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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ハイペリオンさん!? 第88話。お約束、マンネリの固まりである今作において、「予想外」をやられたのは久しぶりである。前回の次回予告、完全にひっかけだったのね。この期に及んで小賢しいことを。

 というわけで、前回の予想は「青銅勢が悲しみを乗り越えて因縁のエウロパ・ミラー戦」だったのだが、エウロパ・ミラー組はラスト1分で駆け込み登場しただけ。なんとなんと、アテナエクスクラメーションをくらってもほぼ無傷という、あり得ない頑丈さを見せつけたハイペリオンさんが、再び立ちはだかることになったのであった。そりゃまぁ、確かに四天王のくせに一週でやられてしまうのは寂しいとは思ったが、あの潔い散り様で、あっけらかんと強さを見せつけてくれたからこそ美しかったわけで……復活して単なる怪物としてガオーされると、先週散っていった3人の死が無駄になったみたいで凄く悲しい。一応、聖剣を粉々にしたっていう部分でハイペリオンも認めるような発言をしていたが、デストラクションテクターは相変わらず元気だしなぁ。こんなに悔しいのも珍しい。まぁ、次週はそんなあまりにも強すぎるハイペリオンに対して、いよいよ真のΩ覚醒という大イベントが待っているようなので、そのための「無茶過ぎる敵」だと思って納得するしかないだろう。確かに、「黄金3人で命を賭けても倒せなかった敵」を倒せれば、Ωというよく分からないパワーの強さもこれ以上無いくらいに裏づけられることにはなる。うまくシナリオを見せられれば、だけどね。

 結局、今回はそんな無敵すぎるハイペリオンさんを使っての昴アゲエピソードということになる。父親の死に膝をつく龍峰に対し、昴は「先輩たちがどれだけ素晴らしい存在だったか」を力説して慰めようとしてくれていた。何かとはねっかえりだった昴だが、黄金聖闘士たちの器の大きさと使命感の強さには心底感服したようで、自分のこれまでの若さを恥じ、仲間と手を取り合ってこの世界を守ることを改めて誓ってくれた。あのシーンで突然の宣言はどっか的外れな気もするのだが、突然「勿体ない!」とか「神になりたい!」と言って暴れ出す脈絡の無さは昴の持ち味である。龍峰もそんな昴の励ましで立ち上がってくれたので結果オーライということにしておこう。

 ハイペリオンの復活は、やはり青銅たちから見ても「黄金聖闘士たちの意志が無駄になってしまった」ように見えており、ハイペリオンもそれを煽るかのように聖闘士達の無力さをなじり、圧倒的な力の差をその身でもってたたき込んできた。聖剣を折られたところで、孤高の存在であるハイペリオンの力は一部も揺るがない。彼の強さを支えているのは、アイガイオンやガリアのような惰弱なゆるみを持たず、徹底的に「あのお方」に対して忠誠のみを貫く頑強さである。だからこそ、聖剣を折られた怒りが、仲間を失った聖闘士達の力に匹敵したのだと自己分析している。まぁ、価値観は人それぞれだからね。大切なものを奪うという意味では、世界を滅ぼそうとするパラス軍の猛攻に対して義憤に燃えた聖闘士達も、聖剣を砕かれて忠義に水を差されたハイペリオンも同じである、という理屈は一応筋が通っている。

 しかし、そんな身勝手な物言いでは昴が納得出来るはずもない。これまで約1年、じっくりと時間をかけて「絆」というテーマをたたき込まれてきた昴にとって、単なるモノと人の命を等価に扱うハイペリオンの主張は我慢出来ないものだった。いつも以上に際だつ禍々しい色彩を放ち、ついにハイペリオンをねじ伏せるまでに膨れあがる謎の小宇宙。その暴走の果てに、ついに昴は幻視を見る。何か知らないものが、自分の中からあふれ出そうとしているのだ。「神を目指した男」を支えた、その奥にあるものは一体何なのか。そして、そんな存在があることを信じようとしないのがハイペリオン。そりゃそうだ、「人間になど一切興味は無い」と豪語した男が、今更突然変異のような1人の人間に心を奪われるなど、あってはならない。「ひたすら忠義を貫いてやる」と息巻いて昴にクロノデストラクションを叩きつける。久しぶりの時間停止技で、疲弊していた昴は完全停止。これで決着である。……が、はたして昴の「中の存在」は、時間を止める意味があるんですかねぇ。その人、時間を司ったりしないんですかねぇ。「忠義!」と叫びながら昴を攻撃し続けるハイペリオンさんが、なんだかどんどん可哀想な存在に見えてきたのだが……この後、昴の「中身」はハイペリオンさんのことをどう思うんでしょうね。

 一方その頃、エウロパさんは氷河、瞬の2人と、聖闘士独特のフォームで駆け回りながら楽しい鬼ごっこを続けていた。最初にネビュラチェーンで捕まえたんじゃないのかよ。「このままではらちがあかない」と前に回り込んだ氷河。出来るなら最初からそうしておけ。そして当然のように「わざとおびき寄せて時間稼ぎをしていたんだろ」と指摘する瞬。分かってるなら何とかしてくれ。「ばれてましたか」と悪びれる様子もないエウロパさんは、まもなく最終局面が訪れることを告げ、余裕で次元扉を開いて去っていく。残された2人の相手をするのは当然ミラーさんだ。「あのお方が復活するからようやく本気を出せる」とのこと。やっぱり、この2人はかなり特殊な立ち位置だよなぁ。ハイペリオンが訳も分からず昴をボコボコにしていたのに対し、エウロパは確か以前、昴にかなり意味深なことを言っていたはず。ってことは「あのお方」の正体と、現在の状態を知ってるのはエウロパ・ミラー組だけだったってことなんだよね(タイタンは知ってるのかな)。ハイペリオンさんが完全に道化だ……一体どんな気持ちでミラーを配下に従えていたんだろうなぁ。

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 王道王道アンド王道、第87話。予想と1ミリもずれてないのに、恐ろしいまでの存在感、満足感。これやで。

 はっきり言って、今回ストーリーについて語るべきことはほとんど無い。視聴者の9割は今週何が起こるか分かっていたわけだし、珍しく脇道の多元中継もほとんど無く、1つの試合だけを徹底的に勇ましく描いただけの回。余計な茶々を入れるのが申し訳なくなるくらいのお話である。でも、これでいいんだなぁ、としみじみ思わせるだけの蓄積があるのですよ。恰好いいのですよ。

 いよいよ出撃したハイペリオン。出がけにパラスに向かって正式に決別の宣言をくだし、タイタンにも「ひょっとしたらお前を斬らなければならないかもしれない」と告げる。ハイペリオンさんの誠実な人柄が良く出ているシーンで、ちょっと悪そうな顔をしているものの、今まで共に戦ってきたタイタンとの別れが少し寂しそうに見えてしまうのも暖かい。成年体になったおかげで、そんなハイペリオンの告白を悠然と受け止めるパラスの女神らしさも板についてきたし、タイタンの純愛っぷりもいつも通り。邪魔なガリアさんがいなくなったおかげで、パラス側もだいぶすっきりしてみやすい組織になったもんである。出来ることなら、このイケメン2人組に、アイガイオンさんが絡む男3人祭りも見たかったところだなぁ。

 出陣したハイペリオンの強さは、はっきり言って異常。「黄金聖闘士5人を前にして強気だな!」とハービンジャーさんが言っていたが、確かにラスボスでもないのにここまでの強さっていうのは過去にもなかなか無いクラス。得意げに襲い掛かったハーさんを見事な噛ませにたたき落とし、怒りに燃える紫龍の拳を翻弄、星矢にも手傷を負わせて圧倒的な強さをこれでもかと見せつける。そして、もう事ここに及んでは隠す必要も無いと判断したのか、自分とパラスの関係をネタばらしし始めるハイペリオン。紫龍・貴鬼・フドウのお利口さん組は「なるほど、相打ち狙いだったんだな……」と訳知り顔で頷いてみせるも、星矢だけが「マジ? 何言ってるんだ?」みたいな反応でちょっと面白い。どれだけ落ち着いても星矢は星矢。もちろん、アテナもおよそ理解していた部分はあったようで、「それなら私1人でパラスと戦いに行く」と提案し、うまいことハイペリオンと折り合いをつけることに成功した。まぁ、すっかり過保護になった星矢がそんなことを許すはずもないのだけど。

 このアテナと星矢のやりとりが契機となり、今まで大人しい解説役にばかり回っていたフドウさんが、ついに動き出す。思えばパラドクスの姉妹喧嘩のシーンなんかでもずっと見ているだけだったフドウ。彼はこれまで「アテナが、そして人間が正しいかどうかはまだ観察している状態」と言い続けており、積極的に戦闘には参加していなかったのだが、今回ようやく、「アテナを進ませる方が結論が出るだろう」ということで参戦を表明。高説を賜り、悠々と目を見開くまでの説法シーンは今まで溜めてきたフドウの人間性がようやく花開く記念すべき一場面である。開眼するだけでビリビリ来ちゃうってのは、流石のバルゴの面目躍如だ。

