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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 エンディングに早人としのぶも追加、第37話。これで最終バージョンですかね。

 さぁ、エンディングもにぎやかになったということは、本編の方も最終章だ。オープニングは前回と同じバイツァダストバージョンでお届け。あまりの強さにテンション上がりまくっちゃう吉良からスタート。早人の劇画タッチの表情はこれまで散々文句を言われ続けた作画崩れの汚名を返上するかのように気合いの入ったものだったが、小学生の表情としては怖すぎるような気もする。まぁ、すでにアイツは小学生だとは思われてない節があるからね。「マジに小学生かよ」ですわ。吉良吉影の不運も色々とあったわけだが、一番の不幸は、たまたま成り変わった会社員の家にやたら察しの良いガキがいたことだったんじゃないでしょうか。

 伏線の回収、前回実はBGMに紛れてこっそりコールしていたわけなんですね。しかも電話が鳴り、間違い電話に断りを入れるタイミングでさりげなく。早人は事前に仗助たちの名前を聞いていたために電話帳で調べることが出来たし、その時間も充分にあったのだ。まぁ、杜王町の中に東方姓の家が1つだけだったのかよ、って気もするが(電話帳に掲載されてるなら朋子か良平名義だろうし)。ひょっとしたら早人は町中の東方姓の家に片っ端から悪戯電話をかけ続けていたのかもしれません。携帯電話ではなく、固定電話がまだまだ主流で電話帳が現役だった前世紀だったからこその一発逆転劇でした。ちなみに、1999年といえばまさに携帯電話への移行が進行している過渡期であり、作品が執筆されたその数年前は、まだまだ携帯電話は普及したとは言い難い高級品。康一が由花子からのヘルプを発信したのが公衆電話、ハイウェイスターの時に仗助が使い潰したのが携帯、ということでいくつかのスタイルが混ざり合っていることが分かる。そして、この携帯電話が……ね(以下次回)。

 ついに判明した敵の正体。そして、クライマックスということで改めて確認される「仗助の主人公性」。彼の能力は「直す」能力であり、よく「チート過ぎる」という文脈で語れることが多い。実際、今回のバトルでも様々な形で「直す」効果を活用しており、歴代主人公の能力の中でも屈指の利便性を誇っている。しかし、あくまでもその性格は単純明快、ちょっとお馬鹿な仗助のスタンドであり、強さの根源はスタープラチナと同じく「速さ」なのである。もちろん拳の速さもそうだが、「直す」速さこそがCダイヤモンドの武器。吉良の「慎重を極めた確実な破壊」と仗助の「速さが売りの勢い任せの修復」。3部の主人公とボスキャラは「同じタイプのスタンド」だったわけだが、今回のラストマッチは「全く逆のスタンド」の対戦ということになる。ヤンキー高校生とエリートサラリーマンの対決というのも、考えてみりゃ面白い構図だ(ジャンプ漫画としては王道の1つかもしれないが)。

 吉良の「確実な破壊」は、手塩に掛けて育てた猫草によって更なる進化を果たす。猫草を手に入れたのは早人の作戦からの棚ぼた展開だが、最大級に力が強まった吉良と対峙することが運命的に決まっていたのだろう。やはりラスボスは2段3段と変身を残しているものである。まぁ、ぶっちゃけ「腹部にストレイキャットを収納する」という行為はこれまでのスタンドの概念には無かった無茶苦茶なもので、冷静に考えると意味が分からないのだが(猫草は実体なわけで、あれって早人からはどう見えてるんだろう)、連載当時も、今回のアニメも、そうした細かい部分は全然気にならずに「うわー! ラスボスがさらに強くなったー!」という衝撃が勝る。スタンドにスタンドを加えて強くなる、という進化の形式は一応今後のシリーズの広がりに活かされているといえるのかな?(6部のDISCの概念なんかは割と近いか)。 猫草のポイントは、元が猫なので本人(本猫)の意志にあまりこだわらずに吉良の武器として使えること。元々吉良は「誰も信用せずに1人きりで生きていく」人間であり、父親以外の協力者を想定することが出来ない孤独な殺人鬼だったわけだが、最終戦でコンビを組むに当たって、「人格」を持たずに「能力」だけを与える存在として「猫」が出てくるってのは考えてみればすげぇぶっ飛んだアイディアである。案外、「猫は吉良吉影が好き」なのと同様に、「吉良吉影は猫が好き」なのかもしれませんね。やたら猫の生態に詳しかったしな。

 こうして手に入れた「空気弾」により、油断ぶっこいた億泰が致命傷。さらに能力のディティールを計る段階で仗助も負傷し、吉良に奸計を弄する隙を与えてしまう。「億泰爆弾」のくだりの絶妙なところは、少年漫画で分かりやすい「究極の二択」の緊迫感を出しながら、早人の目線を通じて事細かに吉良の新能力の説明を書ききっていること。荒木先生はこうした「スタンドのルール」には厳格で、ちゃんと「ルールの範囲内」でのバトルを見せようとする意識が強い(まぁ、訳が分からん事も多いんだけど)。だからこそバトルがいちいち面白くなるわけだが、こんな状況で吉良がいちいち新しい能力を口で説明してくれるはずもない。そこを、こうしてたった1つのミッションを加えることで「吉良が独白で説明する」「早人が推察し、攻略する」という二段構えで解説し、一山作ってしまえるのだ。何度も繰り返しているが、やっぱりこのラストバトルの展開はいちいち神がかっている。そして、早人の行動も神がかっている。グレートだぜ、川尻早人。彼の行動の根源に、「母親を守る」という意志があることがなんだかとても尊く思える。あれだけ冷遇されて、冷え切った家庭のように見えたのに、この小さな男の子にはやっぱり家族愛があるのだ。父親が殺されてしまったことを突きつけられているだけに、残ったしのぶのことを何とか守りたいという願いは切実なのかもしれない。

 早人の意志、仗助の能力。町を守るための2つの力が、たった1人の殺人鬼と相対する。一方その頃露伴先生と承太郎は待ちぼうけを食らってぼんやりしている。承太郎さん、こんなところで突然鈍感にならなくても……。間の悪いことに、最初に吉良がダッシュで逃げたタイミングでバトル組のロケーションは承太郎たちからどんどん離れていってるらしい(この辺の状況は原作でもよく分からなかったが、アニメでもやっぱりよく分からんかった)。最終戦は、吉良VS仗助・早人連合軍だ。クライマックスはぶっちゃけジョジョシリーズでも一番地味な、不可思議な試合になるのだが……アニメではどんな風に盛り上げてくれますかね。次週のキーワードは、パンティ!

