忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

 ジョルノの察しの良さが気持ち悪いな、第20話。冷静に考えて、あの電話の応対はどう考えてもエスパーやろ。まぁ、5部キャラって大体エスパーじみてるんだけども(スタンド使いだ)。

 ブチャラティの走馬灯、やはり長尺のナレが入ると大川さんが万全の状態になってないのがわかってちょっと辛い。でも他の人に任せるわけにもいかなしなぁ。あんまり強い調子でバシバシやる必要がないパートなのが救いではあるか。

 ここにきて改めて語られるブチャラティの半生。他のメンバーに負けず劣らずの波乱に満ちた人生だが、彼の場合は幼少期から徹頭徹尾理知的な活動と聡明な判断が際立つ人生を歩んでいる。どの時点でスタンドに目覚めたのかは謎だが、少なくとも病室でチンピラを迎え撃ったときには肉弾戦で対応しているので、おそらくポルポの試験で目覚めたのだろう。となると、それ以前のあれこれを処理したのは完全にブチャラティの持って生まれた資質によるもの。やはり主人公(?)になる男は、天性の物を持っているということである。いや、天性の何かという点ではミスタの方がすごかった気もするが。

 そして、そんなブチャラティの抱える黒い過去が、偶然にもジョルノの持つ野心とピタリ重なるものだったのが運命のいたずらである(ご都合設定ともいう)。ブチャラティは幹部として着実に功績をあげつつも、ボスの姿勢に不信感を抱き、いつかはそこを自らの手で塗り替えようとしている。そして、ジョルノが初対決の時に目をつけたボスの瑕疵がまさに麻薬がらみの事実であった。ジョルノの持つ黄金の心が、たまたまブチャラティの生涯の目標と重なったのである。そういう意味では、出会いのシーンは本当に最高のお膳立てだったというわけだ。今じゃ言葉も交わさずにツーカーで意思疎通ができるまでの関係性になっており、ブローチの受け渡しの時にもブチャラティはジョルノの能力を完全に把握したうえでオーダーしている。アバッキオの警戒心の強さなんかをみると、たとえ仲間内であっても自分のスタンドについて明らかにすることはハードルが高そうなのだが、おそらくジョルノはブチャラティの信頼を得るために、彼にスタンドのことは包み隠さず話しているのだろう。アバッキオたちも知らないところでそうやって交流を深めてきたのなら、古参のメンバーはちょっと嫉妬しちゃうかもしれないレベルである。まぁ、その辺を気にするのは本当にアバッキオくらいだろうけど。

 そして、ブチャラティの人生が重なる人物がもう一人、トリッシュである。いや、正確には何一つ重ならない人なんだけど、ブチャラティの行動原理の多くの部分を「両親」が構築しているのに対し、トリッシュの人生にはおそらくこれまで「親」という存在は何一つ関与していない。そういう意味では、ボスの行動がブチャラティの逆鱗に触れたのはなんとも因果な話であるが、やはり悪逆な行いは必ずどこかで正されるべきである、というのが人間賛歌の基本理念なのだろう。これでもし、トリッシュを護衛していたのがジョルノだったら、もしかしたら今回のような展開はなかったかもしれない。ジョルノは「親」というもの(特に父親)に対してそこまで大きな感情を持ち合わせていないはずなので、トリッシュを奪われたあの瞬間に、ブチャラティほど何もかもなげうって行動を起こせたかどうかは微妙なところだ。

 また、ブチャラティの場合は能力があまりにシチュエーションに噛み合いすぎていた、というのも大きい要因だろう。まぁ、スティッキーフィンガーズは便利なスタンドなので大体の状況には対応可能だが、今回は重厚な教会の建築様式をサクサク移動していくジッパーアクションのあれこれがなんともミスマッチで楽しい画面になっている。これがもしジョルノだったら、あんなに簡単にボスを追跡することはできなかったわけで、これもまた因果である。ボスは本当に警戒するなら、あんなに機動力の高いブチャラティに護衛は任せるべきではなかっただろう。まぁ、それこそブチャラティの裏切りなんて考えなかったということなのだろうが……。他に適任がいたかって言われたら難しいんだよな。ナランチャやアバッキオは追跡任務に向きすぎているので論外だし、フーゴだと何が起こるかわからないだろう。ミスタだと……ほら、指に毛が生えてるから。

 さぁ、いよいよキングクリムゾンの登場である。長きに渡るジョジョの歴史の中でもトップクラスに意味不明で、何をどう描写したらいいかもよくわからないスタンド。今後は原作の愛読者にとっても「やっぱり分からんな」の連発になるんだろうか。乞うご期待。

 

拍手

PR

 凄絶! 第19話! いやぁ、予定通りの激アツ展開になりましたね。やっぱり実際のアニメ映像にされると相当エグいバトルになるわなぁ。

 二転三転のどんでん返しの連発感は正直原作漫画の方が出ている。多分それはコマの大きさとか、そういうリズム感の問題なんだろうけど、「良かれと思ってうった手がむしろ相手を利することに!」みたいな目的意識が終始入れ替わる段取りは原作の方がインパクトがでかい気がする。ただ、その分アニメは動きが見せられるので、息もつかせぬ怒涛の展開がより熱を持った状態ではっきり伝わってくる。クライマックスとなるミスタ決死の連射シーンなんかは、いかにもアニメ映えする見事なシーンである。

