオラインだと矛盾だらけだからスルーされそうな気がするんだが……どうかねぇ。 

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  恐怖のエンドレスファイブ、第15話。今回はついに、初のバトルシーン無しエピソード。ここまでぎっちり物語が作れるなら、最初から妙なこだわりを無くしても良かったと思うんだけど。

 これまで天然不思議系として活躍してきたミズノだったが、今回は2つの点から一気にどん底へとたたき込まれてしまう。1つ目は、タクトとワコの関係性への干渉。ワコの気持ちも、タクトの思いも、未だはっきりしない奇妙な三角関係。おそらく一番意識しているのはワコだろう。ミズノとのキスシーン云々の問題でタクトがのらりくらりとしているのを見て自身でも判断の付かない妙な嫉妬に駆られ、思い切りアイスをほおばって立ち去るワコ。勢い任せの行動ながら、タクトの食べていたアイスを横取りすることにより、「実際は練習まで行かなかったミズノよりも先に間接キスをする」というアプローチに出ている。このあたりのことを意識せずに勢いでやってしまうのがワコの悩ましいところ。

 そして、遂にヘッド直々にスカウトを受けた「王」スガタ。戦士など自分には勝てるはずがないと放言するヘッドは、「タクトは間もなく敗れる」と挑発してくる。スガタはもちろんタクトを信じないわけにもいかない立場だが、その意識を改めて確認すべく、ワコとの関係性を餌にした真剣勝負を挑む。その心中には、王としての今後の方向性を定めなければならないという遠大な悩みも含まれているのだろう。タクトはタクトで、そんなスガタを知ってか知らずかワコの目の前でそれを受諾。ワコの方は幼い男連中を見て困り顔だ。相も変わらず微妙な関係性は動くようで動かない。

 しかし、傍目に見れば、それは明らかな三角関係。偶然そのシーンを目撃したミズノは、真っ直ぐ目もくれずに突き進んだ幼い恋心に初めてのひびが入り、自分でもどうしていいのか分からない状態。加えて姉のマリノまでタクトに心を寄せていた感があり、自分の気持ちの優先順位を計りかねてしまう。

 そして、そんな幼いミズノの心にさらなる追い打ちをかけるのは、幼少の頃に決定的なトラウマを与えた母親の帰還。天真爛漫な彼女ではあるが、母親との確執だけは唯一にして最大の心の影。マリノは「戦う意志」を示してみせたが、最大の理解者であるはずの姉の言葉すら、ミズノは拒絶してしまう。そして得られた精一杯の答えは、一時島を離れるという選択だった。

 そして、残酷な島の運命を全て知ってしまったミズノ。自分は巫女である。巫女には巫女の使命がある。そして、島から出ることはかなわない。一気に突きつけられた悲しい運命に、ミズノは拠り所を失う。そして、そこに現れたのは……

 

 なおざりなバトルシーンが無いために、ミズノの全てがたっぷりとした尺で描かれていく。ワンエピソードの中だというのに衝撃的なカットが多く、これまでの中でもトップレベルに密度の濃い内容となっている。まず、冒頭ではミズノとタクトの出会いのきっかけとなったひな鳥がいつの間にか巣立ったことが描かれる。タクトは「君のおかげだ」と褒めそやしたが、彼女にそんな意識は特になく、あくまで時間が経ったから、ひな鳥は翼を得ることが出来たというだけのこと。そして、時間の紡ぐ成長物語ということで、少女であったミズノにも、いつしか巣立ちが訪れることを暗示させる。彼女が巣立つべき「巣」となるのは、やはり唯一の理解者である姉のマリノ。しかし、今回のエピソードにおいて、ミズノとマリノの間には決定的な溝があった。

 過去にも何度か現れた、姉妹の過去の回想。しかし、2人の思い描く回想には決定的な差異がある。それは、「マリノの有無」。改めて見返すと、本来姉妹仲良く寄り添っていたはずの木の上のシーンや、橋の上のシーンで、何故かマリノの姿が確認出来ない。そして、先週から新規版に切り替わったオープニングの映像においても、この「マリノの消失」は実に明示的に描かれている。ミズノにとってのマリノとは、一体どういう存在なのだろうか。ヘッドやケイトの見た「マンティコール」の正体とは?