 フドウを中心に足止め部隊を結成した黄金3人衆。本当はハーさんも戦いたかったのだけど、アテナ聖衣の守護役を任されてしまったために積極的には参加出来ない。それだけだとちょっと理由としては弱いかと思ったのだが、紫龍が率先して前に出て、「弟弟子の仇を取らなければならない」と言ってくれたのはうまい動機付けだと思った。体育会系のハーさんは、隣にもっと戦わなきゃいけない男がいたら遠慮するしかないだろう。黄金軍団も無事にチーム分け成功。あとは圧倒的な武力を誇るハイペリオンと3対1の対決である。ハイペリオンの持つ天地崩滅斬は、「めっちゃ壊せる」が特性のようだ。武神光臨剣の「めっちゃ斬れる」とどう違うのかが分かりにくいのだが、黄金聖衣に魔傷のような破壊の痕跡を残せることから何となくイメージするしかないだろうか。「聖闘士は原子を砕くが、天地崩滅斬はそれよりも細かい陽子を砕く」とのこと。いや、細かさの問題じゃねぇだろ、とは思うのだが、とにかくそれくらいに粉々に、再生出来ないほどに砕くということに違いない。要約すると「ハイペリオンが持てばとにかく強い」。その証拠に、3人の黄金の最大必殺技、廬山百龍覇、スターダストレボリューション、オームと、全ての技を余裕ではじき飛ばしてしまえるのである。ぶっちゃけ、せっかく覚醒したのにフドウ単体での試合はいいとこ無しだった。もうちょっとフドウが1人で立ち回れるシーンがあれば最高だったのだけど。

 通用しないものはしょうがない。そこで行き着くゴールは、当然のアテナ・エクスクラメーションである。AEは「禁忌」である。我々はオープニングを見てるから出ることが分かっていたが、実際に撃つとなれば、本来は3人に迷いが生じるところである。しかし、大人3人がそれぞれに撃つことを決意するまでの流れは実にスムース。「世界を守る」という大義名分はもちろんあるだろうが、紫龍と貴鬼の「次の世代に託す」という意志、そしてフドウの「自らの信念を貫く」という意志。彼が自らの進退を問われたときに、ちゃんと「我が友マルス」とマルス様の名前を出してくれたのが無闇に嬉しかった。そう、あくまでも彼にとって乙女座の黄金聖闘士っていうのは、マルスとの友情の結果受け取った仮住まいだったのだね。黄金すらも過程でしかないという、本当に視野のでかい男だ。マルスの人生は決して幸せではなかったが、友達の選び方だけは間違っていなかったようである。フドウの気遣いはその他にもあって、今回大上段に構えて語りを入れるのはフドウの役目だったのだが、いざ技の発動シーンになると、こっそり最年長(?)の紫龍に中央の席を譲るように移動してたりする。やっぱり紫龍が真ん中じゃないとね。

 そして輝くAEの光。「小規模なビッグバン」とすら言われるこの技を前に、たった1つの持ち技で渡り合うハイペリオンはやはり桁違い。拮抗してギリギリの勝負になるのか、と思われたが、紫龍の口から出た言葉は意外にも「勝敗は最初から決していた」。そう、天地崩滅斬には既にほころびが生じていた。最初に命を落とした黄金聖闘士、玄武の遺志。彼の面影が中央にオーバーラップする演出には思わず涙。まさかの黄金4人によるAEの炸裂。全ての力を合わせ、互いに思い合う心がΩであるという。若い世代に教えを託し、黄金どうしの力も繋ぎ止めた玄武こそ、まさにその体現者だったのかもしれない。「我々に到達出来るのはここまで」と紫龍は言い置いて、レジェンドたちは強敵と共に盛大に散っていく。その圧倒的な小宇宙の炸裂に、星矢たちはもちろん、城の外にいる全ての関係者が紫龍たちの思いを明確に受け取るのである。師の最期を感じ取ったラキの寂しそうな表情が印象的だった。

 ハイペリオンの理屈無用の強さの体現、フドウの信念、紫龍の思い、そして玄武の遺志。全てが結集した見事な決着。個人的には今作でのベストバウトと言ってしまっていい気がする。後のことは、残された若い世代に託されることになるのか。次回は再び青銅勢のお話に戻るが、どうやら戦う相手はエウロパ・ミラー軍ということになるようだ。エウロパさんは瞬に捕まってたはずだから、二極の戦いになるのかな。そして、ついに来てしまった昴の変容。ハイペリオンの消失で、実質「あのお方」軍は壊滅してしまったからね。そろそろご本尊に登場してもらわないと。実は来週はキョウリュウジャーでもアイガロンが死にそうなんだよねぇ。水島裕のテンションがエラいことになりそうである。

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 あれ、インテグラさんどこ行った? 第86話。まぁ、多分パラドクスを弔うために離脱したのだろうけども……再起不能なほどのダメージを負ったとも思えないし、流石に一大事なんだから戻ってきて欲しいもんだけど。

 今回は3行でまとめられる内容である。「昴さんつえぇ」「覚醒聖衣だせぇ」「ガリアさんしょべぇ」の3本。1つずつ見ていくとまず、ガリアは色んなことが思惑からはずれてしまったおかげでかなりおこなの。いや、自分から勝手にしゃしゃり出てきてキレてるんだから理不尽極まりないのだが、流石にそんな勝手なことしてたらパラスに怒られると思ったのか、急にクールダウンして戦場を屋外に変更することを申請、受理される。相変わらずシュールな画面の多い作品ではあるのだが、今回は、このガリアが総勢13人の団体さんを引き連れてぞろぞろ移動してる絵面が一番酷かった。一刻を争う時にアテナ軍団は物わかりが良すぎる。ハーさんとかキレてもいいところだろうに。そして、いざ試合会場が決まったところで、アテナ軍は突然のチーム分けを堂々とガリアの目の前で相談、こちらも受理される。そりゃまぁ、いくら相手が四天王だからって、黄金5人を含めた12人でフルボッコはまずいだろう。っつうか、光牙たちに提案されるまでは星矢なんかは12人でやる気満々だった気もするのだが、それで良かったのか黄金聖闘士たちよ。まー、ガリアが勝手に喧嘩売ってきたんだから、リンチされても自業自得ではあるのだが。

 めでたく、改めてチーム黄金とチーム青銅が分離し、ガリアの担当は青銅7人組ということになった。まー、これでもまだ多勢に無勢ではあるのだが、戦隊ヒーローが5人でよってたかって敵の怪人をぶん殴る図を考えればギリギリ許容範囲か。元々Ωシリーズは1対多のマッチメイクが多いし、四天王は「黄金聖闘士3人分」が公式設定なので、黄金1=青銅2と考えれば一応つじつまはあうのかも。そして当然、多勢に無勢だろうが荒ぶるガリアさんは強い。超必殺技「ひてんだいせんこう」(漢字が分からんが、「飛天大閃光」でいいんだろうか。恐ろしいネーミングセンスだ)まで併せて、一度は雑魚どもを圧倒。一応の面目は保つ。が、そこから最初にスーパー昴タイム。仲間が打ち倒されていくのを見て荒ぶった昴は、これまで片鱗だけ見せていた「圧倒的な小宇宙」を今までで一番スムースに、そして露骨に燃え上がらせた。「神に授けられた」力すら圧倒する法外な小宇宙はガリアの聖剣に疵をつけ、一輝クラスの実力をみせたことになる。これまでの覚醒タイミングが「もったいねぇよ!」とかだったので、普通に仲間のために覚醒した昴には、ようやく仲間として定着したのかな、と少し安心する。

 しかし、やはりまだその小宇宙の大きさをコントロールしきれなかったのか、いつものようにガス欠で昴はダウン。稼いでもらった時間で何となく回復した光牙たちは、「久しぶりに6人集まったし、何となく力を合わせてみよう」という不可解な流れで全員が手を合わせ、半自動でΩの頂きへとのぼっていく。この辺の唐突な展開はどないやねん、とは思うが、一応直前に紫龍が「仲間達と力を合わせて云々」とか言ってはいるので、ギリギリ理解出来る……かな。「Ω」は一種の友情パワーであることは確定してるわけだし。それにしても、紫龍・玄武からばかり教えを受けているせいで、Ωってのが中国発祥みたいなイメージになっておる。

 そして、ここでついに青銅勢にも今ひとたびのパワーアップの到来。昨年のシリーズは一応セブンセンシズに目覚めるくだりを1人1話使ってやっていたのに、今回は6人まとめてパワーアップっていうんだから扱いが悪いが、もう、ここまで人数が集まっちゃったら仕方ないか。今回の新しい聖衣のフォームはなんていうんだろうね。Ωモードとかなのかな。そして、このΩモードであるが、端々に溢れるセンスがクソダサいのが特徴である。蒼摩・栄斗コンビがちょこっと爪を伸ばしただけだったので失笑してしまったが、その後の龍峰のドラゴン聖衣の変化で目が点になった。なんやねんあれ……あんなのドラゴン聖衣じゃない……。あとエデンのショールみたいな薄布も謎だよな。翼が生える系のユナ・光牙はまだ過去のゴッド聖衣なんかのイメージがあるからマシな方なのだが、ペガサス聖衣も翼の接合部分がプラモのアタッチメントみたいでなんか微妙である。もうちょっと重厚なデザインが作れなかったものか……。

