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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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(イオナの大僧侶)Archpriest of Iona (W) R
クリーチャー・人間、クレリック
*/2
〜のパワーは、あなたのパーティーの人数に等しい。
あなたのターンの戦闘開始時に、あなたのパーティーが全員揃っているなら、対象のクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修正を受けるとともに飛行を得る。
 クレリックというタイプに大々的にスポットが当たるのは随分久しぶりのことで、セットギミックとしてはマジでオンスロート以来、つまり20年ぶりくらいのこと。オンスロートにおけるクレリックは白黒の部族で、とにかく軽減や回復に特化した鬱陶しい部族だった。黒のクレリックは相手のライフを蝕む方法も持っていたが、メインアタッカーの「不快な助祭」や「腐敗を導く者」、キーとなる土地である「星明かりの聖域」が引けないとなかなか相手を削れなかったり。それに比べて、ゼンディカーのクレリックはパワフルである。このおじいちゃんも、パーティーをパワーに参照するので最大で1マナ4/2。もう白クリーチャーのステータスではない。さらにフルメンバーなら戦闘時ボーナスも稼げて、自身も5/3フライヤーという決定打になりうるサイズ。まぁ、本当に周りの人と助け合ってのカードであり、単体での性能はレアとしてはキツいところだが……こういうカードを頼みにしたパーティービートは成立するんだろうか。全体除去へのケアがきつすぎる気はするんが……。

 


 
(岸壁安息所の売剣)Cliffhaven Sell-Sword (1)(W) C
クリーチャー・コー、戦士
3/1
 まだまだ更新を続ける、白の2マナ3/1バニラ軍団の新作。前回はM21で「夜明けの突撃獣」が登場し、「いよいよボーナス付きが標準になってきたので、そろそろバニラの更新も伸び悩むか」と書いたわけだが、早速追加されたのはこの世界が部族環境だから。額面上はバニラだが、欲しいクリーチャータイプを持っているというだけで純粋に能力がプラスされたようなものだからだ。白は戦士の第2種色なので、集めやすい戦士がいるというだけでパーティー結成のプランは組みやすくなる。まぁ、「こいつが死ぬと戦士がいなくなっちゃうし……」とかで戦闘に二の足を踏むようになっちゃうと、せっかくのステータスが活かしにくくなるので悩ましいところではあるのだが。
 

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 ヤァヤァヤァ、新セットの季節だ。もう、コロナの影響でさっぱり対人ドラフトをやらなくなっちゃったし、おかげでカードも買わないので半年前とカードの印象がさっぱり違うのだが、幸か不幸か、私のMagicライフはアリーナにほぼ移行が完了している。不満点をあげるとするなら、やはり対人ドラフトと違ってドラフト時にカットなどのテクニックが影響しないのでいくらか底が浅いこと、そして、「ねぇ、土地引きすぎじゃない?」などとキレ散らかしやすいことだ。いや、絶対おかしいんっすよ、俺にだけ土地引かせすぎなんすよ……(ダメなギャンブラーにお約束のやつ)。過去数年と今年、Magicに対する課金量はどっちが多いんだろう……もうこれ、わかんねぇな。
 まぁ、とにかくそんなわけでいつも通りに新セットには接していこう。何しろゼンディカーだ。そりゃもうゼンディカーだ。一発目で公開された情報だけでもお腹いっぱいだが、エルドレインやイコリアのような新天地も良いが、やはり再訪セットはそれだけでテンションが上がるゥ!
 
○新メカニズム・パーティー(party
 今回のゼンディカーを象徴するシステムはやはり何と言ってもこれだろう。「冒険次元」としてのゼンディカーは、「戦乱の〜」の時にそのテイストを再現することを怠ったのが大失敗だったとマローが反省していた部分。そりゃエルドラージが暴れてたんだから冒険どころじゃなかったわけだが、もともとゼンディカーは「土地も暴れる冒険次元」として作られた世界だったのだ。そのフレーバーを、エルドラージ無き今こそ存分に味わおうという所存。そのために製作チームがスポットを当てたのが当然「同盟者」……ではなく、新たなギミックだった。
 世界観としては「同盟者」と同じだが、単に相互シナジーを形成するという同盟者と異なり、今回のパーティーは「4つの職業を満遍なく」という新たな試みである。具体的には、白を1種色とするクレリック、青を1種色とするウィザード、黒を1種色とするならず者、そして赤を1種色とする戦士の4つ。これらを戦場に展開していくことで、「パーティー」という数値は上昇していく。最低は0で、最大値が4だ。一応細かいルールを確認しておくと、複数の職業(クリーチャータイプ)を持つカードがいたとしても、それは最大でも1種類としかカウントされない。そして、数える場合は可能な限りの最大値を取る(まぁ、デメリットになる能力は無いってことなんだろう)。つまり、もし「クレリック」と「クレリック・ウィザード」の2体のクリーチャーをコントロールしているなら、この時のパーティーの人数は1でも3でもなくて2である。
 個人的にはなかなか面白そうなギミックだと思う。これまで「種族ギミック」というと、とにかく同じ種族をかき集めるというのが目標になり、リミテッドではその完成度がカードプールに大きく依存するようになったが、今回は数を集めてもしょうがない。満遍なく職業を散らすことで、パーティーの恩恵を最大限に受けることができる。この感覚は、現在私が耽溺している本殿(祭殿)ギミックなどの「いろいろ集めて全部出す」系のチャレンジである(まぁ、一番近いのは昂揚だろうけど)。また、各職業に1種色が設定されていることから、各々の色が職業推しの要素もちゃんと用意している。つまり、クレリックを集めれば白単クレリックも狙えるだろうし、白いウィザードや戦士を抱えることでパーティーの人数を伸ばすこともできるってわけだ。縦横に広がる種族ギミックというのは史上初の試みなので、リミテッドでのプレイ感がどうなるかは是非とも体験してみたいところだ。まぁ、数を並べる必要があるギミックってことで、よほど強固なサポートが無い限りは構築クラスまで練り上げるのは難しそうだけども……。
 ちなみに、クレリックは白が1種色、黒が2種色、青が3種色、というようにメインの2色が定められているので、通常通りのリミテッド2色を狙うと、職業単狙いとパーティー組みの両天秤を無理なく狙えるはず。そのあたりのさじ加減も面白そう。まぁ、緑が「すべての職業を持ってるけど全部3種色」とかいう、いつも通りの緩衝材パートを任されているので、結局俺は緑から始めてクソ多色を狙う気もするけども……。
 