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 オープニング最高かよ、第36話。いやー、3部の時のこともあるから何かしてくれるかも、っていう期待はあったのだが、今回は曲の使い方が最高だな。元々今回の「Great Days」はお気に入りなんだけど、曲中に入るヒョ〜ンみたいなヘンテコな間奏がすごく不思議でしょうがなかったんだ。なるほど、あそこでああいう使い方になるのか……。映像演出としてはぶっちゃけキンクリに近い気もするのだが、逆再生でバシッと見せられて、ループもののニュアンスも込められて、挙げ句にラストカットがアレ。完璧に計算し尽くされた映像だったわけだ。これまで散々作画について文句は言ってきたが、今回のオープニングは文句無しでグッジョブ。こりゃぁ5部のアニメも期待が高まるぜ。……まぁ、5部の場合はラスボスの能力が明らかになるのがストーリー中盤だからクライマックスには持ってこられないんだけどね(ラス前でオープニングに特殊演出を入れるとしたら「あっちの」能力になるんですかね)。

 閑話休題、息つく間もなくバイツァダスト。期待通りの早人オンステージである。佐藤利奈が焦って叫んでハァハァしてるのをたっぷり30分聞けるだけでも私からしたら極上のご褒美なわけですよ。ジョジョ特有の台詞回しで感情全振りってかなりハードルの高い内容なんだけど、早人に関しては流石の一言ですわ。この1,2話で急激に成長している彼の存在は、本当にこの作品では大きなものです。

 で、そんな早人が体験している不幸のどん底体験だが、「察しの良いガキ」であるが故に色々と手を尽くし、その上でどうしようもないという絶望感がある。「自分のせいで露伴が死んだ」→「露伴に近づかなければいい」くらいなら思いつくだろうが、当然その上を行くバイツァダスト。「運命の力」というフレーズもジョジョではお馴染みのものですね。これのレベルが格段に上がると「暗殺風水に失敗はネェのじゃぁ〜!」になります(なりません)。吉良も吉良で僅か1日で自分の能力を100%理解しており、たかだかガキ1人相手に何も臆することなど無いってんで余裕の表情。素直に人生を謳歌している吉良吉影の楽しげな様子が拝めるのも、このパートの楽しみの1つですね。次週、さらに調子に乗って愉快な姿を見せてくれます。まぁ、こんだけチート級の能力をもらったら浮かれるのもしょうがないですけど。

 露伴の死に続いて、今度は集合場所に図ったように遅刻しまくって集まる残りの4人。康一君、その辺歩いてる小学生にいきなり道を尋ねるのはどうなのよ。時計が無いのはしょうがないけど、小学生だってあんまり時計はしてないと思うぞ。っつうか承太郎は流石に時計持ってるだろ。頼りない大人達ばっかりで申し訳ないなぁ。サラッと流しているが、実はあの場所に集まった理由もよく分かってない。まぁ、おそらく早人の通学路であるという認識があったのだろうが(杜王駅と学校の間とかかな?)、早人に話を聞く目的であそこに集まったのだとしたら、顔を見てパッと認識出来ない康一や億泰はなかなかの阿呆である。露伴先生なんてわざわざ自家用車をあそこに停めて待ち合わせしてたんだよね。彼の移動手段がバスなのかバイクなのか車なのか、その辺もよく分からん。あのシーンで露伴が車に乗ってる意味ってあんまり無いんだよな……つまり、「単に荒木先生が露伴の車を描きたかったから」というのが結論だと思います。

 こうして集まった4人から逃れるために手を尽くす早人だったが、余計なお世話を重ねられてゲームオーバー。まぁ、いくら何でもバイツァダストのチート能力を初対面の仗助たちが察することなんて、どれだけ洞察力の高い人間が多いジョジョ世界でも不可能である。承太郎が「質問されること自体が問題なんじゃないか」って気付いたのは流石だが、そこで出てきた台詞が「質問されること自体に問題があるのか?」っていう質問だったのが草。いや、しょうがないですけどね。絶望的な状態で、文字通り決死の覚悟で4人を守ろうとした早人だったが、そんなところも全て盤石のフォローを見せるキラークイーン。もう、一体どういう能力なんだか分かりませんね。あれってカッターナイフ程度だから自動操縦で守れたかもしれないが、もっと大きな危機が迫ってたらどうなったんでしょうね。トラックに突っ込むとか、屋上から飛び降りるとか。流石にそこまでフォローしきれないと思うので、早人がダイナミックな方法で自殺してればひょっとしたら4人の死は防げたかもしれない。いや、どう考えてもそっちの方がバットエンドだけどさ。もしバイツァダストの自動防護が完璧なのだとしたら、吉良は誰か協力できる仲間を見つければ、そいつを防護しながら戦う無敵の盾役になれたのかもしれませんね。まぁ、吉良吉影が他人に心を許すことは絶対に無いので実現しない想像でしかないけど。ひょっとして、この「誰かを守る吉良吉影」を実現させたのがジョジョリオンなのかね? だとしたら面白いな。

 結局、早人の2+α回目の朝は、被害人数が1人から5人へと一気に拡大。吉良からすれば最大級の釣果を得ての帰還である。普通の小学生ならここで心が折れるところだが、何の変哲もないサラリーマンの息子・川尻早人は黄金の心を持つ少年だった。小学生でも大人を殺害できる方法に気がつき、限られた朝の時間帯で出来る限りのことをやりきるために走り回る。猫草の変異についての説明はカットされていたが、「猫」というモチーフ(というか原料)からキラークイーンに面影が似通っているところはなかなか暗示的。一応吉良には懐いてる設定だったんだけど、そのあたりは都合により無かったことに。なりふり構わない発射台としての再登場である。

 そして、既知の視聴者にとってはある意味クライマックスといえるだろう、朝の風景の「あの描写」。これは素直に上手いと感心した。BGMに紛れて「あの音」が絶妙に聞こえたり、聞こえなかったりするんだよね。早人の立ち回りも非常に自然に見えて、漫画ではコマとコマの間に隠されてしまっていた「伏線」が見事にアニメの中で再現されている。このあたりの工夫は、アニメ化されて良かった、と素直に思える部分だ。来週の回収が楽しみですね。

 そこからさらに運命の悪戯を巡る静かなバトルが続く。カップが割れることを知っていたためにささやかな復讐を試みた早人。彼なりの宣戦布告があの攻撃に現れており、その時の彼の表情を、吉良は「仗助や康一たちと同じ目」と評している。しかし、そんな「ループしたが故のアドバンテージ」を活かした早人の攻撃は、なんと次のステップで彼自身を苛むことに。吉良も吉良で「何かがおかしい」と警戒して歩みを止める慎重さがあり、一筋縄ではいかない敵。幸い、小学生の素の反応を見てギリギリのタイミングで警戒を解いた(この「数秒の遅れ」が、さらに後の展開に影響するという周到さだ)。早人の秘策、猫草は見事に炸裂し、吉良を討ち取ったかに見えたが、なんと「前回まではそこになかった」はずの腕時計が彼の目論見を阻む。知っている事の強みが、「知らないこと」を産みだしてしまうという不幸。当然、ここで使われた猫草だって、こんな単発の能力だけで終わるツールではない。二重三重に、全ての要素はフィナーレに向けて繋がっていくのである。

 やっぱり何度見ても痺れる構成だ。さぁ、次回以降もクライマックスしかないぞ。

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 Re:ゼロから始めたくもない爆弾生活、第35話。さぁて最終決戦。これをガッツリ描くために前のパートを端折ったんだよな。そう信じてますんでね。実際、今回は色んなところでガンガン濃い作画も出てきたしな。

 長い歴史を持つジョジョ史上でも最も議論されてきたと言っても過言ではないスタンド、それがバイツァダスト。いや、議論だけならキンクリやレクイエム、ホワイトスネイクの方がイカレてるし訳が分からないのだが、バイツァダストの場合、とにかくその能力の使い方、描き方があまりに秀逸で先駆的であったが故に、未だに語りぐさになっている恐ろしい能力、恐ろしい漫画だったのだ。今となってはチープとさえ言われかねないループもの設定だが、これを20年前に描き、しかもその中に本当に見事なギミックがこれでもかと詰め込まれている。下手したらジャンプの正しい読者層では理解出来ないような数々のギミックは、私も実は大学に入ってからもの好きな連中で議論を重ね、その末に「やっぱ荒木先生すげぇな」って結論になったのである。改めて書いておこう、荒木先生すげぇな。

