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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ラストソングはキャロル!! 第11話。やっぱりそう来ますわな! いやー、クライマックスでの突然の歌唱はマジ格好いい。曲のタイトルは「殲琴・ダウルダブラ」。完全にギア奏者のフォーマットやね。いのりちゃんも歌うまいんやなー。

 「史上もっとも引きが気になるアニメ」の名を冠するシンフォギア。それはまた、「史上もっとも、気になった引きが適当に処理されるアニメ」でもある。前回ダイナミックな登場で我々をドキドキさせたレイアさんの「豊かに恵まれたボディの妹」さん。潜水艦に空手チョップを見まい、ここから絶望の宴が幕を開けるのかと思いきや、なんとクリスちゃんの弓矢一撃であっさり撃沈。何しに出てきたんだ、特大オートスコアラーよ。一応その過程でエルフナインにダメージを与えるといういいんだか悪いんだかよく分からない成果を上げたわけだが、ぶっちゃけ、S.O.N.G.側からすればキャロルの「目」であるエルフナインにはずっと眠っててもらった方がいいような気もするし、レイア妹が活躍したと言っていいのかどうかは微妙である。個人的にはオートスコアラー四天王はラストの盛り上がりの時に全員が復活して襲い掛かり、また因縁の相手とぶつかる展開になるんじゃないかと思っていたのだが、尺を考えるともう帰ってくるチャンスはなさそうだよなー。ミカちゃんの大股開きとかレイアさんのトンファーバトルとかファラさんの謎ジョジョ立ちとかガリィさんのマジキチスマイルがもっと見たかったんだけども。

 敵側に時間を与えている余裕がないのはしょうがない。何しろまだ「当番回」を終えていない人間が1人残っていた。そう、ずっとウジウジと燻り続けていた我らがヒーロー響さんである。未来ちゃんの支えもあって、最後の最後で実父と会談の場を設けることにした響。復縁の条件として譲れない一線である「せめてきっかけは自分で作ってくれ」という響の申し出に、クソ親父は渋い顔。これまで見事な作画を維持してきた今作なのに何故か響の親父の登場シーンだけやたらしょぼくれた作画になることも多く、ホントにこの親父は愛されてないんだな、というのがよく分かる徹底した外道設定になっている。多分、今回のファミレスも娘のおごりだっただろうし(まぁ、パニックになったから食事代がうやむやになった可能性もあるが)。さらにキャロルちゃんの最終兵器であるチフォージュ・シャトーの登場に際しては「うわぁ、こういう動画ってテレビ局に売れるんだよねぇ」とワクワク顔。いや、あんだけ規模のでかい災害(?)なんだから、お前以外にもいっぱい動画撮ってる奴いるよ。多分無理だよ。もう、この親父ホント駄目だ。

 どうもこの作品は普段のOTONAの格好良さに反動なのか、駄目な大人はとことん駄目に描かれる傾向があるようで、もう1人の「駄目な大人」代表であるウェル博士も、案の定、あっという間に「小学生サイズのレディ」キャロルと口論。英雄願望に満ち満ちたウェルに対し、その願望が虚無にも等しいキャロル。話が合うわけがないのである。父親を馬鹿にされたと思ったキャロルちゃんはトチ狂ったウェル博士を「左巻き」と一蹴。さっさと退場願った。この時に命を奪うのではなく、生死不明のままで転落させているあたりの空気の読み方が半端無い。ネフィリム装備のおっさんを聖遺物の中で突き落とすなんて、もうこの後でコントロールを奪って下さいっていってるようなもんじゃないですかー。

 とにかく、キャロルからすればこれで残す目的はあと1つ。「世界の腑分け」のためのシャトーの起動。そして、最後の置き土産として、イデオロギーの全く噛み合わなかった響のもとへとちょっかいを出しに。「父親の遺志を受け継ぐ少女」と、「父親と意志を通わせられない少女」の対決。もちろん、このセッティングは響の呪縛を解き放つためのもの。駄目駄目親父だと思っていた男が、最後の最後、娘のピンチでなけなしの勇気を見せてくれるという超絶お約束展開。我々視聴者からすれば「今更そんなことで汚名返上できると思うなよ」ってな感想が先に来るのだが、そこは腐っても親子の間柄。珍しく頑張ってる父親の姿を見て、響も多少は浄化されます。一応、娘の晴れ姿を見て父親も改心した、ってことなんだろうけどさ。

 無事に響のトラウマ克服イベントが終了し、奏でる歌は新曲2曲目の「リトルミラクル」。他のキャラはタイトル曲だけの演奏だったけど、流石に主人公の響は2曲とも聞かせてくれる。サビの「へいきへっちゃら」で今回の話との接続を果たし、彼女の「ミラクル」が完成した。覚醒した響は容赦無くキャロルを攻め立てる。幼女に躊躇いもなく腹パン。迷う事なき顔面パンチ。そう、この拳が立花響だ。これで全奏者が次のステージに到達。あとは最後の最後、全員集合の終曲へと向かうだけだ。ピンチに駆けつける先輩、仲間、後輩たち。降り注ぐクリスちゃんの銃弾に続いての盾(剣(盾))という、きっちり自分たちの役割を把握した登場シーンが心憎い。そして勢揃いする6人の晴れ姿。ギアのカラーリングがきっちり際だっているおかげで、戦隊ヒーローの名乗りシーンのような華やかさがありますね。さぁ、これであとはずっと響たちのターン! と思いきや……それだけじゃ終わらせないのがシンフォギアですよ。

 再び現れるアダルトキャロル。ぱっつんぱっつんのナイスバディから繰り出されるのは、そう、聖句である。フォニックゲインの輝きを高め、新たな歌が紡がれる。それこそが絶唱、「世界を壊す歌」。竪琴、糸をメインモチーフにしたキャロルのギアはいかにもボスキャラらしいデザイン・カラーリングがイカす。もちろん曲のほうもイカす。いのりちゃんはこんな格好いい歌い方も出来るんやなぁ。CDの発売が待ち遠しいんじゃー。

 ギア対ギア。これが1つ目の最終決戦。もちろんそれだけでは終わらず、6人組は3人ずつのチームに分かれ、チームマリアはチフォージュ・シャトーの破壊へ向かい、残る元祖3人がキャロルと対峙。シャトーに向かう時の3人のシーンも実に良い顔をしており、今期の物語で成長を見せた3人の晴れやかな顔が印象的。あと、何のために出てきたかよく分からずに棒立ちになってるノイズさんたちのいつも通りの献身的な態度も印象的。そして、シャトーの中には……またこのパターンなのかよ! やっぱりいるのかよ! 「史上最も引きが気になるアニメ」! そこには17歳の魔法少女の姿。昭和の匂いが鼻につくぅ! 