○毎度おなじみ・上陸
 説明不要。「土地が戦場に出たら何かが起こるよ」が上陸能力。普通にプレイすると「毎ターン最大1回しか起こらない」という安全弁が強めのギミックだが、それが簡単に壊れるのがゼンディカー。過去にも上陸カードは名作が多い。はてさて、今回は何が出てくるだろうか。
 
○すべての能力の親玉・キッカー
 こちらも説明不要。「上陸がメインギミック→いっぱい土地を置きたい→土地が多めのデッキになる→マナフラッドを避けよう」ってんで、ゼンディカーといえばキッカー。多重キッカーまで生み出される世界。まぁ、毎度のことながら便利。ドミナリア以来の復活ってことで、実は登板間隔が割と短め。
 
○そんなのありか・モード選択両面カード
 今回はマローが大好きな両面カードが登場する。しかし、これまでの両面カードと違い、今回のカードは一切変身しない。プレイする時にはどちらか片方の面の特性だけを持ち、そのほかの領域では第1面の性質だけを持つカードである。それって単に印刷がでかくなった分割カードじゃねぇか、と言われるかもしれないが、実際にその通りである。まぁ、分割カードだとインスタント+パーマネントみたいなデザインは難しかったので、「新たな土地の形」を模索した結果ゼンディカーでこのデザインが生み出されたのはある意味必然だったのかもしれない。
 
 
以下、個別カード情報。未確定部分とかもあるかも。
 
 
カビーラの先導 Kabira Outrider (3)(W) C
クリーチャー・人間、戦士
3/3
〜が戦場に出た時、対象のクリーチャーは、あなたのパーティーを構成しているクリーチャー1体につき+1/+1の修整を受ける。
 実は結構変なクリーチャー。「場に出た時に自軍クリーチャーを増強」というのは白クリーチャーでもよくあるギミックではあるのだが、色の役割委員会によれば、同じ増強でも、緑なら上限は無いが、白は「狭い範囲での増強か、全体増強」を担当しており、インスタントによるコンバットトリックなども基本的には+2までの範囲で抑えられている。クリーチャーにつける場合も、全軍+1の「アンプリンの戦術家」のようなデザインが一般的だ。こちらの戦士は、最大で+4の修整を単体に付与する動きが可能となり、イメージはかなり緑寄り。色の「折れ」ではないが、場合によってはかなり「曲がった」クリーチャーといえる。まぁ、そんだけパーティーを3人も4人も集めるのは大変ってことなんだろうけど。こいつ自身が戦士なので、他の職業をサポートできれば+2は保証される。そう考えると、やっぱり白の範囲内なのかな。リミテッドでは程よい穴埋めだが、環境の速度が加速するとフィニッシャーになったりもする。
 
 
英雄たちの世話人 Shepherd of Heroes (4)(W) C
クリーチャー・天使、クレリック
3/4 飛行
〜が戦場に出た時、あなたのパーティーを構成しているクリーチャー1体につき2点のライフを得る。
 わかりやすいパーティー支援天使。見ての通り、本人がクレリック役を担当しているため、最低でも2ライフが保証されている。5マナ3/3で3ライフゲインの「慈悲の天使」をベースに考えると、「コモンで」「タフネスが多く」「回復量も多くなる可能性が高い」という至れり尽くせりのコモン。最大8ライフまで爆裂させればラヴニカ時代の「アーチ道の天使」すら追い抜ける可能性が。積極的に後ろ向きである。
 
 
団結の標、タズリ Tazri, Beacon of Unity (4)(W) M
伝説のクリーチャー・人間、戦士
4/6
この呪文を唱えるためのコストは、あなたのパーティーを構成しているクリーチャー1体につき(1)少なくなる。
(2/U)(2/B)(2/R)(2/G):あなたのライブラリを上から6枚見る。その中から、ウィザードやクレリックや戦士やならず者や同盟者であるカードを最大2枚公開し、手札に加えても良い。残りをあなたのライブラリの下に無作為に置く。
 ゼンディカー民の心の拠り所、我らが同盟者のリーダー、「タズリ将軍」である。彼女は前回「5色同盟者デッキが統率者戦でも組めるように」ってんで妙な起動型能力を与えられたが(固有色が5色になるようにデザインされている)、今回も同様に、さらなる5色同盟者デッキの追加統率者として登場。ただ、今回はパーティーシステムを優先したせいで世界からは同盟者が消えてしまったため、彼女の能力に名前だけが残されるという残念な状態に終わってしまった。同盟者ファンの皆さんは今回のセットを待ち望んでいたと思うのだが、流石にこれ1枚で納得はしてくれないだろうな……。その分、リミテッドでのパーティー戦術への気遣いは大幅にアップしており、前作でパックの開封時によく漏れていた「なんでよりによって神話がお前やねん、死ねボケ」という心無い誹謗中傷は今回は聞こえない。これ、白赤の戦士単とか白黒クレリックでもそれなりに強いのよね。
 