 まぁ、そうしたギミックの妙味は今後の天才少年早人の活躍パートにまわすとして、今回はとにかくこの難解なバイツァダストという能力の理解に全神経を注がねばならない。ただでさえ化け物じみた性能で、シアーハートアタックというおまけ能力まで持っていた吉良が、ここで更なる能力を追加。このパワーアップには「矢の意志」が関与しており、この「矢による進化」ギミックは後の5部に受け継がれていく。つまり、作中で最初に「2度目の矢」をくらったのは吉良吉影その人である。何故吉良が矢に「選ばれた」のかという問いに答えはないが、やはり矢は精神のエネルギーに感応する存在であると考えるのが自然だろう。つまり、善であろうが悪であろうが、圧倒的に魂の「強さ」を持つ人間こそが矢に選ばれる。アンジェロの時に形兆も似たようなこと言ってましたかね。吉良吉影という男は、とにかく圧倒的な魂のエネルギーを持つのは間違いのない事実だったのだ。そのモチベーションは「魂の平穏」。純粋に天国を目指したプッチ神父も近いタイプの人間かもしれませんね。「平穏」を求めた吉良の願いに応えるように、矢が与えた能力は「自動で脅威を排除し、危機が有ったこと自体をキャンセルする」という特上の能力。キラークイーンにはそれだけの魂のキャパがあったってことなんだろうなぁ。

 もちろん、圧倒的な能力であるが故に欠点もあり、遠隔自動操縦に分類されるせいで小回りが効かず、SHAの時と同様にスタンドのまわりで何が起こっているのかを吉良自身が知覚できない。ただ、完璧な性能を持つバイツァダストの場合、このリスクは非常に小さなものだ。漫画に対して「たられば」を言うのも無粋で間抜けな話だが、器になったのが天才少年早人でなければ、吉良は承太郎たちに完勝していたことだろう。それくらいに、チートクラスの能力なのだ。だって、スタープラチナやザワールドが数秒時を止めたり、キングクリムゾン(あとマンダム)が数秒の時間を操作するのに全てのエネルギーを注いでるってのに、この能力は平気で1時間とか飛ばしますからね。時間の絶対量にエネルギーがあるのかどうかは分からないが、桁違いなのは間違いないだろう。

 さて、ここから先は通過してきた人には耳タコなありがちな話ばかりになるがやっぱり今回放送された部分だけでも「バイツァダストの謎」を確認しておかなければなるまい。端的な言い方をすれば「シナリオの矛盾点」の話だ。荒木先生のとても良くて、その分悪いところは、とにかく漫画としても見えを最優先にするため、時としてよく分からない破綻が起こってしまうことがある。「大人は間違いをするだけ」なのでそのことは別にいいのだが、バイツァダストはただでさえややこしい能力なので、どのあたりまでが「筆が滑った」ミスなのかが分かりにくいのが悩ましい。今回の「ループ1」の謎は、「何故、早人は1周目ですでに未来の知識を持っていたのか」という部分。これ、普通に読んだら完全に矛盾なのよね。「1周目の早人」が露伴の死を知っているわけがないのだから。で、「作中に時系列のシャッフル(ややこしい概念だが、早人視点での体感時間の前後)が存在しない」と仮定してこの謎に説明をつけるなら、「今回早人が体験した朝は、実は1回目ではない」というのが端的な答えになる。荒木先生がそれを意図して描いたのかどうかも定かでないが、一応、それしか説明を付ける方法がないのだからそれで正解だろう。

 つまり、今回早人が体験していたのは「2周目以降の世界」であった。そして、1周目で早人は誰かを殺して戻ってきたが、その記憶が何らかの理由で消えており、あたかも初めて体験するかのように描かれ、本人もそう感じていたのである。この説における疑問は大きく2つ。Q1「1周目では誰を殺して戻ってきたのか?」。この答えは簡単、A「1周目も露伴」である。だって早人の記憶にそう書いてあったんだから。バイツァダストは人を殺したら戻ってくる能力なのだから、1周目で露伴を殺して戻ってきた、これは確定。それではQ2,「何故、その記憶が早人自身に認識されていないのか」。これは明確な答えがない問題だが、まぁ、普通に考えたら「あまりに突飛で認識しきれていなかった」というのが考えられる答えだろうか。現に戻ってきた早人は「夢か」という台詞を漏らしており、真の1週目から戻ってきたときにも、自分が経験した「未来の世界」が認識出来ていなくとも不思議ではない。その上で、深層心理には間違いなく忌まわしい記憶が刻まれていたが故に、露伴のヘヴンズドアーでは読めるという妙な状態になってしまったのだ。なお、その記憶が「読んじゃいけない」注釈文を付け加えた理由は謎のまま(筆が滑った部類だ)。まぁ、早人も「黄金の魂」を持つ超ツエー人間の1人なのは間違いないので、精神の力で精一杯露伴に警告したいという意志が本になって現れたのかもしれない。早人を矢で射るとどんなスタンドが出てくるんでしょうね。

 まとめると、「今回描かれた早人の『1周目』と思われた世界は、実は2周目以後である」「早人はその認識が薄く、気付かずに(おそらく全く同じ行程を経て)露伴を2度殺してしまった」というのが正解だろう。つまり、バイツァダストは同じようにして、同じ人物を殺し続ければ何度でも同じ時間を繰り返すことが可能ということだ。まぁ、それって結局早人からしたらしんどいだけなんだけども。ぶっちゃけこの辺のディティールはあんまり気にせずとも続きは見られるんだけどね。ここから先もナイスな「ループギミック」の活かし方がいくつか登場し、5部へと繋がる二転三転大逆転のバトル展開のギミックが楽しめるようになっているのでお楽しみに。そのあたりはちゃんと全部やってくれるでしょうよ。あ、ちなみに今回最大のお楽しみポイントは、本邦初公開、吉良の髪型が変わった決定的瞬間でした。あれ、浮かれまくってることの表れなんだろうけど、川尻の会社の人たちはイメチェンした同僚を見てどうおもうんだろうな。なお、次回のお楽しみポイントは、「早人が出てくるのを楽しみにしながらドアの陰で帽子を持って待ってる吉良さん」です。早人相手だとかなりお茶目な吉良さん。実は子供好きで、家庭を持ったらイイお父さんになったんじゃないか疑惑が。まぁ、家庭環境自体は恵まれた子だったわけだし、親の愛情は(過剰なまでに)受けて育ってるんだしなぁ……。

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 サトリナキャラの入浴シーン! しかも無修正! 第34話。うん……ちょっと望んでたのと違うんだが……小学校低学年の子供ならちんこも無修正OKなんですよね。あれ、ってことは、同じ学年の女の子も無修正で大丈夫なんですかね? もし違うならとんだ性差別だ! ……まぁ、乳首とかにも同じようなことが言えるので今更なんですがね。

 さておき、ようやくこのサブタイトルも最後。結局4回やるのかよ、と思ったわけだが、結局スタンドバトル3つに加えて「ボクのパパはパパじゃない」も合わせてトータル4つのエピソードを混ぜ合わせて4話分なので、まぁ、これなら確かに尺調整としての意味は大きかったかな、という感じではある。ただなぁ、端折り方にしろ作画リソースにしろ、やっぱりもうちょっと丁寧にやってもらいたかったというのが正直なところ。これについてはもう毎週愚痴ってるな。今回も色々と適当な作画が多かったからなぁ。3部に比べていくらか簡略化してアニメにしやすいデザインを狙っていたはずなのに、結果的には3部に比べてかなりヘナヘナの作画になってしまったのは残念である。もし5部があるなら、多少の待ち時間は我慢するから、充分に準備ができたところで始めて欲しいもんだ。