 ……これ、やっぱりラスボスはウェルでほぼ確定よな。チーム響でキャロルちゃんを打倒→キャロルちゃん改心→ネフィリムでシャトーを奪ったウェルが空気を読んで介入→7人で絶唱! っていう流れか。2期続けてのヨゴレ役、お疲れ様です! 

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 今週一番気になったのはNINJAの風呂敷、第10話。CMでクリスちゃんも嘆いていたけど、突っ込みが少なすぎるので一番スルーされるのはNINJAの小ネタである。ファラの自爆から翼さんたちを守ったってことは、あの風呂敷は防炎、耐衝撃性能があるってことだよな。OTONA強すぎる。

 今回はクリスちゃんのお当番回。それは順番からして分かっていたことなのだが、正直言って、シナリオラインがなおざり過ぎていまいち入り込めない残念な出来になってしまっている。だってさぁ、ここまで順調にみんなして成長してきてたのに、クリスちゃんの精神性がまた退化するんだもんよ。必要な措置とはいえ、ここに来てまた切歌たちの手を振り払っちゃうクリスちゃんを見るのはとても残念だよ。そういうくだりは2期のラストで克服したものだとばかり思っていたし、この状況で改めてこじらせるようなものでもないと思うのだが……まー、いうてもクリスちゃんもまだ幼いから……。

 衝撃の復活を遂げたウェル博士の計らいにより、キャロルたちはクリスちゃんたちの追撃を逃れてしまう。深海の密閉施設というロケーションのせいで大火力が売りのクリスちゃんは機能不全を起こしてしまい、フラストレーションがたまるばかり。ウェルの登場みたいなイレギュラーな事態にも弱いらしく、傍で見ている後輩達の方がよっぽど冷静に事態を観察出来ている。クリスちゃんが暴走しちゃったせいで敵側チームには話合う余裕ができてしまい、汚れた英雄ウェル博士は「何となくそっちの方が楽しそう」くらいの理由でキャロル側につくことに。まぁ、あんだけ辱めてくれた組織側に服従するっていう選択肢は無いわな。前回はポカーン顔が話題を呼んだキャロルちゃんだったが、流石にここ最近の騒動の元凶であったウェルのことくらいは知っていたみたいで、無事に情報整理を終え、自分に都合のいい方向にことを運ぶ事に成功する、前回切歌ちゃんにぶった切られた肝心要の聖遺物は無くなってしまったが、「代わりになるものを手に入れたから大丈夫だ」と言ってましたね。まぁ、キャロルちゃんが施設に潜入してから手に入れたものなんて何も無いわけで、傍らに特大の爆弾を左手に抱えたおっさんがついてきてるだけなんですけどね。そうかぁ、確かにネフィリムクラスの兵器なら、キャロルちゃんの手にかかれば色々と使い勝手は良さそうですものね。……ウェル博士、あと何週生存出来るんでしょうね。

 必要な材料が揃ったと判断したキャロルは、そろそろここらでネタばらし。ここまでS.O.N.G.側の情報はエルフナインを通じて筒抜けだったし、彼女が頑張って作りあげたと思っていたイグナイトモジュールも、全部計画通りの代物だったよ。イグナイトモードで装者がフォニックゲインを高めた「呪われた歌」をオートスコアラーにたたき込むことが計画の最終段階で必要だったよ。だから最初にキャロルちゃんが響にぶっ飛ばされて準備を整え、順次挑発しながら爆散していったんだよ、とのこと。なるほど、これまでガリィやミカが執拗に挑発を繰り返しながらもとどめを刺さずに退散し、都合良く戦ってくれていたのはそういう理由があったわけか。任務を果たしたファラさんは満足げに全てを説明して散っていった。

 結局、キャロル側陣営は全般的にやりたい放題だったわけだ。何しろオートスコアラーの悪行は放っておくわけにはいかないし、叩けば叩いたでそれは目論見通り。エルフナインを抱き込んだ時点で、S.O.N.G.側には勝ち目がなかったのである。最後の最後にヤントラ・サルヴァスパを砕いたところだけは一矢報いた形だが、そんな乾坤一擲もへんな英雄親父の登場でおじゃんになりそう。満足したキャロルは、最後の1体であるレイアさんもそろそろ使い捨てていい頃合いだと判断し、クリスの一撃を受ける依り代にした。さらに、レイアさんには「豊かに恵まれたボディの妹」(公式ページの記述より)がおり、彼女がチョップ一閃で敵陣を壊滅させてくれるというおまけ付き。今までどこに格納してたんだ、あんなデカブツ。今回の「みんなで倒すデカブツ」枠にはこの妹さんがエントリーされてるんだろうか。いや、最後にもう一波乱はあるかな。

 まー、全部が全部「相手の思い通りだったよ」っていう展開なので、見ている側としてはなかなか辛いものが。上述のようにクリスちゃんの精神性が退化しちゃったのもアレだし、さらに「イグナイトモードで戦っちゃ駄目」って言われてる状態でのイグナイト起動からのバトルなので、せっかくの成長ストーリーのはずなのに後ろめたさが残って乗り切れないのが悩ましい。まぁ、シラキリコンビとの友情タッグがこれで確立したのは悪いことじゃないと思うけども。最終決戦では三位一体の必殺技とかが見られるのかもしれない。そして、個人的にお勧めしたいのはどっちかっていうとクリスちゃんの戦い方よりもレイアさんのバトルスタイルですよ。投げ銭だけではなく、銭を固めたトンファーを駆使する近接戦闘も勇ましくて映える。「トンファーで恰好よく戦えるキャラ」ってすごく貴重。そして「銭だったらどう使ってもいい」みたいな勝手な設定で、巨大な硬貨でシラキリを叩き潰すのもいかにもシンフォギアらしい馬鹿馬鹿しさにあふれている。今期はこういう露骨な馬鹿が不足しているので、もっと頑張って欲しい。ほんとに足りないものが多いんだよ。エルフナインのパンツの布地とか!

