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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 Wow! That’s amazing! 第10話! こういうオリジナルの入れ方してくるのかよ! すげぇなアニメスタッフ!

 もう、今回はホルマジオ戦云々を全部ぶっ飛ばしてオリジナルパートのことで頭がいっぱいだ。なかなか原作ありのアニメってオリジナル要素でいじりにくいのだが、こういう程よい追加エピソードが入れられると、それだけでかなりお得感がある。完全オリジナルでの一遍ではなく、原作にあった要素を少しだけ膨らませて小話を挟むくらいのバランスが良いね。がっつり同人誌出すんじゃなくてコピー誌でちょっと妄想を垂れ流すくらいの感覚。いや、ちゃんと責任持ってアニメ作ってるんだから同人じゃなくてバッチリ公式なんだけどさ。20年以上ぶりに公式から新たな燃料投下してもらったようなもんやろ。俺らだって20年間ずっとみたかったんだよ。暗殺チームの連中がイチャイチャしてるところはさ。

 それぞれのキャラを先取りして、ちょっとずつその素顔を紹介することで、今後のVS暗殺者チーム戦はかなり印象が変わることになった。原作では「またとんでもなく癖が強いのが出てきたぞ!」っていうのを各パートの最初に繰り返していたわけだが、今後は「形はどうあれ、すでに紹介されたキャラクターにいよいよ出番が回ってきた」という形で新キャラが登場するのだ。ぶっちゃけジョジョレベルの作品だと「アニメが初見」っていう視聴者は少ない気もするが、もしそういう人がいたなら、原作組とどのくらい受け取り方が変わってくるかは気になるところだ。

 せっかくなので、わざわざ筆を割いてもらった各キャラについてちょっと触れておこう。今後の戦闘順で見ていくと、まずはホルマジオの掘り下げ。リトル・フィートがしょうもない能力だと実際に言われているのは史上初公開だったわけだが、その使い方が……エグすぎるやんけ……。そりゃもう、暗殺者チームもクソもないな。いや、ぶっちゃけあそこで飲み物の中に入れるものはミニカー(仮)だろうが、毒物のカプセルだろうが結果は同じわけで、特別リトル・フィートが「ならでは」の活躍をしたシーンではないのだが(あそこで何かを入れられるようなターゲットなら、他の方法でいくらでも殺害できるはずだから)、わざわざ自動車を使ってやるというところに、ホルマジオのこだわりというか、自分のスタンドへの自負みたいなものが感じられてゾワっとする。工夫次第でどうとでもなるスタンド使いのセンスみたいなものが、こういう形で発揮されることになろうとは。

 チームの中ではそこまでキャラが濃くない方(?)のイルーゾォ。CVはなんとナリケンさんである。うわぁ、声がクドぉい……。それだけで充分ですわね。ちょいと神経質な感じとか、こちらもかなり癖の強いスタンドの持ち主なので、なんかこう、ちょっと鬱屈した劣等感とか、自尊心みたいなものが強く出ていそうなキャラなのである。彼がチームの中で何かをしている描写は原作ではなかったはずなので、わずかな時間でも和気藹々としてくれているとそれだけで救われる気がしますね。こいつら、ちゃんと「チームへの愛着」「仕事への責任感」を見せてくれるから憎めないんだよなぁ。

 アニメ絵で見せられるとクリーチャーにしか見えないとんでもない造形のペッシ。CVは木村昴で、なるほど、間違いなくキャスト陣の中では「マンモーニ」ではある(容貌からはそうは見えないけど)。彼の場合、チームの中でのいじられ役、パン買って来させる後輩みたいな立ち位置が最大のポイント。原作ではプロシュート兄貴との絡みだけだったのでごく自然に「かわいい後輩」で落ち着いていたが、今回他の連中と絡むことで、「こいつらの下で仕事覚えるの大変そうだよな……」という彼なりの苦労みたいなものも滲み出ていた気がする。ホルマジオにいじられてるシーンとか、「まぁ、愛されてるんやろけどな」という微妙な距離感が見えるのもいい感じだ。しかし、なんでこんな能力、こんなメンタリティなのに暗殺チームに抜擢されたんだろうな。もしかして、チームの仕事とは関係ないところでプロシュートとは付き合いがあったのかもしれない、なんてことも妄想できる。なんかこう、ペッシのお父さんがプロシュートの恩人だったとか、そういう繋がりでプロシュートが面倒見てあげてる的な。

 そんなプロシュート兄貴は、なんとCVが鈴木達央である。つまり、ゲーム版のギアッチョがプロシュートである。なんやそのややこしい関係性は。ギアッチョからのプロシュートって、なんか格が上がったような気もするし、そうでもない気もするし。いかにペッシに人生訓を叩き込む説得力を持つかが勝負のポイントである。ちなみに、みんなが集まっているシーン以外でも兄貴はずっとペッシと行動を共にしている。バディで動くのが基本のチームなのかもしれないが、その場合って残りが「メローネ&ギアッチョ」「ソルベ&ジェラード」になって、リゾットはリーダー格だから単独で動くとして、残ってるのが「ホルマジオ&イルーゾォ」なんだよな……あんまりイメージわかんな……。

 女性の足(ハイヒール)を見て舌なめずりをする純正キモ野郎、メローネさん。CVはマジ兄ぃ。違うよ、マジ兄はハイヒールじゃなくて単なるニーハイフェチだよ……いや、キモさという部分では負けてないかもしれないぞ。ディモールト良いかもしれないぞ。メローネさんのセクハラシーンは5部の見どころの1つといっても過言ではないので、マジ兄のいつも通りの(?!)活躍に期待が高まるばかりである。それにしてもメローネさん、普通に考えたら体育会系のギャング連中の中では確実にいじめられそうなキャラなのに、特に違和感なくチームの席に座っているのは才能なのかなんなのか。もしかしたら、誰から見ても問題児のギアッチョを押し付けられ、面倒見ているうちに割とコントロールできるようになり、「ギアッチョの子守役」みたいなポジションで居場所を見つけたのかもしれない。ギアッチョ、割とメローネになついてる描写は原作にもあるんですよね。普段からベイビィフェイスの世話をしてるメローネさんは、面倒な子のお世話が得意なのかもしれません。

 そしてそんなギアッチョは、CV岡本信彦っていうだけで全部が片付くっていう。もう、完全にキレ芸声優やん……。今のところ、キレてる内容は全部普通のことばかりでしたね。あんだけキレやすい人間がクレバーさを求められる暗殺チームで仕事を続けられてるのはスゲェと思うんだけど、やっぱりメローネのおかげなんだろうか。アニメカラーのギアッチョさん、殊更に髪が青いので怖い(まぁ、スタンドのイメージなんだろうが)。