 まぁ、とにかくそんなパワーアップを果たしたおかげで、後は6対1でワンサイドゲームになった。ガリアを圧倒する時の役割分担もなんだか差がついてしまったのが寂しいもので、一番優遇されるのは当然主人公の光牙。久しぶりに見せてくれたペガサスローリングクラッシュは、四天王にとどめを刺す技としては充分魅せてくれるものである。落下時の様子がうやむやになるので、爆散したガリアがどうなったかよく分からないのも良い点だ。次に目立っていたのがエデン。なんと聖衣特性が防御の方に秀でたのか、武神光臨剣を余裕で防ぐシールドを展開し、返す刀でオリオンズ・エクスターミネーションを炸裂。見事に聖剣を破壊するという偉業を成し遂げた(しかも事前にひびは入ってたのと全然関係無いところからへし折った)。この辺りは流石の神の子。他3人はフォトンテクターを砕く役割を果たし、蒼摩・栄斗の爪コンビは、足パーツが強化されたためか、光速を越えるガリアの斬撃をかわし、両肩のパーツを破壊。空を舞うスピードが上がったユナはヘッドパーツを蹴り砕いた。この辺までがギリギリ活躍ライン。残った龍峰は……「変な鞭でガリアの手を絡めた」だけ。……聖衣の変化があかんのや……あれが残念なんや……。まぁ、良いとこ無しな上に完全に雑魚扱いで消滅したガリアさんの方がもっと可哀想って話もあるけどね。よくもここまで堕ちたもんだなぁ。

 というわけで、残る四天王はあと2人。ハイペリオンさん、今回はちゃんとパラスのところに戻ってましたね。前回あんなに辛そうな顔で席を立ったというのに。「濡れ場終わった? もうそっちに戻ってもいい?」とかタイタンに確認を取ったんだろうかね。すっかり一番の常識人となったハイペリオンは、人間の愛にほだされてしまったタイタンの忠告を受け、それでも堂々とした出陣である。まとうデストランクションテクターは牡牛、獅子、牡羊と、それなりに恵まれた組み合わせなので迫力充分(デザインは相変わらずだが)。微妙な立ち位置になってしまったせいで戦場へ向かう瞳もどこか虚ろな気もするが、ここいらで一発、四天王の荘厳な強さを見せつけてほしいものである。次週、いよいよ出ますか、オープニングで散々じらされた、アテナエクスクラメーションが! 3人の組み合わせは紫龍・貴鬼・フドウ。やっぱり余っちゃったハーさんが可愛そうだけど、まぁ、アテナの聖衣を守るっていう役割を任されたせいだね。これ、インテグラが戻ってきたら星矢も合わせてもう一発撃てるんだよな。

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 新年一発目から盛りだくさん過ぎるよ、第85話。クライマックス跨ぎの年越しだったから当然ではあるのだけども、いきなり一発目からアツいよ。ただ、作画はかなり残念だったけどね。みんなして石ノ森作品みたいな顔になってたやないか。個々の演出はすごく良い回だったので、絵が崩れてたのは本当に勿体ない。正月休みを利用して、ここから迎えるクライマックスはきっちりやってほしいもんですね。

 色々と事件が起こって忙しいパラス城内。今回はほぼ全てが女性絡みの事件になっており、相変わらず女性軍が元気なアニメになっている。まず、外道設定が表に現れてすっかり悪役面が固まってしまったガリアさんのやりたい放題から。これまではパラドクスや時貞など、転げ聖闘士を雇用していじくり回すというフィクサーじみた仕事を主にしていたのだが、そろそろ物陰で含み笑いをするのにも飽きてきたのか、それとも、ラブラブムードのタイタン・パラス組と同じ空間にいるのが嫌になったのか、他の四天王には相談もせずに突如の単身出撃。「ヴァナヘイムの道」ってタイタンさんの守護じゃなかったのか、と思っていたのだが、どうやら守備範囲まで逸脱した単なる暴走のようなので、もうテリトリーとか関係なくなった。まぁ、4本の道自体がエウロパさんの仕業だったのだとしたら、四天王からしたらどの道が誰とかいう決まり事はもとから無かったのかもしれない。

 彼女の目的は、面白くしようと思ったのにつまらない結果に終わったパラドクスの粛清と、さっさとアテナを斬り捨てること。今回、調子に乗ってしゃべりまくっちゃったガリアさんのせいで、「2体の神をぶつけて共倒れを狙う」という「あのお方」の目論見まで大体バレちゃったわけだが、「もう、アテナとか直接斬った方が早くね?」というので、突如行動に移したわけである。まー、現在のガリアさんの(頭も)悪そうな顔を見ていると、今まで大人しく我慢してた方が偉いとすら思える。確かに、無限回廊の罠とか、いちいちパラサイトを送り出して戦わせるシステムとか、アテナ討伐を狙うならばまだるっこしいことこの上ない。黄金聖闘士3人分の実力を持つなら、防備が薄いところをさっさと襲ってしまった方が早いってのは納得出来るご意見である。そう考えると、あれだけパラスベルダが荒れていたのに頑なにアテナの下を離れようとしなかった星矢たち黄金聖闘士軍の判断は正解だったのかもしれない。

 パラス・アテナの共倒れ作戦を放棄したガリアは、実に直接的に黄金聖闘士の防護に戦いを挑み、それを手玉に取る強さを見せつける。彼女のクロノテクターは蟹座・水瓶座・魚座という、今作では残念トップ3に輝く黄金聖衣がモチーフ。マスクが蟹座そのまんま過ぎたり、腰部分の水瓶パーツをもうちょっとなんとかできんかったのかと思わないではないが、まぁ、アイガイオンさんの嘘みたいな天秤座パーツよりはまとまっているだろうか。武装モードのガリアさんは、星矢の攻撃をかわし、ハーさんのグレートホーン、貴鬼のスターダストレボリューションも難なくクリア。秘蔵の武神光臨剣でインテグラを一刀に伏した。ちなみに、「重力を操る」という特殊能力を持っていた重爆雷斬刃と違い、武神光臨剣の特性は「めっちゃよく切れる」というすげぇ普通のものである。斬撃は光速を越えるようだが、今更この世界で光速越えるとか言われてもなぁ。まぁ、黄金聖衣を易々と切ってみせたのはすごいことかもしれない。ちなみに、何故かガリア相手の一撃目は星矢が流星拳、貴鬼がスターダストレボリューションと、前回まで使っていた技ではなくなっている(星矢は後でアトミックサンダーボルトも使ってるけど)。流石にこのあたりで流星拳を打っておかないといけない、っていう視聴者サービスだろうか。でも、流星拳ってマッハ1のイメージしかないから、ガリアさんの「光速云々」の話はあんまり説得力がないんだけどね(現在の星矢の流星拳は光速拳なのかしらね)。手玉に取られる黄金聖闘士も若干の個人差があり、ハーさん→避けられた上に「牛とかwww」とディスられる、貴鬼→吸われる、星矢→かわされるが、その後相手の斬撃もかわして一応プライドを見せる、という流れ。なお、フドウは「カーン」でアテナを守る壁役だった。まぁ、こいつの必殺技って仲間が多い乱戦向けじゃないからね。

 ガリアさんがひとしきり暴れ回った後は、今度はパラス様のターンである。吹っ切れてネタバレ連発のガリアに対し、「全部知っていた」と衝撃告白。これまでただの脳内お花畑な子供さんだと思っていたので、この告白は正直驚いた。やはり神を名乗る身は伊達ではなかったか。「愛の女神」としての自身を立てるために、彼女は策略と知りながら四天王の指示にも従っていた。あくまでもそれはアテナを愛し、アテナとの関係に決着をつけるため。彼女の場合、手段こそ歪んでいるが、目的は割と切実なのである。今回のエピソードでガリア=悪役がはっきりと印象づけられたために、それに敵対するパラスもじわじわアテナとの和解フラグを立てつつあるようだ。まぁ、パラスのクロノテクターもあるみたいだから、一回は戦わなきゃいけない、というか、多分アテナに打倒される運命にはあると思うが……案外良いキャラになってきたんじゃなかろうか。現時点での勢力図は、アテナ軍が聖闘士多数、パラス軍がパラス・タイタンの2人だけ、そしてクロノス軍(?)がエウロパ、ガリア、ハイペリオンといったところか(あとミラーさんも残ってるか)。