 「覚悟」という言葉で示されるお互いの必死の目論見も、決してギアッチョが劣っていたわけではない。最後の最後までどちらが勝つか分からない、手に汗握るバトル展開。まぁ、ぶっちゃけジェントリーウィープスの細かい仕様など(原作時点で)よく分からない部分は多々あり、ジョルノが生やした植物をぶちぶち引きちぎっているミスタにはダメージが反射しなくていいのかよ、なんて些細な疑問も挟まれるのだが、すでにこの時点でG・Eの反射設定は無くなっているようなので、「植物を生やそう」で目的は達成しているのである。明らかにボンネットに生えてた草が、能力を解除したらネジになるなんてのも不思議ではあるのだが……こまけぇことはいいんだよ! とにかく、能力のオンオフまで含めた多用途な使いこなし方が勝負を分ける、お手本のような能力バトルになっているのだ。

 バトルへの向き合い方からそれぞれのスタンスの違いがはっきり出ているのもドラマ作りとしては興味深いところで、今回、ジョルノはあくまでサポート役なので比較的穏当な発言が多い。特に「とりあえずディスク確保して逃げろミスタ」とジョルノが主張し、ミスタが「いや、それは勝利ではない」と否定するのは、ある種イルーゾォ戦の時のジョルノとアバッキオの関係性の裏返しになっている。それだけミスタがチームの中で特異的な立ち位置にいるということがわかり、さらにおちゃらけた雰囲気の彼の中に隠れる聡明さ、さらに意志の強さなんかも伺わせる。ほんと、チームのメンバーが満遍なく全員格好良く描かれるのはお見事としか言いようがない。今回はミスタ入団を思い出す過去話にさらにアニメオリジナル要素を加えてより和気藹々としたチームの雰囲気が感じ取れるようになっていたが、ブチャラティがオーダーを「4」人前から5人前に変えたところでミスタが「気が合いそうだ」なんて考えたあたりは非常に芸の細かい追加要素である。もちろんブチャラティはミスタのことを考えて「4」を忌避した訳ではないのだろうが、ミスタの方でそれを勝手に解釈し、「ここで4を避けたこの男なら、なんとなくうまくやっていける」と判断したのだろう。ミスタってのはそういう男である。

 そうして経験を積んできたチームに最近加入したばかりのジョルノ。彼のスタンスの独自性はミスタが語っていた通りだが、今回もばっちり主人公として美味しいところをかっさらっていく如才なさは本当に憎たらしい。どう考えてもミスタの脳に銃弾がめり込んだらその時点で即死のはずなのだが、あのタイミングで「ズキューン」と穴を埋められたら、なんとなく納得するしかないだろう。そして、彼のスタンド名である「黄金体験」を体現するかのように朝日が上り、眩しい光とともに強敵を殲滅する姿はまさにヒーローそのものである。彼の父親が(一応)ディオであるというのもなんだか意味深で、今回ジョルノの行動からミスタが(そしてギアッチョが)思いついた「返り血を利用する」という戦法は、あのディオが承太郎相手に最後に見せた(情けない)一面であった。今回はそれが見事にヒーローの活躍の一要素として関わっている。朝日が昇ることで死滅したディオ、朝日を浴びて勝利宣言をするジョルノ。そのあたりの対比も時代を超えた興味深い因果である。

 これだけ明るくても、目にゴミが入ったならしょうがないのだ。

拍手

 ディアボロ役はこにたん! 第18話。なるほどいいところを持ってきましたな。確認したらこれまでのディアボロ役は最初のゲーム版が宮本充、最近のゲーム版が帝王森川だったようだが、少しずつ若返っている感がありますね。まぁ、個人的には「ジョジョシリーズでも屈指の情けないボスキャラ」な気がするので、ラストバトルがらみでこにたんがどんな仕事を見せてくれるのかが今から楽しみです。あとはドッピオが誰になるかやね。

 ベイビィフェイス戦からギアッチョ戦への繋ぎ。やっぱりこうしてみるとベイビィフェイスはかなりお手軽に片付けられた感があるなぁ。本来ならジョルノのパワーアップイベントとして大々的に扱われるべき(原作ならそれなりに迫力ある展開になってる)なのだが……尺の問題というよりも、やっぱりこの辺のバトルは微妙につじつまが合わないところもあるので、強引に勢いで流してしまおうとした結果とも言えるか。ベイビィフェイスの能力、結局ディティールではわかってないことも多いしな。一応フォローしておくと、アニメではメローネが絶えず電車移動している描写が挟まっているので、「案外ジョルノたちの近くまで移動してたのかな」っていうニュアンスが出せてるとこ。まぁ、「ローマの駅」って言っちゃってるんだけどさ。毒ヘビの移動速度なんて本当に些細なもんだろうから、時間的に絶対あそこで毒ヘビに襲われることはないはずなのだが……まぁ、その辺の都合が仕方なかったのは前回触れた通りである。ちなみに、原作だとギアッチョはメローネがやられたことに気づいていないような描写があるのだが、アニメ版ではきちんと理解した上での復讐劇になっている。いや、全然メローネのことは振り返ってないんだけどね。仲良かったのかどうかも微妙な関係性だが、暗殺者チームは今更仲間の命なんて省みてられないからなぁ。