 そして、こんな大変そうなチームをまとめ上げるのが、冷静沈着なリーダー、リゾットさん。CVの藤真秀さんという人は唯一初めて名前をチェックすることになった役者さんだが、どうやら外画メインの人のようだ。今後のお仕事に注目したい。リゾットさんについては、今回はあまり表に出て来なかったですね。まぁ、ぶっちゃけると今回リゾットを前面に押し出しちゃうと「ボスの脅しに屈したチームのリーダー」っていう印象が強くなって後から登場した時の「ボスに反旗を翻した野心の男」っていうイメージが揺らいでしまうので、彼は出番まではひっそりしてるんじゃないでしょうか。後はまぁ、面倒臭いチームメイトを抱えて胃が痛くなってるだけかもしれません。

 そして、ソルベとジェラート。まぁ、別にキャラ云々は特にないんですが、「デキてるって噂だった」っていうのが、「まぁ、事実なんやろな」っていうレベルまで引き上げられたのは収穫なんじゃないでしょうか。「お揃いのペディキュア」とか、完全にもう…………ね。まぁ、そんな事実をペッシだけが認識してたってあたりが意外で面白いところなんだけど。あの2人がペッシに「いやぁ、この色見てヨォ、オソロなんだゼェ」とか言ってたって考えるとそれだけでざわざわしません? やっぱりペッシはチームの中ではかなり愛されキャラだったんだろうな。そうそう、作中でも屈指のアレなシーンとして有名な輪切りのソルベだが、改めて見てて、「30枚以上もわざわざ丁寧に並べ替えなくても、だいたい分かった時点でやめろよ」って思ったよね。結構パーツが細かいし、額縁にナンバーでもふってないと並べるのに手間がかかったはずなんですよ。途中でなんだか大体わかった時点でやめときゃいいのに、ご丁寧に完全再現までさせたのは、その後の埋葬処理なんかのことも考えてのことなんでしょうか(処理業者も辟易しただろうな)。でも、みんなでわいわいしながら「そのパーツこっちじゃね?」とか「そこ順番逆だろ、これ先に置けよ」みたいにパズルを並べてるチームのことを考えると、なんか変な笑いが起こる。いや、本人たちはそれどころじゃないだろうけども。

 うーむ、やっぱりこれだけのキャラがまとめて出てくると情報量が多すぎて大変だったわ……。ナランチャVSホルマジオは来週も続くのでそこでまとめて片付けましょうかね。あ、でも1つだけ書いておくと、多分見てる人はみんな思っただろうけど、「電話でかすぎね?」(身長50センチ台のナランチャの3倍くらいはあったので、あの公衆電話1台で人の身長くらいのサイズがあるぞ)

 

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 ギアッチョ&メローネのカット、尊くない? 第9話。当方、野郎同士のカップリングを推す素養はかけらもないのだが、原作ではちょこっと電話で会話してる様子が確認できただけの2人、こいつらが同じ部屋で、同じパソコンで指示を受けているあたりがなんかエモいのよね。しかもメッセージの宛名がギアッチョの方なのよ。いや、そこパソコン操作するのはメローネでよくない?! その辺の「わざわざいじって描いてる」オリジナル描写が愉快でね。「こいつら、2人でシェアハウスとかしてんじゃねぇだろうな?」って邪推しそうになったけど、あとで確認したら2人の後ろにちゃんとリゾットも座ってるんだな。単に集まって会議してただけか……ん? ちょっと待て、リゾットがそこにいるとしたら、「探せ」ってメッセージ送ってるの誰だよ?!

 そんな1秒にも満たないカットの話から始めてみましたが、まぁ、ここから長いおつきあいになる暗殺チームさんの顔見せなのだからしょうがないよね。チーム・ブチャラティに負けず劣らずの濃いキャラを誇る暗殺チーム。これからの対戦を思うだけでも胸が高鳴ります。でもまぁ、その前に一応トリッシュの話にも触れておこうか。ブチャラティが無事に幹部に昇格して士気の上がるチームの面々。改めてこうしてみると、ブチャラティの快挙は彼の年齢を考えれば相当なものだよな。上納金があがりの50パーだけでいいってのもパッショーネのホワイトなところで、様々な利権をブチャラティのような人間ががっちり管理すれば、おそらくクリーンなお仕事を維持しつつも相当な稼ぎが得られただろう。そりゃミスタだってウキウキになるのもしょうがない。このままチームみんなが一丸となって必死に街を盛り立てるギャング経営日記が展開されてもおかしくないくらいの出世なのだが、残念ながら本作は島耕作ではないんだなぁ。少年ジャンプの漫画はこの程度の立身出世で冒険が終わるわけにはいかない。すぐさま新しい問題が降りかかり、ブチャラティたちの「黄金の心」が試されるのである。

 ペリーコロさんによってもたらされた厄介のタネ、トリッシュ(CV千本木彩花)。まぁ、問題児なのはここからちょっとの間だけで、割とすぐに頼れる味方として活躍してくれるようになるので、ジョジョシリーズの中でも割と真っ当な女性戦士の印象がある。考えてみりゃ、異質すぎる6部を除くと、ジョジョの中で女性キャラが味方サイドになって大活躍する展開ってあんまり無いんだよな。リサリサ先生と、あとは今「ジョジョリオン」で頑張ってる面子くらいだろうか(詳細は省く)。そんなトリッシュも登場時はどんなキャラにするかがまだ定まっておらず、別にこれまでだってボスの娘としてちやほやされてたわけでも無いだろうに、何故かわがままお嬢キャラとして登場。今回もそうだし、後にも先にも彼女がストッキングを履いている描写は全くなかった気がするんだけど、色々と注文が細かいのである。フーゴがキレる気持ちもわかるが、まぁ、あんなエロい女の子が突然野郎だらけの所帯に飛び込んできたんだから、お互いにちょっとテンションが変になるのはしょうがないよね。トリッシュも、よくこんな大胸筋全開軍団の中に放り込まれて平然としてるよな。

 そして個人的にお気に入りなのはペリーコロさん。この人、結局最後まで「単なるいいおっさん」なんだよね。ビジュアルのせいでやけにインパクトはあるし、行動自体もなかなかに勇ましいのだが、こういうちょっとした脇役でも濃いのがジョジョワールドである。