 ガリアの目的がはっきりしたところで、最後の女戦士、双子座姉妹が立ち上がる。満身創痍の身ながらも、改心したパラドクスが最期のご奉公。ジェミニの夢である「双子の強力プレイ」を実現させ、手に手を取ってのアナザーディメンションはグッとくるものがある。たとえ、その声と、そのフォームがどう見ても「プリキュアの白い方」だったとしても。……いや、流石に似すぎだと思うのだが、スタッフの遊びだったのか、たまたまだったのか……命を賭したマーブルスクリュー、じゃない、アナザーディメンションは、結局ガリアを倒すまでには至らなかった。そりゃま、「1人で黄金3人分」が売りの四天王に対して、黄金クラス2人じゃまだ足りない。しかし、パラドクスたちの目的は敵を倒すことではなく、アナザーディメンションの力を利用して無限回廊をぶち破ることだった。そして、その過程では「ジェミニの運命」をねじ曲げることにも成功したという。長きに渡るジェミニの悲劇は、今後もう繰り返されることはないということなのだろうか。円環の理を打ち破って概念になったどこぞの魔女みたいなお仕事であるな。まぁ、何はともあれいいシナリオ、いい演出。今回の双子座絡みのシーンは、長い歴史からの脱却を印象づける壮大なものになっていたし、無限回廊の打倒も、次元を操り、双児宮を迷宮にすることがお家芸のジェミニらしい見せ場である。まぁ、そんな黄金クラスの仕事をエウロパさん1人でやってたのだとしたら、あの人がすげぇってことになるんだけど。今回、タイタンさんも「エウロパの無限回廊」って言ってたから、四天王もエウロパの仕込みは承知の上だったんだよな。

 華々しい最期を飾ったパラドクスさんの勇姿はなかなか良いものだった。彼女の遺志を継ぐかのように、若き青銅聖闘士が彼女の下へと集い、その死に様を目に焼き付ける。そこにはあのドラゴン親子もおり、最後の最後で、彼女の夢も少しだけ叶ったのかもしれない。無限回廊を仕掛けたエウロパのところに駆けつけたのが紫龍たち以外の氷河・瞬ってのも、ちゃんと気遣いが出来てて良いね。「次元の彼方に逃げても見つけ出す」っていうサークルチェーンの特性が活かされていたのもちょっと嬉しい。レジェンド2人に囲まれて、流石のエウロパさんもそろそろ年貢の納め時か? ここでミラーさんの見せ場になるのか?

 結界の破壊、聖闘士の結集。アテナ側の準備は整いつつあるが、当然終局が近づけばアテナの生気は残りわずかになっている。エナジードレインが進み、ついにパラスは身体が成年型へ変化する。立派な女性に成長したパラスは、神に相応しい威厳も持ち始めた。そして、大きくなったことでついに青少年保護条例に触れることが無くなり、これを好機とばかりにタイタンさんがプロポーズを決行。ついに2人は結ばれることに。いや、これまで散々ロリコンロリコンと茶化してはきたが、タイタンさんのブレない愛情は本物ですよ。思わず柱の陰のハイペリオンさんも居づらくて立ち去っちゃうレベル。「破滅と知りながら道を進むか」っていう彼の嘆息は、もう倫理と戦うロリコンへかける言葉ではなく、元々倒される運命にあった神に殉じたタイタンへの哀悼の言葉になっているのである。なかなか切ない。しかし、ガリアさんはタイタンがあれだけ入れ込んでるのを知ってたくせに、よくもまぁ「お前は誰にも愛されてなどいない」とか言えたよな。現時点で一番愛を知らない女性キャラは、間違いなくガリアさんなのである。ここまで堕ちたら、是非とも救いようの無い最期を期待したいところだ。

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 女の欲望番外地、第84話。かつてないほどに女性キャラが勢揃いして賑々しい朝。双子回というだけで正座待機だが、まさかのアテナage回だったとは。

 いよいよパラス軍も手駒が無くなってきたのか、今週はついに4つのルート全てで新規の戦力投入無しという異常事態に。しかし、エウロパさんの仕込んだ「無限回廊」によってどのルートも堂々巡りを繰り返すばかりで、誰もゴールにはたどり着けていない。各チーム、何となくおかしいな、と思ってる人間がいるにはいるのだが、誰も具体的に対処しないという。そりゃまぁ、薄々感づいていたフドウも紫龍も、仮に確信が持てても何したらいいか分からないしね。天井をぶち抜いてみるとか、壁をぶっ壊してみるとか? はるか昔から、聖闘士ってのは「決められた順路にそって延々走るしかない」と相場が決まっているので、そんな横紙破りは誰も出来ないのよね。

 もう、ずっとこのままの状態で放っておけばそのうちアテナの命脈も尽きるんじゃないか、って気もしたのだが、そんな状態では満足出来ない人もいる。黄金聖闘士4人が守護しているのは目に見えているにもかかわらず、無謀にも単体で挑戦状を叩きつけに来たのは、我らが2級パラサイトのパラドクスさんである。流石に黄金4人でスクラム組んでる状態ってのは、あの黄金神話ですらそうそうないシチュエーション。どう考えても無茶過ぎるだろ、とか思ってたら、割とあっさり背後を取れたり、アテナに接触できたりしていたのは驚きである。多分、本気出してたら案外アテナくらいぶっ殺せた気がする。過去の事例を見れば、基本的にアテナって防御力が紙レベルだし。それでも敢えて命を狙いにいかなかったのは、やはり本人が言うように、アテナを狙うと見せれば単純な妹がつり出されてくると思ってのことだろう。もう、現時点でパラドクスさんの頭を支配しているのは、アテナでもなければ愛しの紫龍でもない。憎き妹のインテグラだけなのだから。

 台本通りに登場した妹との2度目の姉妹対決。2人の主な武器は「なんか手からビーム」と「拳」。黄金聖闘士と元黄金聖闘士とは思えない無骨な戦いぶりだし、今回若干作画が残念だったせいであんまりパッとしない画面だが、まぁ、女だらけのキャットファイトだと思えば。それに、かつてないくらいに画面が金色になっているから豪華といえば豪華だ。黄金聖闘士5人が集まっているという、地球や時間さえ吹き飛ばせる状況なのに、そのうち4人に与えられた使命が「観戦」という、恐ろしいキャストの無駄遣いである。「姉妹の宿命だから」というふわっとした理由でみんな黙って見ているが、アテナの命がかかっている緊急事態に、そんな個人的な我が儘を優先していいものだろうか。まぁ、アテナとしては「聖闘士を目指していた姉妹が歪んでしまった」っていうので責任は感じてるのかもしれないけどね。もう、この世界で双子が歪むのは仕方ないんだけどなぁ。必ず「正」と「邪」に別れてしまうっていう決まりがあるからねぇ。そう考えると、2人しかいないのに「正/邪の2重人格」「邪オンリー」と、3/4が邪悪だったサガさん兄弟って本当に酷かった気もする。まぁ、アレは白サガが「神のような清廉さ」だった代償なんだろう。

 結局、「純粋な憎しみ」を謳うパラドクスと「純粋な愛」を謳うインテグラの対決は、「アテナが正しいので」という一方的な理由でインテグラが勝つのは決まっていた。今回の対決は、双子座の形を借りて、実質的には「アテナとパラスという姉妹決戦」の意味と、拠り所に言及するためのお話だった。「姉妹関係で戦わなければならない」というのは、やはり慈愛の女神たちの存在を考えると矛盾を孕んでいる。これまでのポセイドンやハーデスのように、本当の意味で対立してはならないのである。そのことを改めて確認し、穏便な解決を図るための下地作りが、今回の双子座代理戦争というわけだ。パラドクスさんのいう「アテナだって姉妹喧嘩に色んな人間を巻き込んで殺してるじゃないか!」というのは至極もっともな意見であり、反論の余地はないのであるが、そこをアテナ本人ではなくインテグラさんの口を借りて「仕方ないだろ!」と逆ギレすることで、なるべく自然にアテナの正当性が主張される。ん、まぁ、おかしい気はするんだけど、言葉を換えれば「それはそれ、これはこれ」だから。今回パラスに責任があるのは事実だしね。ちなみに、パラドクスさんが「たくさんの命を奪った!」と叫んだ際に表示された故人のみなさんは、昴に聖衣を委ねて死んでいった鋼鉄聖闘士のエルナ君、我らがイケメン先輩ケリーさん、そして玄武にケレリスさんの4人。こうしてみると結構アテナ側も死んでるなぁ……いや、3級パラサイトが全部死んでるとしたら、パラス側の方が被害はでかいのだけれども。