 
Confounding Conundrum (1)(U) R
エンチャント
〜が戦場に出た時、カードを1枚引く。
あなたの対戦相手のコントロール下で土地が戦場に出るたび、そのプレイヤーがこのターンに他の土地を自分のコントロール下で戦場に出していたなら、そのプレイヤーは自分のコントロールする土地を1つ、そのオーナーの手札に戻す。
 なんとも妙な効果を持った青の限定的対策エンチャント。こういうヒネたデザインの青カード、なんだか久しぶり。「ついえし希望」とか「重荷」みたいな懐かしのカードを思い出すわね。これがあると、相手の場には絶対1ターン1枚ずつしか土地が増えない。つまりはくたばれウーロだしくたばれ「樹上の草食獣」ってことになるが、だいたい1ターン目に置かれるあれの対策にはならねぇな(そもそもスタン落ちするやん)。最近は「耕作」の使用頻度も上がっているので、そのあたりを対策するカードとしてはそれなりに面白い。面白いが……かなり仮想敵が限定的なので、実際に使われるかどうかは微妙。サイドボードに仕込んでおくと面白いかもしれない。ちなみに、「出した土地を戻せ」とは書かれていないので、相手は戻したい土地を積極的に戻すことも可能になる。スタン環境では問題なさそうだが、何が起こるかわからない下の環境では要注意。みんなで一緒に土地を並べる「未踏の開拓地」みたいなカードを使うとちょっとズルくて楽しいかも。
 
 
探検隊の占者 Expedition Diviner (3)(U) C
クリーチャー・マーフォーク、ウィザード
3/2 飛行
あなたが他のウィザードをコントロールしている限り、〜は「このクリーチャーが死亡した時、カードを1枚引く」を持つ。
 ウィザード部族推しカード。これだけを見ると普通の部族環境だったオンスロートにあってもおかしくないくらいのデザインだ。もちろん、時代が経過しているので4マナ3/2フライヤーという普通に使えるステータス+ボーナスという強さは保証されてるけども。あの時代だと、4マナ2/2で死んだ時1ドローの「エイヴンの魚捕り」が割と英雄でしたからね。面白いのは「他にウィザードがいればお前が死んでもいいや」ってんで、パーティー狙いの時はこいつが死んでも問題ない時に恩恵が生まれるっていう部分。「このパーティーに魔法使いは2人も必要ないんだ……追放しよう」って、まるで現代なろう小説のメインストリームのごとき。
 
 
鏡映魔道士、ジェイス Jace, Mirror Mage (1)(U)(U) M
伝説のPW・ジェイス
キッカー(2)
〜が戦場に出た時、これがキッカーされていたなら、これが伝説でなく、初期忠誠度が1であることを除き、〜のコピーであるトークンを1つ生成する。
<+1>: 占術2を行う。
<0>: カードを1枚引き、それを公開する。〜の上から、そのカードの点数で見たマナコストに等しい数の忠誠カウンターを取り除く。
【4】
 しばらくおやすみしていたジェイス君。その鬱陶しさもしばらくいなくなると恋しいもので、「もう時間を操るハゲはたくさんなので元祖青PWに帰ってきてほしい!」というファンも多かったことだろう(俺調べ/てない)。しかし、そんなクソハゲのせいで、せっかく灯争大戦の時に開発された「PWに常在型能力」という新形式も、「これ、想像以上に鬱陶しいのでは……」と最近はみんな眉間にシワ。その流れを一旦断ち切るためか、なんと、今度は常在型じゃなくて誘発型能力だよ! いや、だからなんやねん! そしてゼンディカーといえばやっぱりキッカー。ジェイス君はめでたく史上初のキッカー持ちPWとなった。そしてキッカーを払うと……分裂する。イクサランの時の頑張ってサバイバろうとしてたときのやつに似てるな。3マナだし。まず、3マナの性能だけで考えると至極普通。コストの割に忠誠度が高いので場持ちは良さそうだが、それは場にいてもそこまで迷惑じゃないから。自動で占術2ができる置物は鬱陶しいに違いないので相手もやはり処理はしたいだろうが、これがナーセットの代わりになるかというと……微妙なところだ。
 そして5マナだとどうなるか。2体目の「幻ジェイス」の方は初期忠誠度が1なので流石に0能力は起動しにくい。つまり、コピーの方でまずライブラリの上をいじって、その後で本体がドローしてやれ、というデザインなわけだ。まぁ、その場合にも安全に引きたいなら土地だけになっちゃうけども……。うーむ、ギミックがクソめんどい割に見返りがそこまで大きくないのが……。一応、これまでのPWと異なり、2枚目以降を引いた時に相乗効果が見込めるという謎性能があるのは気になるところ(本体は伝説ルールで死ぬけど、キッカーしておけばコピーは残せる)。まぁ、5マナかけてやるようなこととも思えないが……ジェイスさん、扱いがアリリオス並みでいいのだろうか。
 