 そしてお待たせ、暗殺チームの先鋒を務めるのは割とフランクで話のわかるホルマジオさん。猫好きに悪い人はいないと思うけど、彼の場合、猫好きなのかどうか……うーん。「ジョジョに登場する猫はひどい目にあう」という、荒木先生猫嫌い説を推す貴重なワンシーン。ホルマジオ、絶対あのあと自宅に帰れなかったわけで、あの猫も間違いなく死んでるんだよな……かわいそうに。

 飄々とした態度でナランチャをいじる態度は実にしたたかで、彼の能力の使い方と合わせて、短いながらも印象的なバトル展開になる。ちなみにCVはなんと福島潤。こんな声でのキャラ作りもできるんやなぁ。いい噛み合い方してるわ。考えてみりゃ、ナランチャVSホルマジオが小野田くんVS鳴子戦になってるのが笑える(ポキ泉くんは先週まで戦ってた)。

 ホルマジオ戦で注目すべきは、なんといったらいいのか適切な言葉が見当たらないが、いわゆる倒叙的な、「敵サイドから見たバトル」が中心になっているところ。ジョジョシリーズの中でも非常に珍しい構図になっていて、まだ(読者には)能力が分かっていないナランチャのエアロスミスを相手に、ホルマジオサイドからの視点で能力バトルが繰り広げられる。一見するとシンプル極まりない脳筋のエアロスミスに対し、やれるだけのギミックを詰め込む小気味好いバトルである。ヤイヤイ言いながらも全力で小競り合いを楽しんじゃうホルマジオさん。次週も楽しみ。

 

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 ピストルズのキャスト誰だよ! 第7話! まぁ、キャスト表に出てないってことは多分こっちも鳥ちゃんがやってるってことなんだろうけども……ってことは毎週のように一人7役? 大変だ!(そうでもねぇよ)

 タイトル通りの内容、徹底的にミスタとピストルズに注目するお話。本当にのんびり展開しているので「わざわざやらんでもwww」と思ってる原作要素まで拾ってくれてるのが良いですね。もちろん、ギャングダンスは余計なことじゃないですよ。原作時点で余計だったんじゃねえかって意見はさておくとして。なんであそこで踊り出したかと聞かれたら、「踊りたかったから」と答えるしかない。だってギャングだもん。多分荒木先生が「ギャングは踊るんだ」って思ったから描いたんでしょう。その後2度と踊ることはないけど、もうここで描ききったから満足したんだろうな。ほんと、思いつきでこれだけ強引なものを描いて文句言われない漫画家ってのはひどいわ(褒め言葉)。

 ズッケェロさんの拷問シーンもほぼ原作通りだが、今回はミスタ編ってことで特にミスタとのくだりはかなりクドめに描かれている。一応原作を知らない人からしたら、ブチャラティ・アバッキオに続いてスポットが当たる3人目のギャングということになるわけだが、高潔さを持ち合わせる前者2人と異なり、ミスタは基本的に「お金ほちぃ!」って騒いでるのが一番似合うポジション。もちろん、その奥に流れる熱い正義感みたいなものは後々にも描かれることになるのだが、紹介エピソードとなる今回はどっちかというと破天荒な部分や恐ろしくマイペースで作中でも屈指の「イタリア人気質」である部分がフィーチャーされている。そして、こんなミスタだからこそ生み出されたヘンテコスタンド・ピストルズ。改めてその全容を見ると、なんとも珍奇なスタンド連中である。

 まずもって、これだけ至近距離でコントロールしながら完全自由意志を持ったスタンドというのが珍しい。まぁ、4部を境に5部あたりからは割と「勝手に喋ったり動き回るスタンド」なんてのは多く登場するが(実はさかのぼるとその初代は初期のスタープラチナだったりするが)、他のスタンドが一応「本体のために動いたり、操作説明のために何かを喋る」という程度であるのに対し、ピストルズの扱いは完全にペット。ミスタももししっかりコントロールしようと思えば出来ないこともないのかもしれないが、多分彼の性格からして、「なんか動いちゃってるし、別に好きにさせたらいいんじゃぁねえの?」くらいに考えているのだろう。その結果がランチタイムのルールであるし、個々に分かれた個体の性格だったりするのだ。まぁ、スタンド能力が「魂のビジョンの具現」なのだとしたら、指に毛が生えてるミスタにしちゃぁ随分かわいいスタンドなのだが……多分、本人も本質的な部分で可愛いやつなのだろう。5部を最後まで見たときにミスタの立ち位置を考えると、結局世界ってこういう人間の方がうまく生きていけるんだろうな、って感じがする。

 そんな軽いノリのミスタなので、前回活躍したアバッキオとは本当に好対照。此の期に及んでスタンドの全容を見せてくれないツンデレアバッキオに対し、ミスタの方はジョルノにさらっとピストルズの姿を見せた上で、大体の性能も教えてあげちゃった。まぁ、その前の時点でジョルノが自分のスタンドを開陳しているわけで、「それならいっかな」くらいの気持ちで教えてあげたのだろう。そういうやつだよ、ミスタは。何より2人だけのオペレーションだから互いの能力を知った上での連携が大事だからね。

 ただ、残念ながらそんな記念すべきファーストミッションも万全とはいかず、なんかコントみたいな状態からのチグハグなコミュニケーションがむしろ笑えるレベル。原作の時はそうでもなかったんだけど、ジョルノが必死でジェスチャーゲームみたいにばってん掲げてる様子がなんだかすげぇ間抜けだ。ミスタもミスタで、あの状況でわざわざ人目につきやすい方にのそのそ出て行く意味もわかんねぇんだけどな。その後でも言ってる通り、「まぁ、俺が出てっても負けないんだけどな」っていう根拠のない自信がミスタの行動原理になっているのかもしれない。自分で暗殺向きだって言ってるくせして。

 さて、サーレー戦。ピストルズが今時珍しいくらいにシンプルな「単にものを動かせるだけ」というスタンドであるのに対し、サーレーのスタンドは……ウゥム、これもまた、もしかしたら好対照と言えるのかな? こんなわけのわからない能力でもバトル仕立てで見せてくれるのは5部荒木の真骨頂である。ちなみに5部は船・車・飛行機に電車と、やたら乗り物で移動しながらのバトルが多いのも特徴。今回のバトルは車(1戦目)であるが、どんなアクション作劇になるかも楽しみである。

 