 結局、「姉妹喧嘩の宿命」も、アテナの慈悲を示すだけの結果に終わった。この喧嘩に対する周りの人間の反応をまとめておくと、観戦していた黄金戦士たちは「宿命だからな」とよく分からない理由で黙って見ている。せめて「ここは任せて先に行け」パターンで進軍だけでも続ければいいのに、何故か横で見ている。そんな中、実は一番の常識人なんじゃないか疑惑が出てきたのは暴れん坊のハービンジャーさんで、「邪魔立てするな」という回りの空気を読まずに最大必殺技のグレーテストホーンで乱入し、パラドクスさんをキレさせるという良い仕事をしている。曰く「姉妹どうしが傷つけあうのを黙って見てられない」。うーむ、いい人だ。そして正論だ。ここにきて、ツンデレたり愛を見せたり正論を説いたり、にわかにハービンジャー株が急騰している。黄金どうしがいちゃいちゃしているシチュエーションでもなんだかいじられキャラみたいな立ち位置になっていてとてもおいしい。ま、今回の道行きは必死な星矢以外はフドウ、貴鬼と真面目くさった奴しかいないから、ハビさんに頑張ってもらわないと空気が重くなりそうだしね。ちなみにそんな貴鬼も、久しぶりにスターライトエクスティンクションをぶっ放したりはしているので、一応最低限のお仕事はしている。雑魚相手にアトミックサンダーボルトとの合わせ技って、容赦無いよな。

 そして、もう1人の黄金聖闘士である紫龍だが、今回何故か「双子座の宿命が始まってしまったのかッ」と何故か訳知り顔だった。なんでお前がそんなこと知ってるんだよ。あれ、結局紫龍ってパラドクスと面識はあるのか? 無いのか? 一方的ストーカー行為だと思ってたけど、紫龍も「なんか最近危ない奴がお前のこと見てるぞ」くらいは言われてたんだろうか。怖いなぁ。今回はパラドクス姉妹の過去の情景も一瞬だけ出てきたが、どうやら2人とも聖闘士養成施設みたいなところで普通に訓練してたみたいだ。城戸光政による青銅量産計画の後も、ちゃんと聖闘士の養成って続いてたのね。そういや鋼鉄聖闘士も同じようなコンセプトだもんな。だとしたら、やっぱりパラさんエリートには違いないよな。

 しかし、そんなエリートも負ければ踏みにじられる。アテナが手ずからヒーリングしてくれるという特別ボーナスがあり、さぁ、ここからツンがデレるぞ、と期待感が高まるなか、なんと次元を引き裂いて現れたのはガリアさんその人。禍々しい武神降臨剣を一振りして、まさに一刀両断。哀れパラドクスさんは倒れ伏してしまった。本当にガリアはどんどん顔が歪んでクズへの道を一直線だ。アイガイオンさんは武人らしい最期を遂げたというのに、このおばちゃんの素直過ぎる悪役っぷりはどうだろう。ハイペリオンさんも「悪趣味な」と一言つぶやいて背中を向けたくらいで、もう四天王の関係性はボロボロだよ。こうして並べると、クズおばさん、似非インテリゴリラ、真性ロリコンと、つくづく同僚に恵まれないハイペリオンさんが不憫で仕方ないよ。

 さぁ、次回はこのまま強引に「黄金聖闘士×5VSガリア」になだれ込むのだろうか。恐ろしく豪華な対決ではあるな。しかし、残念ながら番組自体は一週お休みでやきもきしながら待つしかない。

 それでは皆さん、良いお年を。

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 圧倒的親子鷹ならぬ親子龍回、第83話。前もどっかで書いたかもしれないけど、私、幼少のみぎりは紫龍派だったんですよ。友達と「聖闘士星矢ごっこ」なんてやるときは昇龍覇ばっかり撃ってましたね。でも、うまいもんで聖闘士星矢って割と子供からの人気はばらけてた気がする。紫龍は恰好いいし、星矢は主人公、一輝は子供目線でもチートだったし、氷河は技モーションがおもろい(重要)。瞬を担当すると何となく長いものが振り回せる(重要)。

 さて、ドラゴン親子の本編に入る前に、まずは前回の振り返りから。線画で荒々しく描かれた一輝とアイガイオンの消失が確認され、旧友たちはみなそれぞれに涙する。全員反応は同じようにも見えるが、容赦無く突っ込みどころが紛れ込んでいるあたりが今作の油断出来ないところだ。

昴「冷たいんだな、フェニックスが死んだんだぞ!」

氷河「それがどうした」(正論)「聖闘士が(っていうか一輝が)戦いで死ぬなど、珍しいことではあるまい」(事実)

 いや、氷河もちゃんと熱い涙を流してましたけどね。そして貴鬼の一言。「彼は、また、我らのために命を……」いや、「また」って。まぁ、作中の仲間達も視聴者と似たような感覚を持っててもおかしくないですからね。そして、各所で熱い弔辞をもらう一輝に対し、アイガイオンさんについては割とクールなパラス勢。前回言わなかったからホッとしてたのに、ガリアさんがあっさりと「四天王の中では一番の小物」って言っちゃったし。言っちゃったし! 一応、「人間などという脆弱なものに興味を示してる時点で」っていう注釈はついてたけどさ。「ガリア、お前も興味持ってたんじゃないの?」との問いに、「いや、面白がってただけだし、別に好きじゃないし」と、なんか2chのスレとかに感想を見に行ったらぼろくそに叩かれてた時に慌ててるファンみたいな反応をするガリア。こうしてみると、四天王の中で一番駄目なのって彼女なんじゃなかろうか。アイガイオンさんは知性キャラをアピールするのには失敗したが、最後まで「あのお方」の正体を漏らさずに散っていく侠気を見せたし、正面から堂々と聖闘士の相手をしてくれたという意味では、非常に正しい「1番目の強敵」ではあった。タイタンさんは無二の忠誠を持つ正統派ボスキャラだし、ハイペリオンさんもアイガイオンの死について辛そうな顔を見せたり、いざとなればパラスをも斬るという猛々しさがある。ガリアさんって、今のところ他人を馬鹿にすることと、変態を各地から集めてくるスカウトの才能しかみせてない。せっかくの紅一点なのになぁ。

 さて、そんなこんなで、上層部はいまいち頼りないパラス軍から繰り出されてきたのは、これまでずっと陰に潜んでいた2級パラサイトのレアさん。初登場回がロック忍者お披露目回だったせいで変な印象があった彼だが、今回はドラゴン親子の相手という栄誉を授かり、堂々の単騎出陣。その右手には神話の槍ゲイボルグを宿しているらしく、ゲイボルグ、エクスカリバー、そしてサーバントと、ちょっとした聖杯戦争の趣。これまでのように「パラス様から賜った武器」ではなく、具現化していない「武器の概念」で挑んでくる敵キャラというのは初めてのことである。真っ向勝負の良い試合になるのかと思われたのだが、今回は久しぶりの大暴れとなる紫龍が圧倒的すぎて、なんだか2級の中でも割と残念な噛ませポジションに落ち着いてしまった。いや、仕方ない。紫龍のためだから我慢してくれ。

 たった2人の道行きを進んでいたドヴェルグルートの親子。父子の共闘が見られるのかと思ったのだが、そこは冒頭の2人昇龍覇だけに留まり、レアさんの要望もあって、基本は1対1の対決。紫龍の次の役割がオープニングに出ているアテナ・エクスクラメーションなのだとすると、親子で手を取り合って戦う機会が無いかもしれないのは不安である。どこかで一回やって欲しいんだけどね。今回はとりあえず、紫龍が龍峰を鍛えるためのプログラムとして組んだミッションであり、老師の伝える「ユズリハの心」とやらを体現したもの。なるほど、老師のあの声で諭されると何でも説得力があるように聞こえるし、紫龍を前にして一切動くことなく修行を重ねていた童虎の態度を考えると、含蓄もある。童虎は若かりし頃のおちゃらけキャラからよくもまぁあんな年寄りになれたもんだ、とたまに思う。そして、そんないい師匠に巡り会った紫龍は、親として、師としても大きく大きく成長している。

 考えてみると、レジェンド組の中で一番変化があるのって紫龍なのではなかろうか。星矢は要職についたので多少なりとも落ち着きはでたが、Ω1期のことを思い出すと、やっぱりちょっと無鉄砲なところはある。一輝は最初から上から目線のチートなので変化は無いし、瞬も大人びたところがあったので特に落ち着いた感じはない。氷河に至っては、あのスカした感じは既に子供っぽいとすら言える。そんな中で、当時は俺様恰好いい要素もあったドラゴン紫龍は、今回すっかり指導者としての目線を持つようになっていた。やはり1人だけ子持ちになったからこその父性なのだろうか。敵と対峙しても常に「武人として」という高説を振りかざし、息子の成長のためならば命をも賭けるという姿勢を明確にした。こうあってこその、「2世もの」のレジェンドである。まぁ、元々五老峰一派って「受け継ぐものたち」のお話ではあるから、次の世代への橋渡しっていうのはすごく相性の良いファクターではあるのだけどね。光牙と星矢の関係なんかが未だにはっきりしないところがあるので、今回の親子水入らずの対話はこれまでたまっていたものがすっきり片付いた感があって気持ちよかった。