 
(廃墟のカニ)Ruin Crab (U) U
クリーチャー・カニ
0/3
上陸 - 各対戦相手はカードを3枚切削する。
 カニカニカニカニ! FLY AWAY! 僕らのヒーロー、「面晶体のカニ」がタフネスを増強して帰ってきた! 1マナからスタートするミル地獄は当時もハマっちゃったら割と瞬殺レベルのギミックであり、当時の僕はもちろん、同盟者である「ハリマーの採掘者」と組み合わせて云々。まー、残念ながらヤマネコムカデがすげぇ勢いで襲ってくる超高速環境だったんですけども……。今回はタフネス3でさらなる安定感を得たが、実は他にも変わった箇所が1つだけあり、切削するのが「対象のプレイヤー」から「各対戦相手」に変更になっているのだ。多人数戦なら強さアップとも言えるが、自分の墓地肥やしに使えなくなったのでナルコブリッジや発掘マニアのアニキにはちょい残念。純然たるミル勝利のために。
 
 
Shell Shield (U) C
インスタント
キッカー(1)
対象のあなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+0/+3の修整を受ける。この呪文がキッカーされていたなら、それは加えてターン終了時まで呪禁を得る。
 よくある青の防御呪文。ベースとなっているのは「きらめき」で、あちらは2マナで+3と呪禁が必ずセット。今回は1マナ軽くしてお手軽モードが搭載された上位種。そして1マナでどっちも手に入った「潜水」の完全下位互換でもある。「潜水」は構築の青ビートなんかでも猛威を振るったレベルの呪文なので、そこに調整が入るのはしょうがない。火力の回避だけなら同じく1マナでできるのだから、この呪文だって案外悪くない活躍が見せられるかもしれない。
 
 

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Jumpstartの情報はスルーやな……(プレイはしたいけども)。
 
 
選定された聖歌員 Anointed Chorister (W) C
クリーチャー・人間、クレリック
1/1 絆魂
(4)(W):〜はターン終了時まで+3/+3の修正を受ける。
 急に歌うよ! 1マナ1/1絆魂の時点で最低限の仕事はしてくれるが、声出しが終わっていよいよ本番を迎える頃に彼の本領は発揮される。高らかに5マナを歌い上げれば4/4絆魂パンチ。めでたく白黒ライフゲインの目指す「3ライフ以上ゲイン」が達成される。いくらなんでも毎ターン5マナは払っていられないのであくまで他のプランが叶わなかった時の保険程度ではあるが、こうした何気ないコモンからでもデッキの軸を支えることができる選択肢は悪くない。ただ、どうしてもリミテッドの場合は1マナクリーチャーって評価が下がるので、よっぽどゲインに寄せたデッキでない限りは、わざわざ採用する必要はないかもしれない。
 
エイヴンの鳥群使い Aven Gagglemaster (3)(W)(W) U
クリーチャー・鳥、戦士
4/3 飛行
〜が戦場に出た時、あなたのコントロールする飛行を持つクリーチャー1体につき2点のライフを得る。
 白青飛行応援団の分かりやすい1枚。「指定のもの1枚につき2ライフ」というのは、例えば門デッキにおける「アーチ道の天使」を思い出すと近いかも。門と違って「飛行クリーチャー」は戦闘だの除去だのと世知辛い荒波に揉まれて数が減ってしまうので並べるのは難しいが、その分こいつ自身のステータスが5マナ4/3と優れているのがポイント。最低でも自身をカウントして2ライフが保証されているので、先輩格の「慈悲の天使」と比べても優れたクリーチャーだと考えていいだろう。地上クリーチャーとのすれ違いにおけるダメージ格差をどのように解消するかが飛行デッキの永遠の課題だが、地上を気にせずフライヤーをガンガン並べて殴り続け、最終的にこれでちゃぶ台をひっくり返すというプランは理にかなっている。高めの配点で問題なさそう。
 
協約のペガサス/Concordia Pegasus(M20)」 C
 続投決定。今回は(今回も)白青のギミックに「飛行ビート」が推奨されているため、飛行を持っているというだけで人権(馬権)が発生している。意外にやり手。
 
夜明けの突撃獣 Daybreak Charger (1)(W) C
クリーチャー・ユニコーン
3/1
〜が戦場に出た時、対象のクリーチャーは+2/+0の修正を受ける。
 2マナ3/1バニラはここ最近メキメキ数を増やしてきた「もっとも同型カードが多いデザイン」の一角。かつては緑の2/2が最多だったらしいのだが、白3/1がものすごい勢いで追い上げて肩を並べたのは、ひとえに「もう緑で2/2バニラなんて刷られないから」という理由も大きな部分。そしていよいよ、その現象が3/1にも訪れる。もう、コモンであってもバニラじゃ満足できない。「失われた群れのレオニン」の時点でその傾向は確認できたわけだが、いよいよバニラにも改革の時。場に出しただけで味方を+2は2マナなら文句なしの能力だが、こいつ自身の軽さもフル活用するならばなんとか1マナクリーチャーを用意したいので、デッキの方向性は自ずと制限される。ブン回った時のダメージ量は2マナの基準値を超えており、リミテッドでのうのうと序盤に土地を置くだけの対戦相手なら踏み潰すことも不可能ではないだろう。先手なら3ターン目に2枚目のこれを出して5/1の馬が突撃するプランだって現実的なレベルだ。さぁ、ボロスでビートだ。「栄光の頌歌」の活躍が見られないかなー。
 
叙爵/Dub(DOM)」 C
 「使うと割と強い」という不思議な評価軸にあった増強オーラ。実際、増強と先制攻撃の組み合わせは純正クリーチャー戦闘だけで対策しようとすると案外難しい。今回はオーラを応援したり騎士を応援したりするギミックはないため、純粋にカードパワーでの勝負。ちなみに今回のセット内でのエンチャントの壊れやすさは、だいたい並。
 