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 めっちゃがっつりやるやん、第6話。前評判で尺がきついみたいなこと聞いてたけど、普通に丸々1話使ってくれたやん。しかも次週のタイトルを見る限りだとサーレー戦も1週では終わらないみたいだし。最高かよ。まぁ、来週は前半15分全部使って、ラブライブもびっくりのダンスパートが待ってるかもしれないからな(何を期待しているんだ)。

 渾身のソフトマシーン戦。改めて見ると、この1戦だけでも相当量の情報が詰め込まれていたことが確認できる。まぁ、もちろんその中には色々とおかしな点も混じっているのだが……細けぇことは気にしたら負けなのはお約束だ。でも、やっぱり丁寧だよね。前回挿入されたボートを借りるオリジナルパート、一応伏線として機能してたんだな。「2隻目の船ってどこにあったんだよ」っていう疑問も、マリーナで複数の(しかも同じデザインの)ボートが並んでいた描写を入れることで説得力が増しているし、ボートの番号からアバッキオが感づく手がかりを増やしているのも親切だ。「あんだけデケェボートにスタンド能力を使ってペラペラにして、それをかぶせて潜むなんて手間、前もってブチャラティが使う船がわからなかったら無理じゃねぇの?」っていう疑問についても、前回の挿話のおかげでなんとなく「使うボートが決定してから、実際に乗り込むまでちょっとブランクがあったよ」というニュアンスが追加されている。ナランチャが浮かれてお菓子かってたあの後、多分みんなして船旅のためにコンビニにでも行ったんじゃなかろうか(コンビニあるかどうか知らんけど)。ラジカセまで持ってきたんだから、近所のビッグカメラまで行った可能性すらあるわ。

 そうして、ズッケェロはネタを仕込んだ。実はズッケェロの能力もよくわからない部分があり、「ぺらぺらの中に潜んでやがった」と推理されたが、つまりズッケェロは自身もペラペラにできて、さらに他人はその状態では動けなくなるが、スタンド使い自身はその状態でも活動できるということなのか、それとも、本人だけはペラペラ空間を通常空間のように処理できるということなのか。どちらなのかはわからないが、とにかくペラペラ空間のプロとして、ズッケェロはあのシチュエーションに限っては特権的な強さを持っていたわけだ。

 そして、そんな読者も(そしておそらく作者も)よくわかってない能力の謎を解かなければいけないという無理難題を押し付けられたアバッキオとブチャラティ。チームの中でも年長者2人。人生経験も豊富で、他の3人と比べるとかなりの理論派として描かれることになるコンビである。アバッキオは元警察官という来歴も説明され、今回のバトルはまるで警察官の現場検証のようでもある。まぁ、ムーディーブルースの能力がある時点で、捜査官としてはチートクラスなのだけど。おそらくアバッキオの能力については、今後の「ボスの正体を探る」という展開を考えると事前に決められた能力だったとは思うのだが、あまり便利すぎると敵対する方が大変。特にこの第5部以降は「相手の能力の正体を探る」という部分に主眼が置かれることが多いため、裏取りが簡単にできてしまうムーディーブルースは一種のジョーカーになってしまう。それでも緊迫感が出せる相手ってことで、ソフトマシーンはこんな不可解な能力を与えられることになったのだろう。

 ちなみに、そんなことを言っているムーディーブルースの方も、実はよくわからない部分が多い。基本能力は「ビデオデッキ」でいいのだが、再生中は無防備になると言われているわりに、コピー状態のナランチャがぺらぺらになってもアバッキオ本体に影響はなかった。あくまで「再生中の状態」は単なる映像表現であり、その際もムーディーブルース自身に影響はない……はず。ただ、この「コピーする」という部分に応用性がやたらに高く、例えば今回は「(ペラペラ船の)パイプの中で能力を解除したら、なんかパイプに収まるくらいの極小サイズのままで元の姿に戻った」なんてよくわからない状態が存在しているし、コピー元の人物の姿だけをキープしたまま、自由意志でコントロールできたりもする(今後の戦闘ではそうした「変装術」のスタンドとしても使われる)。さらに一時停止したコピーナランチャでもブチャラティが「脈はある」と言っているので、一時停止が時間的な静止を意味していないなど、なんかよくわからない部分は多いのである。今回アニメになって、「実はその人物だけではなくて周りの音声まではっきりと再生される」(脇で見ているブチャラティにもはっきりと自分の声が聞こえている)なんて特性も際立っていたし、もしかしたら「人物のコピー」というよりも、特定の人間をベースにした、「過去の時間帯の空間状態の再現」が能力なのかもしれない。やっぱり強いよな。

 そして、そんなややこしいスタンド能力を使いこなすアバッキオと、部下の能力を100%理解し、一瞬でアバッキオの真意を汲み取るブチャラティの切れ者っぷり。幾ら何でも察しが良すぎる気はするのだがそれができてしまうのが5部キャラなのである。5部で本当に力任せで戦うのってナランチャくらいで、ミスタも実は割と頭脳派だったりするからな。ブチャラティはあの血のりの一件で無茶苦茶な解答を弾き出し、その直後に相手に悟られないよう「錯乱してるフリをして船底に穴をあけておく」という判断を一瞬で下している。普通に考えたらわざわざ「フリをする」必要もない(どうせ船が沈むならズッケェロは出てこなきゃいけない)はずなのだが、今回のようにズッケェロが短気でいきなり人質に手を出された場合に備えて、すでにこの時点で時間稼ぎの用意をしているのである。どんだけ賢いんだよ。

 そんなブチャラティとズッケェロの交渉シーンも、5部を代表する名シーンの1つ。「ニャーニャー鳴くのはウミネコだ」が醸し出すいかにもな荒木文法よ。ほんと好きなくだりですね。アニメだと、この交渉シーンに至るまでの長台詞で間をもたせるために、まるでズッケェロがハエになっちゃったみたいな描写になってるのが愉快である。グレーフライじゃねぇんだからさ。ちゃんとハエもズッケェロのテンションに合わせて色々と行動を変えてくれるあたり、空気読んでる感あるよな。事前にこのシーンまで期待して変身させる動物をハエにしたのだとしたら、ジョルノのセンスもなかなかだ。まぁ、「ある程度低速でも長時間飛行できて、マーカーになりやすい生物」っていう選択だったんだろうけども。

 さて、とりあえずアバッキオとジョルノの友情は成立。なおかつブチャラティが、かつてジョルノの見せた「ジッパーズームパンチ」で勝ちを拾っているあたりもニクい演出だ(まぁ、それ以前にもブチャラティならこの戦法で戦ってきただろうけども)。アバッキオに認められてしまえば、残りの面子とのコミュニケーションは割と簡単なのである。次回は、天国、地獄、大地獄。