 その分追加されたのが、わざわざ写真を再生してギアッチョに指令を送ったリゾットの描写。原作だとこの時点でまだリゾットの姿は登場していなかったのでそのあたりの裏事情は隠されていたが、アニメでは遠慮なく裏側も描けるため、ギアッチョがすぐさまジョルノたちを追跡できるようになった過程が補足されている。地味な追加だがリゾットファンには嬉しいところだ。ちゃっかり能力のお披露目してるあたりもニクいサービスである。

 ついでに触れておくと、そんな写真を持ち込んだペリーコロさんの動向については、実は結構謎が多い。ジョルノたちが駅に到着する数時間前にペリーコロさんは亀の中に入ってメッセージを残している。どう考えてもその後で鍵を外して「犬の床絵」のところまで運んだとは考えにくいので、おそらく亀のスタンド(ミスター・プレジデント)を発動するためのキーは複数存在するのだろう。何らかの「ぴったりあう鍵」さえはめ込めれば、亀の内部に用意された同じ部屋に入ることができると考えられる。ペリーコロさんが自害し、死体を外に出した時点でそれを回収するチームの別な人間が必ずもう1人存在していたはずで、そいつが鍵を外して持ち去ったのだろう(ただ、その場合にペリーコロさんが命を賭してまで守ろうとした機密性に疑念が生まれてしまうが)。おそらく死体を片付けた何者かは、本当に詳細を知らされずにただ片付けだけを行ったのだと思われる。そのために写真を燃やした灰にまで注意が向けられず、リゾットたちにヒントを与える結果になったと、そういうこと……なのか? そういや、以前リゾットが駅構内で何かを見つけている描写があったけどあれが伏線だったわけだね。

 ついでに触れておくと、今回ムーディーブルースで「ペリーコロさんの死」を再生しているが、ムーディーブルース再生時の対象の状態は、アバッキオ本人には影響しない。これは以前ナランチャがソフトマシーンでペラペラになった時にも証明済み。ついでにナランチャの時のヘッドフォン、そしてペリーコロさんの写真とライターのように、体に触れているツールも同時に再生可能。しかも遡る時間に制限はなく(巻き戻しに時間はかかるが)、人物を認識せずに「場所」で捕捉できる。そして一度対象を認識すればどれだけ遠くても再生可能と、やはりムーディーブルースはかなりのチート性能である。ペリーコロさんが写真も含めて再生できると理解した上でこの効果を活用しているということは、ボスもかなり入念にムーディーブルースの使い方を研究したと思われる。そんな奴に裏切られたら、まぁたまったもんじゃないわな。ついでにスタンド能力について触れておくと、ジョルノのG・Eについても、今回「超遠距離で毒ヘビが解除されて元に戻ったことを知覚する」という反則じみた能力を見せている。これってもう、完全に遠隔自動操縦の域なのだが、主人公なので色々と優遇されているようだ。

 さぁ、そして待ちに待ったギアッチョ戦。バトルの迫力、二転三転する展開の妙、荒木節全開のふざけたキャラ造形など、個人的には5部のベストバウトに上げて良い一戦。これがまぁ、ベイビィフェイス戦同様にアニメ化が大変なバトルで、今回描かれた範囲だと「高速移動する車の内外でのバトル」という構図が非常に難度が高い。さらに「瞬間的に凍結する物体」というのもなかなか描きにくいオブジェクトであり、この辺りの表現も荒木的作画スキルが遺憾無く発揮されているところ。幸い、アニメでもその辺りはがっつり再現されており、今回のバトルだけでも手に汗握るシーンの連発。非常にハイカロリーである。次回はさらに「水中での駆け引き」なんて面倒な要素も増えてくるし、まだまだ見どころ盛りだくさん。でも最終的には目にゴミが入って何も見えなくなるかもしれないけどな!

 

 

拍手

 あの子の名前、アニータっていうんだ、第17話。ちなみにCVはあんまり知らない人でした。丁寧にジョジョ的セリフを言わなきゃいけない現場ってクセが強過ぎるよな。

 メローネさん大活躍の巻。当然のようにベイビィフェイスのCVもマジ兄なので、ピストルズの鳥ちゃんと同じような起用になっている。この辺りの演じ分けはいつも通りで心得たものだ。そして、純正のキモさが際立つメローネはキワモノ揃いの暗殺チームの中でも実に特異な存在。当時の時勢を考えると、この時代はまさに「パソコン通信」などが盛り上がり、インターネット黎明期に「パソコン」という存在が一般家庭にも浸透しつつある時代。Windows95が社会現象となり、この時代のITの象徴となったりもした。そんな時代に、荒くれ者揃いのギャング団の中で、常にパソコンを片手にひたすらキーボード入力で会話を続け、データ採取からバトルの構築までを全てプログラムで処理しようとするメローネは、まさに時代の最先端、チームのブレイン、圧倒的頭脳派のキャラ立てだったのである。まぁ、もちろんそこには荒木飛呂彦的な曲解というか、へんてこ設定が色々と混ざり込むので一筋縄ではいかないが……。どのキャラが出た時も必ず言ってるけど、やっぱりジョジョキャラのコスチュームは実際に見たら頭おかしいとしか思えないしな……メローネが顔につけてあれはなんなんだろう。マスクなのかな。