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 「史上もっとも次回への引きが気になるアニメ」の面目躍如、第9話。せっかくの翼さん回だったのに、最後にアイツが全部持っていったやないか。もう、楽しませるためなら何でもありやで。

 ぶっちゃけ、ここのところはずっとルーティンワークで各人が「トラウマから敗北」→「トラウマ克服からイグナイト覚醒」→「オートスコアラー撃破」というお仕事をこなすだけのエピソードなので、シナリオラインに大きな盛り上がりはないんだ。今回だって、翼さんが実家に帰省したところで「今回は翼回か」ということが分かり、「まぁ、家庭のごたごたが何となく片付いて覚醒するんやろな、ファラさんはお仕事ご苦労様やで」って部分まで予想出来る。何が起こるか分からないトンデモ作品シンフォギアにあるまじき予定調和の連続なのだ。そして、個人的には覚醒エピソードでもマリア回、シラキリ回はあんまりトラウマ克服部分のシナリオに厚みがなく、正直今ひとつだという印象だった。

 その点、今回の翼さん回は割とまとまっていて楽しいお話になっている。ついにその全貌が明かされた風鳴家の秘密。「ツルギガー、ツルギガー」と馬鹿の一つ覚えで叫び続ける可哀相なSAKIMORIの人生にもそれなりの理由があったのである。彼女の家庭事情を見て代わりに憤慨してあげるのが仲良しのマリアさんというのも素敵な部分で、妹を失い、「マム」を失ってしまったマリアにとって、家族などというものはどれだけ望んでも二度と手に入らない存在。彼女が必死に「家族の絆の大切さ」を訴える図には切実さがあるのだ。当の翼さんはそうしたマリアの訴えもなかなか届かなかったようだが、彼女の頑なだった心を解きほぐしてくれたのは、まさかの敵キャラ、ファラさんだった。

 「解きほぐした」っていうか文字通り「砕いた」っていう方が正しいのだが、彼女が持ち出したチート兵器は「哲学兵装」とか言い出した錬金術の神秘感溢れまくる装備、ソードブレイカー。ジャンプの打ち切り漫画みたいな名前の分かりやすい名称だが、その名の通り、「剣」と定義されるものならばことごとく砕いてしまうという、あまりにピーキーな武装なのだ。相手がクリス・響とかだったらどうすんだ、って話だが、幸いにも(不幸にも?)対戦相手として派遣されてきたのは天羽々斬とアガートラームという2本の「剣」。そりゃファラさんだって余裕の表情になる。ボコボコにされる翼さん。すっかり保護者ポジションになったマリアさんも口惜しそう。そして、「剣馬鹿」である翼さんがファラを打ち破るには、「我が身を剣に」という行動哲学からして改めねばらなぬという事態にぶつかったわけだ。

 結局、このファラさんの気遣いのおかげで翼さんは家庭の呪縛から逃れることが出来た。実は良い人だったお父様。彼の「歌えィ!」というエンブリヲ張りのコールを受けて、翼さんは「何も剣にこだわる必要はないんや!」と、これまでの2シリーズ分の自分のキャラを完全否定、新たなステージへ。何があろうとも「剣だ」と繰り返してきた彼女が次に辿り付いたのは、「翼」のステージである。このあたりの経過については、新曲「Beyond the BLADE」にも反映されており、今回はその熱唱とともに、イグナイトモードの漆黒の鎧が灼熱の翼をまとい、見事「翼」となった翼さんがファラさんを一刀両断したのである。うむ、こういうリンクはいかにもシンフォギアらしい演出なのでとても良いぞ。初戦の時にも蒼ノ一閃と歌詞がリンクしていたり、きっちり「歌ってバトル」のうま味を活かした演出になっている。ここまでしっかり内容に食い込めたのだから、愉快な破壊者ファラさんも本望だったのではなかろうか。ちなみに、結局ファラさんにとって最大の難敵って、最初の透明化を看破したNINJAだった気もする。今期もシンフォギアワールドのOTONA力の強さをまざまざと見せつけられているなぁ。

 さて、無事に翼さんもノルマクリアしたので、あとはクリスちゃんですよね。まさか6話で担当分終わりってことはないよね。まだレイアさんも残ってるし。今回は「閻魔様に土下座すると地獄から復活する」という新たな学説を提唱したクリスちゃん。ってことは「Bye-Bye Lullaby」の歌詞は純粋に敵に対するアドバイスだったってことなんですかね? 優しい子やな。ただ、今回復活したのがまさかのウェル博士なんだよね。異形の手から察するにネフィリムとの融合を果たしたのかな? ウェルとの関係性っていうとマリアチームの方が根深いので、あんまりクリスちゃんの活躍に繋がらない気がするんだよなぁ。でも、ウェル復活から自然に「マムも爆誕、いっそ17歳の姿で」とかいうサプライズも期待出来る気がしてきた。了子さん、マム、帰ってきて欲しい人がたくさんいるなぁ。マジでフィーネ絡みのサプライズはもう1個暗い用意されてる気がするけども。

 そして、風鳴家では美しい父娘の絆が描かれたのに対し、どんどんわだかまりが募っていくのが立花家の泥沼関係。冒頭、未来の言葉すら拒絶したような響の態度が何とも痛々しい。そして、素っ気ない態度の娘にコールしまくるストーカー気質の父親も怖い。前回のあの態度からすると、「復縁出来ないならしゃーないわ!」みたいに考えてるのかと思ったら、割とねちねち絡んできてるのが嫌や。最後の一山であろう響の覚醒イベント、重たい展開になりそうだなぁ。