 

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 「この国のギャングは目立つことを嫌う」(大嘘)、第5話。やっぱズッケェロの格好すげぇわ。髪型、衣装、完璧なイカレポンチだ。「一般人と見分けがつかない格好をしている」(大嘘)。まぁ、ブチャラティチームの面々も大概ではあるのだが……やっぱり5部は荒木センスの醸成され方が尋常じゃないので1コマ1コマで笑えるポイントが盛りだくさんだよなぁ……。

 原作を追うだけでも楽しい作品なのは間違い無いのだが、幸いにして、このアニメはかなり恵まれた状態で進行している。まずもって原作絵の再現度が高い。現在私のすぐ手の届くところに5部原作は置いていないので1つ1つ確認しながらアニメと見比べたりは出来ないのだが、アニメの画面を見ているだけで親の顔ほども見慣れた原作のコマの記憶が鮮やかに蘇るようだ。そして、それらを効果的に彩るために追加されるいくつかのオリジナルシーン。なくても成立するのだろうが、より没入できるように工夫されたカットつなぎの数々は、本当に原作愛に溢れた作業である。原作そのままだとアニメにする意味を問われ、原作をいじるとファンに嫌われてしまうという何ともしようがないジレンマを抱えたアニメ化が多い中、今作はそのどちらでもなく、きちんと原作ファンが納得できる映像化に成功している。ヨットハーバーでヨット借りるシーン、本当に原作にあったんじゃないかっていうレベルで溶け込んでてよかったなぁ。ナランチャのキャラがすごくわかりやすくなってるもんな。

 何故、こうして噛み砕いた演出が受け入れやすくなっているのかといえば、大きく分けて理由は2つあるだろう。大前提となる1つ目は、「そもそも原作の時点でよくわからねぇ」という身もふたもない問題がある。毎週書いていることだが、このあたりの時期の荒木先生は(4部くらいから)本当に筆が乗り、そして筆が滑り、やりたいことをやりまくっている。もはや伝説となったアバ茶のくだり、アニメにされ、リアルなお茶を提供されるとマジでひどいシーンだ。アバッキオのやってることももちろんひどいが、その後の展開もさっぱり意味がわからないのだからひどい。今更「お前口に入れてるって事実に変わりないやんけ」とか「クラゲ戻したらアバッキオの尿はお前の栄養になるのか」とか、「そもそも身体の99%の組織が干からびた状態のクラゲを最初に生み出したのか」とか、一瞬にしていくらでも疑問は湧き出るだろうが、そんな議論はすでに20年前に終わっている話だ。今更気にしたら負けなのだ。多分、荒木先生が「やっぱり新入りが入団するときは先輩からいじめの洗礼を受けるもんだよなー、何が嫌かなー、おしっこ飲まされるとか嫌だなー」って思っちゃったんだ。そして、描いちゃったんだ。漫画的必要性から「おしっこを機転で乗り越える主人公」っていうわけのわからないシチュエーションを描く羽目になり、その結果わけのわからない解決を描くことになったのだ。うん、どう考えたって作者の自己責任だな。でもしょうがない。世界中で、「先輩からおしっこ飲まされたらヤだな」って疑問を持ち、それに解決策を提示した漫画家なんてほとんどいないだろう(いや、エロ漫画とかは無しにしてね)。それをやったんだから、荒木先生の勝ちなのだ。我々の負けなのだ。この戦いに勝者はいるのか?

 さておき、アニメの演出が原作ファンにも受け入れられる理由の2つ目だが、結局、最初期から制作に携わっている津田総監督の演出が、単純にうまいのである。この人、本当にジョジョの演出やるためにどれだけ心を砕いているのだろうか。原作のどのコマでも癖のある作品だが、その中で見せるべきコマ、格好いいシーンの選出が本当に適切。今回もラストのムーディーブルース登場で締める演出がクッソ格好いい。ソフトマシーンの腕がビヨーンって伸びちゃう演出も、原作でちょっと極端に描かれた部分をアニメではさらに戯画的に見せた面白い構図だった。ちゃんとこういう見せ場の回でコンテを監督自ら担当しているあたり、制作体制には充分な余裕があるんだろうなぁ。よかったよかった。

 よかったといえば、今回初登場となるチームの面々も良かったよ。信頼できるキャストが発表されていたので個人的にはなんにも心配してなかったが、やっぱり改めて聞くと「ブチャラティと愉快な仲間たち」感が出ていて良いね。中でも個人的にヒットだったのはフーゴ役の榎木淳弥。今までちょいちょい声は聞いてて、そこまで印象がなかったんだけど、理知的で温厚なフーゴの内に秘めた問題性がするっと出てくる感じが良い加減。残りの3人は言わずもがなでしょう。鳥ちゃんがちょっとミスタ独特の喋りのクセを消化しきれてない感があったが、まぁ、すぐ慣れるでしょうし。なお、先んじて登場したズッケェロのCVは数多の脇役で本当にいろんなところに名前が確認できる高橋伸也。この人、まだジョジョに出てなかったのが意外なくらいだな。そしてサーレー役はなんと石川界人である。どうなんだろ、界人くんとしてはもっといい役で出たかったような気もするが……まぁ、サーレーも充分美味しい役だよ。っていうか、5部も敵キャラ全部濃いから大体当たりだよ(カルネは知らん。っつうかあいつ台詞ないか)。

 そういえば原作ではまだこの時点では顔を見せていなかったサーレーの顔バレしてるのもちょっと面白い変更点ね。「あのシーン」の前振りのためには本当は顔見せちゃダメなんだけど、今回帽子かぶって髪の毛と顔の一部だけ見えるように描かれているのは、むしろよりインパクトの大きな伏線と言えるかも。次回ラストか、次々回くらいの登場ですかね。

 さぁ、次回は5部の冒頭で今作の印象を決定づけたトリックバトルの金字塔(?)、ソフトマシーン戦。あのシーンはやっぱりCG使うんですかねぇ。

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 ピザという概念が揺らぐ、第4話。やっぱりどう考えてもポルポ空間はデッサンの時点で色々おかしい……。漫画だと(ハナから色々おかしいせいで)目がいかないディティールもアニメになると際立って現れるから目がいってしまいますねポルポの着てる服(寝巻き?)の「POL」「PO」っていう意匠がちょっと可愛い。デザイナーズブランドとかで商標化したらいいと思う。