抵抗の妙技/Feat of Resistance(KTK)」 C
 タルキールはアブザン原産の高性能支援呪文が初めての再録。今回はアブザンの風味をそのままに、緑白がカウンターギミックを支援しているので利用できる幅はかなり広い。入れ替わりで秋に落ちる「神々の思し召し」とは役割が微妙に違うので完璧な代用とはいかないかもしれないが、候補たりうる1枚だろう。
 
強風の襲撃者 Gale Swooper (3)(W) C
クリーチャー・グリフィン
3/2 飛行
〜が戦場に出た時、対象のクリーチャーはターン終了時まで飛行を得る。
 「突撃するグリフィン」に能力を上乗せした完全上位互換クリーチャー。4マナパワー3のフライヤーという攻め手に加えて、登場時にさらにダメージを稼ぐ有用な飛行支援。コモンにしては出来過ぎの理想的なパッケージである。今回はこうして「既存のベースクリーチャーに能力ちょい足し」みたいなデザインが多く、いやでもクリーチャースペックの向上が見えるようになっている。これが「インフレ」でなければいいのだが……まぁ、今更かぁ。
 
軍団の裁き/Legion’s Judgement(XLN)」 C
 イクサランでもそこそこ使われた白のデカブツ対策。最近はこの手の効果が必ずコモンに1枚くらいは入るようになっており、それに呼応するようにして緑を中心に「パワー4以上」のギミックが盛り込まれているのは分かり易すぎるマッチポンプ。サイドボードスタートでもいいとは思うが、リミテッドならあんまり無駄になる心配もないかな。
 
間に合わせの大隊/Makeshift Battalion(WAR)」 C
 灯争大戦からやってきた「ボロス頑張れ」を掲げる大隊クリーチャー。1ターン目に出せる1マナクリーチャーがいれば、2ターン目に3/1ユニコーン、3ターン目にこれで怒涛の攻めを継続することが可能。その爆発力はすでに灯争大戦のリミテッドでも証明済みだ。ちなみに今回珍しく、白には「鼓舞する突撃」系の全軍増強インスタントが用意されていない(全軍にカウンターを置く呪文ならアンコモンにある)。横並べで押し込むには赤の「燃えさかる炎」が必要になるのでボロス確定。まぁ、狙うなら迷わずにすむだろうが。
 
現場保存 Secure the Scene (4)(W) C
ソーサリー
対象の土地でないパーマネントを追放する。そのコントローラーは1/1で白の兵士・クリーチャー・トークンを1体生成する。
 アンコモンの「天使への昇天」に続き、コモンにも「除去として優秀だけど相手にボーナス」系のカードが。ただ、こいつは随分趣が違い、除去としての優秀さに対して相手へのお詫びが本当にどうでもいい。まぁ、5マナソーサリーなんだからこれくらいのバランスでもいいのだろうが、そんな微妙な誠意なら見せない方がマシなんじゃないか説。「天使の布告」と比べると、コストそのままでアーティファクトやPWに対応できるようになったのは純粋に強化であろう。これさえあれば大体の局面はなんとかなるわ。それにしても、現場の保存の仕方がめっちゃ雑
 

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骨穴の粗暴者 Bone Pit Brute (4)(R)(R) C
クリーチャー・サイクロプス
4/5 威迫
〜が戦場に出た時、対象のクリーチャーはターン終了時まで+4/+0の修正を受ける。
 なかなか良いフレーバー。日本語だと「クラブへようこそ」だけなのでわかりにくいが、英語のClubはいわゆる部活動とか社交場の意味の「クラブ」以外に、「棍棒」の意があり、このサイクロプスさんが棍棒を振り回してぶん殴ってくることを歓迎の言葉で伝えているわけである。さておき、今回の赤コモンのヘビー枠がジャイアントじゃなくてサイクロプス。まぁ、そこに大した差はなく、赤らしく威迫を持ち、そこそこのサイズのファッティというだけである。現在の基準でいうと、6マナ4/5は威迫持ちとはいえちょいと物足りないサイズなのだが、そこは当然、187能力がごっついから。突如降って湧く+4は人が死ぬのに充分な修正値。適当に通るクリーチャーが確保できていればこのクリーチャーは場に出た時に4ダメージを叩き込む能力者ということになるのだ。他にも一応獰猛条件のサポートが確実にこなせるなんて利点もあるが、まぁ、こいつ自身が4あるからそこはあんまり意味ないかな。何枚も入るカードじゃないのでたくさんパックから出るとげんなりしてしまうが、1枚くらいなら入れてもいい、真っ当な部活動である。
 
燃えさかる炎/Burn Bright(RNA)」 C
 「ラヴニカの献身」ではラクドスが速度をあげるためにたまに採用されていた増強呪文。一応「ラッパの一吹き」の強化版で、コストと効果が見合っているので使いやすい。今回はボロスが露骨な横並べを推奨しており、なおかつ白にはこうした全体増強呪文が用意されていないため、これまでよりも明確なニーズがあるんじゃないかと期待される。グルールで使えば獰猛の支援にもなるため案外受けの広いカードなのかも。
 
突破/Crash Through(M19)」 C
 こちらは2度目の再録で、割とすんなり赤の定番っぽくなってる感がある。トランプルと書かれているのでアグロ向けのカードと思いきや、基本的には軽いソーサリーでとにかく呪文を唱えたいというイゼット向け。「破滅の刻」の環境下では果敢デッキの貴重な燃料として、1マナソーサリーとは思えない人気を博した。今回も狙ったように果敢クリーチャーが用意されているので、イゼットスペルならある程度早めのピックを心がけてもよいのではなかろうか。
 