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 ミカちゃんの足の角度ばかりが気になりますよ、第8話。考えてみると、常にがに股がチャームポイントの女性(?)キャラクターってのはアニメ史上でも初な気がする。ぴょこぴょこクルクル、なんで可愛いオートスコアラーから順に退場していくことになるのか。

 7話がマリア回、そして今回はシラキリ回。各々のイグナイト克服イベントはやることが明確なんだけども、あんまり番狂わせやいじるべき要素が無いから今ひとつ盛り上がらないな。それぞれの抱えている悩みについてもっと掘りさげられればいいんだけど、どうしても尺の都合でその辺は描ききれてないのが勿体ない。シラキリの絆なんて、本当はそれだけで1クールたっぷりやるだけの濃密な物語があってしかるべきなんだけど(願望)。

 今回は、そんなシラキリの「成長したい」という欲求と、響のご家庭の悩みが重なり合ってしまったおかげでモヤッと具合は2割増し。普通に考えると立花家の問題とシラキリの悩みは一切関係が無いのだから別個に扱うべき案件なのだが、シナリオを簡便にするために、そのあたりの個別の差には目をつぶって、ざっくりとまとめてしまっている。響の悩みは非常に分かりやすい。前話で登場した親父さんは、期待通りの単なるクズであり、なんでこんな親父から真っ直ぐな娘さんが生まれたのだろう、と訝しくなるくらいのもの(OTONAの教育の賜物だろうか……)。まぁ、親父さんのいうことにも一応筋は通っており、あれだけの理不尽な家庭環境に追い込まれてしまっては、普通の家族生活を営むのは困難であろう。立花家には一切の非はなく、世間から理不尽に追い詰められていた、というのも親父さんを擁護する一因になる。しかし、そんな状況下で「仕方なく」家族が離散するのは分かるのだが、その中に家族愛が感じられないのはいただけない。結局、あのクソ親父は我が身可愛さで尻を巻くって逃げ出しただけであり、その判断に嫁や娘のことは含まれていない。娘からしたらこれほどショックなこともないだろうし、そんな大事件について、父親がさして反省もせずにケロッとした顔で戻ってきたことが、父娘の温度差を決定的なものにしている。この状況から2人が復縁するのはほぼ不可能なんだろうなぁ。「どうしようもない父親と娘の関係性」というと「とらドラ」の逢坂家を思い出すのだが、立花家の場合、経済的支援すらままならぬ状態なのが最悪である。

 そして、そんな悩みを抱えた響が一人で鬱々としているのを見て気に病むシラキリ。「別に関係無いやんけ」と思っていたら、なるほど、調は2期シリーズの時に響とやり合っていた頃の何気ない一言が未だに引っかかっていたらしい。世界を信用することが出来なかった調は、敵対していた響のイデオロギーを「偽善」であると断じて対立した。和解した今なお、響の中でその問題は完全に解決したわけではないし、調もそのことを意識してしまっている。そして、実際の戦闘シーンでもあまり役に立てない現状を見て、「足手まとい」という言葉を使ってしまう。その苛立ちや焦りは、最愛のパートナーである切歌との関係性にも及ぶというわけだ。響の苛立ちが調に伝染し、それが切歌とのパートナーシップにまで影響を与えるという、あまりよろしくない負の連鎖である。

 幸い、シラキリコンビが通じ合うのにさしたる理由も必要ない。少し離れて現状を見れば、素直な切歌が自然に解決してくれる。ミカの襲撃をきっかけにあっさりと仲直りした2人は、見事手に手を取ってイグナイトシステムをクリア。いつぞやのような見事なコンビネーションで、最大の宿敵であったミカを撃破するのである。やっぱりギロチンモードのZABABAギアは格好いいよね。今回はあんまり時間が無かったからせっかくのギミックが大見得切った状態で見せきれなかったのが心残りね。機会があればこちらももっと大きな活躍シーンが見たいのだけども。

 さて、無事に2体目のオートスコアラーを退場させたわけだが、ここでようやくキャロルちゃんが復活。さらにミカの調査ミッションで東京もジワジワ錬金術師の手に収まっている様子。強い歌が奏でられるほどに破滅が近づくというが、一体何を企んでいるのやら。残った人形はレイアとファラの2体、そして流れからして次回はクリスちゃん回のようなのでレイアさんが退場だろうか。最終的には人形4体全部壊されるはずだが、キャロルちゃん1人でなんとかなるんだろうか。またネフィリムみたいな適当な化け物が暴れる大雑把なラストになる予感。まぁ、それでこそのシンフォギアだ。

 

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 シンフォギア2話一挙放送という苦行、第7話。こんなもん、シンドイに決まってるやんけ。軽く一本ずつ消化していくぜ。

 一本目はマリアさん中心のお話で、内容としては軽めのもの。前回の騒乱で一応キャロルは倒したことになったらしく、装者御一行は7話という教科書通りの話数でしっかりと水着回である。まぁ、普段から水着みたいな衣装で戦ってる連中なのでそこまでありがたみは無い……いや、そんなことはない。今回最大のサプライズはエルフナインちゃんの水着姿ではなかろうか。登場時からずっと長めのローブをまとっていたおかげで身体のラインすらよく分からなかったエルフナイン、そしてその性別すら定まっていないエルフナイン……彼女(彼?)の水着は、流石に公序良俗に配慮して女性ものになっているが、スポーティなタイプでぺったりした身体のラインがはっきりわかるようになっている。この背徳感は、周りにいる巨乳のおねーさんがたをはるかに凌駕している……ホムンクルスなんて、危険な存在だってどこぞの錬金術師も言ってた。危ない危ない。もちろん、主力商品となるおねーさまがただって頑張ってますけどね。クリスちゃんは相変わらず凶悪なナイスバディであるし、マリアさんも独特なデザインの水着で恰好よく決めている。切歌の水着のカラーリングも謎だが、水着のどこかに自分のイメージカラーを入れようとした結果なのだろうか。なんだろ、やっぱりこうしてみると巨乳組よりも幼女組の方が気になる存在な気が……。