 ブラックサバス戦。影の中を移動するスタンドということで、当然アニメのでも注目すべきは光と影の演出である。相変わらず色彩感覚がぶっ飛んだ表現は荒木ワールド全開でたまらない画面になっており、単に黒と白だけでは分けられない世界の玄妙さを表出しているかのようである。黄金色をベースにした日向日陰の演出、なんか見覚えがあると思ったら、どことなくPS版「黄金の風」のゲーム画面に似てるのかもしれない。あれのポルポ戦も結構苦労させられた記憶があるなぁ……なんかね、このゲーム全体的に敵が硬いんじゃよ……。

 実際にブラックサバスは強い。さらにゴールドエクスペリエンスが弱い。何しろこの時点では「ものに生命を与える」能力しかなく、もう1つの武器である「感覚を暴走させる」は、強い弱い以前に「よくわからない」という難点がある。前の試合でブチャラティがどこをどういじられて負けたのかもぶっちゃけよく分からないし、実はこの時点でジョルノが自分の能力を把握して相手に叩き込んでいることもおかしいのである(ブチャラティ戦で「今まで人を殴ったことなどない」って言ってる)。考えられるとしたら、ブチャラティと和解した後に「ねぇねぇ、G.Eで人殴ったの初めてだったんだけど、あん時どうなったん?」って(ぶん殴られた直後の)ブチャラティに直接聞いたっていう可能性しかないんだけど、そこで親切に「いやぁ、感覚が暴走してさぁ、めっちゃゆっくり殴られたし、痛みがゆっくりやってきて大変だったのよ〜」ってブチャラティが教えてくれたのかと想像するとちょっと可愛い。まぁ、その説明で自分の能力が把握できたとしたらジョルノの理解力もすごいが。

 とにかく、スタンドを直で殴った時の能力がイマイチ使いこなせないG.E。5部ではよくあることだが、ここで路線変更が決まったようで、もう「感覚暴走」能力はなかったことにして(ついでにダメージ反射能力もなかったことにして)、しばらくは純粋に「ものを生物に変える」力だけで戦っていくことになる。まぁ、今後はチーム戦がメインになるからジョルノの能力がぼんやりしてても次々に新しい能力が出てきてなんとかなるからな。こうして振り返ると、最初からあまりブレずに1つの能力でバトルのバリエーションを作ってたクレイジーダイヤモンドって偉いよな。

 さらに、前回も少し触れたがブラックサバスは「新しい遠隔自動操縦の定義」という役割も果たしており、康一くんの口を借りて設定を確認(または上書き)している。「能力者の意思がほぼ介在せずに自動で動く」はまぁいいんだけど、「破壊されても本体にダメージがいかない」って、実は全く新しい設定なんだよね。シアーハートアタックは割とダイレクトに「キラークイーンの左手に接続している」っていう描写があるわけで。さらに吉良にどんな影響があったかは本人の口から直接聞いたわけでもなく、あくまで康一&承太郎が見た吉良の様子から判断したものであるはず。だとすると、得ている情報は「真剣にジムで体を鍛えなきゃいけないと思ったよ。でも、ガチムチがちんぽいじった手で触ったバーベルを使うのは嫌だな」っていう吉良の感想だけである。やっぱり、ダメージあるよ。いろんな意味で。

 幸い、ブラックサバスはこの「新ルール」第1号なので実際に一切のダメージがない。もし彼の能力がシアーハートアタック同様のもので、エコーズの影響で「手が重くなる」ダメージを本体にも及ぼしていたなら、さすがのポルポも「ジョルノがなんかしてるな?」ってことぐらいは気づくはずで、そうでなかったのは全くのラッキーである。あと、2回目の入室の時にライターがチェックされなかったのもラッキーである(また花に変えて持ち込んだんだろうか。さすがにチェックゆるすぎるやろ)。まぁ、このあたりのお話は本当に勢い任せで、まだまだ行き当たりばったりのところが多いからね……。アニメ版は康一くんの後日談など、そのあたりの「勢い任せ」の部分をちゃんとフォローする作劇になっているのでとても好感が持てるわ。

 さて、次回はそんな行き当たりばったりの化身とも言えるフーゴを含むギャング団の登場である。お茶が……お茶が飲める回だよ……。

 

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 ポルポの監獄の便器って絶対あいつ使えないよね、第3話。全盛期の小錦も、トイレでうんこした後は付き人や奥さんにケツを拭いてもらっていたらしいが、ポルポの場合は……想像するだけでもなんかヤだな。

 さて、尺にも限りがあるためにサクサク進んでおりますジョジョ。幸い、4部の時のように1つ1つのエピソードにはっきりと区切りがあるという物語でもないので、こちらの方が詰め込みの加減は調整しやすいようで、現時点ではあまり急いでいるようには感じない。そのくせ5部で真骨頂を迎えるジョジョの持ち味である二転三転大逆転のどんでん返ししまくり祭りが炸裂しているので、すでに3話目だというのに刺激がたくさんあって本当に濃密である。改めて見て思ったが、「ジョルノはなんでわざわざライターをパンにぶち込んだんだろう?」って思ったら、そうか、その後で蛇が噛み付くところの伏線が必要だったからなんだね。Gエクスペリエンスが便利すぎるので忘れがちだが、能力で作った動物って、別にジョルノの思い通りに動くわけではないからな。ルールとしては、一応ジョルノによってくる性質がある(康一のカバンカエル)、さらに誰かの身体の一部に生命を与えると持ち主のところに帰る(こないだのブチャラティの歯、そして今後でてくる某スタンド使いの死因)。それ以外は一応アンコントローラブルなので、「たまたまパンにさしてたおかげでライターを運ぶことができた(未遂)んだよ」っていうのが重要なのだね。

 そのほかにも色々とギミックが仕込んであるのだが、それ以上に愉快なのは、この時点で荒木先生がどこまで考えて書いてるのかよく分からない勢い任せの描写の数々である。読むたびに思い出して「結局これなんやってん……」と思うポルポの指食べちゃう描写。あれって能力と一ミリも関係ないよな。本当にただジョルノが「見間違えただけ」っていう。なんとなく「このデブは怖いんだぜ」っていうことを示すための描写なんだろうけど、ただでさえスタンド能力の謎を解くバトルに傾倒していくんだから、意味のない余計な描写すんなよ。まぁ、楽しそうな荒木先生は全部許しますけど(贔屓)。この時点ではポルポにもっと別なことやらせる予定だったのかしら。