 で、そんなメローネから生み出されるスタンド、ベイビィフェイス。「パソコン通信」というネタが先に思いついたのか、それとも「遠隔自動操縦」という設定の掘り下げの道具立てを探していたのかは定かでないが、4部から5部にかけての「遠隔スタンドの定義」にもう1つの試みが行われている能力である。シアーハートアタックで設定が掘り下げられ、ブラックサバスで「本体にダメージなし」という要素を追加。ここで「本体への負担の少なさ」が「自動操縦ゆえの精度の低さ」とトレードオフになっているというアイディアが形をなしたわけだが、今度はさらに「遠隔からのプログラム指示」という要素を付け足すことで、完全に本体から切り離してダメージを取り除きつつ、攻撃パターンの精度もあげるという設定にチャレンジしている。その前の段階で既に「自動操縦(?)」のピストルズが好き放題やらかしている構図が描かれているため、「意志を持ったスタンドが勝手に動き回る」という状態も既になんの違和感もない(ピストルズは遠隔スタンドのカテゴリには入らず、食らったダメージがしっかりミスタに跳ね返る)。

 こうしてまた新たなバトル展開を可能にした画期的なスタンドがベイビィフェイスだが、個人的な印象は「ちょっと要素を詰め込みすぎた」という感じか。自動操縦の再定義に加え、今回はジョルノの能力の改変という大テーマが設定されている。一応正確に書くなら「改変」ではなく「成長」なのだが、これ以降、元のG.Eの能力が使われることはほとんどなくなるので、事実上の改変とみなしていいだろう。荒木先生も、既にこの時点で「G.Eが殴った時の能力、意味分かんねぇな」と匙を投げていたものと思われる。「生物にする」という能力はそのままにしつつ、生物からの反射能力はほぼカット、さらに感覚暴走設定はブラックサバスの時点で既に破られているのでなかったことに。今後はブチャラティ以上の治療役として、先輩である仗助の跡を継ぐことになる。

 この「改変」はストーリー展開の都合上のもので、荒木先生にはありがちな「思いつきでやったけどあんまりうまくいかなかったから途中でひっくり返す」という事例の1つである。もちろん、無責任にひっくり返すだけではなくて、ちゃんとストーリーの要請上、そっちの方が面白くなるから改変する。そして(そうじゃない時もあるが)今回はちゃんとシナリオの要素と絡める形で改変に説得力を持たせており、それがベイビィフェイスの「G.Eとは逆の能力」という動機付けである。ジョルノがベイビィフェイスを見て自分のスタンドの真価に気づくというのは、いささか御都合主義のきらいはあるものの、充分納得できる展開だろう。

 ただ、おかげでベイビィフェイスの能力が「遠隔自動操縦成長スタンド」という設定に加えて「生物を物質に変える力」という特盛り状態になってしまい、能力の主体性は見えにくくなってしまったかもしれない。タイマン勝負は充分見応えがあるのだが、それとは全く別に解決しなければいけない「本体が遠くにいるから、ノーダメージのそっちをどうやって倒すか」という問題を処理しきれなくなってしまったのである(多分来週解決されるが、そうとう適当である)。まぁ、この辺のライブ感も含めてのジョジョだと思えば、ファン目線だとそれすらも愉快に思えてしまうのが困ったものだが。

 ただ、そんなしち面倒臭い不満は言いつつも、アニメではベイビィフェイスのスタンド描写がむちゃくちゃ凝っているのでそれだけで楽しい。キューブ状に分散する描写がCGで処理されており、デザイン性優先で荒木先生が好き放題に描いたバトルのデザインが、感覚的な部分で理解しやすいようにまとめられている。原作絵を見て「こんなもんアニメにできるかよ」と思っていたが、まさに思い描いていた通りの形になっていたのはすごく嬉しかった。改めて、ジョジョは本当に「アニメにする価値がある」原作であり、今作も「なった価値がある」アニメだ。良き哉。まぁ、構成の都合上、ちょっと駆け足にはなってしまったが、そこは仕方ない。

 次回、「トリッシュの尿意は如何に解決されるか」に乞うご期待(嘘です、残念ながら触れられません)。

 

拍手

 ずっと鳥ちゃんの裏声が響く変な作品、第16話。ピストルズを全部やってるって考えると結構な兼ね役の数。もしかしたらミスタ本人よりピストルズのセリフの方が多いんじゃなかろうか。

 ペッシ編決着。2話という枠の中で、ある程度はしょりながらも充分に説得力のあるバトルが繰り広げられたのは嬉しいところ。二転三転するバトル展開と、ストレートな少年漫画らしい覚悟と覚悟のぶつかり合いが実に盛り上がる見事な展開であった。個人的にはこのバトルの後にイロモノくさいベイビィフェイス戦をはさみ、続くギアッチョ戦あたりで主人公パーティのバトルはピークを迎える感がある。もちろんその後も引き続き面白いんだけど、クラッシュ&トーキングヘッズなんかはトリッキーなバトルだし、ノトーリアスやグリーンデイ戦あたりはパニックものの印象が強くなる。人VS人というアツさはやっぱりこの辺の完成度が高い(主人公パーティに限定しなければメタリカ戦もあるが)。

