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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  この記事は4本で1セットになっています。

  

<サブタイトル部門>

 個々の単発サブタイトルで印象に残った回を評価する部門。ちなみに、妙なこだわりとして、ここには第1話と最終話はノミネートさせないことにしている。どうしたって1話目は気合いが入っているものであるし、例えば「喰霊--」や「涼宮ハルヒの憂鬱」のように、1話目だけ変則構成の作品というのも少なくないからだ。最終話については、確実に「作品の締め」としての色合いが強くなってしまい、どうしても単発エピソードとして評価しにくい。本当は素晴らしい最終話も多いのだが、敢えてここでははずして評価することにする。まぁ、2話も外すと9話くらいしか選択肢がない作品とかもあるんだけど、そこはそれ。

 さて、まずはノミネートされながら上位3つには選ばなかったエピソードを見ていこう。誰の頭にも残っているであろう衝撃の話数と言えば、やはり「そらのおとしもの」第2話、「天翔る虹色下着(ロマン)」。エンディングの印象ばかりが強いが、作中の馬鹿さ加減も特筆すべきものがあり、1話でやった大馬鹿を越えるだけの2話を臆することなく実現させていた。あの2話が無ければ、おそらく多くの視聴者はこの作品の覚悟を理解することは出来なかったであろう。

 おちゃらけエピソードで大のお気に入りだったのは、「大正野球娘。」第7話「麻布八景娘戯」。この作品も本来なら集大成である最終話を推すべきなのだが、それ以外だとこの7話が面白い。作品の本質である野球の特訓とは明示的に繋がっていないエピソードなのだが、「辻打ち」「辻投げ」というよく分からない作戦のおかしさに加えて、盗人を追いかけるナインの面々の立ち位置に、後に活きてくるポジション特性や性格などがきれいに出ていて、キャラを磨くエピソードとしての完成度が高い。また、晶子がナックルを発案するための重要な契機としても印象深い回だ。

 たった1人のキャラクターで印象が強いのが、「れでぃ×ばと!」第4話、「れでぃ×ばーじん?」。毎回毎回新キャラが登場してドタバタしているだけの作品なのだが、4話で登場したのは某国の重鎮であるアイシェと、その臣下ヘディエ。ヘディエのぶっ飛んだキャラクターは、今期の戸松キャラの中でもトップレベルの輝きを誇る。あの勢いが全編で出ていたら、ひょっとしたらこの作品全体ももっと化けていた可能性も。他にも「デュラララ!!」第4話「形影相弔」は、セルティという謎だったキャラクターの正体が判明すると同時に、新羅との共同生活を通じて彼女の魅力がガツンと伝わる記念碑的な話数。また、新羅が路上の画家に話をしに行くラストは1本のエピソードとして実にきれいなオチがついており、連作の趣のあるこの作品の中でも、一際レベルの高い仕上がりだ。

 ギャグと感動の中間を絶妙なバランスで突き抜けるのは、「化物語」第5話、「まよいマイマイ其の参」。真宵編のラストエピソードであり、真宵の正体が明かされる衝撃の展開。更に感動の「帰宅シーン」を挟んで、ひたぎが阿良々木さんに告白までしてくれる高密度なシナリオ。全ての面で手抜かり無いシャフト演出が光り、事実上の最終回である「つばさキャット其の参」と並ぶ感動がある。

 少しずつシリアスにしていこう。夢のような儚げな演出と、ひとりの少女の小さいながらも確実な成長が眩しいのが、「シャングリ・ラ」第11話、「胡鳥夢幻」。家から一歩も出ずにいた香凛が不思議な少年が呼びかけられ、外に出てくるまでを描く番外的なエピソードながら、何とも幻想的な雰囲気と、香凛のさりげない幼さと苦悩がしっとりと伝わってくる良演出回。これを観たおかげで、最終的に香凛派で落ち着きました。

 多少変則的なところでは、「空中ブランコ」第10話、「オーナー」がある。大胆な叙述トリック(?)入りのトリッキーなエピソードだが、ナベマンを演じる置鮎龍太郎の好演が光り、張り巡らされた伏線があれよあれよと収まるところに収まる、1話完結のお手本のようなシナリオライン。これ以前までの9話が全て前振りになっているという全体構成も心憎い。