 そのほか、あれだけ物品の持ち出しに口うるさかった看守さんが何故か花はOKと言ってくれる謎とか、ブラックサバスの再点火の定義がガバガバなところとか、なんかもう、とにかく雰囲気さえ楽しければそれでいいや、っていう勢い任せなところがほんと素敵。シリアスな中に混ぜ込むギャグもいかにも荒木的センスに溢れており、カメラを持ち出してピラミッド作りながらカメラマンがいない謎の部員たちなんかは本当に「らしい」1コマ。あれ、確か原作だとジョルノは「後でいいですか」って言ってた気がするんだけど(うろ覚え)、セリフ変えられてたかな。そして、そんなギャグっぽいシーンで出てきた掃除夫の爺さんが実はそのあとのシナリオにも絡んでくるっていうよく分からない伏線の仕込み方ね……爺さんが「日頃の行いが云々」って言ってるのがいかにも皮肉で愉快である。

 さて、記念すべき正式なスタンドバトルの第1戦はブラックサバス戦。こちらも5部から本格運用となる遠隔自動操縦型スタンドとの戦闘。4部のシアーハートアタックやチープトリックあたりで手応えが良かったのだろう、5部にも印象的な遠隔自動操縦のスタンドが何体も登場する。このブラックサバス戦はその口火を切る戦いであり、4部までではっきりしなかったルールを明示し、明快な「ルールを読み解き、打破する」戦闘に特化している。そのあたりの妙味がアニメでどのように生きてくるか。えも言われぬブラックサバス独特の移動・変形形態の描写にも注目したい。

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 終わり良ければとにかく良し、最終話ァ! ラストを締めるテーマソングの使い方が素敵よね。4部のメインテーマは「Great Days」ってことでいいッスね。ジョジョ関係のシンガーもどんどん数が増えているので、7部の最終回とか「We Are The World」みたいな状態で歌ってそう。

 きっちりと原作通りに決着と余韻を持たせたエンディング。本当に「終わり良ければ」の精神であり、これを見せられたらここまで色々と抱えてきた不満も「まぁいいか」って感じで許せる気がする。原作もこの4部の終わり方は格別の達成感があったしねぇ。「こんな面倒な事件をどうやって世間的に収束させるのか」っていうのは、ぶっちゃけ漫画原作者なら投げ出してもいいくらいの部分だとは思うのだが、荒木先生は(この時代は少なくとも)そのあたりが律儀で、きちんとバイツァダストの発言条件として女性救急隊員に名前を「自白」させ、その後で救急車に轢かせて顔を粉砕、身元不明死体だけど身元が分かっている、というアクロバティックな状況を実現させた。普通はそれだけなら警察の身元捜査で違和感が出るところなのだが、一応吉良は行方不明になっているし、身体の表面こそ川尻浩作だが、体組織レベルまでいけば吉良であることは分かるわけで、おそらく司法解剖でも問題無く吉良と断定されるに到るだろう(「顔の皮が剥がれた」だけなので、一番手っ取り早いのは歯科治療記録との照合だと思う)。ご丁寧に、彼が抱えていた通勤鞄はちゃんと早人が確保してる描写が入ってるんだよね。吉良だって名乗ってるのに川尻の荷物持ってたら流石に混乱しちゃうからね。それにしても、吉良が轢かれる瞬間の描写、思ったよりもはっきりやったな。「ゴリッ」って……うへぇ。

 決着のシーンはもちろん原作通りに「バイツァダストが発動した?!」と思わせてからの回想で表現。そのあたりの構図とかポーズのギミックも原作のデザインを意識しながらアニメならではのおしゃれ表現になっており、映像面でも吉良の感極まった勃起表情やらポーズやらがいちいち丁寧。そのあたりは津田さん自らのコンテ・演出でガッツリ見せてくれているので安心だ。突然川尻フェイスが吉良に戻るところとか、アーノルドのダイビングとか、細かいところが「最終回だから」という意識で全部インパクトのある映像に仕上がっている。毎回このクオリティだったら最高だったんだけどなぁ。

 そして、アニメならではのお楽しみは、オリジナル要素も盛り込んでお送りするエピローグ部分。わざわざオリジナルでここを付け足すために頑張って尺を削ってきたのだなぁ。なんと、(存命の)スタンド使いはオールスターが集合するという贅沢なもので、「玉美と間田はなんで仲良くなってるんだよ」とか、「結局億泰の親父は街中を堂々と歩いていいのかよ(しかも飲食店)」とか、突っ込みどころも多いが楽しいので無問題。あと吉良の同僚(女性)とか、一般市民でもちょこちょこ関係無いのが映ってるのが面白い。吉良の同僚のシーンの直前に出てきた女の子って、辻彩のところに来てた「幸せなブス」だよね? 彼氏と続いてるんだねー。

 猫草が虹村の家で飼われていることは原作でも触れられていたが、あんな風にして平気で外に持ち出しちゃうあたり、流石の億泰である。まぁ、彼の能力なら空気弾で暴れられてもそこまで怖くないからね。親父さんに猫草と、虹村家は人外のものが増えていくのね。そして露伴のエピローグにはなんとあの「準備運動」が登場。こういうの見てると、やっぱり4クールにしてそのまま「岸部露伴は動かない」と「デッドマンズQ」をやっちゃえば良かったのでは? って気になりますよね。いや、あれだけ劇的な勧善懲悪の後に突然デッドマンズQが始まったら原作知らない人はポカーンとするだろうけども。「動かない」の方は一応1話だけOVA化されるわけだが、いっそ「死刑執行中」で1シリーズアニメやるってのはどうですかね?

 とにもかくにも大団円。天晴れな空気の中に少しの寂しさを残したエンディングは、個人的にはやっぱりジョジョシリーズで一番好きなのです。しのぶがポロッと漏らす「最近背ぇ伸びた?」は、全シリーズを合わせた中でも屈指の名台詞だと思ってます。早人はこれからも黄金の心を持って、お母さんを守っていくことでしょう。

 黄金の心を受け継いで、さて、次に康一君がイタリア旅行にでかけるのは、何年後になるでしょうかね……。

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 バイツァダストが解除されてSEがついたよ、第39話。ズギャーンだのドギャーンだのが一体どんな音なのかを考えてSE付けるのはセンスが問われるところだが、なんか、曰く言い難い音がいっぱいついててスタッフの苦労が窺えました。