 今回は初っ端でプロシュートが脱落、その後のペッシの成長物語が最大の眼目であり、この辺りの話で「ブチャラティたちも必死だけど暗殺者チームはそれよりも命がけなのだ」という真実がかなりアツく伝わってくる。言われてみれば、この段階ではすでにボスに反旗を翻したことが明白な暗殺者チームの方が「賭けているもの」は重いんだよな。ブチャラティはこの段階ではまだ「幹部の座」がモチベーションな訳で(ジョルノに言わせればすでにこの時点でブチャラティにも「黄金の心」はあったはずだが)。互いの覚悟を認め合う戦いの中、マンモーニだったペッシが一皮剝けるというのは、視点が違えば立派に主人公の成長物語である。まぁ、最後の最後にしれっとブチャラティから「堕ちたな」とか言われてしまうわけだが……それまでの惨殺劇とやってることは同じなのだから、あのシーンで突然ディスられる言われもないと思うんだけどな。まぁ、あそこでのブチャラティのセリフはペッシを挑発する意味もあったんだろうけども。そういやペッシが亀の中に入っちゃうくだりはカットでしたね。まぁ、あの辺は今見てもよくわかんねぇからしょうがないか。

 ペッシ戦のクライマックスは当然心臓切断我慢大会の部分なわけだが、アニメで見るとブチャラティの体内小宇宙空間にぽっかり心臓だけ浮かんでいる様子がかなりシュールだった。もともとフィンガーズの断面がどうなってるのかはよくわかってない部分であり、アニメ化にあたって「なんか宇宙」な処理になっているわけだが、そこに心臓だけフィーチャーされてしまったので違和感のある映像に。まぁ、あそこは本当にどうしようもないところだけども。こうしてみると荒木先生は「動かないことを強いられる勇気ある行動」っていうテーマが好きだよね。3部の承太郎もそうだったし、この後のトリッシュも似たようなことを強いられるし。「スピード勝負だ!」みたいな展開が多い少年漫画の中であえてこういう展開を描きたがるあたりはいかにもジョジョっぽい。ついでに同じ客室にいた乗客が惨殺されてることに特に触れないあたりもジョジョっぽい。まぁ、当時のDIOに殺された人数に比べれば……ね。

 さて、次回はベイビィフェイス。カーマスートラ大活躍の巻。個人的な注目ポイントは「客室の女性」役のキャストが誰になるかだ! メローネ役のマジ兄のねっとりしたセクハラにディモールト期待したい。

 

拍手

 ペッシのアゴ(首?)、第15話。やっぱり時たま出てくるジョジョ世界の「どう見ても身体がクリーチャーのキャラ」は笑ってまうよな。兄貴に首根っこ掴まれても「それ首? あご? うん? どうなってんだ?」って気になってしょうがなかったもんな。ちなみに、似たようなアゴ無し人間の代表(俺調べ)は4部の最終戦で吉良に絡んでた「梨央ちゃんのパンティ」の人。

 エンドレス名シーンである。二転三転する攻防、聡明すぎるキャラクターたち、そしてその都度割と都合のいい解釈がなされるスタンドバトル。もう、色々と訳が分からなくなっているのでとにかく勢いに丸め込まれて「すげぇ!」ってなっちゃおう。この特急列車の中でのバトル、まだ逆転劇が何度も用意されてる訳でな。ここまでギミックの多いバトルって他では見たことがないかもしれん。本当に、何回でも書くけどこの時期に荒木先生はキレッキレやねん。「うわぁ、頭脳バトルすごい」と「こまけぇことはいいんだよぉ!」のさじ加減がな。

 今回は、パッと見て若干の省略があったのでわかりにくい部分もあった気がするが(ペッシがグラス壊されて慌てふためくシーン、そのまえにペッシがもうちょい余裕ブッこいてるくだりがあったはず)、ここまでの蓄積があったおかげですでにペッシのキャラが視聴者に周知されているから特に問題はない。初見の人は「なんでこんなショボそうなやつが暗殺者チームにいるの?」って思うかもしれないが、大丈夫、原作組だってその謎は完全には解明していない。確かにビーチボーイは悪いスタンドではないし、この後の「覚醒ペッシ」のところでブチャラティが認めているように、タイマン勝負になったり、障害物を挟んでの乱闘になったりすると強い能力。暗殺者チームはトリックスターが多く、こうしてダイレクトにフィジカルメインの戦いができるスタンドが案外少ない(グレイトフルデッドも、「老化にパワーを使っちまうから動き自体は大したことない」らしいし)。バランスを考えて、直線的な「ぶっ殺し」のパワーを持つペッシがプロシュートの下でトレーニングを受けているのは、まさに今回言われていた通りにメンタル面での成長を期待されてのことなのだろう。

 プロシュート兄貴はギャングとしてはすでに完成したキャラなので、チームの中で彼がペッシの指導役を任されたのは当然といえば当然。他にありそうな選択肢としてはホルマジオだった気もするが(イルーゾォはビーチボーイと組んでも効率が悪そうだし、メローネとかギアッチョは論外だ)、リトル・フィートもあんまり他のスタンドと絡められない能力だからなぁ。完璧なコンビとまではいかないが、やっぱり兄貴とのコンビがバランスの面で一番使いやすかったんだろう。