 まぁいいや、今回の第一ラウンドは、まさかのじゃんけんから幕を開けた。「田舎チョキ」を馬鹿にされる翼さん。田舎チョキって指の形だけを見たら「斬撃系武器」じゃなくて「飛び道具」な気もするんだけども、刀、のこぎり、鎌という「斬る」武器の面々だけがチョキで負けてしまうという、運命的な結果になった。まぁ、切歌も調もコンビニ飯とか好きだからいいんじゃないですかね。チームが分かれたところに、空気を読むことには定評のあるガリィちゃんの襲来。海辺で水系能力者と戦うというロケーションの悪さを新型ギアでカバーしようとするマリアさんだったが、やはりオートスコアラーの実力は圧倒的。イグナイトを起動しようと試みるが、メンバーの中でも屈指の闇の深さを誇るマリアさんがぶっつけ本番でうまくいくはずもなく、あっけなく黒化から暴走。ガリィさんに同情されるレベルの惨敗であった。この間、響とクリスは別個にノイズ対峙に奔走していたわけだが、なんか尺的には今回がクリスちゃんの変身バンク見納めな気がするのがちょっと切ない。今期は「ばぁん」言わないんだもんなー。

 初お披露目が敗戦という残念な結果に終わってしまったアガートラーム。せっかくセレナの怨念が宿った面白いギアのはずなのに、そのあたりの絡みはあんまり描写されなかったな。BGMも最初は「ガングニール」だったし、もう今作ではセレナという存在(あとマムも)はあまり掘りさげられないのだろう。まぁ、そりゃドラマもあんまり無いのかもしれないけども。かつてのガングニールが黒を基調としていたのとは対照的に、アガートラームのイメージカラーは白と銀。新たな力を左手に宿したマリアさんの活躍、出来れば白銀の状態で観たかったものなのだが、イグナイト克服イベントを速やかに達成しなければいけない関係上、さっさと黒いギアに変化。まぁ、こっちの方が落ち着くという意見もあるか。黒いギアが一番似合うのはやっぱりマリアさんよね。ダガーが大量に連なったデザインの武器設定は面白いので、今後アガートラームの活躍シーンが増えるといいなぁ。これで彼女も「斬撃系ギア」の仲間入りを果たしたのでしょうかね。

 衝撃的だったのは、この「デビュー戦」でガリィさんがまさかの大破エンドを迎えてしまったこと。これまでの悪辣な活躍ぶりからすると、あまりにあっけない幕切れである。まぁ、キャロルちゃん同様に完全エンドではない可能性もあるし、彼女の行動によってファラさんが何かやらかしてくれたみたいなので、今後の展開には繋がるようだが……復活して最終戦に絡んで欲しいなぁ。対戦相手を馬鹿にしたようなクルクルダンスは彼女にしか出来ない晴れ舞台ですものね。

 大きな懸念材料を一つ撃破してご満悦なの御一行。珍しく晴れやかな幕引きになるかと思われたが……そうは原作者が許さない。なんと、ここで登場したのはこれまで散々引っ張ってきた「立花家の闇」を代表する人物、響の親父であった。事前に「どう見ても人間のくずだろ」としか思えない言動で人となりをアピールしていたチンピラ風の親父、そりゃ響だって逃げるに決まってる。そして、CVが関俊彦なのである。うわー、どんなキャラになるんだろ。どっちに転がってもキツそうだなー。響さん、未来ちゃんのいる前で闇に染まったらあかんで。

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 ちょっせい! 第6話。相変わらずのシンフォギア語に思わずニッコリ。まぁ、「シンフォギア語」って言っても「OTONA語」「クリス語」「SAKIMORI語」とたくさんのカテゴリがあるんですけどね。

 前回の圧倒的勝ちフラグエンドが、あっさりと覆るのがシンフォギアワールド。何しろ「新兵器投入! これで勝つる!」って思ったらいきなり敵の大ボス投入である。ナニソレ。いや、でも世界を滅ぼす悪の組織としては非常に正しい判断なんですけどね。大ボスが鷹揚に座りっぱなしの組織っていう方が現実味が薄いわけで。今回はミカちゃんが2対1の状況でちょっとヤバい、ってんで、さっさとキャロルが出陣してきたわけである。そして、この錬金術の元締めが当然強いわけだ。まさかのロリフォーム離脱という誰も得しない変身が行われたのだが、ボンキュッボンな大人フォームのキャロルちゃんもなかなかの説得力。この世界でいう「大きさ」っていうのは全て乳のサイズだけを表しています。ただのロリだったキャロルちゃんが、一気にクリス越えの爆乳へと生まれ変わり、ただでさえビハインドの多い翼さんは苦虫を噛みつぶしたような顔。負けないで翼さん。あなたはそういう仕事を求められていないわ!

 大量のノイズ、そして圧倒的な実力のキャロル。再び訪れたピンチに、いよいよクリスちゃんたちも最終兵器を使わざるを得ない状態に追い込まれる。シンフォギアにはいくつかの切り札があるが、これまでほとんど追求されてこなかった負の側面に、いわゆる「黒化」があった。思い返せば1期の頃から響がネフシュタイン絡みで暴走を繰り返していたし、ギアの適合者であれば誰でもバーサークモードになる権利があるということだったわけだ。プロジェクトイグナイトとは、その恐れられていた暴走モードを自発的に引き起こそうというものである。しかし、心の闇に直接触れるこのモードはリスクが高く、実際、最初の1回は自分の闇に耐えられなかった翼さんもクリスちゃんも自壊。更なるピンチに追い込まれる。翼さんは親父さんとの微妙な関係や、奏さんを失ってしまったという「剣」としての自分への疑問。そしてクリスちゃんは相変わらず、「力を失う弱い自分」という闇。クリスちゃん、どこまでいっても「強い自分じゃなきゃ意味が無い」っていう強迫観念が抜けてないんだなー。まぁ、幼少期に形作られた価値観なんてそう簡単に拭えるもんじゃないんだろうけど。後輩も出来て、強い責任感がマイナスに働いてしまうのは恐ろしい。そして翼さんの闇については、家族関係に方がまだよく分からないな。「風鳴の家」って、結局どういう存在なんだろう。生まれながらに防人を命じられた家系なんでしょうか。いや、現代社会にそんなもんがあるわけないと思うが……親父さんの台詞からすると、翼さんは生まれながらの国防マシーンなんだよなぁ。