 「マリノとは何者なのか?」ということが表面化された謎になると、今回のエピソードは本当に恐ろしい。例えば部屋で2人が互いのベッドの上に居ながら会話をするシーンがあるが、同じ構図で描かれた2つのベッドの映像が、ミズノ側からマリノ側に切り替わると、いきなりマリノが消えているシーンがある。実際はミズノのベッドに移動しているだけなのだが、その一瞬の「消失」にはどきりとさせられる。また、今回クライマックスとなった恐怖の「ループ」シーンにおいても、ことさらに強調されるのが「マリノの不在」だ。ミズノがどれだけの朝を迎えても、どれだけの恐怖に怯えても、そこにはマリノの姿が確認出来ない。ずっと守り続けると誓った心優しい姉は、どこへ消えてしまったのだろうか。おそらく次回が「西の巫女編」のクライマックスとなるのだろうが、このあたりの結末は何がどう転がっても衝撃的なものになるだろう。今からやきもきしつつ待ちたいところだ。

 今回はサスペンスタッチの緊張感溢れるコンテワークがいつにも増して意味深で、ずっと引き込まれっぱなしだった。既に定番となったミズノたち姉妹の部屋での会話パートなんかはお約束で、陰影の差や構図の対比が綺麗に決まっている。前半、いつもならば降り注ぐ日の光の中を無賃乗車で颯爽と走り抜けるはずのミズノの上に、初めての雨が降り始めてからというもの、画面はずっと暗い。これまで西日が射し続けていたミズノのベッドも、今回は月明かりがかろうじて照らすだけである。ただ、それでも部屋の奥にある薄暗いマリノのベッドとは対比的であり、影に向かっておのが心情を吐露するミズノの気持ちが、どんどん暗い方へと向かっていることを暗示させている。他にも、ワコと出会っていくらか平静を取り戻したミズノが歌っているのは、西日が沈みかけた海岸線であり、「西の巫女」としての存在感がさりげなくアピールされていたりもする。もちろん、そこに現れたケイトの、全く対照的な不適な笑みについても、既に語る必要も無いものだろう。

 次回は今回の分もまとめてのバトル回となるのだろうか。順当に盛り上がって参ります。気分はどうしても沈みがちではあるが、この緊張感を維持したまま「アゲて」いってほしいものである。

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  徐々に鬱々と、第14話。序盤はギャグテイストだと思っていたのに、人間関係が煮詰まってきてジワジワとキツい展開も増えております。流石に2クール目である。

 西(日死)の巫女編もクライマックスが近付いているようで、タクト回りの人間関係と綺羅星絡みの戦略関係で少しずつミズノちゃん包囲網が縮まっている。まずは学園編。演劇部でキスシーンを入れる、という部長の宣言に、「ヤングガンガン」を志したミズノちゃんが果敢に立候補。若さのリビドーは目的を達成することに。そして、そんな状況に複雑な思いを抱く女心2つ。

 1人目は当然、ワコである。タクト・ワコ・スガタの三角関係については五十嵐監督と脚本の榎戸さんのどちらもが「この物語の中心的テーマである」と明言していることからも分かる通り、シリーズを通じて描かれていく最大の見どころ。今のところタクト側は単なる脳天気な女たらしなので、平気で女性の部屋にあがりこんで「彼女はいません」などといえるわけだが、ワコの方はそうでもない。スガタに「残念だった?」と尋ねられるというのは、彼女の中でどの程度難しいシチュエーションなのだろう。このまま自分の気持ちに整理がつかないと、糖分過多で死んでしまうかもしれない。本来ならもうちょっとワコに絡んでやらなければいけないはずのスガタが、最近はもっぱらヘッドとの逢瀬に忙しくてワコとあまり関係性を持っていないのが問題な気がします。一度は片付いたかに思われたスガタとタクトの対比構造は、またどこかで現れてくるのだろうか。

 そして、もう1人の女性というのは、もちろんマリノである。自宅にあがったタクトの「彼女はいない」宣言を受けて特大ホームランをぶち上げたマリノであったが、妹がタクトとキスシーンを演じると聞き、隠す様子もなく意気消沈。一度は祝砲を撃ったバットも空を切る。今のところタクトとはそこまで密な関係性を構築していない彼女だが、このちょっとした「挫け」が、「マリノ」ではなく「マンティコール」に影響を与える。

 そんなマンティコールの決意によって動き始めた綺羅星十字団。禍々しきサイバディ・アインゴットを復活させることに成功し、その「眼」でもって島の巫女を見通す。第2フェーズへと至ったマンティコールのパワーにより、なんとか当初の目的は達成することが出来た。そして、予定通りに「西の巫女などいない」と嘘の宣言がなされる。これでミズノは守られる……と思いきや?