 グレイトフルデッドの能力については、気をつけなければいけないのはあくまで「老化」というのはスタンド攻撃による「侵害」の表現でしかないということ。実際に身体の細胞が老化し、テロメアに影響を与えているとかいうわけではないはず。氷を当てると「戻る」し、プロシュートを倒せば元に戻る可逆性の変化でしかないはずなのだ。ただ、それが「死」というゴールまでたどり着いてしまうと、流石にスタンドの影響範囲からは外れて結果だけが残るということになるんだろう。だからこそ、プロシュートは自由に自分を「老化」させて戻すこともできるということ。ホルマジオがリトル・フィートを自分に使っていたことにも通じているあたり、案外チームのスタンド能力に一貫性はあるのかも(他にも、自分の身の回りにまとったり、体内に住まわせたりしているしな)。そして、プロシュート兄貴のイケメンな風貌のおかげで忘れがちだが、グレイトフルデッド自体のデザインは結構なクリーチャーである。スタンドの造形、主人公チームの方が一方的に格好いいのはちょっとずるい。ソフトマシーンもリトル・フィートも、クラフトワークもあんまりシュッとしてないしな(あれはあれで格好いい気もするが)。ヘンテコ造形のグレイトフルデッドがのそのそ動く様子はそれだけでちょっと面白く、かつて5部がPSでゲーム化された時は「あ、こんな感じなんや」って感心した記憶があるわ。

 そして、そんなクリーチャー相手に圧倒的「かっこいいバトル」を展開することになるブチャラティ。もう、このあたりで完全に荒木先生はブチャラティのキャラとしての行く末をダブル主人公クラスにまで持ち上げることを決めてしまっていたのだろうか。ミスタだって充分格好いい活躍をしているはずなのに、セリフの1つ1つがずるいくらいに決まっちゃうブチャラティ。あまりに見事すぎて主人公のジョルノが食われちゃうくらいになったのが恐ろしいところだ。これまでのジョースターの血統をみると、相方ポジションってシーザー・ポルナレフ・億泰って、どこかおちゃらけ要素を持ってる奴が多かったのに、ブチャラティは直球で格好良さしかないからな……。次の部のエルメェスとかF・Fはそこまでイケメン方向に振り切ってないのは、流石にブチャラティはやりすぎたと荒木先生が反省したからなのかもしれない(まぁ、単にあっちは全員囚人だからってのもあるかもしれんが)。

 そんなわけで、やりすぎダブル主人公の活躍、来週もまだまだ続きます。ちなみに、今週個人的に一番ツボだったシーンは、兄貴がカメのフンをいじったペンを「もうイラネ」みたいにしてぶん投げたところです。潔癖なんやろな。

 

拍手

 雑な総集編とセット、第13話。どうやら関東では年末のうちに12話が放送され、年明けに総集編っていう流れだったっぽいね。関西では時期がずれたおかげで12話と総集編が一気に放送。おかげでイルーゾォがなんだか可哀想なことになってしまった。なんで一週間に2回もウィルスまみれで死ななきゃならんのだ。

 さておき、のんびりやっていたリトル・フィート戦と比べると、ほぼ一週間で消化してしまったイルーゾォ戦。まぁ、これくらいのテンポでやっても特に性急な印象はないのでやはり緩急の見せ方次第って感じだろうか。ぶっちゃけ、この試合はギミックてんこ盛りの割にはディティールにゴリ押しが多いので、勢い任せで考える隙を与えずに一気に見せてしまった方が迫力が出るかもしれない。だって、これだけ短い時間に何回どんでん返しが待ってるんだよ、って話ですよ。アバッキオ戦だけに限定しても、「鏡をぶっ壊したぜ!」→「粉々にしてくれてありがとう!」→「それがいいんじゃぁねぇか」という展開があり、「這いつくばってるのいいんだ」とか「らしい」言い回しも多数。あと、気づきにくいところだがキーパーツとなっている鏡は、アバッキオが手首を切断する際のナイフの役割も果たしている。アバッキオが(おそらく利き手であろう)右手を残して左手を切断したけど、鏡の中の世界のことだったので実際のムーディーブルースは右手が切断されているなんてのも細かいポイントだ。あれって、マンインザミラー解除後はどういうダメージになって残るんだろうな(5部は4部のCダイヤモンドで味をしめたせいかダメージの回復方法が雑)。

 そして、原作で気づいてなくて今回初めて気づいたポイントとしては、キーを追いかけて慌ててジョルノを追うイルーゾォが、アバッキオに「あいつ何してると思う!?」って煽り気味に教えてくれるくだり、あそこも曲がり角の向こう側のジョルノの様子をみせるために、イルーゾォがわざわざ「鏡」を使ってるのね。うーむ、芸が細かい。

 そしてクライマックスとなるジョルノとの戦い。荒木先生が血清を便利に解釈しすぎてる部分はあるものの、まぁ、そんな便利要素も全部GEの能力の一部ということにしておきましょうよ。「血清を取り出して僕に打ち込むんだ」って、とんでもねぇスタンドの使い方。そりゃぁイルーゾォだって想像できるわけないでしょ。もともとレンガでできた蛇の血清って言われてもなぁ。でも、とにかくジョルノがお利口さんすぎるから全部「計算通り」ってなもんですわ。さすがに先読みすぎだし、失敗した後のこと考えてないし、そもそもどうやって最初に感染させたのかもよく分からなかったりもするのだが、まぁ、その辺は勢いで。とにかく三者三様に「覚悟」がすごいおかげなのだ。「30秒で全身に回る」設定とか、随分長い30秒だった気もするけど、少年漫画ではお約束なのである。まぁ、感染部位を全部除去しなきゃいけなかったイルーゾォと違って、ジョルノの場合は感染してても死ななければセーフっていう違いはあったので、その分時間的にも余裕があったってことなんでしょうね。終わってみれば、フーゴだけ割とピンピンしてるのずるいよな。