 長編アニメの繋ぎとなるエピソードとしては、個人的には「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」第7話、「蝉時雨・精霊流シ」がものすごく印象に残っている。フィリシアをメインに描かれたエピソードで、彼女の回想を起点に2つの「戦争」の姿が浮き上がる、この作品では異質とも言える展開。そしてその中では絶望的な事実が明かされ、「全てを諦めた」フィリシアと、そんな世界を知らないカナタの対比が残酷に提示される。ラストの精霊流しのシーンでのフィリシアの実にさりげない態度など、この作品の持つべき「空気」の作り方が絶妙な1本。このテイストのままでラストまで行ってもらえば、この作品もかなりのものだと思った……んだけどね。

 めまぐるしいストーリー展開が魅力の「戦う司書」では、ノロティの最後の業績とエンリケの男前っぷりが眩しい22話、「空と結末と彼女の世界」が印象的。未だかつて無い絶望的な状況に立たされ、次々と仲間が倒れていくバントーラの危機を救ったのは、一切の迷いを抱かず人を信じ続けたノロティの心と、それを信じ、彼女の夢を継いだエンリケの信念。ここまで死に絶望を残さなかったキャラクターというのも珍しい。また、他方では迫り来る大群を前にして「死にたがり」が極限にまで達するハミュッツが描かれたりもしている。この刹那的で大味なキャラクター描写、慣れてくると癖になります。

 随分長くなりましたが、やっぱり印象に残る話ってのはたくさんあるもんで。3本に絞り込むのには、かなり苦労しました!

 

第3位

‘05 「魔法少女リリカルなのはA’s」第4話「新たなる力、起動なの!」

‘06 「×××HOLiC」 17話「ジショウ」

‘07 「ARIA The ORIGINATION」 第9話「そのオレンジの風につつまれて…」

‘08 「かんなぎ」 第七幕「キューティー大ピンチ! 激辛ひつまぶしの逆襲(後篇)」 

09「獣の奏者エリン」 第48話「リョザの夜明け」

 「エリン」から選ぶエピソードとして、最後の最後まで悩んだのが27話の「ヒカラにおちて」。エリンの夢物語の描写をこの作品独特の抽象画ベースを交えて描くという異色の回で、演出の持つ恐ろしい迫力には、本当に飲み込まれるような心持ちになった。単発エピソードの演出特異な部分を切り出すなら、27話はこの作品でも一番の仕上がりだったろう。

 しかし、ここで敢えて推したいのは、物語の終幕、最後の決戦の幕開けとなるエピソードである48話だ。雪煙る夜の景色に2つの陣営の募る思いを少しずつ溶け込ませていき、壮大な演舞の様子が、イヤルとキリクの死闘とオーバーラップする。2人の戦いのシーンは鬼気迫るものがあり、挿入歌の持つ不思議なパワーにも助けられ、あまり動画面で押し出すことのない今作の中でも屈指の「戦闘シーン」を形成する。この2人の死闘はそのまま追っ手と戦うための共闘シーンに引き継がれ、ここでも息を呑むような一触即発の場面が続く。まず、そうしたカロリーの高い動きの面での威力が凄い。

 そして、そんな激しいシーンと、セィミヤ領で蠢く演舞、そしてリランの小屋で待機するエリンの静かな昂ぶりなど、静と動を交えた場面が次々に交錯し、嫌が上にも決戦への緊迫感が高まっていく。こうした動きの格差の激しいシーンを繋ぐのは、画面の上をひたすらに吹き続ける雪の効果である。ともすると煩わしいくらいの量の雪が終始画面を覆っているのに、この回ではそれがほとんど気にならず、想定通りの演出効果を上げている。これだけの情報量を、苦もなく1つのモチーフでぐるりと囲んで飲み込んでしまう全体像の構築は、かなりの難度だったのではなかろうか。

 そして、雪がおさまった雪原を照らすのが、サブタイトルにもなっている「リョザの夜明け」。これを見てセィミヤは涙を流し、ダミヤはその真意を理解しない。「夜明け」は当然、国の革新を表す端的な用語である。この時に既に、リョザがどのような道を歩むのかは決まっていたわけだ。あまりに大胆で、壮大なエピソードの幕引きではあるが、これが残り2話のクライマックスに負けないくらいの説得力を持ち、それまで紡いできた「エリン」という物語の集大成への意気込みとして伝わってくる。もちろん最終回も素晴らしい出来だったわけだが、それも全て、こうした油断ならないエピソード1つ1つの積み重ねといえるだろう。

 「エリン」は、監督の浜名さんはもちろんだが、演出には布施木一喜という名前が一貫してクレジットされている。そして、今回とりあげた27話と48話は、奇しくも両方ともこの布施木一喜氏のコンテ回であった。こうして、また新しく覚えておくべき素敵な名前が増えるのである。

 

第2位

‘05 「かみちゅ!」 第11回「夢色のメッセージ」

‘06 「BLACK LAGOON」 #15「Swan Song at Dawn

‘07 「らき☆すた」 22話「ここにある彼方」

‘08 「とらドラ!」 16話「踏み出す一歩」

09「とある科学の超電磁砲」23話「いま、あなたの目には何が見えていますか?