 やはり出てきた、イヴローニュことニチ・ケイト。前回の様子からも伺えたが、彼女は「西の巫女」の真実に気付いており、復帰したヘッドとともにマンティコールの欺瞞へと迫る。巫女に関わる全てをここまで見通すということは、やはり彼女こそが。「同じ時代に巫女が生まれる」ってことは、当然どの巫女も同い年ってことだものねぇ。

 見透かされた真実。それでもマリノは妹を守ったことに対する満足感で一息を吐く。何があってもミズノだけは守る。そう誓っていつものように2人で入浴する姉妹だったが、マリノは思わず「タクト君って格好いいよね」と漏らしてしまう。それまで決して妹に見せなかった本音に、ミズノは何かを感じ取ってしまう。巫女を捜すという欺瞞と、妹を守るという、自らの心すら欺く欺瞞。2つの方面から、マリノは次第に追い込まれていくことに。

 少しずつ多方面から影がさす人間関係。他にも、ゼロ時間中に姿を消したヘッドの存在にスガタが気付いてしまったり、ヘッドの復活によってバニシングエージが再び影で動き始めたり、色々と不穏な動きが多いです。今回はそうした「曰く言い難い暗雲」みたいなものが少しずつ広がっていく様が、序盤のギャグテンポと対比されてにじみ出てくるような気がしました。相変わらず戦闘シーンとかはなおざりなんだけど、ようやくシンプルに「なんだか怖い」と思えるサイバディが登場したのは面白かったし、第2フェーズに突入した不気味なエフェクトなんかも見せ場としてはなかなか。そういやオープンエンドの変更なんてニュースもあったし、なんとか2クール目にもう一盛り上がり欲しいところです。ただ、オープニングを見てもやっぱりハーレムアニメにしか見えない。

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  「あ、終わった」てな感じの第13話。戦闘があまりにあっさりしすぎているので、いくら楽しみにしてるとはいえ、ちょっと盛り上がるには足りない部分が多いような気がします。

 前回のエロ人妻に続き、今回の主人公は寮長ことシナダベニオ。一度は第1フェーズの力でスガタをコントロール出来そう、ってなところまでいった彼女だったが、王であるスガタとは器が違いすぎたために、結局サイバディをぶち壊されて泣き寝入りしたという過去を持つ。彼女が剣道部部長っていう設定自体既に忘れていたので、剣をメインとしたシナリオになったのはちょっと意外であったか。

 ベニオの気持ちが向いているのは基本的にスガタ。剣の実力も高い「王」との関係性を深めようと剣の勝負を挑むも、前座であるタクトとの試合で小馬鹿にされたと感じて敵前逃亡。「とりあえずスガタの友達なんだから唾つけとくか」という程度の気持ちで夜這いに行くも、サイバディを破壊されたせいなのか、第1フェーズの能力も既になく、なんだか妙な繋がりが生まれただけ。このままでは綺羅星内での立場もどんどん悪くなるし、どこかで一発逆転をねらわにゃならんってタイミングでイブローニュにそそのかされ、科学ギルドが進めるサイバディ再生の実験台1号として名乗り出ることに。無事に復活は成功するも、事前にタクトと剣を交えていたことが災いして瞬殺。さらに現実世界でもタクトに敗れてしまい、終わってみれば頬を赤らめるベニオの姿が……

 前回の人妻が割とミステリアスで面白いキャラクターだっただけに、今回のベニオのストレートなキャラ造形は、今ひとつのめり込む要因となりにくい。今回新たに提示された彼女のステータスは「部下思い」「家名のために頑張っている」っていう部分くらいで、これまでの物語とのからみが少なく、あまり興味が持てないのが辛いところ。フィラメントの面々がなんだか可哀想な状態だということは分かったのだが、「二度と目が醒めない」とか「世界経済を握っている」とかいうリスクを負っている他のスタードライバーに比べると、「結局私怨だし」という印象しかないのである。最終的にタクト相手に頬を染める心境もよく分からないし……うーむ、フィラメントって必要な連中なのだろうか。

 今回敢えて気になった点をあげておくとしたら、むしろフィラメントではなく、ブーゲンビリアの代表であるイヴローニュことケイトの存在であろう。保険医に続いて寮長の正体まで暴いて次々に現実と綺羅星の二重生活を連結させていくケイト。彼女はどうやって他のギルドメンバーの「仮面の下」を知ることが出来たのか(いや、視聴者からしたらバレバレではあるけどさ)。また、さりげなくベニオを刺激してサイバディの復元をそそのかしたり、なんだか他の隊をうまいこと操っているような印象もある。保険医の時も似たような感じで裏方に回って高みの見物してたし、実はブーゲンビリアだけは部下のオンディーヌが暴走しただけで、自らの意志で戦いを挑んで黒星を付けたことが一度も無いんだよね。綺羅星のトップは当然ヘッドたち率いるバニシングエイジなんだろうけど、今後イヴローニュがどういうスタンスになるのかが気になるところ。