 初めての黒化で上手くいくはずなんかない。絶望的な状況に、駆けつけたのはやっぱり響さん。ガングニールは無事だったんでしょうか。あっという間に補強を受けて、今再びのイグナイト。響は何度も黒化を経験してるので、そのあたりの勘所は心得ていたのだろうね。3人の力で何とか試練を乗り越え、今回はついに三重奏である。もう、どこまでもやりたい放題だな、今回の劇伴。流石に覚醒したギア3つを相手にしてまで勝っちゃうとチートがすぎるということで、ついにキャロルちゃんにも土がつきましたよ。

 しかし、「思い出を燃やし尽くしてエネルギーに変える」というよく分からない駆動系を持つ錬金術の影響なのか、もうキャロルちゃんは後戻りできないところまで来ている。ホムンクルスの生成のおかげでサブボディは多めに用意されているのだろう、歯の奥に仕込んだ自爆装置で現行のボディは焼却処分されてしまった。相変わらずわかり合うことが出来ずに終わってしまった響とキャロル。さて、ここからどのようにお互いのイデオロギーをすり合わせていくものか……。今回は出番の無かったお人形さん4体、改めての起動シーン。やっぱり今作は人形4体の存在感が一際印象的だなぁ。あのデザインもキャロルちゃんの趣味なのだとしたら、ナイスとしか言いようがない。

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 まさかの翼×クリスデュエットォォォォォ!! 第5話。これは嬉しいサプライズやでぇ! 8枚目のシングルはコレになるのかな。いや、でもこのタイミングで披露ってことはもう1つ2つサプライズがあってもおかしくないかもしれん。BD特典の可能性が高いか。うーむ、とにかく嬉しいことを色々やってくれるぜ!

 まぁ、それはおいといて、今回はサブタイトルが出た時点で既にテンションMAXですよ。Edge Works! つまりはチームZABABAのお話。シラキリの濃厚な友情パワーがこれでもかと炸裂する愉快痛快なお話だ! いや! すまん! あんまり愉快でも痛快でもなかった! 言ってしまえば、「破壊されずに残った最後の既存ギアがぶっ壊れる回」である。まー、一応リンカーの問題があるからあまり機能しなかったとはいえ、シュルシャガナとイガリマだけ残しておくのも可哀相だしね、前回満を持してガングニールがぶっ壊れたのだから、ここでついでに残った2つも壊しておくか、って話ですよ。大丈夫、別にもののついでとかじゃないから。どう考えても、壊れることは次のパワーアップへの準備段階でしかないのだから、シラキリの2人も、他の4人と同じ土俵に立って新しい活躍のチャンスが得られたことを喜ぶべきだろう。

 もちろん、そのままでは2人は土俵云々どころか戦場に向かうことすら出来ないので、そこは都合のいいリンカーの在庫で何とかしてもらう。上層部は2人の身体を心配して駄目だと言っていたが、どうやらS.O.N.G.のメディカルルームには、あの忌まわしい奏さんの事件の元凶とも言える元々のハイリスクなリンカーも残っていたようで。目ざとい調は美人秘密調査員となり、そのリンカーの所在を調べ上げてしまった。奏さんはオーバードーズの末の絶唱で消滅してしまったわけだが、シラキリの2人は同じ轍を踏まないよう、なんとか耐えられることを祈るばかり。幸か不幸か、絶唱でどうこうなるようなもんでもなし、あくまで時間稼ぎが目的のミッションだったので、自らの手で命を摘み取るという最悪の結果だけは避けられたようだ。

 しかし、2人が向かった発電プラントを攻め落としていたのは、なんとオートスコアラーの中でも武力最強と言われるミカであった。「ニコイチでギリギリ」と笑い飛ばし、奇天烈なモーションからも圧倒的な強さでチームの2人を手玉に取る。ミカの動きのふざけ方は非常に画面映えするものになっており、どう見てもふざけているのに強い、というそのアンバランスさがギャップとなって一段と彼女の恐ろしさを際だたせている。調も切歌もどれだけ頑張ってもしょせん無理矢理適合係数を上げているだけのまがい物。覚醒した響すら一方的にやられた強敵相手に勝てるはずなどない。狙い澄ましたギア破壊で切歌が撃沈。その後悲壮な決意をみせた調も、大量のノイズを前にしてあえなく膝をついてしまう。今回、調はヨーヨーを用いた新しいアクションの数々を披露してくれたし、新技もいくつか見せてくれたのでこのまま一気に敵の戦力を叩けるかと思ったが、流石にそんなに甘くなかったようだ。シュルシャガナのアクションは本当にどれもこれも愉快で見ていて全然飽きないのだけどね。

 このままで終わってしまっては、せっかくのユニット曲も葬送歌になってしまう。今期3度目のギア破壊エンドになってしまうのかと思われたその時、今度は救済エンドで見事にひっくり返してくれたぜ。「剣?!」 正解! やった! 今回は当たった!! そうです、盾じゃないです、剣です。翼さんの煌めく白刃、そしてクリスの新たな銃。見事に形を成したプロジェクトイグナイト。さぁ、反撃の時間だ。ただ、せっかく2人の貴重なユニット曲でテンションも最高潮になったというのに、オリジナルCMで指令たちが思い切り負けフラグ立ててくれましたけどね。おっさん! 緒川さん! 余計なこと言わなくていいんだよぉぉぉ!!

