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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 うあー、やっぱりいい話だー、第21話! 今週末は忙しかったから記事立てせずにスルーしようかと思ってたけど、やっぱこの話は無視できないよなぁ。次回が総集編っぽいので、名実ともに節目となるエピソードである。

 キングクリムゾンの能力云々についてはここではもう触れなくていいだろう。ブチャラティとのタイマンを通して能力の概要を説明し、その能力の強みと弱点を確認する。何が起こってるのかわからないのはもうどうしようもないことなので、そういうもんだと思って受け入れるが吉。どさくさに紛れてジョルノのG・Eの能力もどんどんアップグレードされており、一体どうやって部品を作り出したのかもよくわからないし、血液だろうがなんだろうが作れたり、「亀の細胞を植えつけて生命を誕生させたらスタンド能力もコピーできた」なんて訳のわからない展開も。あの亀(2世)下水に流されちゃったわけなんだけど、ジョルノが解除しなかったらずっとどこかでスタンド亀のクローンが生き続けることになるんでしょうか。将来的にベネツィア界隈で謎の人間消失事件とか起こしてるんじゃなかろうか。

 さておき、そんなことよりもBパート以降の決断と決別のシーンである。原作時点でその重要性は認識していたつもりだが、改めて大々的なドラマとして描かれるとそのインパクトもひとしおである。荒木先生の性格からしてこれを全て計算尽くで描いていたはずもないのだが、結果的にこれだけ収まりの良いドラマが作り上げられているあたり、まさに天の配剤ともいうべき奇跡であろう。

 注目すべきは、それぞれのメンバーの動機と決断である。まず、ブチャラティは組織の幹部にこそなったものの、生い立ち全てが「正義の人」である。麻薬というわかりやすい表層はあるが、その精神を考えれば、麻薬取引が絡まずとも、いつしか組織とは袂を分かつことになったのではなかろうか。今回はそんな積もりに積もった組織との齟齬が、トリッシュをきっかけに爆発した形。損得感情ではなく、あくまでも自らの正義に則り、正しいと思う方へ、光さす方へ進み続けるのがブチャラティだ。そしてその陰には、彼の背中を押した……というか思い切り蹴り上げたような格好のジョルノというフィクサーがいる。ブチャラティと並んで「黄金の精神」の代表とも言えるジョルノだが、今回の顛末だけをみれば、ブチャラティの決死の覚悟と比べると、ジョルノの場合は「野心」という要素も加わってくる。最初から「ボスを倒す」ことをモチベーションにして活動していた人間なので、今回の裏切り劇についても一切迷う必要もなく、それゆえに一番冷静に現場を観察できているあたりもなかなか興味深い。

 そして残りの4人。ブチャラティの告白を受けて、主に発言をしていたのはフーゴとアバッキオの2人だ。フーゴはここでは「理屈」の象徴として機能している。台所事情をみれば「強すぎるフーゴを退場させるための口実」なんて側面も当然あるが、それを不自然な物語にするのではなく、むしろ必然にまで昇華し、さらに個々のキャラクター性の違いから、それぞれの正義の構図を作り上げる作劇には舌を巻く。フーゴが「どんだけ正義っつっても、今まで俺たちだってギャング団やってたんだから五十歩百歩じゃないか!」と訴えているのはまさに正論なのである。人間賛歌を謳うジョジョシリーズにおいて、はっきりと「社会悪」の方向から主人公を描いているのはこの5部の最大の特徴であり、他のジョースターの血統とは明らかに異なるテーマ性を持っている。ここでフーゴを通して描く「正義という矛盾」は、荒木先生が単純な二元論に逃げることなく、「悪い奴なんだけど、彼らにも正義はあるし、愛も希望もあるのだ」という部分を伝える重要なファクターであろう。フーゴの信念も、他の誰にも否定できない、立派な生き様なのである。

 アバッキオの動機は「ブチャラティ」だった。最年長の彼は、フーゴと同様に最初は「理屈」を説いた。ブチャラティの選択がどれだけ愚かなもので、理屈に合わぬ愚策であるか、それを示して見せた。「俺が忠誠を誓ったのは組織に対してであって、あんたに対してじゃねぇ」というのも理屈だ。常に組織の命令を優先し、理知的に振る舞ってきたアバッキオであるからこそ、最上位権限を持つのは一体なんなのかを明示することは欠かすことができないだろう。そうして理屈を提示した上で、「しかしよぉ」となる。組織の一員としてならブチャラティについていくことはできない。しかし、アバッキオという1人の人間にとっては、今や組織よりもブチャラティの方が重要になっている。そんなことを、恥ずかしげもなく本人に言えちゃうあたりがアバッキオの恰好よさなのだろう。「理屈」を超えた友情が、そこにはある。

 ミスタの動機は「自分」だ。どこまでもわかりやすく本能に従って動く男。普通に考えたら、自分の身を守るためには組織を裏切るよりもおとなしく長いものに巻かれた方が安全なわけで、本当に命だけを最優先させるなら、ミスタはフーゴと同じ判断をしただろう。しかし、ミスタの場合はそうして易きに流れてつまらない選択をすることは「自分らしくない」のである。また、ブチャラティに対して絶対的な信頼があるため、彼についていくことの方が利益が大きいという判断になったのも面白い。アバッキオが「ブチャラティについていくこと」そのものを理由にしたのに対し、ミスタは「ブチャラティについていくことで得られる利益」を理由にしたのである。もちろん、ブチャラティがこのタイミングで裏切ることになってしまったのは不慮の事故であり、計算の上で成り立ったものでないことはミスタだってわかっちゃいるだろうが、それでもなお、「ブチャラティ側の方が最終的に自分に向いた面白い結果が出る」という判断を下したわけだ。ちなみに、完全にネタバレになるが、ミスタはぶっちゃけこの時点で「まぁ、自分はまだ死ぬ運命じゃないんだけど」ということをなんとなく知っているはずなので、多少リスキーな判断を下しても大丈夫、という安易な判断もあったのかもしれない。その上であえて危険な方に踏み込めるあたりがミスタらしいのだが。

 そして、ナランチャの動機は「トリッシュ」だった。まぁ、トリッシュを通して自分自身を見ているのでトリッシュという女性そのものが動機というわけではないが、ブチャラティが彼女を救う選択をしたことで、ナランチャはブチャラティの方に「自分が生きる道」を見出したわけだ。彼だけがおびえながら悩みに悩み、最後にはブチャラティに命令まで懇願することでそれぞれの「魂の強さ」が見え隠れするのも面白い部分だ。結局ナランチャは、これまでの人生で「自分で決断する」という行為を経験したことがなかったのである。そこでこんな生死を分ける判断を迫られ、唯一信頼の置ける判断基準にも突き放され、ただ立ち尽くすだけだった少年を突き動かしたのが、自分の身の上を思い起こさせる女性だったというのは、本当ならそこからラブロマンスに発展してもいいようなシチュエーションではある。まぁ、残念ながらナランチャとトリッシュにそういう展開はないのだけれど……。

 こうして、新たな目的のために動き出したブチャラティチーム。さぁ、まずはベネツィア脱出ミッションから。一週間空いてしまうが、予告がわりに謎の電話がスクアーロを呼んでましたね……ティッツァーノはCV斉藤壮馬。スクアーロは誰になるんでしょう。好きなだけイチャイチャするがよい。

 

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