 ついでにあげておくと、今回ケイトとベニオが顔を合わせた場所は、海に沈んだ神社の上。そしてケイトは、「ここが島で朝日が一番に見える」と発言している。つまり、「東向きの神社」。そして、現在見付かっていないこの島の巫女は、ヒガシの巫女だけである。神社に思い入れがあり、その成り立ちをしっているようなそぶりを見せる彼女は、一体どういう立場なのかな? かな? そういやワコやスガタとも昔は仲が良かったんだっけね。

 色々と興味深い点はありつつも、流石に最近の戦闘の適当さ(画像の質は相変わらず高いのだが)はちょっと不安になってくる。今回はミズノちゃんも出てこなくて巫女ソングも聴けなかったし、停滞している印象は否めない。1クール目が終わって次はまた始まりの節目。ここらで一発、序盤の刺激を思い出して元気よく行ってほしいものだ。

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  ファンネルかと思ったらギア戦士だった第12話。もう、タウバーンの精密な立体化とか、多分無理だろ。

 前回に引き続いての、エロ人妻ことカナコメインのエピソード。正確には、前回がシモーヌ目線からのカナコ像で、今回は本人を中心とした物語となっている。筋立ては至ってシンプルで、憧れと違和感を伴うカナコの学園生活にタクトという異物が介入した結果、綺羅星の「頭取」としてはどうにかして排除しなければならない宿敵が出来てしまったのに、学園生活は楽しくなりましたね、っていういいお話。

 脇でこっそりとタクトがシモーヌ相手にフラグを立ててしまったり、少しずつヘッドとスガタがにじり寄ったりしているなどの様子もあるが、今回はカナコの描写が大半だったので、脇道はほとんど無かった。相変わらずサイバディ戦闘は一瞬で終わってしまうのがどうかと思うのだが、あの短い中でいちいちあり得ないネタ要素を仕込んでくれているのだから、見ようによってはすごく贅沢な無駄遣いと言えるかもしれない。「どうしてタクトはあんなファンネルの利用法を思いつくんだよ」とか、「結局どれだけカナコの本体が強くても、サイバディのボクシング能力は大したことなかったんじゃね?」とか、気になる点は多々あれど、戦った当人達は満足そうだったし、そこは気にしなくていいんじゃないでしょうか。あぁ、もちろん突如現れたリングはカナコのサイバディの特殊能力だよ。きっとあの人は第1フェーズを使えば現実世界でもリングを瞬時に生み出すことが出来るんだよ。そうに違いない。

 結局破損したサイバディの修復も行われず、綺羅星会議で得られた大きな情報は、「スガタが目覚められたのはザメクの修復が終わったからじゃないか?」という気になる情報だけ。続けざまに部隊長クラスがガンガン負けている綺羅星はこのままで大丈夫なのかと不安になるけど、来週はスカーレットキスが再挑戦するようなので、そちらに期待するしかないでしょうね(いや、負けるけども)。

 カナコは強烈なキャラクターだが、今回はそこまで大きな無茶もせずにちょっと悶々としていたので、画面的にもネタ的にも大きな動きはなかったエピソードといえるのだが、不思議と面白かった。演出方向が独特で、特に印象的なのは散逸的な場面転換を結ぶ「画と音声のずらし」の多用。画面が変わっていないのに次のシーンの音声を先に重ねたり、逆に画面だけ次のシーンに切り替えても台詞は後の方までこぼしたり、不自然にならない程度に流れを作るカット切り替えが秀逸。もちろん、そうしたスタイルをとる際に、画面と台詞のどちらかにきちんと繋ぎの要素を加え、多層性を強調することで特殊な切り替えに意味を持たせることも意識的に行われている。このあたりの配分が実にいい塩梅だ。今回は8話でもコンテを担当した岩崎太郎氏という人の1人コンテ演出回だったようだが、8話も割と好きだったので、この人の画作りは波長が合うらしい。

 他にも、今回はカナコの複雑な内面性がテーマとなっており、その見せ方が上手い。おもてだって露骨な描写としては、仮面の忍者さながらにタクトの後を追い、初めて「カナコ」ではなく「頭取」として会話をするシーンがある。相変わらず「仮面さえしてればバレないんかい」とは思うが、あれだけタクトに色目を使っているカナコが、「頭取」として接する時には容赦無く敵として認識するというギャップが際立っている。

 そして、サブタイトルにもある「ガラス越しのキス」。今回は「〜〜越し」というのが色々なところでキーとなっており、例えば頭取とタクトの対話シーンは、いうなれば「仮面越し」であるし、デートの誘いをするのもシモーヌを使った「従者越し」、授業中の会話は「背中越し」だ。こうした「隔たりのあるコミュニケーション」は、カナコが学園生活に対して常にどこか違和感を抱いている証拠でもあり、特定の人間以外とは真に心を通わせられないことを意味している(思えば従者であるシモーヌやタカシとも直接顔を合わせない背中越しの会話が多い)。だが、今回は「サイバディ越し」の戦闘を経て、最終的にはパワーウィンドウを下げた「向き合った上でのキス」に成功している。「頭取」はタウバーンに敗れて己の野望から後退してしまったものの、「ワタナベカナコ」はクラスメイトとの関係性で一歩前に進むことが出来た、という二面性がよく分かるエンディングカットであった。