 まぁ、次回くらいは反撃に転じる格好良い翼さんたちが見られることを期待しましょうね。もし翼&クリスのコンビが上手いこと復活出来たとしても、まだまだ「マリアの新ギアからの復活」「シラキリの今一度の復活」、そして「響の復活」という重い重いテーマがまだ残っていますんでね。響は相変わらずピンチになると過去の重い記憶を蘇らせるよなぁ。結局親との関係性がどうなってるのかが未だによく分かってません。さらに家庭環境といえば、今回は翼さんのお父様も登場。どうやらこちらの親子もあんまり関係性は上手く行ってないみたい。まー、他の面々は親の顔も分からないような身寄り無しが多いんだから贅沢な話ではあるんですけど。響復活にはどうやら何かもう一手間かかりそうですね。「何らかの新しいギアで未来が出動(シングル8枚目)→未来がピンチに→響が再覚醒」の流れかなぁ。響には対キャロル戦という大舞台が待っているのだから、何とか大々的な復活劇を演出してほしいもんです。

 そういえば今回のバトルで大体のマッチメイクがオープニング通りにまとまりましたな。ファラVS翼、レイアVSクリス、ガリィVSマリア、そしてミカVSシラキリ。シラキリコンビだけ2対1だけど、相手が戦闘特化の最強オートスコアラーだから多少はね。実際、ミカさん強いし。いや、ガリィも現状かなり強そうだけど。今回は(今回も)敵側キャラがいちいちいい動きするから、どのシーンを見ていても飽きないのがとても良いです。そしてどのキャラも台詞回しがヘンなのは相変わらず。クリスちゃん「くわえてろってのかよ!」だけじゃ意味が分かりません。勝手にエロい意味で解釈するおぢさんがいっぱいいるから気をつけた方がいいぞ。

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 うおぉ! アツいぜ! 第4話。個人的にはこれまでの中で一番好きなお話になりました。このサブタイトルのダブルミーニングもたまりません、やっぱりシンフォギアは台詞やシチュエーションの1つ1つにこだわりが有りすぎてたまらんなぁ。

 撃槍と烈槍、2つのガングニールの物語。片方の槍は手段を失い、片方の槍は目的を失っていた。その2本がいかに再生するかの物語。

 一本目は烈槍・ガングニール。マリアはかつてのネフィリム大戦でガングニールを失い、彼女自身の身体もリンカーの助け無しで戦うことの出来ないものになっていた。それでも彼女は世界の平穏を願う心を忘れておらず、今ひとたびのガングニール。1つのギアを共有した2人の装者がいてこその、夢の共演である。普通、シンフォギアはシーズンが終わってしまうと、前のシーズンの楽曲はあまり流されることがない(新曲のプロモの意味もあるからしょうがない)のだが、今回、マリア+ガングニールという組み合わせは新曲が用意されていないために、当然流される曲は「烈槍・ガングニール」である。これが嬉しいんですよ。そりゃ短いシリーズの中に挿入歌を大量に盛り込まなきゃいけない関係上、なかなか前シーズンの歌を流す余裕もないのだけど、ファンとしては大好きだったあの歌も聞きたいわけじゃないですか。マリアさんは偶発的な状況設定のおかげでそれが可能になり、彼女に残されたわずかな力を振り絞り、懐かしの歌を聴かせてくれた。シンフォギア名物である「歌いながら戦うからところどころ歌が乱れる」演出も、彼女の必死の戦いを象徴するかのようにいつもよりも起伏に富み、ダイナミックな戦闘演出に見事にマッチしている。おそらく今回がマリア+ガングニールの組み合わせの見納めということになるのだろうが、黒きガングニールの有終の美、しかと見届けられたのではなかろうか。まぁ、視聴者としては「マリアさん、気になるから早く顔拭いて。女子高生相手にその顔は怖すぎるやろ」という部分が一番気になったとは思うけども。あと、「リンカー無しでもそれなりに戦えるやん!」と思ったら、その秘密は遅めに取ったちょいと奮発気味のお昼ご飯にあったらしい。うむ、何事も基礎になるのは日々の食生活だよね。

 そんなマリアさんと正面から対峙したのは、これまで裏で暗躍していたオートスコアラー、ガリィ。機械人形の中では最も個性に富み、悪辣な表情も映えるし、いかにもこの作品らしい持って回った言い回しの数々が非常に楽しい。その特性は「水」か。前から触れようと思って忘れていたのだが、このガリィの中の人の村瀬迪与という名前は初めて聞いたのだが、他のオートスコアラーに負けず劣らず、かなりハマっていて良いキャラ造形になっている。今作におけるオートスコアラーは最後の最後まで引っ張るべき「怨敵」ポジションなので、今後もガンガン活躍してくれることに期待したい。そして、そんな人形たちの立ち居振る舞いには未だ謎が多く残されており、これまでの戦闘でも必ずそうだったのだが、何故かギア装者にとどめを刺すことなく退場する決まりになっている。ガリィは今回、「マリアのギアさえ解除されなければ……」と独りごちていたが、彼女らの行動には何らかの制限がかけられているんだろうか。単に「あのままいけばガングニールを破壊出来たのに」っていう意味だったのかしら。

 そしてもう一本の槍、撃槍・ガングニール。現在唯一まともに戦える状態だったはずの響だが、キャロルとの問答にショックを受けた部分が大きく、回りの期待に反して歌すら歌えない、「ガングニールに拒絶された状態」となっていた。しかし、そんな響の背中を「戦いたくても戦えなかった」マリアが強く押してくれたことに加え、最後の一押しは当然、「正妻」未来さんである。彼女の「響と戦って救われた人間」の中に自分自身が入っているのがなかなか周到である。そう、現在響の回りにはたくさんの「仲間」が揃っているが、その殆どはかつて敵だった者、思想を異にした者たちばかり。形はどうあれ、未来さんもそんな「反抗」の1人にカウントされていた。そして、そんな彼女をシェンショウジンから救った力強さを、未来さんは再び望んだのである。最後のオートスコアラー・ミカの襲撃を受けて最愛の親友が危機に陥った時、響の魂に再び歌が灯る。あまりに鉄板、あまりにお約束だが、水の流れを利用した大胆な演出による「イケメンの化身」である響さんの復活劇に涙を禁じ得ない。前に進む力、前に手を伸ばす力こそがガングニール。その「握った拳」、伸ばした右手の先には、必ず「繋ぐ手」、未来の左手が待っているのである。