 最終決戦。……の前に梨央ちゃんのパンティ。吉良さんが必死に携帯に向かってぺこぺこしてる構図だけでも割と面白いのだが、そんなにぺこぺこが嫌だったら別に電話口で頭下げなくてもいいんじゃないですかね。まぁ、どうしてもモーションが入ってしまうあたりが悲しいくらいに日本人なわけだが。「川尻浩作め、そんなに出世したかったのか」って言ってたけど、吉良さんの会社での様子はどうだったんでしょうね。毎度お馴染み吉良の同僚の話を聞く限り決して社内でぼっちだったわけでもないだろうけど、上司に対しては必要以上に媚びたりせず、境遇に満足して波風立てない程度の自由をキープしてたってところか。今の年齢ならいいけど、歳を重ねた時にどういう扱いになっていたかは気になるところだ。そして、そんなぺこぺこ吉良さんに食ってかかる「男性(キャスト表より)」。原作の時から無駄な存在感があったが、アニメでもやっぱり濃いな……まぁ、荒木作品のモブって本当にどうでもいい奴でも全員濃いんだけどさ。そして無駄にディティールを描き込まれたパンティ。それを見つけた時の見事な三段カット。スタッフはあのシーンをどれだけ重要視してんだよ。その分空気弾が進路変更出来るシステムの説明なんかはカットされてるんだぞ。すげぇ判断だ。なお、最後の目玉は放送コード上しっかり描けずに単なる黒い玉2つになってましたが、あれ、見えないせいで話の流れから睾丸に見えても文句は言えないような……。

 さておき、仗助が中、吉良が外という奇妙な状態で遠隔攻撃どうしの最終戦という、一風変わった状況設定。本人も言っている通りに「絶対に仗助に近づかない」あたりが流石の吉良。仗助が転がり込んだ梨央ちゃんの家は杜王町にありがちな「なんかやけに広い」家で、一番最初に逃げ込んだ部屋なんて、家具も何にも無い上に「窓もない」という信じられない間取りである。梨央ちゃん、一体どんな住人だったんだろう。帰宅後にボッコボコになった自宅を見て絶望するんだろうな。杜王町はこの数ヶ月で結構な数の住宅が破壊されてますよ(由花子が閉じこもった別荘、靴のムカデ屋、露伴の家)。

 遠隔攻撃バトルということで、勝負の鍵は相手の攻撃方法をいかに特定していくか。普通に考えたらロングレンジに向かない仗助が一方的に不利なのだが、天才少年川尻早人がいち早く空気弾の侵入に気づけたおかげで、何とかワンサイドゲームは回避。目に見えない空気弾も、室内ならいくらでも可視化出来るので大きな問題ではない。まぁ、煙草の煙でどれだけ広範囲に影響があるんだよ、って気もするのだが、多分一度見えたら後は煙の粒子とかがこびりついて何となく見えるようになるんじゃないかな(一応、あのシーンでは何となく煙が充満しているような描写にはなってたけど)。しかし、いくら見えていてもホーミングの解析までは出来ない。逃げるしかない仗助を一方的に追い詰めるのは吉良の狙い通りだったが、そこは賢い仗助君。事前に用意していた「俺の自動追尾弾」で反撃に成功。初撃は痛み分けとなった。ちなみに、この戦いのキーとなった「Cダイヤモンド製の自動追尾弾」のシステム、吉良さんは攻撃を受けた直後にすぐに仕組みを理解したが、ぶっちゃけ、読者側からすると未だにその理屈はよく分かっていない。「ガラスに閉じこめた血液」と「吉良の服についた血液」が引きあう性質を利用したわけだが、なんでその2つが引きあうんだろう。「どちらの血液も仗助の体内に移動しようとする」なら理屈は分かるのだが……仗助は事前に全てを予期し、「吉良に着けた血痕」と「ガラスに入れた血痕」を「同じ血」でまとめていたということ? いや、そもそも「同じ血」ってなんだ。そして、引力が発生するとしたら、ガラスも引かれるが当然吉良の服も引っ張られるはず。ガラス片の射撃速度からするとそれなりの引力が発生したと思われるのだが、吉良は「服が引っ張られた」ような感覚はなかったはず。電話に夢中で気付かなかったんですかね。

 まぁ、この辺りの理屈も「こまけぇことはいいんだよ」の精神で吹き飛ばすべし。何にせよ、この変則的なラストバトルは充分に盛り上がった。説明要素が多い展開だからアニメにした時にダレないかな、と心配していたのだが、作画リソースを全力で注いでくれたこともあって、充分緊張感が出て良い映像になっていたんじゃなかろうか。そして、遠距離での丁々発止のやりとりが長ければ、その後の直接対決も盛り上がるわけで。「出せよ、キラークイーン」のところとか、仗助さんの一世一代の主人公感がたまらないですね。3部の承太郎も同じようにしてDIOに「抜きな」って言ってましたしね。直接のパワーではCダイヤモンドには太刀打ち出来ないキラークイーン。ここまで来たら終わりかな、って思わせておいて、運命が味方する吉良の強さ。「敵サイドも諦めかけた後でのハプニング的な逆転」っていう構図が更なる絶望感を駆り立てる。仗助は杜王町の全ての力で吉良に立ち向かったが、吉良だって写真の親父や猫草など、数少ない自分の仲間をフル活用して戦っているのだ。生前の最後の味方が猫ってのも、なんだか寂しい人生でしたね。

 そして、逆転に継ぐ逆転で満を持して目覚める億泰。ホント、この2人の関係性は素敵過ぎるね。ジョナサンとツェペリ、ジョセフとシーザー、承太郎とポルナレフ、男臭い友情の繋がりは全ての部で通底してジョジョのテーマではあるが、理屈抜きでの「ダチ」っていう高校生らしい等身大のお友達は身近なだけにかけがえの無いもの。最終決戦とは思えない2人の気の抜けた会話も、4部らしい「日常の延長」を演出していておしゃれである。仗助は本当に友達に恵まれたな(露伴を除く)。

 ピンチを乗り越え、次第に固まり始める趨勢。爆発音を聞きつけて難聴気味だった承太郎さんたちもようやく到着した。吉良吉影は相変わらず自己紹介もするので正体は明らか。ジョジョでは珍しく、6対1という圧倒的数の優位で向かえるラストシーンは、吉良吉影という男のこれまでの人生の清算の構図か。よりによって小学生のガキに決め台詞を叩きつけられるあたり、巡り巡って因果オホー。早人さん、あんたまだ正義の心に目覚めて1日しか経ってないけどな……。

 そして、集まった正義のチームの中には、行動の早さには定評のある杜王町消防団のみなさんも。救急車も来ますかね、女医さんもいますかね。……モナリザって、知ってます? 次回、最終回!

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