 今回は他にも、一発でボコられてしまったジョージの情けない顔とか、そんなカナコを見てぽかんとするシモーヌの表情とか、この作品では珍しいタイプの「崩し」があって面白かったです。シモーヌは意固地な空気が薄れたので、普通に可愛くなってきている。困ったもんだ。

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  サブタイトルの響きからきっとギャグ回に違いないと期待したら、そうでもなかったのでちょっとがっかりした第11話。いや、勝手な思い込みだったわけですけども。

 今回の主役は、エロ人妻カナコの従者、シモーヌ。3話で少しだけスポットが当たったミセス・ワタナベの従者2人だったが、今回はさらに掘り進めて、ワタナベ家とシモーヌの因縁の物語を描いている。これまで特に注目されてこなかったキャラクターがいきなり過去を語り始めるというのはよくよく考えればあんまりそそられない展開な気もするのだが、この作品は特に誰がメインという構図がはっきりしておらず、キャラクターも増え続ける一方なので、こうして少しでも地に足の付いた描写のあるキャラが増えるだけでも安心できてしまうのがなんとも。

 シモーヌの正体は、カナコの夫であるレオン・ワタナベの実子である。レオンとその秘書の間に生まれたシモーヌは、姉の指示によって憎きカナコの懐に潜り込むことに成功し、同僚であるタカシを抱き込み、いつかは主人をその座から追い落として綺羅星での地位を確立してやろうと目論んでいた。3話でもその様子は描かれていたし、諾々と従うふりをしながら、腹の中では「この女が嫌いだ」と唾棄し、自分の野望を達成せんとする様子は今回も顕著。だが、終わってみれば彼女の反骨心ですら、ミセス・ワタナベの手のひらの上であったことが分かってしまうというお話。メインで描かれたのはシモーヌだったわけだが、結果的にはカナコの計り知れない人間の度量のでかさばかりが浮き彫りになっていく。

 後に続く要素は多々あるだろうが、今回は1話完結で「シモーヌのエピソード」として成立していたので視聴後の印象は悪くない。中盤の緊張感のある演出は不覚にもドキドキしてしまったし、少しずつ形成されていくカナコのキャラクター描写も面白い。シモーヌが「カナコの奴が慌てているのを初めて見たぞ。これはきっと、私にその地位を追われることが怖くて焦っているに違いない」とほくそ笑んだのに、終わってみれば単にシモーヌやタカシがサイバディ戦闘で傷つくことを心配して語気を荒げていただけであることが分かるという、何とも寓話的なセッティング。最も近いところに埋伏の毒と知ってシモーヌを置いた動機が「だってすごくロマンチックじゃない」というぶっ飛んだものであることも、彼女の器のでかさを物語っている。もちろん、授業中だってのに先生の存在など一切気にせずにタクトをたぶらかし、突如パーティーの提案をすることなんて朝飯前だ。今のところ一番悪の幹部っぽい悪役ですな。

 また、コンテワークとしては今回要所要所で登場した「見ること」というファクターの使い方が面白い。中心となるのは「最近鏡で自分の顔を見る時間よりもカナコを見つめる時間の方が長い」とシモーヌが独白するパートだが、それ以前に、彼女は剣道場で練習するタカシをじっと見てしまうシーンがある。同様の行為はマリノが演劇練習中のタクトを見つめるシーンにも対応し、その答えはミズノが語る「だって見つめるってことは好きってことじゃない」。マリノ→タクトはほのかな愛情であり、シモーヌ→タカシは露骨な親愛。となると、自ら「ずっと見ていた」と語るシモーヌ→カナコという視線の向きは、本人も自覚しない過度な「愛情」を表すことになるわけで。締めの一言は「やっぱりこの女は嫌いだ」という繰り返しのフレーズだったわけだが、シモーヌの持つ相反した感情を効果的に見せる、実に面白い演出だった。

 加えて、「見ること」に「鏡」というファクターが絡むのも見どころで、「鏡を通して見つめる」ことに「愛情」は乗りにくい。それは、シモーヌが鏡越しに見つめていたのが自分自身であることからも分かる。普通、鏡越しに見る顔と言えば自分の顔が一番多いのだろうが、今回鏡越しに会話をしたキャラクターが存在している。それが、マリノとミズノである。「直接見ること」が愛情であるなら、「鏡を通して見ること」は何を示すのか。ミズノとマリノの関係性は、今後のシナリオでは重要なポイントとなりそうである。