破壊的細工/Destructive Tampering(AER)」 C
 アーティファクト華やかなりしカラデシュで生まれたアーティファクト対策カード。次元の都合上、あんまりアーティファクト破壊として万能すぎると困るし、かといって弱すぎても使ってもらえないし、ってんで悩んだ末に生み出された「他の効果でも使えるパッケージ」である。アーティファクト破壊単体で見ればしょうもないのだが、幸か不幸か、今回の環境ではメインからアーティファクト破壊が求められることはほとんどなく、むしろ2つ目の効果のほうで積極的に使うチャンスがあるデッキで出番があるかもしれない。突然のブロック不可は、速い赤白系はもちろんだが、重量級のグルールでも決め技として機能させやすい。
 
噛み傷への興奮/Furor of the Bitten(ISD)」 C
 今になってみるとこれも変な日本語かもしれん。フレーバーを読む限りでは「俺、狼男に噛まれちゃったから狼男になっちゃうぅ!」とトチ狂ってる様子なので別に間違いじゃないとは思うのだが、the bittenなら単に「噛まれた人間」という解釈で「噛まれたものの狂乱」みたいな訳の方がいい気がする。まぁ、とにかくそうしてお手軽にテンション爆アゲしちゃった人はステータスが上がるというオーラ。1マナと軽い割には結構な影響力があり、テーロス環境における「さし迫った破滅」のように、かき集めておくと強襲型のビートが成立しちゃうかも。
 
ゴブリンの魔術 Goblin Wizardry (3)(R) C
インスタント
1/1で果敢を持つ、赤のゴブリン・ウィザード・クリーチャー・トークンを2体生成する。
 新たな方向から様々なデッキタイプを支援する、隠れた注目カード。ゴブリンを並べるというだけなら「クレンコの命令」なので2マナソーサリー程度の効果だが、こちらのカードは「インスタントである」「トークンが果敢を持つ」と2段階のパワーアップが施されているので4マナも納得だ。リミテッドでの「太陽の神のお告げ」の活躍を考えれば、インスタントトークン2体はそれだけでバカにならない。そして、この呪文がインスタントであることと、ゴブリンが果敢を持つことは自然なシナジーを誘導している。つまりイゼットスペルのデザインにしておけば、インスタントの数を維持したままでクリーチャーの頭数が確保できるようになり、さらなるインスタントで2体の果敢クリーチャーが同時にサポート可能。次のターンに軽めのインスタント2つで支援できれば、それだけで3/3クリーチャー2体が殴りに行ける。4マナの呪文としては破格の性能だ。まぁ、全ては「うまくいけば」の話だが、それだけの可能性を秘めた1枚だとみても的外れではない気がするんだ。しかし、本当にこいつら魔術師なのかな……。
 

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九つの命 Nine Lives (1)(W)(W) R
エンチャント
呪禁
いずれかの発生源があなたにダメージを与えるなら、それを軽減し、〜の上に具現カウンターを1つ置く。
〜の上に具現カウンターが9個以上置かれた時、〜を追放する。
〜が戦場を離れたとき、あなたはゲームに敗北する。
 にゃーーーーーん。無茶しやがって……な構図の猫が目印の不穏なチャレンジングエンチャント。これ、この猫ちゃんにレオニンどもの生命が8個宿ってるってことなのだろうか。まぁ、「猫は9つの命を持つ」という伝承って謂れがよくわかっていないらしいので、次元を跨いだ輪廻転生物語だと解釈しても良いのかもしれない。右下のやつなんかは明らかにミラディンレオニンなんだけども。さておき、そうして9個の命を授かった猫のトップダウンデザインで、「9回までなら殴られても平気」というバーサーカーみたいなデザインになった。これが日本文化なら「100万回殴られた猫」になるのに(もしくは100日後に死ぬネコかもしれん)。「九個の発生源からのダメージを被る」ということは、本来ならば最低9ライフは失うということになる。発生源からのダメージ量は確実に1点以上なわけで、その量を気にせず全てひっくるめて「1回」とカウントできるのだから、このエンチャントを張った時点でライフが9点の状態よりも生存力は確実に高い。つまり、そうしてライフが追い詰められた状態で展開すれば、額面以上にしぶとい耐久力が得られるということ。そう考えると、なんだか危険なようにも見えるが、案外手堅いカードではある。唯一の懸念は、そうして地道なダメージ以外の方法でこのエンチャントを破壊したり戻したりする方法がある場合。エンチャントを含む全体除去ってのはそう多くはないが、現在なら「スナップダックスの神話(色マナ支払いver)」なんかは危険だろうし、そこまで使われていないが「次元の浄化」「涙の氾濫」なども一撃死のトリガーである。構築クラスで現実的な天敵としては「予言された壊滅」なんてものも。そうしたカードとぶつかってしまうリスクはあるが、相手のデッキが特大火力などの一撃の重さで勝負するデッキだった場合の耐久力は魅力。ちなみに「物語の終わり」みたいなカードで場を離れたときの誘発能力を打ち消してしまうという裏技もあったりする。そしてもう、猫は生まれ変わることはありませんでした(終わり)。
 