 そんなわけで、今回は作画リソース節約気味のチープトリック戦。4部でも屈指のヘンテコバトルであり、原作では「素敵なステップで背中合わせに歩く露伴先生」や「青筋立ててキレてんのに歩き続けるチンピラ」などの愉快な絵面が多く楽しめたお話。本当はこれの前に「耳栓で対抗する露伴に対し、チープトリックは大量に出前を頼むことでハメようとする」っていうくだりがあるのだが、そこは尺の関係でカット。荒木先生渾身の「それ家事ね」のギャグも当然カットである。まぁ、確かになくてもいいパートだが、露伴がチープトリック対策をそれなりに講じたという事実や、それを上回って「案外色々出来るスタンドなんやで」というあたりが切れてしまうのはちょっと残念。ちなみに、康一君が露伴邸を訪れた後のくだりも、康一が立ち去る際の台詞が変わっており、シナリオを詰めたことで康一を含むメンバー全員に緊張感が出ていることが分かる。ただ、原作だと「相変わらず悪戯好きだなぁ」みたいに冗談めかして出て行っちゃったのに対し、アニメ版だと割とマジトーンで愛想を尽かしているように見えてしまうので、なんか康一君の好感度が下がりそうな改変だった。

 で、その後の移動シーンについては割とそのまま。楽しみにしていた露伴の背中合わせダンスは作画部分であんまりそれっぽくなっていなかったのでしょんぼり。どう考えても「背中合わせに他人と歩く」構図っておかしいからどんな動きになるんだろうって楽しみにしていたのだが、なかなか「それっぽい」画を作るのは難しかったようだ。あとはまぁ、頭がイカレちゃった露伴とか、不気味さの際だつ「小道の霊」とかも描写としては今ひとつか。うーむ、難しい画なのは間違いなかろうが……。

 それにしても、原作時点で不思議に思ったことだが、「チープトリックの本体は露伴」という認定を本人が下しているにも関わらず、露伴が小道の「現象」に賭けて行動に出たことはあんまりリスク部分が語られてないのよね。明確なルールが示されたわけではないのだからチープトリックごと露伴もあの世行きだった可能性は充分あったわけで、やっぱりあんな強引な解決法にすがったのは破れかぶれだったんじゃないかと、今でも思っている。ネタとしては「本来脅威であるはずのルールを逆手にとって利用する」というジョジョのお手本とも言える見事な展開なのだけども。

 結局、チープトリックというのはどういう存在だったのだろうか。「本体が移動する」という時点で割とレアなわけだが、そこに「スタンド自身の意志」が介在するというのが最大の特徴だろう。「背中云々」のルールについては乙雅三という男の精神性がもたらした能力であると説明出来るのだが、チープトリックが明らかに他者に害を為そうとしていたのは本当に謎である。いや、具体的には「写真焼いて」だから「吉良の益になる行動」を取っていたのだ。普通に考えたら、乙雅三はもちろんだが、チープトリックにもそんなことをする動機はない。おそらく写真の親父に命令されたことなのだろうが、別に恩義があるわけでもなし、そんな命令に従う理由が無いのだ。まぁ、「生んでくれたこと」に対する感謝とか、後付けで適当に理由は考えられるのだけど。一応、スタンドの持つ唯一のアイデンティティが「背中からの乗り移り」だけであると仮定すると、チープトリックの持ちうる動機は、例えば「色々な背中に移りたい」という本能が考えられる。この場合、露伴を煽って行動させようとしていたことには一応説明が付く……かなぁ。それにしても、ボーイⅡマンに取られたり、チープトリックと同居したり、ヘヴンズドアーってのも色々苦労性のスタンドである。

 チープトリック戦を終えて、残ったパートは原作では「ボクのパパはパパじゃない」と銘打たれたエピソード。実は、この部分は構成をいじったせいで完全におかしな事になってしまった。いや、別に矛盾はないのだが手順がおかしいのだ。前回、承太郎は「行方不明者リスト」というのをSW財団から受け取り、それを元に捜査を開始した。つまり、「吉良に消された者」を巡ろうという考えだ。しかし、今回登場した「美那子」は、先週示された資料によれば「家族に捜索願を出されているが、男のところに転がり込んでいると思われる」という、割とどうでもいいヤツなのである。承太郎はたまたま安否確認のためにトオル(相手の男)のところを尋ねたのだろうか。普通に考えたらもっと「深刻な行方不明者」の方が吉良の犠牲者っぽいのだが。つまり、今回承太郎が思わせぶりに血痕を確かめたりしていかにもサスペンス調に「捜査して犯人に迫ってます」感を出していたのは、ものすごい偶然が重なった単なるラッキーなのである。いや、別に承太郎があの現場を見つけたことが特にプラスにも働いていないのだが。何故原作を改編してあのようなシーンを挟み込んだのかはよく分からないが、前回仗助の送り迎えにも承太郎が出張っていたことを考えると、原作よりも承太郎成分を増やそうという演出意図があるのかもしれない。ちなみに、殺された美那子さんのCVは朝井彩加。あやちゅ、最近色んなところでチョイ役やってるのを見かけるね。事務所に推されてるのかな。声優専科の事務所じゃないので、若手で推される選択肢が限られて出番が多くなってるのかもね。

 そして最後は親子水入らずの素敵なお風呂シーン。吉良さんの渾身の肉体美が「ダビデ像みたい」です。もう、駅前に新しくオープンしたジムとか行く必要ねぇよ。ラストのキラークイーンがぞわぞわと湧き出して早人に襲い掛かろうとするカットは、今回唯一ナイスと思えたカットだったかも。いや、覚醒した早人も充分男前だったな。「自分の入浴しているところをカメラで撮影する」という謎の機転が利くスーパー小学生・川尻早人。残るは最終戦のみだ。早人の活躍にも乞うご期待。まぁ、総計で2回くらい死ぬんですけど。

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 3回でおわらねーのかよ、第33話。ま−、どう考えても尺に無理はあったけども……それだとどうしてこんなヘンテコな構成にしたのかがいまいち分からない結果になってしまうのでは……。

 エニグマ編の後半と、チープトリック編の導入部分というのが今回の内容。確かにこうして見ると、単に並行して3つの試合が描かれたわけではなく、時系列に微妙なズレがあるおかげであっちが出ればこっちが引っ込む、みたいな展開になっている。原作でも同じようなわちゃわちゃがあったというならこれはこれで面白いのだが、原作でつながってたのってスーパーフライとエニグマだけなんだよね。やっぱり康一君がハードスケジュール過ぎるし、チープトリックをつなげた意味がよく分からない。単体だと導入部分が地味だ、っていう判断なのだろうか。割とはしょられてしまったが、乙雅三とのあれこれから見える岸部露伴の大人げのなさみたいなものは割と大事な要素だと思うんだけどなぁ。一応、今回オリジナルシーンで「何故かみんなしてタクシーに乗って帰る」っていうシーンがあるので、あんだけ揃ってる状況でも康一だけが露伴のところに行って仗助は帰る、っていうあたりに「やっぱり露伴と仗助は仲が悪い」みたいな要素は臭わせられるかな? あれ? そういや億泰どこ行ったんだ?