 バトルの方は、レアさんが伝家の宝刀(槍)ゲイボルグと人形を使い、紫龍はエクスカリバーでそれに対抗するという形。珍しく徒手空拳での打ち合いが多い戦闘シーンで、ちゃんとエクスカリバーに見せ場を作り、アイガイオンのクロノテクターが無惨に壊されてがっかりしていた山羊座の人々も多少は溜飲が下がる。そして、ゲイボルグの一突きを手の甲で止めるという恐ろしい判断が出来る紫龍がすごい。いや、そこは盾を使えばいいのに。でまぁ、流石にワンサイドゲームだと実入りがないので、最終的には紫龍が一芝居打ち、双子座対決に引き続いてまたも観客者席で見ていただけの龍峰がボコボコにされるという展開。今回、やたら龍峰の身長が小さく描かれていたような気がするのだが(元々メンバーの中では小さい方なのかな?)、まさに「赤子の手を捻るように」レアにはやられっぱなし。いつまでたっても青銅は弱者扱いだが、考えてみりゃ2級って黄金相当の実力っていうのがデフォルトだからね。そりゃ苦戦はする。でも、そこから窮地に追い込まれればちゃんと復活は出来るわけで、一子相伝のキャストオフ芸から、謎のパワー・Ωの覚醒へと至る。龍峰が脱いだ瞬間にレアさんが「何故脱ぐ!」と叫んでいたのが本当の爆笑ポイント。レアさん、出番は寂しかったけど、「何故脱ぐ!」とか「親馬鹿か!」とか、視聴者の言いたいことを全部ストレートに言ってくれたので凄く良い奴だった。ちなみに、「Ω」は以前明かされた通りに「仲間達との絆」を繋ぐことで生まれるパワー。セブンセンシズに続いて、今回も龍峰が覚醒第1号となったわけだが、老師・紫龍・龍峰・玄武と並んだチーム五老峰の勇姿を見れば、「繋がり」を大事にするパワーの目覚めが龍峰からスタートするというのは納得出来るセッティングである。

 結局、2人だけという数のビハインドはものともせず、最後を「黄金の昇龍覇」という大技で決めた紫龍たちは進軍に成功した(まぁ、最大の技って言ってた割に百龍覇じゃなかったのは残念だったが)。ただ、そんな順調な道行きにも暗雲が立ちこめており、それがタイタンさんをして「お前は気に入らない」と言われてしまった相変わらずの立ち回り、エウロパさんの仕込んだ「無限回廊」だ。とりあえず、現時点では紫龍たちの「ドヴェルグの道」ははずれルート。更に光牙たちの「アルフヘイム」も駄目とのこと。すると正解は残りの2本のうちどちらか、ということになる……のかな? なんか今回の言い方だと4本とも駄目って感じに聞こえたけどね。最終的には決戦の場には(少なくともブロンズ勢は)全員集合するだろうから、どこかでちゃぶ台ひっくり返して合流することになるのだろうけども。そして、そんなトラップを打ち破るキーとなりそうなのが、黄金聖闘士たちが持つ次元をもぶち壊すパワーってことだ。相変わらずのオープニングネタバレで分かってはいたが、ラストで登場したのは「異次元に飛ばされた」はずのパラドクスさんである。お早いご帰還。せっかく紫龍たち親子がいるのに駆けつけてこず、彼女が狙うのはインテグラさんらしい。次週はまさかのアテナ襲撃からの姉妹対決になるようだ。黄金だらけのステージに単身乗り込むパラ様すげぇ。

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 毎度当ブログをごらん頂きありがとうございます、第82話。何故突然お礼のあいさつから入ったかというと、実はうちのページ、閲覧数と反応が一番多いのがこの「Ω」記事なんですよね。ありがたいことです。拍手コメとかにお返事する場所ってのが無いので、突発的にここで御礼申し上げます。こんなアホなこと好き勝手書いてて反応もらえるっていうのもありがたい話です。

 

 閑話休題、不死鳥劇場の第82話。前回の予告の時点で「一輝とアイガイオンがぶつかるだけだろー、兄さんが出てくるからそれだけで楽しそうだけど、シナリオ面はすげぇありきたりなガチ殴り合いだよなー」と思っていたのだが、サイドでも案外色んなファクターが出てきて予想以上に面白かった今回。大きく分けると、主戦場となったアイガイオン戦が当然メインだが、その脇では「黄金聖闘士達が紡ぐ温かい大人の語らいコーナー」なんてのも用意されているし、相変わらずイチャイチャが止まらないパラス・タイタン組を中心とした四天王昼ドラパートもアツい。正体問われて悩む昴を「志が同じなら頑張れるよ!」とほだされちゃった栄斗・エデン組を見て、なんかすげぇ忌々しそうにしてる氷河さんなんて一幕も。エデンは「まだお前のことは警戒してる」ってはっきり言っちゃうあたりがいい人。

 さて、主戦場の話である。一輝の登場でまたテンションが上がるアイガイオンさん。まともに殴り合える相手が登場したことで他のことなんてどうでも良くなってしまったらしく、前回立ち上がることすらままならなかった光牙たちが何事も無かったかのように元気に横を駆け抜けるのも気にしない。一輝に対して「こないだの試合は手加減してたからネッ!」と強がってみせる余裕があるなら、一応パラスに気を遣って光牙たちを妨害しながら一輝と対戦して欲しかったものだが、基本的にパラスの護衛云々はどうでもいいと思ってる人たちなので、むしろ人間サンプルとして興味深い一輝に集中する方がいいと思ってしまったのだろう。「お前を見て人間の可能性に結論を付けてやろう」と語るアイガイオンだが、出来ればその人外としか呼べない化け物をサンプルに人間を語るのは勘弁して欲しいです。

 技が1つしかない似非インテリと、鉄板テンプレを持つ一輝兄さんの試合ということで、試合内容は至ってシンプル。最大出力の重爆雷斬刃で一度は聖衣を消し飛ばす展開になったものの、「聖闘士は脱いでからが本番」はこの世界の基本理念。既に聖衣が壊れるところまでが技の一部となっている一輝は、そこからすぐに立ち上がり、聖衣を復活させ、なんとワンパンで雷斬刃にひびを穿ち、そのままの勢いであっという間にへし折ってしまった(ついでに作画が面倒そうなグラビトンテクターの背中ギミックも吹き飛ばしてくれるあたりが優しい)。あまりのあっけなさに「流石にチートだろ、玄武さんの頑張りがかすみすぎるわ」と思ったものの、「既にその剣は死に体だったのだ」というフォローが入ったおかげで、一応大義名分は立った。加えて、光牙がひびを入れたことを考えると、ひょっとしたら重爆雷斬刃は他の聖剣に比べると硬度に重きを置かない品だったのかもしれない。そもそも「聖闘士には同じ技は2度通用しない」ですからね。拠り所である聖剣をへし折られたアイガイオンさんは幻魔拳にも打ちのめされかけ、謎の黒幕の記憶を脳裏に浮かべるところまでいったものの、そこは四天王の矜恃か、無理矢理ご自慢の脳を傷つけることでギリギリ背信行為は踏みとどまった。まぁ、宣言をした後の幻魔拳って実は割と破られることが多いのだけど、こうして諜報目的で使われたものを真っ向から打ち破ったのは割と偉い。というか、アイガイオンさんは聖剣へし折られた後のガチモードの方が容姿にもフィットしていて恰好良かった気がする。

 結局、最後は拳と拳の語り合い。お互いの実力が伯仲していることを認め合い、理屈抜きのタイマンで決着を付けた2人は、お互いの合意の下、跡形もなく消え去ったのであった。拳を交えている間、一輝が後の世代にアテナを託す旨の話をしていてなかなかアツかったのだが、このときにポロッと出てきた無視出来ない情報に「Ω」についてのお話がある。これまで作中で小出しにされてきた「Ω」という謎概念の情報であるが、「セブンセンシズをも凌駕する」という以外に何も分からず、「エイトセンシズとちゃうんか」と思われていたものに、新たに「仲間と一緒じゃないと駄目」という要素が追加された。なるほど、一輝が「一人では到達出来ないから俺には無理」と言っていたのは分かりやすい制限で、チーム戦闘を基本としている今作にはしっくりくる概念である。アイガイオンさんは「俺も目指したけど無理だった」なんて失敗エピソードをポロッと漏らしているが、そう考えるとやっぱり四天王って仲良くないのかな……。