 静かな中にも色々と見るべき点が多かった昼ドラのごとき展開だったわけだが、その割を食って戦闘シーンは相変わらずあっさり目。シモーヌがアプリボワゼしてタカシが戦うという作戦の意味がよく分からなかったし、スガタが何をしたのか分からなかったので勝因も不明。スガタとヘッドの邂逅は重要な意味を持つことになりそうではあるのだが、少なくとも現時点では何が起こっているのかさっぱり分からぬ。どんどん影が薄くなっていく主人公達、大丈夫か?

 あとの見どころは2人の巫女の歌唱シーンですかね。ワコのミズノも、落ち着いて聞けるようになるとやっぱり雰囲気を持ってますわ。最終的には4人の巫女の大合唱とかが聞けたりするのかなぁ。

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  カタミ・ワカチタ・ヤガダンセ、第10話。最初は「片身分かちた」とかで恋しい思いを詠った呪文なのかなぁ、とか考えながら聞いてたんだけど、途中で単なる逆読みだと気付いて腰が砕けた。あの島、関東界隈なのか?

 突然の体育で、胡散臭いダーツバー軍団の一人を含む隣のクラスにぶつかるタクトたち。スタードライバーも、綺羅星も巫女も、野球をやるだけなら普通の高校生ですよ。普通に投げて、普通に打ってました。一応スポーツ万能少女であるマリノとの(文字通りの)接触はあり、お互いにミズノを通しての情報交換が行われている旨を伝えあい、ついでにミズノの胸中にはサブタイトルにもあるようなほのかな感情が。前回のミズノちゃんのファーストインプレッションで初恋は分からないでもないが、今回は単なるアクシデントだったわけで、そこから頬を赤らめる意味はよく分かりませんけど。

 タクトをどうしたらいいか、さらに分からなくなってしまうミズノ。そんな姉の胸中を知ってか知らずか、今まで以上に野放図に飛び回るマリノ。二人の意志とは無関係に、バニシングエイジは次なる刺客を送り込む。野球の試合でタクトを三振に打ち取った奴(名前はよく分からない)が、ごつい割には「飛び回る4つの球体」という地味な攻撃で攻め立てるサイバディで進軍してきた。予測不可能な動きを見せる飛び道具に防戦一方のタクトだったが、ミズノちゃんに教えてもらった胡散臭い「大丈夫の呪文」を唱えた途端、何となく元気になって何となく勝利。何となくおめでとう。

 「呪文を唱える」→「本当に大丈夫になる」ということは、少なくともタクトはミズノのいう通りに「呪文を信じていた」ということになるのだろうか。自分以外にも妹のことを信じられる人間を目の当たりにして、マリノはさらに揺れる。「お姉ちゃんと私はいつも同じものを好きになるから」。屈託のないミズノの笑顔に、マリノはさらに複雑な状態に……

 

 突然の野球回というのは、意味も無く視聴者を不安にさせる。伝説の「宇宙をかける少女」第9話の存在が頭をよぎるからだ。本作の場合、流石にそんなことは仕掛けてこないが、だからといって面白いかといったら微妙なところ。別に野球でなくても良かった気もするし、取り立てて盛り上がる要素があったわけでもない。あくまで「マリノとタクトの出会いの場」であり、「今回のバトルの伏線」であっただけ。一応話に繋がっているから構わないけど……ギャグのノリとしてもイマイチ盛り上がらなかったしなぁ。ちょっと消化不良。というか、今期はどれだけギャグを絡めようとも「パンスト」「ミルキィ」がいるから密度が薄く感じてしまうんだよね。イカんことだとは分かっているのだが。

 野球が終わればあとはいつも通りに。今回メインとなったのはマリノの心情であり、妹を思う気持ちと、綺羅星の一員としてタウバーンを打倒したいという気持ち、そして新たにタクトに対して生まれてしまった気持ちなど、本当にややこしい状態になっている。一時はミズノを説得してそうした関係性を簡略化しようとしたのに、タウバーンのバトルを見たおかげで余計ややこしくなってしまったわけだ。今後どういう風に動いてくるんだろう。

 そんなマリノの心情を表す演出として印象的だったのが、ミズノの部屋で彼女を説得しようと対峙するシーン。常に光を浴びながら明るい世界を生きるミズノに重ねて、全く同じ構図で部屋の奥に座るマリノが対比される。明と暗、動と静、双子の姉妹ははっきりと別れているが、綺麗に重なる構図がどうしようもないほどの「等しさ」も同時に表す。さらに、ミズノを膝枕するシーンになるとマリノは「光の当たる方」へと移動しており、妹の力によって、彼女が「明」の方向へと進めていることも暗示されている。もっとも、そんな妹は窓を飛び出してさらなる光へと進んでしまうわけだが。