 とりあえず、今回は主人公チームからは噴上の活躍が描かれる。原作だともっとたっぷりやってた印象があったんだが、アニメでやられると随分あっさりした展開だったな。「噴上がすげぇ格好良かった」っていうイメージは、荒木先生が「紙を使って遊びまくる」というだまし絵みたいな構図をバンバン打ち出してくる作画の力が大きかったのかね。こういう「得体の知れない敵」と戦ってる試合展開が一番盛り上がる作品だしね。まぁ、エニグマの場合、「得体の知れない」要素を前面に打ち出しすぎて能力がよく分かんなくなってるんだけどね。もう、途中からエニグマの少年が単なる紙の化身みたいになってるしな。自分を紙に出し入れするのは自由、他の人間を出し入れする際には相手が「恐怖のサイン」を見せている必要がある。そこまではいいんだけど、じゃぁ、人間以外はどうやって取り込むんだよ、っていう。仮に人間じゃないものは恐怖のサインすら必要なくて好きに取り込めて、さらにタクシーのようなものまでサイズを問わずにポケットサイズまで縮小するとなると、エニグマというスタンドは相当便利な部類に入る。何しろ、理屈の上では飛行機だろうが巨大な建造物だろうが、好き放題に携帯出来るし、収納できるのだ。タクシーの運転手がタクシーごと取り込まれていたが、あれはタクシーと、運転手を別々に取り込んだものなのだろうか。ひょっとしたら、本人が意識していないだけで、エニグマが「1個のもの」だと認識したら一気に全部を紙の中に取り込める可能性すらある。もしそうなら、面倒なことせずに「東方家」そのものをがばっと紙の中に収納すればおしまいである。まぁ、流石にそこまで強くないとは思うのだが……お話の展開を好き放題に描いちゃったせいで、能力に際限が無くなったという、ジョジョには割とありがちなパターン。なお、最後のシュレッダーのくだりも、「シュレッダーの引っ張る力が強いから引き出せない」だったのにいつの間にか「手が突っ込めたら大丈夫」というよく分からない解決法になっているあたりももやもやである。その前に仗助が捕まった時には「紙の状態でペラペラの仗助」なんてモードは無かったのに、何故か噴上はペラペラのまま動くのだ。……まぁ、勢いって大事だからさ。

 さらに突っ込んでおくなら、やっぱりハイウェイスターが「遠隔自動操縦」なのかどうかっていまいち分からないよね。たまに見かける「本体がスタンドに注意する」っていう場面、あれは一応自動操縦だから起こる現象ではあるのだが(一番極端な例がベイビィフェイスである)、エコーズとかスパイスガールみたいな例もあるから何とも言えない。初期のスタープラチナだって言うこと聞かなかった設定だしな。

 結局、宮本輝之輔はアンジェロに続く最も悲惨なお仕置きで退場(まぁ、ここの三連戦の敵キャラはみんな悲惨な状態になっているが)。何故かずっと昏睡しているおふくろさんを連れてみんなでご帰宅。そんな中、ようやく戻ってきた康一に助けを求めているのが露伴先生なわけだ。チープトリックの出現シーン、なんか乙雅三が落ちた穴が原作と全然違っていた気がするが、まぁ、あんまりでかい穴だとマズイのでね。必死に背中から引き剥がそうとする露伴先生が突然踊り出したり、何とも珍妙なシーンが多いが、実際起こってることが珍妙なので致し方ない。何しろ「本体が変わるスタンド」というトリッキーなコンセプト。やっぱり杜王町という「日常」が舞台のお話なので、スタンド使いとして覚醒してもその力を使いこなせない連中が多いようである。まぁ、スタンドっつうか一種の「呪い」なわけだが、もし、もうちょっとだけでも乙雅三の精神力が強く、チープトリックがちゃんとしたスタンドとして発現していたらどんな能力だったのかは気になるところである。「相手の背中を見たら殺せる」とかだったんだろうか。だとしたらやべぇな。まぁ、チープトリックの諸々についてはまた次回。

 そういえば、承太郎さんが独自に動いて、例のボーリングの爪切り事件(アニメではカットですね)に肉薄しているなんてシーンも。あのあたりの吉良が一番イカレてて最高なんだけど、アニメだと何かに引っかかっちゃったのか、単に尺調整のためなのか。ボーリングの爪切りがダサいって言われて、ボーリング関係者からクレームが入った可能性も。無い。

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 川尻浩作の職場、本邦初公開、第32話。確か原作では出てこなかったと思うんだけど。いっぱしの社会人が勤務している全く知らない会社に出向いて一切気付かれずに仕事が出来る吉良、やっぱり凄すぎる。

 三本連結エピソードの2本目。スーパーフライの端折り方を考えると、まず間違いなく残り1話で終わりだろうなぁ。あと4〜5話くらいで最終決戦ってことになるが、むー、ギリギリかねぇ。ただでさえややこしいパイツァダストは出来るだけゆっくりやって欲しかったところだが……。

 今回のエピソードが何故こんな妙な構成になっているかといえば、ごちゃごちゃと全部を混ぜてしまうことにより、かえってエピソード単体の不自然さを薄めることになるという判断からだろう。例えば今回片付いたスーパーフライ戦にしても、映っていた部分だけを切り取って繋げれば、相当急ピッチで、間に違和感が出てくるはずのつまみ方である。しかし、要所で露伴宅を挟むことで「まぁ、そっちは一旦置いといて」みたいなクッションが生まれ、辛うじて成立するように見えるのである。なるほど、上手いこと考えたものだが……やっぱり勿体ないって感想が先に来るな。スーパーフライ戦で言えば、最後の仗助のワンパンの部分が丸ごとカットされており、鋼田一豊大の属性で大切な部分がまるごと抜け落ちてしまっている。それは鉄塔の外から心底出たくないという、強い後悔の念であり、原作ではそれが嫌というほど伝わったからこそ、すんなり仗助達と対話出来て、康一のピンチを知らせることにも違和感が無くなったのだ。そのあたりをカットしてしまうと、どうにも尻切れで後味の悪さが残ってしまうようである。まぁ、原作を知ってるが故に感じる細かい部分なのかもしれないけども。

 スーパーフライ戦・エニグマ戦という一応は真剣なバトルの合間に挟まって謎の緩衝材役を任されたのがチープトリック。こちらもザクザク要素がカットされ、乙雅三の見せ場である「ペンを拾うシーン」がカットされた他、「知りません、見せたことありませんから」という大胆な台詞もなくなり、不気味さが伝わりにくくなってしまっている。まぁ、最低限露伴が興味を抱く程度の奇行には走っているので、シナリオ展開上は大きな問題があるわけではないのだが。次回以降、チープトリック本人が出てきてからの、スリリングながらもアホみたいな試合展開に期待しておこう。それにしても、あんなボロボロの部屋の中でしれっとコーヒー出して飲ませようとするあたり、やっぱり露伴ってイカれてるとしか思えないよな。

 で、今回のメインとなったのはエニグマなわけだが、こちらは一応、最も注目していた「能力発動からの幾何学模様変化」は実行してくれたので、そこは満足出来る。その直前のエニグマの少年(宮本輝之輔という名前があるようだが、流石に本編で一度も出てこない名前はあんまりピンと来ないな)の表情も原作絵をがっつり切り取ったデザインが再現されていたし、スーパーフライの適当さに比べると割と「不気味さ」を出すために色々と手をかけている。噴上裕也のミケランジェロっぷりとかね。噴上裕也、ものすごくあっさり仲間入りしたわけだが、原作の時は割と間が空いていたので「おっ、久しぶり」みたいな印象だったのに、アニメだとぶっ飛ばしてから和解までがほんの数週間しかないのですげぇ軽いヤツに見えるな。まぁ、実際にきーやんの演技も相まって原作以上に軽いヤツには見えるのだけども。こいつも登場のタイミングを一歩間違えてたら間田とか玉美みたいな扱いになっていたかもしれない、と考えると、終盤のシリアス展開で出てこられたことには感謝しないといけないな。

 エニグマの能力は、これまたいかにも4部らしく非常に限定的。「条件を満たせば最強」だが、絶対に正面から戦えないスタンド。まぁ、本体の性格を考えれば出るべくして発現した能力なのだろう。実際にあるんですかね、「恐怖のサイン」って(ねぇよ)。「相手の癖さえ見つけてしまえばいい」ということで戦略は自ずと固まるわけだが、その前提条件としてほぼ人質を取ることが必須になっているあたりはダービー兄弟に似ている部分はあるのかも。ただ、本当にギャンブル一辺倒だったダービーと違い、彼の場合は「自身が紙に入る」というオリジナル能力は持っている。紙に入った状態がどういう扱いなのかは本編で一切説明が無かったが、朋子と入れ替わったタイミングのことを考えると、「紙から出すときは一瞬」なのと同じように、「紙に入る時も一瞬」なのだろう。そう考えると、リトルフィートなんかよりも使い勝手の良い部分はあるのかも。写真の親父と仲が良さそうだな。2次元に行く方法教えてくれそう。