穏やかな光の聖域 Sanctum of Tranquil Light (W) 
伝説のエンチャント・祭殿
(5)(W):対象のクリーチャーをタップする。この能力を起動するコストは、あなたがコントロールする祭殿1つにつき(1)少なくなる。
 本殿!!!!!!!! どこまでおじさんプレイヤーの懐古心を刺激するのだ! なんと「神河物語」で登場し、それから20年近くもの間一切新作が作られなかった特殊タイプ「祭殿」に、この度一気に新作が6枚も登場したのである。ちなみにサブタイプはあくまで「祭殿」であって、神河で登場したサイクルのカード名が「本殿/Honden」だっただけなので、今回は全て「聖域/Sanctum」というカード名になっているのはちょい残念要素だ。一応、フレーバーとしては神河の施設だと思うのだけど。まぁ、とにかく新たな祭殿カードが登場し、かつての神河本殿の力も増強されたことになる。何度か書いたことがあるかもしれないが、私は昔々、一応構築戦で大会に出ていた時期もあり、最も良い成績をおさめたのが、何を隠そう、神河ブロック構築の時に使用した「不朽の理想」を軸とした本殿デッキだったのである(まぁ、それでも「あと1勝で決勝卓」どまりだけども……)。そんな思い出の本殿の新作は、なるほど今回だって夢を見させてくれる存在に違いない。並べれば並べた分だけ効果が増強されるサイクルなわけだが、白は先輩の「浄火の本殿」からは想像できなかった、タッパーという斜め上の役職。単体ではタップに5マナもかかるお荷物でしかないが、仮にこれも含めて祭殿3枚が並べば起動コストは3マナ。それなりに現実的な数字だ。何より、このカード自体が1マナと軽いため、他の祭殿の為の下準備に適している。サイクル中でも最も「数を並べる前提」が強いカード。その分、ピック中は割と遅めまで流れてくることが期待できるが……やめろよ、こういう破滅フラグで楽しそうなカードをパックに紛れ込ませるのは!(スリヴァーの時と同じで、絶対俺はやりたくてしょうがなくなるんだよ) 余談だが、今回の祭殿サイクルの日本語版は、フレーバーが全て575でまとめられている。書式からして英語版もおそらくそうした韻文なのだろうと思われるが、多分神河っぽさの演出なんだろう。なんとも典雅なものである。
 
トレイリアの大魔導士、バリン Barrin, Tolarian Archmage (1)(U)(U) R
伝説のクリーチャー・人間、ウィザード
2/2
〜が戦場に出た時、最大1体までの対象の、他のクリーチャーかPWをそのオーナーの手札に戻す。
あなたの終了ステップの開始時に、このターンにパーマネントが戦場からあなたの手札に置かれていたなら、カードを1枚引く。
 なんとまぁ、バリンさんも改めてカード化されるのか。他の有名人カードと違って、流石にバリンについては当時の物語でも活躍(?)していたのでなんとなくは知っている。まぁ、最終的には「抹消」で全てを消しとばしたジジイ、っていうイメージしかないのだけども……。さておき、バリンの特徴は初代のカードの時からバウンスを得意とするウィザードという部分。「バリンのやり戻し」なんて微妙なバウンスもあったりするが、今回はちゃんと平均値以上のバウンス性能を持って登場した。基本デザインは「霊気の達人」だが、レアで伝説なのでPWも戻せるように調整されている。そして注目はその下に書かれた珍妙なサポート。「自軍パーマネントを戻せば1ドロー」である。なかなか意識しなければ「自軍パーマネントを戻す」というアクションを積極的に取り入れることは難しいが、それだけに世間からの警戒も薄い。今回注目なのは、「尊敬される語り部、ニアンビ」との謎のレジェンドシナジーだろうか。まぁ、何を戻したいかはいろいろ考える必要はあるけども、ニアンビはインスタントで出せるので、例えば「ウーロのサクる能力スタックで戻す」なんてことをやると、(5マナかかるけど)いろんなリソースががっぽがっぽで面白い。また、秋までの期間は「聖域の門」との共闘も可能なので、何か変なシナジーが組めるかもしれない。まぁ、リミテッドだと普通にバウンス。
 

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天界の処罰者 Celestial Enforcer (2)(W) C
クリーチャー・人間、クレリック
2/3
(1)(W)(T):対象のクリーチャーをタップする。この能力は、あなたが飛行を持つクリーチャーをコントロールしている時にのみ起動できる。
 なんか変な方向に気を使ってるタッパー。起動コストはイコリアで活躍する「検問官」と同じ。1マナ重くなってステータスが+1/+1されており、「タッパーなんて別にステータスどうでもよくない?」という評価を考えれば、むしろ「検問官」の方が強い可能性が高い。しかし、その上でさらにタップのための条件が必要という制約があるため、全体的には弱体化していると見た方がいいだろう。まぁ、タッパーなんてリミテッドでは何しても強いのだから、多少制限強めでも構わないとは思うけども。一応、空から殴って地上は固めるっていう戦術は一貫しているのでデッキインを躊躇う必要はなさそうだ。
 
果敢な一撃/Defiant Strike(WAR) C
 お手軽スペル&お手軽ドロー。先制攻撃もつかないのでこれで戦闘結果がひっくり返ることはほとんどないが、うまく相打ちまで持っていければ儲けもの。果敢と合わせればそれなりのトリックになるのだが、今回白はあんまり果敢と噛んでいないのでそういう用法はちょい厳しいか。緑か青と組んだときに「ドロー時誘発」を加速させるのに使おう。
 