 復活を遂げた響と、何とも奇妙な人形・ミカの激闘。ひたすら前に前に突き進む響の拳に、最強と謳われる戦闘特化スコアラーのミカも押される展開。彼女はその特徴的なツインドリルをブースターのように稼働するなど、火属性の強い人形だろうか。CV井澤詩織というセッティングもあり、その異形は実に見応えがある。一時は正面突破出来るかと思われた響だったが、そこに再びガリィが暗躍する。水と火、2つの攻撃に翻弄された響の隙をつき、ミカの最大火力がガングニールを打ち砕く。「歌えない→歌う!」までの復活は王道、鉄板、テンプレ通りとは言ったものの、まさかその劇的な復活が、ものの数分で打ち砕かれて絶望へと転落する展開になるとは! やはり今作は「気になる引っ張り方」に関しては右に出るものがない。ギア破壊、ついでに衣類までぶっ飛んで光輝く響の全裸に絶叫する未来さん。年頃の女の子が全裸を晒したショックは尋常じゃない。いや、響は前シリーズで全世界に発信してるんだけどさ。これでついに天羽々斬・イチイバル・ガングニールという3つのギアが全て破壊されてしまった。次に待ち受けるのは、これまたお約束の展開、つまりはパワーアップイベントだ。プロジェクトイグナイトと称される次なる計画は、エルフナインが持ち込んだ聖遺物により、各々のギアを底上げする作戦である。これ、ついでにシュルシャガナとイガリマも調整したら、リンカー無しでもいけるようになりますかね。切歌さんは年寄りの墓にボトルで醤油を持ち込む畜生なので、駄目かもしれません。流石のマムも醤油をボトルで一気はやってなかったでしょうに。

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 侍ノイズキターーーーーーーーーー! 第3話! いやいや! ポンコツなのは翼さんじゃなくて中の人でしょぉ! 中の人がキャラに迷惑かけるのはよろしくないよ。もう、翼さんはまともなキャラに戻れないじゃない!(とっくの昔に) この調子でゴキブリノイズとかダーク奏とかも出てきたら面白いのに。

 まぁ、そんな小ネタを挟みつつ、今回は明らかに「繋ぎ」の回。前回登場したオートスコアラーとの対決模様は一旦水入りで、お互いの戦況・軍備の確認である。こういう場面で、明らかに敵勢力の方が有利で今のうちに叩いておけば後顧の憂いを絶てるはずなのに撤退するっていうのは、完全に様式美である。まー、錬金サイドからするとあの程度のノイズパンチで瓦解してしまうようなギア装者軍団なんて物の数にも入らないから眼中にないってだけなのかもしれないけども。その割にはキャロルちゃんは響のこと気にしてるんだけどね。とりあえず、今回まででギアを装着した5人のうちわけは、武器破壊2名、リンカー無しではボロボロで逃げるのが手一杯なのが2名、平和主義を訴えてついにはギアに応えてもらえなくなっちゃった者1名。もう、せっかく結成したののにS.O.N.G.はボロボロである。そりゃ無視されてもしょうがないのか。でも一応エルフナインの奪還はそれなりに重要任務だった気もするのだが……追撃任務をやっていたレイアが「派手じゃない」仕事に飽きてしまったのかしら。

 現状、ギア破壊技を持っている時点で錬金側が圧倒的に有利。更に追加でもう1体の怪しげなオートスコアラーが起動してしまっているし、どの人形もギア装者とは1対1で互角以上。そんな連中が4人揃ったとなると、今後は更に不穏な戦況だ。今のところS.O.N.G.側にいいニュースが何一つないんだよな。待望のギア装着シーンから登場したシラキリコンビであるが、残念ながらあくまでも一時しのぎの無謀な装着だったらしい。2期の終わりの時点から特に改善点はなく、むしろリンカーが無い分だけあのときよりも弱い。今回回想シーンで久しぶりに登場していたが、やっぱりなんだかんだ言ってウェル博士は兵器開発という仕事では有能だったということだ。更に、今回は回想シーンで「ウェル博士と了子さんのツーショット」という貴重な映像も確認出来た。1期のラスボスと、2期の(ある意味)ラスボスの夢の共演。彼らの力があればひょっとしたらシュルシャガナとイガリマも復活出来るかもしれないのだが……。

 と、そこで登場するのがエルフナインが持ち逃げしてきた聖遺物ということになるのだろうか。個人的には「新たなる力の起動」よりも、どっちかっていうとあんだけ名前を出したんだから「了子さんの置き土産による劇的な復活」っていう方が好みなんだけどね。調だって一度はフィーネを降ろした身なんだし、何とかして再び了子女史とコンタクトをとってリンカー無しでの劇的な復活が見られないものだろうか。まー、あんまり了子さんが出張ってくるとクリスちゃんのSAN値がガリガリ削られそうではあるのだが……流石にシラキリコンビが今のままの状態じゃ活躍を期待出来ないんだよなぁ。1期→2期でクリスちゃんがはっちゃけたように、是非2期→3期はしがらみから解放されて伸び伸びデュエットを披露するシラキリコンビが見たいのよ。今回は切歌の曲をベースにさりげなくデュエットしてたけど、もう少し堂々と、いっそギアが合体して2人でスカイラブハリケーンみたいな大技を披露してるところが見たい。そのためにはやっぱり、まずはギアとの適合云々を「無かったことに」出来る追加設定が必要で、それにはやっぱり了子さんくらいのチートじみたキャラの支援がほしいのですよ。……何とかなりませんかね? 久しぶりに見たシュルシャガナの滑走シーン、良かったでしょ。ギアの大雑把な動きが魅力的なのって、やっぱりチームZABABAだと思うんだよなぁ。

 ところで、今回は突然のビーフストロガノフに度肝を抜かれたわけですが、あの曲はシングルとしては売り出されないですよね。まさか8枚目のCDってこれじゃないよな。電光刑事バンと同じ扱いかな。改めて曲を聴くと、こんなサブカテゴリの歌唱に東山・小松・赤﨑(&井口)って信じられないメンバーなんだよな。ちなみに、個人的にビーフストロガノフの歌っていうとコレしかありません(リンクは音源が見つからなかったので何故か東方MAD)。

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