 しかし、今回の展開を後考えで振り返ると、未起隆の助力によって勝利したスーパーフライ戦、噴上との共闘で逆転したエニグマ戦(後はほにゃららを使って勝つチープトリック戦)と、全て「主人公達が頑張って敵を倒した」というより、町のみんなと力を合わせて外敵から身を守った、という構図になっており、まさに杜王町VS吉良父子という四部独自の構造が如実に出たバトル展開だったと言えるのかもしれない。町のみんなの手で町を守る、という鈴美の願いが叶っているのだから、こうしてとっ散らかった乱戦模様も、杜王町の自浄作用が良く見える面白い構成と言えるのかもしれない。

 ちなみに、今回登場した新キャラのCVは、それぞれ乙雅三に石井真、エニグマの少年に河西健吾。まこっつは独特の甲高い声がいきなり笑わせてくれるが、多分、来週チープトリックの声も担当する兼ね合いでのキャスティングだろう。間田役の下和田ヒロキといい、この辺の年代の渋い男性キャストが活躍しているのを見るのはちょっと楽しい。河西健吾は今期将棋を指したりガンダムに乗ったり色々と大変。この1,2年で一気に仕事が増えて完全に「表」声優の1人となったわけだなぁ。男性声優は女性陣に比べて圧倒的に遅咲きが多いが、こういう波ってのはどっから来るんでしょうかね。そして、産休に入った豊口めぐみの代役にはなんと御前が起用されている。まさかのロサギガンティアからロサフェティダへの継投(杜王町にはもう1人白薔薇様がいるナ)。ここで使っちゃうと6部以降でのキャスティングに影響……しねぇだろうけどな。御前だと下手したらトリッシュも徐倫もエルメェスも、F・Fすらあり得る役者だからなぁ。さて、これで4部に登場する(CVが付くような主要)キャラの声は全部出揃いましたかね。強いて挙げるなら、「パンツ拾って死ぬヤツ」と「吉良に下品な告白される女医」くらい。うわぁ、どうでもいい。

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 日本シリーズのせいで2話一挙、第30話、31話。これまで、諸々の事情で一挙2話放送になったことは何回かあったのだが、その都度上手い具合に前後編が一挙放送になってたのよね。今回は不測の事態だったこともあり、何ともヘンテコな変成になってしまった。面倒なので一気に2話分。

 まずは30話。「犬猫に厳しい」ことでお馴染みのジョジョ。荒木先生のコメントとかであんまり動物好きって話は見たことがないし、巷では荒木先生が動物嫌いなんじゃなかろうか、なんて噂も。まぁ、おそらく特に愛着がないってことなんだろう。じゃなきゃコミック1巻でいきなり犬を焼き殺したりはしないでしょうよ。猫についても色んなところで登場するが、個人的にはDIOにワンパンで吹き飛ばされて食べられたり飲まれたりしてた猫が(色んな意味で)可愛そうナンバーワンである(第2位はエンヤ婆がテンション上がって意味もなく殴り殺した猫)。それに比べて、なんとある意味で「メイン級」の破格の扱いを受けたのがこちらのストレイキャット。動物のスタンド使いシリーズもいよいよ猫が参戦……と言いたいところだが、果たしてこれは猫のスタンドと言ってもいいものやらなんやら。一応、しのぶが目撃した「天井に張り付いた能力」はストレイキャットの「空気を操る能力」に繋がってるんですかね? でもなぁ、草になってからようやく認識した、みたいなナレーションも入ってるし、生前(?)は能力を使いこなしてたようには見えないんだよな。とりあえず、一度は死んだはずの猫が「なんか不思議な縁」で植物の形で復活。ひょっとしたら、そこまで含めてのスタンド能力だったのかも。猫といえば命を複数持っていることで有名ですからね。

 5部のディアボロにも共通するが、ジョジョはこうして「ラスボスが主人公チーム以外の第三者と戦う」シーンがちょいちょい登場する。そして、日常系スタンドバトルでお馴染み第4部らしく、猫+草というどうでも良さそうなヤツ相手に吉良が苦戦する展開はなかなかに見もの。実際ストレイキャットの能力は用途の広さに加えて野生の防衛本能が備わるおかげで、おそらくタイマン勝負なら最強クラスの能力である。物理攻撃は壁でシャットアウト出来るし、空気という絶対的なものを使役するので色んな能力の上位種として機能できる。そしてそこに、理屈で説明出来ない「本能的な攻め」というチート性能も加わる。今回のバトルで言えば、吉良の爆弾を止めたのは全くの偶然であり、普通ならあり得ない防衛能力であるし、「血管に空気をぶち込む」なんて猫が思いつくわけ無いのだから、これも「なんとなく相手を殺そうとした結果」と考えるべきなのだろう。とにかく、理屈が通用しないので強いのである。一応能力制限を考えるなら、完全に空気を操れる有効範囲はかなり狭そう。おそらくバリアを張った半径20センチ程度が限界で、それ以上遠くに攻撃する場合は「弾」の形になるんじゃなかろうか。振り返ってみると、「砂」のイギー、「氷」のペットショップと並べると、動物軍団が地水火風の3元素までフォローしてるな。残る「火」は……マジシャンズレッド?

 まぁ、そんな無敵の猫草との対戦だが、吉良は一方的に攻められていいところがないゲームである。個人的にお気に入りは爆弾を発動させようとして必死にスイッチ連打する吉良。改めて見るとすげぇ間抜け。あと、いくら緊急時とはいえ、シャツを片手でビリビリ破ける吉良の筋力も馬鹿にならない。あれ、ボロボロになったシャツはしのぶになんて言い訳するんだろうな。しのぶさん、すっかり色ボケ人妻になってしまいましたが、アニメだとことさらに乳のでかさがアピールされているようで、何ともけしからんのです。実の母にあんなことされたら早人もそりゃ気分は良くないよなぁ。この親子、今後上手くやっていけるんでしょうかね。今回は「ボクのパパは……」もついでに入っていたので、天才少年川尻早人の才能の片鱗を見ることが出来ました。あのスピードで機転を利かせて窮地を脱するとか、どんだけ軍師の才能があるやら。あのデザインのロフトって、上にいる状態でははしごの収納は不可能だと思うんですけどね。あと、クローゼットも屋根裏もめっちゃ広いっていう。一体どんな間取りの家なんだよ。家賃13万でしたっけ? 川尻さん、けっこう良い生活してるナー。

 続いて31話。これはもう、その構成に驚くばかりの回である。風の噂で聞いたが、どうやら本作は3クール完結で間違いないようで、ここから先のエピソードはかなり駆け足で処理しなければならない。そこでスタッフが試行錯誤の末に辿り付いたのが、この「3戦同時進行」シナリオということなのだろう。本来なら全く別の事件として扱われていたスーパーフライ戦、エニグマ戦、そしてチープトリック戦が同時進行している。これ、日程的に大丈夫なんでしょうかね。いや、放送話数とかじゃなく、実際に杜王町の中のスケジュールとして。康一君は今回の描写だと当日朝にエニグマに捕らわれている様子。ここから仗助達はスーパーフライを打倒し、その足ですぐに仗助がエニグマと対戦。この時に仗助は噴上のところにお願いしに行く時間も必要。そして、どうにかこうにか康一を救出した後、康一はそのすぐ後にチープトリックに襲われている露伴の救出に向かわなければいけないのだ。……康一がすげぇ大変そう。わざわざこのタイトルにしてるってことは、全部「1日で起きた事件」ってことにするんだろうしなぁ。大丈夫かなぁ。