 外へと飛び出したミズノは、巫女の名物であるアカペラ歌唱を披露。サカナちゃんやワコと比べて、随分明るくて活動的な歌である。当然今後はタウバーン登場シーンにこの歌が重なるわけだが、「モノクローム」に慣れてしまった身としてはちょっと浮いているような印象を受けてしまう。こればっかりは慣れの問題だとは思うけど、もう少し重厚さが欲しいかなぁ。下手ではないので今後のミズノの立ち位置次第では面白い素材だと思うんだけど。こうしてバックミュージックで「現在の物語の中心が誰であるか」というのが分かるのは面白い部分か。

 他に気になった点というと、まずは相変わらず微妙な立ち位置をうろうろしているスガタの存在。ものすごく安易に王の柱を起動しようとする浅慮には困ったものだ。そして、「バックアップは野球だけか」と、ゼロ時間での自分のふがいなさに嘆息するシーンも。彼は本当にタクトとうまくやっていけるんでしょうか。

 そして、そんなスガタやワコと旧知の仲だった科学部部長、ケイトの過去もちらっと見えた。あんなクールな立ち位置だったのに、ワコと仲良しだったとは意外である。ま、この島の社会はめちゃくちゃ狭くて小さいから、みんながみんな仲良しでも不思議じゃないけどね。

 そう考えると、毎回ボコられる負け犬同盟も案外スガタあたりとお友達だったりしてな。……ファンネルが飛んでくるとあっさり負けるってのは理不尽だよなぁ。そもそも「ソードスター」って呼ばれてるのにメインウェポンが飛び道具ってのは理不尽だよなぁ。ほんと、敵キャラ適当すぎやで。

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  真の綺羅星! 第9話。ウザキャラが増えれば増えるほど、この作品は期待している方向へ進みます。前回みたいなシリアス展開でもばっちりキメられるけど、やっぱりこの作品は、馬鹿が一番。

 前回、サカナちゃんの逃避行にたまたま乗り合わせていた「天然ちゃん」、ヨウ・ミズノ。タクトとの運命の出会いを皮切りに劇団にも加入した彼女は、憧れのタクトとの距離を次第に縮めていく。そして、彼女の双子の姉であるマリノは、綺羅星十字団で傷心のヘッドに変わってバニシングエイジの指揮を任された重要人物であった。利害関係は複雑ながら、実力を認められた彼女は事実上、綺羅星十字団を統べることとなる。

 そして、そんなマリノの配下となるべき、バニシングエイジの真の姿。実力者を臭わせる曲者揃いの一団は、ヘッドが残した「第2フェーズではタクトに勝てない」という言葉を聞き入れず、理由を付けてタクトへと攻めかかる。しかし、案の定タクトは襲撃を一蹴。十字団にとっては、破損したサイバディの修復と、西の巫女の捜索が最優先事項であることが確認された。

 自宅に戻り、妹のミズノからタクトの話を聞くマリノ。タクトは打倒すべき敵なのは間違いない。しかし、巫女を見付けるわけにもいかない。なぜならば、愛する妹ミズノが、西の巫女の正体であるからだ。

 

 突如現れたピンク髪の曲者姉妹。かたや綺羅星を統率するリーダー格でありながら、かたや島の運命を左右する巫女の1人であるという。ワコやサカナちゃんはあっさり巫女だと看破されているのに、あの歳で巫女の正体が不明っていう状態はよく分からないが、とにかく巫女なので鳥とお話出来たり、呪文を使えたりするようだ。この島の超常現象に対する認識のレベルがよく分かりませんね。

 巫女は自然にタクトに惹かれ、そのタクトを倒すべき綺羅星幹部が妹である巫女を守りたいと思っている。何ともややこしい構図であるが、次回予告を見る限り、どうやらそんなマリノも恋愛モードに突入する模様。相手はタクトになるのか、それとも王であるスガタあたりか。バトルと恋愛が絡むとややこしくてしょうがねぇな。島中の女性キャラがエロ人妻や保険医みたいに色ボケの節操なしだったら助かるんだけどなぁ。

 新キャラの登場はなかなかのインパクトを伴っている。まず今回メインとなったミズノちゃんであるが、天然キャラそのものの設定ながら、前回の副部長の移動手段を見てすぐに実行してみる活発さと人智を越えた身体能力。鳥と話せることが自然に分かる特殊能力と、「じゃ、動物とは仲が良いんだね!」と思わせておいて副部長を絞め殺すうっかりっぷり。天然キャラってのは阿漕になると単なる馬鹿だったり鼻についたりするものだが、今のところミズノちゃんについてはそう言ったマイナス面の印象はありません。あ、絵は下手でしたけどね。