 これも実に悩んだ選択である。今回、他の部門にはあまり名前が挙がっていないのであるが、やはり「超電磁砲」は非常にレベルの高い作品で、どの側面でも一定以上の評価が得られる仕上がりだった。そして、毎回の感想を見てもらえば分かると思うが、理屈抜きで大満足できた話数もいくつか存在している。最終回の見事な幕引きはもちろんだが、今回選出するかどうかで悩んだのは、12話(AIMバースト」)と、この23話だ。

 12話については、特に前半の締めとなるエピソードであるというのが大きな要因となっている。田中敦子が全身全霊をかけた木山春生というキャラクターが克明に描かれ、その意志が、学園都市を代表する御坂や初春とぶつかり合う。最終的にはAIMバーストという化け物を御坂がぶっ飛ばすことで大団円を迎えるわけだが、その戦闘シーンは本当に理屈抜きで楽しめるものになっていた。小難しいことを考えずに、派手なアクションと見得だけでも見せつけられてしまうのは、やはりアニメーションとしての底力があるからだ。

 そして、12話のコンテが福田道生なら、23話のコンテは細田直人。どちらか選べと言われたら、安易ではあるものの、画面からガンガン自己主張が出てくる細田の方を選んでしまう。23話は得意のアクションシーンなどはほとんど存在しておらず、あくまでクライマックスに向かうまでの「風呂敷のたたみ始め」の要素が強いのであるが、それまでとっ散らかりまくっていた情報を一気に収束させていくカタルシスがたまらない。脚本部分で多少の難があろうとも、画の力でもって、最小限の時間、最大限の効率で物語を紡いでいく。

 既に感想ページで触れているが、初春に対する黒子の細やかな仕種や、木山を一蹴するシーンで現れるテレスティーナの隠された悪辣さ、そしてエンディングのシーンを活かした変則バンク構成など、本当に無駄な部分がなく、正攻法な「アニメの描写」には魂を持って行かれてしまう。

 この作品を見て改めて思うのだが、やはり、アニメの根幹を成す最低限の準備を整えるのは、脚本だ。しかし、その脚本を神にもゴミにも仕上げるのは、画面を作るアニメーターの力だ。本当に、恵まれた作品で何よりでした。

 

第1位

‘05 「フタコイオルタナティブ」1話「コロッケとヘリと地下ボクシングと私」

‘06 「涼宮ハルヒの憂鬱」 12話「ライブアライブ」

‘07 「CLANNAD」 第9回「夢の最後まで」

‘08 「喰霊--」 第9話「罪螺旋-つみのらせん-

09 「CANAAN」 第11話 「彼女添

 CANAAN」という作品も、その品質に比して、他のところであまり話題に上らない作品である。この1話をピックアップせずとも、P.A.WORKSの手による完成度の高いグラフィックのおかげで、どこを取ってもお腹いっぱいになれる、素晴らしい作品であった。惜しむらくは、いくらスピンオフものであるとはいえ、些か話を視聴者に投げすぎたことくらい。もう少し視聴者に寄ったシナリオ描写が実現していれば、もっとクオリティの高さをアピールすることが出来たと思うのだが。

 とまぁ、文句はありながら、例えばユンユンの奇行と愛情が鮮烈な5話(「灯ダチ」)や、それまでの伏線の回収が始まり、劇的な物語が一気に加速する10話(「想執」)などは、実にエキサイティングな理屈抜きで面白い話数。

 そして、やっぱり忘れられないのは、11話である。もう書きたいことはあらかた感想ページで書いてしまったので省略するが、ただただ一分の隙もない美しい画面に酔いしれるだけである。リャンの決死のアクションシーンに、ハッコーの命を賭した想いの籠もった末期のシーン、そして涙無しでは見られない、リャンの哀れな最期、カミングズの悲痛な叫び。どれを取っても、この作品のこのスタッフだからこそ実現できた渾身の作である。脚本の岡田麿里、そしてコンテを切った監督の安藤真裕。まずはこの2人に最大の賛辞を。また、オフィシャルファンブックでは、監督コメントでリャンの壁への激突シーンを起こした作監の石井百合子氏の功績についても言及している。本当に、この回の画は素晴らしかったです、改めて謝意を。これが、現代アニメの1つの到達点である。


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