 とりあえず、初戦はスーパーフライだ。このスーパーフライ、「完全待ち伏せ型スタンド」というアイディアからのチャレンジで、設定も色々無茶していて他のスタンドとはだいぶ様子が違う。っつうか、スタンドじゃなくて単なる「そういう場所」だな。7部のシュガーマウンテンの泉が一番近い気がする。改めてアニメで見ると「どう考えてもその程度の設備で3年とか一ヶ月とか生活出来ねぇだろ」とか、「鉄塔を攻撃したときの反動が出てくるタイミングが適当過ぎるだろ」とか色々疑問はあるんですが、荒木先生の作品作りは大体この一言で片が付く。「やりたかったんならしょうがない」。実際、楽しそうだったもの。アニメだとほとんど描かれなかったけど、仗助達もちょっとワクワクしていた「自給自足の完全閉鎖住居」という憧れ。それがジャングルジムのような鉄塔だってんだから、男の子はどこか気になってしまうもの。荒木先生もそういう夢みたいなものをこのスタンドに籠めて、いざ戦わせるとなれば、それなりにエネルギーだの呪いだのと設定を付け足していけばいいや、っていう発想だったんじゃなかろうか。個人的にすげぇ気になるのは、「もし億泰が最初の一撃でいきなりザハンドの能力使って鉄塔を削り取ってたらどうなったんだろう」っていう部分ですね。億泰の即死もあり得たのかも。

 鋼田一のキャラは原作通りの飄々とした雰囲気が出ていてなかなか良い。CVはお城や廃墟が大好きなことでお馴染みの遠近孝一。小憎らしい雰囲気が出ていて面白い。そして、そんな鋼田一に対抗する未起隆の雄姿も見どころ。双眼鏡から戻りかけの変なフォームがなかなかキモいが、その後の「いつの間にそんなとこに移動したんだ」という突っ込み待ちの活躍は、「これ、新たな友情が完成したな」と思わせる名シーンである。まぁ、この後はもう登場しないんだけども……。仗助達は吉良との騒動が終わった後も未起隆を丸め込んで悪だくみに使ってそうだよなぁ。

 スーパーフライ戦の決着は次週に持ち越し。その後は今回ちょっとだけ下準備したエニグマ戦がメインかな? チープトリックまで含めたら、やっぱり「その3」までは必要だよなぁ。別々に描いてても良かった気もするんだけど、こういう多元放送みたいなスタイルにすることで、杜王町がどんどん混迷している雰囲気が出てくるのは面白いかもしれない。ご町内のあらゆるところでスタンドバトル。うーむ、物騒な町だ。

 ちなみに、今回描かれた「写真の親父が吉良の存在に気付く」シーンはアニメオリジナルよね。最終決戦時に結託する展開、原作だと一応謎だったので、そのあたりのフォローを入れた形か。なお、30話で思わせぶりに描かれた「吉良がしのぶにちょっと情が移っている」描写については、特にこの後進展もないのでカットしても良かったはずなのだが、律儀にそのまま入っていた。これ、別に何かの伏線とかいうわけではなく、吉良が死んだ後の川尻家の寂寥感を増幅させるための描写だったんですかね。だとしたら、最終話の早人の台詞の寂しさが際だっちゃうなぁ……。

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 中の人ネタで「変幻自在のハイウェイスター」っていうのを思いついたんだけど、案の定同ネタ多数だった、第29話。この噴上裕也のナチュラル女たらし感は圧倒的やな。ちなみに、取り巻きガールズは篠田みなみ・木村珠莉といった「他作品ヒロイン級」のキャスト達が演じています(あと1人は多分看護婦役の清水彩香)。まぁ、珠利ちゃんはジョジョワールドのあらゆるところに出てくるけども。

 ハイウェイスター後半戦。一応原作では「チェイスもの」としての迫力が一番の見どころの作品だが、流石にこのキャラデザ、背景デザインだとあんまりスピード感ってのは出ないかな。それでも丁々発止のやりとりはほぼカット無しで再現されているし、二転三転する攻防は充分盛り上がったんじゃなかろうか。「公衆電話+テレカ」→「折りたたみ式携帯」→「折りたたみじゃない携帯」という、この時代を感じさせる電話三連発もいい感じに懐かしい。これ、仗助が拾った(強奪した)電話ですぐに康一に電話出来てるってことは、この時点で康一の家の電話番号は覚えてたってことだからね。90年代ならまだ普通だった「友達の家の電話番号を覚えている」っていう状態、今の御時世じゃ絶対あり得ないからなぁ(下手したら自分の電話番号すら忘れるわ)。

 そして、この一連のチェイスシーンは、ここまであまりダイナミックな活躍が無かった仗助とCダイヤモンドがそのチート級の能力をガンガン使いまくって大活躍する、主人公の面目躍如となるお話でもある。後に吉良も語っているが、この杜王町で最も恐ろしいのは、仗助とCダイヤモンド。そしてその「回復の速度」だったのである。こうして立て続けに色んなものを「直して」いるのを見ると、改めてその大雑把過ぎる超性能が確認出来る。まぁ、一個目に拾った電話は何故か直さなかったり、仗助の気分次第で色々とムラがあるのは事実なんだけども。便利過ぎると持てあますという、分かりやすい事例である。

 せっかくなので今回直したものをリストにしてみると、まずバイク(1回目)(先週分もカウントするとさらに+1)、杜王港の壁、バイク(2回目)、自動車、そして噴上本人。細かく見ると、例えば一回目のバイクの時は上に乗っている仗助の速度を落とさずに乗車した体勢のままで修理を完させており、つまりエンジンふかしっぱなし、モーター動きっぱなしの状態で修理。2つ目の「杜王港の壁」や「自動車」は飛びかかるHSの襲撃をかわす速度が尋常じゃないし、2度目にバイクを直した時は、排水溝から引きずり出す修理、さらにその後ガソリンタンクをふさぐ修理、という風に2度に分けて再生させている。おそらくスタンドの能力によって「どこまで直すか」も調整出来るということなのだろうが、あれだけテンパリそうな緊急時に、ここまでデリケートかつ大胆なスタンド操作ができる仗助は間違いなく大物である。

 対するHSの方についても見てみよう。こちらはシアーハートアタックで成功を収めた、「遠隔自動操縦の追跡者」というテーマの新たなチャレンジである。追跡範囲は最低でも杜王町全域をカバーしており、相当広い。勝手な想像をすると、こうして優秀な追跡能力と確実なダメージ機構を搭載出来たのは、「双つ杜トンネルの秘密の部屋に入った者だけしか追跡出来ない」という大きな制約を下敷きにしたおかげなのかもしれない(念能力みたいな話だが)。ディティールを見ると、遠隔自動操縦とは言っても色々と小技が効き、杜王港では何故か一度人型形態に集合してから壁を乗り越えている。この人型のモードがHSの最大の特徴で、どうやらある程度「自動操縦状態の自分のスタンドがどうなっているか」を感知してのオンオフが可能らしい。吉良はシアーハートアタックを出したら後は爆弾がどうなっているのかを一切関知出来ず、おそらく「狙った獲物を殺したら戻ってくる」くらいのプログラミングしか出来なかったと思われるのだが、HSは「匂いが近いのに対象に接触できない」といったエラーを解消するため、一時的に自律モードに切り替える機能もあると考えられるのだ(まぁ、視界共有などの近接型ほどのリンクは無いだろうから、ひょっとしたら人型になるとスタンド自体に思考力が生まれるのかもしれない)。もちろん、操縦方法は遠隔だけでなく、手元に置いていれば普通の人型スタンドとしても運用可能。こちらのモードでの活躍はこの後描かれることになるはずだ。

