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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 鈿女の最期、第10話。退場をここまできちんとやってもらったキャラというのはなかなか幸せなものです。

 結、月海コンビVS鈿女。だが、数の面で不利に立とうとした鈿女の狙いはすぐに月海によって看過され、彼女は結との直接対決を強いられる。以前は圧倒していたはずの結は、長い出雲荘の生活で鈿女と互角に渡り合えるほどに成長していた。苦戦し、どうにもならない状況ながら満足げな鈿女。結局、2人の激闘は双方体力切れという結果となる。

 そんな疲弊した隙を狙っていたのが東の氷峨陣営。新たに2体のセキレイを送り出し、結と月海を亡き者にしようと奇襲を仕掛けてきた。しかし、2人のピンチに間一髪で風花と焔が間に合う。数で有利に立った出雲荘側には安堵が漂うが、氷峨陣営の棒術使いは、置き土産替わりに結にとどめを刺そうと武器を振り上げる。次の瞬間、結の窮状を救ったのは、身体が自然に動いてしまった鈿女だった。「北」陣営を打倒する使命を受けていた哀しき暗殺者は、怨敵の命と引き替えに、ゲームから去ってしまった。

 氷峨の非道な策略に怒りと困惑を隠せない皆人。松の力を得て彼とコンタクトを取ろうとするが、松が全力で仕掛けたサイバーテロと時を同じくして、鈿女の葦牙、千穂の容態が急変する。焦る皆人に、氷峨は余裕の表情で接触を図るのだった。

 

 まぁ、こうなるだろう、という教科書通りの展開。鈿女と結の死闘に、避けようの無かった鈿女の最期。エンディング変更なども使って鈿女というキャラクターの退場にはそれなりの華が添えられており、1つのクライマックスとしてはまずまずのボリュームではなかろうか。考えてみれば常勝の「北」陣営にとって、一応部外者とはいえ鶺鴒計画による「退場者」はこれが初めてのこと。出雲荘が暗く沈んだ空気になるのも致し方ないところだ。

 ただ、正直に言えば、鈿女については「1期からずっと登場してるからいいよね」というなあなあの描写が多く、もう少し彼女のメンタリティを見せて欲しかった、という欲求もある。今回はようやく千穂との馴れ初めが描かれたわけだが、それだって結局「運命」という一言で片付けられたもので、鈿女があそこまで千穂に入れ込んでいた理由としては不完全だ。「自分は何故生まれてきたのか」と問い、鶺鴒計画に乗ることに抗っていたはずの鈿女が、「葦牙に惹かれる」というセキレイの本能に対しては素直に従ったのがちょっとちぐはぐなのである。もし本当にポリシーがあるなら、初期月海のように、自分が理性以外の要素に縛られることに反抗しても良かったはずなのだから。

 でもまぁ、濃密なキスシーンを経てビジュアル的な美しさをプラスすることで、千穂との関係性はそれなりに見せられたとも言える。最終的に鈿女は「自らの命を投げ出す」という、セキレイが葦牙に対して絶対にやってはいけない行動に出たわけだが、それだって、自分が汚れ仕事についていて千穂に隠し立てしていたことに対する贖罪の要素もあるはず。結局彼女は、「出雲荘に属することは出来ないが、出雲荘のために戦いたい」という意識を捨てきれなかったわけだ。そんな鈿女の心情を察してなのか、ただ天真爛漫に対峙する結と、その様子を冷静に観察に回る月海の対応は、ひょっとしたらありがたいものだったのかもしれない。彼女は、非道な暗殺役ではなく、1羽のセキレイとして真っ向から勝負して散ることが出来たのだから。

 最後に千穂が流した涙は、そんな鈿女の全ての意志を悟った上でのものであると信じたい。千穂は鈿女に置いて行かれたのではなく、あくまで「千穂に愛されるべき存在」でいるための信念を通したのだと。そう思わないとちょっとやってられないものでね。

 「キャラの死」という、バトルものを描く上で避けられないファクターを実にまっとうな方向性で描いた今回。福田道生氏による王道的な構成に不満はないのだが、1つ目のクライマックスである結VS鈿女からのセキレイ乱闘シーンは、ちょっと動画の枚数が足りなくて不自由していた印象。コンテ原画はかなりいい動きに見えただけに、ちょっと残念。むしろその後の松のリミッター解除の方が動き的には面白かったですわ。この作品で一番好きなのは、調子に乗った松かテンションの上がったユカリだな。

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