 ともあれ、シリーズ史上何度目となるかはよく分からない「一輝の死亡」イベントは完遂された。多分瞬なんかは「また兄さんが旅に出ちゃった……」くらいの寂しさなんだろうが、小宇宙の消失を感じた他の面々は流石に慣れていないのでショックが大きい。「かっこつけやがって!」と悔しがるのは、過去にも何度となく主人公のポジションを脅かされた経験がある星矢。まぁ、今回はラスボス戦まで一輝が残っていないので、多分一番いいポジションは残されてますよ。そういえば、今回珍しく星矢がアテナの下を離れて前線で戦ってましたね。既にお家芸となった謎の進軍ポーズで迫るパラサイト兵を蹴散らして、何かと悩みがちなハービンジャーさんを茶化しながらの道行き。このハーさんを中心とした黄金どうしの掛け合いも今回の見どころで、星矢はハービンジャーのことを信頼し、「仲間だ」というところを強調していたし、そんな星矢を見て在りし日の栄光を思い出す貴鬼の表情にも思わずニヤニヤ。そうだよなぁ、当時追いかけていた背中に並んだっていうのは、やっぱり感慨深いものがあるよなぁ(まぁ、当時の星矢もまだ小学生とか中学生くらいの歳のはずなので、実はほとんど世代に差は無いはずなんだけど)。そして、一人アテナに付き従っていたフドウは、未だ人の世が救う価値のあるものかを迷っているのである。去年のシリーズであれだけ駄々をこねた男である。そう簡単にアテナに鞍替えしてはちょっとキャラとして弱いな、と思っていたが、まだ彼の持ち味である「物騒なまでの平和の理念」はちゃんと残しているようでちょっと嬉しい。ここからハーさんなんかと一緒に黄金どうしのアツい触れ合いを通じて正式に仲間入りして欲しいところだ。暴れ者で群れるのが嫌いなハーさんが一輝の最期(仮)を見て悩ましげにしてたのも良いセッティングであった。

 そんな和気藹々としたアテナ側と対照的なのが、ついに四天王の一角を失うことになったパラス陣営である。アイガイオンのスタンドプレーにマジおこだったパラス様は、ついに神らしい力を発現させて側近たちを焦らせる。幼女の世話をするのが面倒になったハイペリオンさんが「もう、あれいらないじゃない?」と刀を取り出しかけたが、そこは当然タイタンさんの愛が鎮める。必至にパラス様を抱きかかえるタイタンの一途な姿を見て、感極まると同時に「真性か……」とため息。ハイペリオンさんも苦々しげな表情である。ちなみにその後のシーンでハイペリオンはガリアさんと一緒にアイガイオンの死を悼んでいるわけだが、「アイガイオンは四天王の中でも最弱」っていう台詞が出てこなくて本当に良かったよ。

 そんなアイガイオンの遺品となる重爆雷斬刃の破片を回収しに出てきたのは、なんとあのエウロパさんだった。そういえば、一輝が消えてしまった現時点において、ミラーさんの相手をする聖闘士がいなくなってしまい、エウロパ陣営は割とやりたい放題な気が。彼が誰の意志で動いているのかが未だに読めないのだが、どうも、四天王以上の何かが彼のバックにはついているようだ。単にクロノスの直属部隊なのかしらね。2級のくせになぁ。そして次週は、そんな2級パラサイトの中から、割と地味めなのに強さが印象的だったレアさんが登場。どうやら紫龍のエクスカリバーと対決する模様。……って、おまえライブラちゃうんか! エクスカリバー使うなよ! いやまぁ、シュラさんの遺志はずっと胸の内に秘めててもらって構わないですけども。ちょうど天秤座のソードは玄武が使って破損しちゃってるしね。Ωシリーズでは扱いの悪かった山羊座がこんなところでねぇ。ちなみに、「ずっとライブラ聖衣着っぱなしじゃ調子でないだろ。紫龍、いつ脱ぐの?」と思いながら次回予告を見ていたら案の定脱いでるシーンが出てきて「やっぱり!」と思ったのだが、脱いだのは、龍峰の方だった。受け継がれるキャストオフの血脈。それでこそ真のドラゴンよ。

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 愛すべき予定調和の嵐、第81話。今回はほとんどサブタイトル通りで、びっくり要素が出てこなかったのでのんびりまったり回でございます。いや、ピンチにはなってるけどね。

 「なんて馬鹿でかい城だ!」と蒼摩が毒づくのもよく分かる、相変わらず走りっぱなしのチームアルフヘイム。「道」って言われてるんだからそのまんま延々回廊と個室を抜けていくだけのルートだと思っていたのに、明らかに中庭っぽいオープンスペースまであって、本当にこの城はどうなってやがるのかと戦慄する。まぁ、パラスベルダに入って以降は延々「この町はどうなってやがる!」だったけども。この世界に距離の概念とかは通用しないようだ。しかも、隣の道を行っていた昴たちがアイガイオンの小宇宙を感じることが出来たってことは割と近くにいるわけで、描写だけ見てると先週の時貞戦の部屋の真上に今回の中庭があるように見えなくもない。ものすげぇ建造物である。

 さておき、いよいよお目見えのパラス四天王、アイガイオン。忌まわしい聖剣を持って現れたゴリラ顔のおっさんを見て、光牙も「いよいよ四天王が出てきやがった、相手も焦ってるぜ!」とテンションが上がるが、アイガイオンさんも余裕綽々、「ちょっと人間に興味があるから出てきただけだよ」といなしてみせる。アイガイオンは前々回から徹底して「人間とは興味深い」を決め台詞にしており、インテリゴリラっぷりを余すことなくアピールしている。彼がこれまでの人生で何をやってきたのかはさっぱり描かれていないわけだが、まるで初めて人間と正対するかのような口ぶりはなんだか気になるところである。基本的には「人間は脆弱」というところからスタートし、その上でどれだけ人間のポテンシャルがあるかを試そうとしているようだ。ただ、今週の終盤はわざわざ瞬を拘束して目の前で後輩をなぶりものにすることでどんな反応が出るかを観察するなど、インテリっていうか単なる畜生なんじゃないかっていう実験プランも立案している。最終的に「なるほど、人間は強くて可能性に満ちているのだな……」と人類を認めて死んでいくのか、それとも単なるキチピー実験者として死んでいくのかは定かじゃないが、目の前にあの不死鳥兄さんが出てきちゃったことを考えると、多分後者なんじゃないかと今から不安で仕方ない。

 さて、そんな愉快なアイガイオンさんとの対決だが、まー、聖闘士星矢テンプレ通り、クックパッドなら「誰でもお手軽!」とか書かれるレベルのレシピ通りの調理法。向こう見ずな若造3人が挑みかかり、まずは手軽に重爆雷斬刃のお披露目。3人が一瞬で吹き飛んだところで仲間思いをしつこいくらいにアピールする瞬がローリングディフェンス、サンダーウェーブ、ネビュラストームと立て続けに伝家の宝刀を繰り出すも、流石にスルトさんのように甘くはなく、マントを剥ぎ取るだけに終わってしまう。

 マントの下から現れ出でた斬新デザインのクロノテクターは、先々週の時点で「黄金聖衣3つ分の力がある」と言われていたわけだが、なんと、デザインそのものが「黄金3つ分」を意識しているというド直球デザインだった。グラビトンテクターは蠍・山羊・天秤の3星座をモチーフにしているらしく、確かに良く見るとそこかしこに元のデザインを想起させる意匠が凝らされている。今確認したらWikiのアイガイオンさんの項目で早速ディティールが更新されているので、詳しく知りたい方はそちらを確認しよう。しかし……黄金聖衣の本歌取りで「3つあわせれば3倍強いだろ!」というのは、一体誰の発案で、誰の開発なのだろうか。そんな簡単に3倍の力が再現できるなんて、神話の世に産みだされたはずの黄金聖衣も立つ瀬がない。そして、オリジナルがデザイン出来ない時点でパラス(クロノスの方か?)は神としてのオリジナリティに欠けているのが残念ではある。ポセイドンだってハーデスだって、ちゃんと部下にはオリジナルの鎧を装着させていたのにねぇ。敢えてアテナ謹製の黄金聖衣を模倣しているってことは、パラスちゃんの意図が絡んじゃったんだと信じたいところである。

 まぁ、とにかく黄金3体分の実力なのだから、いかに瞬とて苦戦は必至。ネビュラストリームを封じられ、あげく身体の時間を奪われて満身創痍。重力と時間の関係性について得意げに説明してくれたあたり、流石のインテリ・アイガイオン。このアニメを見てると、めっちゃ温度を下げても、めっちゃ重力をあげても、割と簡単に時間って止められそうな気がしてくるから不思議なものだ(重力と時間の関係性は物理学的に事実ではあるのだが)。結局、瞬は「指をくわえて観ている側」に回され、残りの3人が頑張ってアイガイオンに一矢報いる戦いになる。まずは初撃同様に向こう見ずにアタック、当然一蹴。続いて、光牙の「無茶な作戦」発案で重爆雷斬刃を狙うことが決定するも、そもそも攻撃が届いてなかったんだから、本体を狙おうが剣を狙おうがあまり関係無く、流星拳、バーニングファイヤー、ディバイントルネードのお約束3発もやっぱり一蹴、雷のおまけ付き。「やっぱり駄目だよなー、そろそろ終わらせよう」とアイガイオンさんが飽きてきたところで、光牙がようやく覚醒。これがセブンセンシズなのか「Ω」なのかはよく分からないが、一応「瞬の優しさに応える」との大義名分で立ち上がり、渾身の彗星拳を見舞う。今更何をやっても無駄じゃないか、と毎度毎度思うわけだが、死の淵からの復活はこの世界では「次の展開」の合図。小宇宙を一点集中させるという彗星拳の存在意義を存分に活かし、一輝に続いてめでたく「聖剣に傷を負わせた聖闘士」の称号を勝ち取ることが出来た。この間、蒼摩とユナは寝ていただけ。不憫。