 ちなみに、噴上が「匂いに関する能力に目覚める」というのはスタンド使いの覚醒パターンとしても非常にレアなケース。長いジョジョの歴史の中でも、「後天的にスタンドを獲得し、そのスタンドの特性に引っ張られて本体に変化があらわれる」っていう例はパッと思いつかない。まぁ、ポーク・パイ・ハット小僧みたいな本体と一体型のスタンドはどういう成り立ちなのかよく分からないけど。噴上はあの場で自分の嗅覚異常に初めて気付いたようだが(仗助の養分を吸うまではまだ元気が無かったんだろう)、なんでそんな状態の単なる暴走族のあんちゃんが「アドレナリンの匂い」なんてものを知っていたのかは謎。まぁ、後々ものすごい推理力を披露してくれたりしてるので、暴走はしてても案外博学なエリートなのかもしれませんね。取り巻きの娘の生理中の匂いを知っていたのは(略)

 今回、何故かラストにわざわざ承太郎を引っ張り出して露伴と仗助の仲直り(?)エピソードをアニメオリジナルで追加している。なんであそこに承太郎を連れてくる必要があったのかはよく分からんのだが、一応スタンド使い絡みなので報告義務があるって思ったのかな? あの場面での露伴と仗助の絡みは、別にナレーションだけに押しとどめて想像させてくれるだけでも良かった気もするのだが……まぁ、尺の微調整とか色々あるのかね。ラストは猫の登場で次回へ続く、だよ。次回、猫好きにとっては嬉しいような悲しい……。

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 だが断りすぎ、第28話。あのコマってネット界隈で流行ったおかげで4部屈指の名シーンみたいな扱いになってるけど、別にリアルタイムでそんなに取り上げられたようなシーンじゃない気がするんだけどね。こうしてみると全体的な流れがイケメンなだけだよな。

 変則構成なので、まずはチンチロの決着から。時間が無いのでダイスに目玉のくだりもなくなり、最後にキーアイテムになる虫眼鏡もあんまりフィーチャーされなかったので、なんか唐突な展開に見えるな。いや、実際唐突なんだけどさ。漫画だとどさくさに紛れてごまかされてたけど、やっぱりあんだけ燃え上がるまで全然気付かなかったのは尋常じゃねぇや。誰かが通報してたってことは、どっかからは燃えてる様子が見えてたわけでしょ? さらに火元の虫眼鏡は手近にあったわけで、建物の奥から燃えたわけもないしなぁ。まぁ、それだけ露伴が必死だったってことだろな。

 この話で玉美が出てくるのは、いかにも4部らしいニクい演出。普通は3部とか5・7部みたいに「どこかに向かって進む」という筋立てになりやすいので、ジョジョで「過去のキャラが復活して活躍」っていう展開はあんまり無いのだが(あったとしても花京院やアヴドゥルみたいに割と無理な展開になるのだが)、4部は同じ町内でずっとうろうろしているお話なので、こうして過去のキャラをいくらでもほじくり出す事が出来る。この後の噴上裕也の突然の参戦も、未起隆の活躍も同じような理由。いくらでもキャラを増やして絡みを増やせるんだよね。普通の漫画だとぽっと出の端役なんて大して魅力もないので忘れ去られるもんだが、杜王町はこうして三下の玉美ですら再登場出来るわけで。まぁ、ちょっと能力を便利に使いすぎてる感はあるけども……「相手に嘘をつかせない」という目的から「錠前」を使うっていうアイディアは秀逸だよなぁ。外界から干渉するのではなく、あくまで自身の良心を計るだけだから確度が高いんだよな。

 ま、そんなチンチロ勝負はさておき、章の合間に挟まったのは、前回描かれていなかった川尻早人のお話(このシーンでご丁寧にラジオで噴上のことが流れているあたりは芸が細かい)。いやー、早人がすでにイケメンやねん。っつうか声が格好良いねん。何しろCVがネギ・スプリングフィールドと同じですからね。この後の早人の活躍を考えればこの配役も宜なるかなと。いい息子さんをお持ちじゃないですか、しのぶさん。浮かれてお菓子作りしてるしのぶはちょっと可愛い。

 そして本編となるハイウェイスター戦がスタートする。さて、このお話は実は個人的に色々と疑問に思っていた部分の多い話でして……。まず、先週もちょっと書いたけど「露伴と仗助はどこに行こうとしてたんだろう」っていう。仗助は鞄持ってるからおそらく学校帰り、そしてバスの表示は「杜王循環」。普通に考えたら杜王町の中のどこかに向かおうとしていたのだろうが、「杜王町名所案内」によれば二つ杜トンネルは杜王町とS市を結ぶトンネルということだ。つまり、二人はたまたまS市にちょっとお買い物にでも行くところで出会ったということだろうか。この話以外でバスが登場する話は無いので、何故突然仗助がバスに乗っていたのかが不思議なところ。まぁ、8部になればもう1回バスがキーアイテムになる話があるけども(かなりひどい形でな!)。

 そして、二人はバスに乗り、トンネルを抜けたところで仗助がキレて、おそらくそのすぐ後の停留所で露伴が降りた。つまり、露伴はトンネルのS市側で降りて、その後、どこかからバイクを調達してきたと思われる。露伴がここで「一度自宅に戻ってバイクを持ってきた」というのが普通の流れなのだろうが、そうすると時間が合わないんだ。一度バスを降りて自宅に戻り、それからハイウェイスター(以下、HSと表記)に遭遇するとなると結構な時間がかかるはずだが、仗助は、諍いの後に「なんか気になって」戻ってきたと言っている。流石にず〜っと後まで露伴が待っているなんて思っていないわけで、仗助が戻ってきたとするなら、露伴と別れてから大して時間は経っていないだろう。すると、露伴が家に戻る時間はなく、おそらくS市で即金でバイクを購入したのだと思われる。なんでそこまでしてバイクが欲しかったんだ、っていう。

 さらに、露伴は秘密の部屋を探してトンネルを通り抜け、「出口付近」で敵の罠にかかる。この「出口」が杜王町側なのかS市側なのかが定かでないのだが、HSに見つかった後、露伴が「トンネルの中を」しばらく走って逃げており、さらに、しばらく逃げてから捕まった露伴は、明らかに「杜王町側」に拘束されていた(「70㎞で」ぶっ飛んだ仗助は、トンネルに入らずにそのまま引き返す形で杜王町に向かっている)。ということは、露伴が初めてHSに捕まったのは「S市側」である可能性が高く、そうなると、やっぱり最初にバイクで入ってきたのは杜王町側なのだ。しかし、仗助が引き返してきて露伴のバイクがぶっ飛んできたのを見たのも杜王町側。仗助はS市に向かっていたはずで……と、とにかく色々と矛盾するのである。正直、このくだりの位置関係については一切の解決を見ていない。当然、答えは「こまけぇことはいいんだよ!」だ。まぁ、荒木先生もそこまで細かいこといちいち気にしないしな……。単に「バイクで一定速度以下になると捕まっちゃうスタンド」っていうネタを思いついて書きたくなっただけだろうしな……。ちなみに、次週繰り広げられる一連のチェイス&賢い仗助君劇場は、一気に二転三転するジョジョバトルの真骨頂が楽しめる怒涛の展開なので、4部の中でも個人的にかなりお気に入りのエピソードです。何故か当時「こっちも海だッ! 杜王港!」で大爆笑した記憶がある。

 今回は長くなっちゃったのでここまで、HSの能力については次週触れましょうね。いや、別に触れなくてもいいんだけどさ。

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