 そしてラストはオリジナルでリゾットの登場シーンを挿入。ちょいちょいこうして裏に隠れている存在もピックアップしてくれるのはいい感じ。まぁ、こうでもしないとリゾットは本当にジョルノたちと絡まずに一瞬で退場してしまうのでなぁ。

拍手

 ジョルノの大胸筋突っつくアバッキオで笑ってしまう、第12話。あんなに胸ぐら掴みにくい衣装もなかなか無いよな。アバッキオもジョルノのこと敬遠してるくせに、スキンシップがいちいち近いの何なの。

 別にそういう目で見るつもりもないが、今回は色々と盛り気味だったフーゴの過去話も含めて、そっち方向のサービス過多である。IQ150、飛び級で大学に合格した天才少年を狙う変態教授か……うーむ、ああいう自分よりも賢いであろう人間に年の功だけで恐れずに挑もうとする人間って何なんだろうな。あとでどんなしっぺ返しが来るかとか考えないもんなのかな。まぁ、残念ながらフーゴのしっぺ返しは恐ろしくダイレクトなアタックだったわけだが。こうして見るとやっぱりギャング団の一員ってみんなして本当に不慮の事故みたいな残念な理由でドロップアウトしてんだよなぁ。一応自己責任が大きいのって不正を働いてしまったアバッキオくらいか。

 さておき、そんなわけでフーゴの紹介エピソード。ちゃんと他の面々と同じように過去話も展開してもらっているので、メインの戦闘がこれだけでお別れというのも何だか勿体無い気もするが、荒木先生は結局フーゴを出した時点で彼をどのように扱おうとしていたんだろうか。世間的には「能力を作ったけど扱いきれなくなったから退場させた」みたいな論調が強いが、あそこでフーゴがリタイアするのって、ギャング団の使命を表現するのに不可欠な要素だったはずなんだよね。今回のジョルノとアバッキオの言い合いにも繋がるけど、結局ダーティヒーローを描いている限り、何が正解かなんて単純な答えが出るはずがない。自分の信念に殉じて何を優先するかの問題で、ブチャラティやジョルノが描く未来は、フーゴの持つ使命感や人生観とは違うということを表現する必要があった。妄信的な「信者」ばかりでは、ブチャラティのチームの持つアンビバレンツは表現しきれないからね。チームで最もIQが高いであろうフーゴにその役割が回って来るのは、事前に決められた宿命だった気はするんだよね。

 でもまぁ、現時点では単なるブチギレ面倒ニキである。史上空前の厄介スタンド・パープルヘイズ。まぁ、この後もっと面倒なグリーンデイが出てくるので(さらにその後にはボヘミアンラプソディも出てくるので)厄介度ランクではそこまで上ではないが、少なくとも「正義のヒーロー」として出してくる能力としてはイカれてるのは間違いないだろう。少年漫画の能力バトルで即死ウィルスってなぁ……やっぱりどこまで考えて書いてたかは謎だな……。しかし、少なくともこのバトルの中に限ってはちゃんとプロットがあって描かれていたもののはず。そうでなければマンインザミラーなんてこれまた面倒な能力を敵として登場させたりはしないだろう。

 「鏡の中に引きずり込むのにほとんどのエネルギーを使っちまっているからスタンド自体のパワーは低い」というのイルーゾォ本人の弁であるが、「鏡の中に引きずり込む」ことよりも「鏡の中に世界を作る」ことの方が膨大なエネルギーを消費するはずだ。今回表示されたデータを見るとマンインザミラーの射程距離はBとのことだが、あの「世界」は果たしてどこまで続いているのだろう。少なくともイルーゾォが認識している限りは世界に終わりはないだろう。そう考えれば世界創造の能力なわけで、下手したら史上最強クラスなんだ。そしてその能力の目的も、そんだけ大層なことやってるのに「敵からスタンドを剥ぎ取る」という部分だけが主目的になっているのもすごい。まぁ、暗殺が目的ならば目撃者がいないところで確実にターゲットをなぶり殺しにできるのだから、やはり「向き」の能力には違いないが。一切他の人間と連携が取れないので、やっぱりホルマジオ同様に独立部隊だったと考えるのが自然なんだろうなぁ。

 鏡の中に世界なんてない。花京院にそう言われてから十数年後に編み出された新能力。IQ150のフーゴも、引きずり込まれるまでは謎解きができなかった。そして、そんな無茶苦茶な能力を「当てに行く」のがこのバトルの最大の見どころとなる。フーゴの戦い、アバッキオの戦い、そしてジョルノの戦い。三者三様の目的意識で、それぞれに命がけのバトルをする激アツ展開。やっぱりこのあたりのバトルはどれを取っても最高すぎるんだわ。早く仮面ライダーWみたいになったアバッキオをアニメで見たいもんである。

 

拍手

 鳴子VS小野田戦決着、第11話。考えてみりゃミスタもアバッキオもブチャラティもみんなして総北高校関係者やんけ。五部は事実上の弱虫ペダルだった?!