 そして、サブタイトルの割には妹よりもさらに目立っていたのが、姉のマリノ。普段の妹思いの控えめな態度と、仮面を被った後の超絶ウザキャラの落差がひどい(良い意味で)。綺羅星の連中は基本的にコント集団なわけだが、またまたいいかき回し役が現れたもんである。ヘッドがいなくなって代わりに一番目立つ席についちゃったもんだから、総会の円卓がほとんど女性オンリーになっちゃってるのはどうかと思うが……オーディエンスは楽しそうだからいいか。前から気になっていたのだが、あの総会を見て巻き起こる歓声やブーイングは、一体どこからわき上がっているんだろう。多分あの円卓の回りに下っ端構成員がいっぱいいるんだろうけど、わざわざあんな井戸端会議を聞くために召集されているかと考えると、なかなか不憫な集団である。ただでさえ島民の数なんて少なかろうに、夜中にあんなに大挙して大丈夫なのかね?

 そして、綺羅星内部の「仲の悪さ」を象徴するかのように姿を現した、バニシングエイジの隠し部屋(という名のお遊戯部屋)。「真の綺羅星!」ってことは、他の隊はあくまで噛ませ犬で、最終的にバニシングエイジが覇権を狙っているということなんだろうか。組織図がよく分かりませんね。一癖もふた癖もありそうな怪しげな男連中はいかにも綺羅星らしい物言いであるが、あり得ないくらいのあっさり展開で瞬殺されてる時点で、全員口だけのアホにしか見えないのが流石である。今回やられた奴が一番優れてる能力って、多分ダーツだけじゃないのかな?

 今回は綺羅星メインだったのであまり出番が無かった主人公3人衆だが、冒頭、一緒に風呂に入ることですっかり仲直りが完了したことをアピールするスガタとタクト。結局、前回の騒ぎでお互いのことは理解し合えたみたいですね。スガタが開き直って少々上から目線になってはいるものの、「王」と「戦士」という名の友人関係としては、案外ベストの形なのかもしれません。ワコとの関係もうまく行ってるみたいだし、こいつらはしばらく心配しなくてもいいんでしょう。

 残念なのはバトルシーンがどうしても薄味になってしまっていること。今回の敵に至っては、せっかく「槍使い」という属性があったのに、発揮する間もなく一瞬で退場させられた。一応タクトが勝利した理由として「直前に『俺のはちょっと長いぞ』という卑猥な台詞を吐いたスガタと一戦交えていた」ことがあげられるわけだが、それにしたって理不尽な負け方だ。そして、バトルシーンでサカナちゃんの「モノクローム」が流れないのも残念な部分。もう2度とあの雰囲気は楽しめないってことかなぁ……ミズノちゃんが早く目覚めて歌ってくれることを期待するしかないのか。そう言えば、前回のサカナちゃん旅立ち前のバスのシーンは、4人の乗客のうち3人が巫女だったことになる。……ってことは、もういっそ同乗していた科学部部長が残された東の巫女ってことで綺麗にオチが付くんじゃないだろうか。そうすればあのシーンの意味もしっかり生きてくることになるし。今後の展開に期待。

 で、当然キャストの話。ミズノちゃん役には遂に堂々のレギュラーを獲得しました、日高里菜が躍進。今まで見てきた中では一番年齢の高い役(一応「れでぃ×ばと」のみみなは19歳だけどな)ですが、考えてみりゃ本人と同い年なわけで、これまでよりも自然でのびのびした演技が期待される。あと、巫女だから今後は歌うことも強要される。さぁ、どんなものやら。

 そして、意外な伏兵として一気に表舞台に躍り出たのはマリノ役の「塩大福」広橋涼。普段のしっとりマリノは涼ちんとは思えない「普通の声」だったので最初気付かなかったくらいなのだが、綺羅星モードになった後のウザさは某ファミレスの山田をも上回る濃さ。ほんと、美味しいとこ持っていくよな。

 他にも、バニシングエイジの馬鹿共が増えたおかげで男性キャストも一気に補充。キャラの名前すらよく分からない連中だが、鈴村健一、梶裕貴、木村良平と、安定感のある面子が名を連ねている。石田彰が戦線を離脱した穴を埋めることが出来るだろうか。色々と楽しみだ。

 次回は何故か野球で勝負。突然の野球というと「宇宙かけ」のトラウマが刺激されてやるせない気分になるが、予告の画面だけ見たら作画のレベルが無闇に高い。期待して次週を待て。

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