 結局、光牙の最後の力も「聖剣に傷」で精一杯。おかげで瞬の拘束は解かれたものの、まだまだ実力差は圧倒的だ。勝てるわけないこのイベント戦闘、じゃぁつぎの展開はどうなるかといえば、地獄の業火で身体を冷やす、あのお方の出番に繋がるわけである。←ここまで予定調和。やっぱり一輝の登場回は次回予告が素敵過ぎるポエムになるよね。地獄が故郷。確かに、傷を癒すために里帰りして温泉療養してたしな。次回、みんなで兄さんコールだ。

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 時貞さんフォーエバー、第80話。一週休んでの再開ってことでどうなることかと思ったけど、なんか最低限予定されていたイベントがちょこちょこ片付いた、っていうくらいの印象。結局アクエリアス聖衣はどこへ行ってしまったのでしょう。

 第2ルートニヴルヘイムを進むのはチーム「話しかけづらい3人と別な意味で話しかけたくない昴」。チーム結成の時には一体どうやってコミュニケーションを取ったらいいのかと途方に暮れたものだが、昴が1人で熱くなっていれば、残りの3人は大体保護者目線で見られるので意外に統一感はあった。そもそも栄斗はあんまり回りのこと気にしないし、エデンはもう昴の中身が気になってそれどころじゃないし。並み居るレジェンド軍団の中でも一番話題に上らず、青銅軍団もほぼ初対面だったはずの謎の男さんの存在については、「まぁ、いてくれるならいいけども……」くらいの雰囲気で黙認されたようだ。せめて光牙と一緒に行動してれば、1年前にお世話になったときのお礼が言えたのになぁ。

 基本構造は前回のエピソードと同じ。ほぼ敵陣中枢部のはずなのにまだまだ沸いてくる雑魚兵士を倒すのにまごまごしていると、レジェンドが「ここは任せて先に行け」と行ってくれるので、ひとまず今回の敵キャラには若手軍団だけで相対するという段取りだ。前回もちょっと思ったんだけども、雑魚パラサイトが沸いてくるのって当然進行方向からなわけで、それを氷河1人がその場にステイして「ここは任せて先に行け」って言っても、一切足止めの意味は無い気がするんだけどね。まぁ、多分側道みたいなとこがあって、そこからちょいちょい沸いてくるってことなんでしょう。

 さて、今回の敵キャラは、次回予告でも告知されていた通りに、転び黄金2人目の刺客、元時計座にして元水瓶座、栄斗の怨敵にして今作屈指の残念キャラ、新たな名前はデスウォッチのパラサイト時貞さん。「主要キャラと因縁がある」「CV速水奨」「能力が時間停止」と、強キャラどころかラスボス要素まで兼ね備えているはずの時貞さんなのだが、どこで道を間違ってしまったのか、どうにも言動に威厳が感じられない。今回だってやってることを考えればかなり物語の中核にかかわる大事なポジションをもらっているはずなのだ。なにせ、アイガイオンさんとため口で話して「一級といえども命令するなよ」などと偉そうな口が叩ける身分なのだ。前回に引き続き今回もアイガイオンさんが出てきたので「あれ? 2本目のルートの守護もアイガイオンさんなの?」と不思議に思ったが、そのあとちゃんとガリアさんも出てきてくれた。一応あのルートはガリアさんのものよね。まー、時貞の現在のポジションは「特にどの一級の配下でもない、別次元での『あのお方』の配下」ということなのだろう。

 時計だらけにリフォームした素敵なお部屋で自己紹介を済ませた後はまず軽く栄斗を挑発。しかし、この1年で必死の修行(音楽活動)を積んだ栄斗は既に恨みの連鎖からは解脱することに成功しており、「もう弔い合戦などしない、あくまで平和を守るのみ」と立派な姿を見せる。それに対する時貞さんもクールに応対して過去の因縁を断ち切ったさわやかバトルが展開されるのかと思いきや、なんと憎い憎いの熱烈コール。いや、お前が栄斗を恨むのは流石に筋違いだと思うのだが……まず玄武とかに復讐を誓わないと。いや、むしろ時の彼方に送り込まれたおかげで『あのお方』に出会うことが出来たわけで、感謝してもいいレベル。今回のメイントピックの一つはなんといてもハイペリオンさんなども賑わっていた「あのお方」のことであるが(まだ一応確定事項ではないので名前は出さないよ)、時貞の話しぶりだと「時貞が目覚めさせてしまった」ように聞こえたんだよなぁ。もしそうだとしたら、コイツほんとにろくなことしねぇな。今回の騒乱の元凶が時貞だったとしたら、このΩの歴史に名を刻むやらかしですよ。いや、多分元々あそこにいた存在だったんだと思うけどね。

 新たにクロノテクターをまとった時貞は、相変わらず「どの辺が時間で攻撃してるんだかよく分からないよ」という紫色の闘気を飛ばして闘っていたが、一通り拳を交えたところで「時間を止めれば原子も止まる、原子が止まれば絶対破壊不能!」と丁寧に原理を説明して新技「クロノイモータル」を披露。Magic風に邦訳すれば「時間的不滅」である。防壁ですらなく、時間を停止したからこその一切不可侵。なるほどこれは強い。前回も絶対防壁の敵だったというのに、空気の読めなさも半端無い。栄斗さんが困っていると、そこはチーム・クールガイの面々である。エデンはまるで時止め後のDIO様のようなアイディアを思いつき「時間止めたら動けないだろ。時間停止を解除したら袋叩きだ!」と威嚇。流石神の子は対応がスムース。しかし、時貞はイモータルを解除せずに悠々と歩き始めてエデンを驚かせる。「私は時の王にまでなったのだから、時間を止めたまま動くことが出来て何の不思議があろう?」

 不思議です! よく分かりません! そもそもデスウォッチっていう道具の意味がよく分かりません。死時計? そのサイズだったらウォッチじゃなくてクロックじゃないの? もう、エデンも栄斗も好き勝手な時貞に困惑模様。しかし、時を止めることでご満悦だった時貞にもの申す存在が2人。まず1人目は、熱くなることが得意技の昴。以前エウロパ戦で見せたもったいねぇパンチの再来か、「時間止めたら成長も無いだろうが」怒りながら時貞と同じような紫色の闘気をまとった昴のゲンコツは、一切破壊不能であるはずの時貞に傷を負わせた。「あれ? なんで? ひょっとしてあのお方が……いやいや、んなわけないし」と時貞さん困り顔。

 そして、遅れてやってきたのは2人目の熱い男、キグナス氷河。「止める止めるって、それは俺の専売特許だぜ」と末端部分から凍らせ始め、そのまま「クロノドミニオン(時間支配)」と白鳥の舞いからのオーロラサンダーアタックの直接対決に。「時間停止VS凍気」という、画的にいまいち分かりにくいバトルの末、時貞さんも一度はレジェンドを攻め立てる。しかし、にわかパラサイトのくせにクロノテクターを絶賛し、そのために黄金聖衣をDISりすぎたせいで、未だに黄金聖衣が手元にこなくてイライラしていた氷河の怒りを買う。「今までで一番弱い敵だわ!」と思い切りDISり返され、そのまま伝家の宝刀オーロラエクスキューションからのフリージングコフィンというはめコンボでジエンド。うーむ、氷河さんの活躍としてはこんなものかね。「黄金さえ越えた」と自称している時貞を一切焦りを見せずに正面からぶっ飛ばしたのだから割と良い仕事だったとは思うのだが、「クール系をアピールし続けているおかげで危機感がない」「相手が時貞」という2つの原因のせいで、あんまり大した功績に見えないのよね。これ、もし星矢がぶつかってたら破壊不能の時貞はどうしようもなかった可能性はあるんだけどね(まぁ、この世界だったら、嘆きの壁を壊せたんだから時間停止くらいどうにでもなりそうだけど)。

 ま、とりあえず氷河の無双っぷりはそれなりに見られたから良しとするか。あとは『あのお方』関係の情報はまとめておきたいところだけども……結局、時貞が原因だったのかどうかはよく分からない。ただ、時貞が「あのお方」の能力の一端を受け取ったのは確か。そして、それに対抗する昴も同じ能力を有するが、思想の面で異なっており、「時間が経てば成長がある」ということを認識してなんか邪悪な顔をした。そして、パラス様にねだられていよいよ四天王のクロノテクターが出現。デザインについては次回以降に要注目だが、ハイペリオンさんの「あれを出したらもう後戻りできんぞ」という台詞がなかなか気になるところである。

 次回、再び第1のルートアルフヘイムに戻り、クロノテクターありのアイガイオンさんとの四天王戦一本目。アイガイオンさん、流石に1週で負けることはないと思うが、いまいち信頼が置けない光牙達4人チームがどういう形で巻き返しを計るのかは気になるところだ。

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