 まぁ、実際には自転車じゃなくて自動車が大変なことになるアニメです。前回圧倒的テンションでお送りしたオリジナルパートのおかげでナランチャの激闘もちょっと影が薄くなってしまったが、今回はまるまる1話分の時間をとってその激戦を描いている。この尺でちゃんと最後まで収まるんやな。どこぞのサーカスアニメに爪の垢煎じて飲ませたいゆとりである。

 とは言え、個人的に虫の類が本当に苦手なので、今回のお話は(原作当初から)結構見ててキツい話だったりする。「足が5本以上あるものは苦手」というのが私が常々言っていることなので、虫はもちろんダメだし、いわんや蜘蛛をや。まぁ、今作の蜘蛛は若干デフォルメが施されて「実際の蜘蛛」というよりもいくらかクリーチャー寄りに描かれてはいるのだけども。4部では露伴に食われてるし、どうにも荒木先生は蜘蛛というモチーフも割と思い入れがあるような気がする。ちなみに今回は「猫」も登場して相変わらずひどい目に遭っているし、本当に生き物に対して容赦ないな荒木先生。猫が何をしたっていうんだ。

 そんなわけで、逼迫した状況での人間VS蜘蛛の戦い。バトルシーン自体はそこまで大した映像ではないはずなのだが、ガラス瓶の外からチャチャを入れるでっかいホルマジオとの対比など、充分「ミニマムスケールでの戦い」の緊迫感は出ている。もちろん、「微妙にサイズ比が合わないけどどうやって瓶の中に入れたの?」とかいう疑問は20年前になかったことにされているので無視しよう。一応どこかで見た推理だと「リトルフィートは小さくするのには時間がかかるけど戻すのは一瞬。つまり、ナランチャは本当は瓶の口から入るくらい充分小さくなっていたが、その後ホルマジオは蜘蛛とそこそこ戦えるサイズにまでナランチャのサイズを戻したんだ」っていう説があるので、それを採用しておけばいいじゃない。他にも「ホルマジオさんはなんで常にピンセット携帯してるの?」とか細かい謎はあるものの、多分、彼は今回みたいな「小さいものをいたぶりまくる状況」というのをしょっちゅう経験しているわけで、おそらく小さいもののための拷問道具や、小さいものを相手にするときに使えそうな小道具はいろいろ持っているのだろう。蜘蛛を入れてた瓶もその辺から拾ってきた可能性はあるが、もしかしたら自分の持ち物なのかもしれない。何しろどんなものでもリトル・フィートで米粒大にして携帯可能なのだ。何を持っててもおかしくない(便利なやつだなヲイ)。

 で、そんな「能力を使いこなせるやつ」であるホルマジオ相手に、基本的に脳筋一本槍のナランチャがどのように戦うか。アホのはずのナランチャでもバトルの時はなんとなくお利口に見えてしまうのが五部マジックである。ちゃんと学校に通ってたから、最低限の化学の知識くらいはもってるんだよ。自分のスタンド能力がなぜか「二酸化炭素の探知」なんてカテゴリになっちゃったし、習得後に最低限の使い方はブチャラティあたりから指導を受けているんだろう。二酸化炭素についての最低限の知識はあるけど掛け算ができないのは、多分「ブチャラティのための勉強(つまりスタンドの強化)」なら頑張って続けられるっていうナランチャの忠誠心の表れなんだと思ってるよ。

 もちろん、それに対するホルマジオも負けてはいない。狙ったように爆発の直撃を受けてしまったせいで大火傷を負った瞬間に「自分の血液を体外に噴出させ、リトル・フィートの影響外に出してから速やかに小さくなることで消火する」という複雑なプロセスを一瞬で実行できたあたり、やはりホルマジオは自分のスタンドを使いこなす特訓を欠かしていない。ふざけたやつに見えるが、やはり組織でも一番の重たい仕事を任されている連中なのだから、そのくらいの覚悟と気合いはあるのだ。ただ、残念ながらあまりのことにびっくりしてナランチャへのスタンド能力を解除してしまったのは油断してしまったためか。あとあと登場するプロシュート兄貴がペッシに見せつけた「覚悟」と比べると、ホルマジオは残念ながら一歩及ばなかったということだ。この辺りはスタンドアローンのホルマジオとバディで動いていた兄貴のメンタリティの差もあるのかもしれない。

 ナランチャがホルマジオを出しぬき、その機転をさらに覚悟で返すホルマジオ。すでにどんでん返しが二度も三度も起こっており、普通のバトル漫画ならお腹いっぱいになるはずのところ。最後の一手はホルマジオの勝ちかと思われたのに、さらにもう一手、ナランチャは「任務のためなら街一つぶっ壊しても構わねーぜ」というぶっ壊れた考え方でもう一歩上を行った。この辺りは、登場シーンでいきなりフーゴにナイフを突きつけていたナランチャの「短慮なキレキャラ」という設定が残っていた部分だろうか。五部の根底を流れるテーマの1つに「ヒーローだけどダーティ」というものがあり、ナランチャの決死の戦いは、そうした五部に独特なギャングの戦いをこれ以上ない形で見せつけるものになっている。もちろんラストは「抜きな、どっちが早いか」という定番の決着シーン。うーむ、どこまでいっても絵になる戦いである。

 本当に今更なんだけど、エアロスミスを回収するあの手のモーションって飛行機と滑走路をイメージしたものなんだね。漫画だとピンとこなかったけど、アニメになってそのあたりがよくわかるようになったのも嬉しいところだった。さて、次回はいよいよフーゴが……どうだろ、ヤツが暴れまわるパートまではまだしばらくかかるか? ぶっちゃけ、フーゴって「スタンド使いの味方キャラ」じゃなくて「凶悪すぎるステージトラップ」みたいな存在だからな……。頑張れイルーゾォ。

 

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[04/26 な]
[04/25 な]
[04/19 NONAME]
[04/17 NONAME]
[04/17 NONAME]
バーコード