(鷹匠の達人)Falconer Adept (3)(W) U
クリーチャー・人間、兵士
2/3
〜が攻撃するたび、1/1で飛行を持つ、白の鳥・クリーチャー・トークンを1体、タップした攻撃状態で生成する。
 描かれているのはタルキール、アブザンの鷹匠。こういう役職はアブザンがなくなってドロモカになってもちゃんと活動できてるのだろうか。とりあえず、攻撃したときに仲間の鳥さんが駆けつけてくれるという鳥の愛情を一心に感じられる1枚。ただ、4マナ2/3だと高確率でこいつ自身は討ち死にするし、下手したら一緒に殴ってる鳥も討ち死にする。殴って得するタイミング、実はあんまりないんじゃないか説。一番確実なのは、こいつ自身に飛行などの回避能力を与えるパターンだろう。相手の空が手薄なら、そこから毎ターン群れをなして襲いかかる鳥葬モードに入ることが可能だ。最悪でも全軍増強などを握って「数が増える」ことに意味を持たせてから殴りに行きたい。
 
栄光の頌歌/Glorious Anthem(10E)」 R
 「十字軍」が永久に存在をbanされたのに、自軍だけ増強のこっちは再録されるっていう。こっちの方がよっぽどわがままなカードなのにな! 実はかなり久しぶりの再録。ウィニー構成で押し込めるデッキが組めるなら、常に投入は検討されるべきカードだし、現在はそこまでライバルとなる同型カードがないので活躍のチャンスではある。ところで、このイラストの天使は誰だろう。この特徴的な多重羽はイオナさんっぽいか(単にゼンディカー天使っていうだけかもしれないけど)。
 
(グリフィンの高巣)Griffin Aerie (1)(W) U
エンチャント
あなたの終了ステップの開始時に、あなたがこのターン3点以上のライフを得ていたなら、2/2で飛行を持つ、白のグリフィン・クリーチャー・トークンを1体生成する。
 ライフゲインギミックを支援する全自動グリフィン発生装置。「毎ターン3点はそこそこ厳しい条件かなぁ」と思うと敬遠してしまいそうなカードだが、そもそも2/2フライヤー1体で充分2マナの価値があるわけで、恒常的な生産はそこまで無理して狙う必要はない。極端な話、適当にライフゲインできたターンに出してエンドに1体トークンが出るだけでも2マナのカードとしては充分なのだ。そして当然、これを使うからには2体3体とグリフィン増産体制に入るのは待った無しだし、このカードが2枚とか出せちゃうとグリフィン祭り状態。リミテッドのデッキタイプを強く示唆するキーカードになりうる1枚だし、白単ライフは構築でも見かけるデッキなので、うまくいけばどこかにハマるパーツになるかも。
 
Speaker of the Heavens (W) R
クリーチャー・人間、クレリック
1/1 警戒 絆魂
(T):4/4で飛行を持つ、白の天使・クリーチャー・トークンを1体生成する。この能力は、あなたのライフが初期ライフよりも7点以上多く、あなたがソーサリー呪文を唱えられるときにのみ起動できる。
 どっかで「北の将軍様」って言われてたけど、確かに似てるかも……。幸い、こちらが打ち込むのはミサイルではなくて天使トークンである。いや、大量破壊兵器には違いないけど。ギミックとしてはこちらもライフゲイン応援団だが、ゲインするたびではなく、まとめてゲインして閾値を超えたら爆発する「セラの高位僧」タイプ。7点という設定がなかなか絶妙で、自身の絆魂で1回殴れば、あとは3ライフゲイン×2で条件クリア。リミテッドでもそれなりに現実味のある数字じゃなかろうか。そして一度ノルマをクリアすれば、あとは毎ターン天使トークンが出せるわけで、相手もこのライフ条件を打ち破るのがかなり困難になる。そう考えると、勝ってるときに超勝てるカードではあるが、中盤以降に窮している状態で引いたら単なる小太りで終わってしまう。まぁ、1マナクリーチャーなんだからしょうがないのだろうけど。
 
鍛え抜かれた古参兵 Tempered Veteran (1)(W) U
クリーチャー・人間、騎士
1/2
(W)(T):対象の、+1/+1カウンターが置かれたクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
(4)(W)(W)(T):対象のクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
 クセの強い指導教官。事前に訓練を受けている経験者大歓迎。その場合にはなんとわずか1マナでカウンター1つという大盤振る舞い。なるほど年の功は尋常では無いことがわかる。ただし、経験者がいない新卒ばっかりの現場では途端にその指導力が鈍ってしまう。ある程度慣れてる人間に現場でノウハウを教えるのは慣れているが、ズブの素人に丁寧に導入をするのが苦手という、割と古いタイプの力で教える指導者なのであろう。まぁ、時間をかければ新人さんでもものにはなるが、出来ればある程度即戦力が揃っている現場に登用したいところ。今回は「灯争大戦」同様に白緑にカウンター関係のギミックが集中しているので、そうした恵まれた仕事場を提供して存分に老害、違う、老獪ムーブを見せてもらおう。
 
Discountinuity (3)(U)(U)(U) M
インスタント
あなたのターンである限り、この呪文を唱えるためのコストは(2)(U)(U)少なくなる。
ターンを終了する。
 今回のセットはテフェリーが主役なので「時間」に関するカードがちょいちょい入っていて、当然こんなカードだって新たに生み出される。なんと「時間停止」の(ほぼ)上位互換である。実にややこしいルールを持っているカードだが、基本的な使い方は「追加ターンorカウンター」である。ほとんどの場合は相手ターンに使い、アップキープに打てば相手はドローすらできず、アンタップのみでターンを終える。追加ターンよりもちょっとだけ弱いが、そこはしょうがない。もしくは相手のメインフェイズまで待って、何か呪文を唱えたところで使えば、カウンターしつつターンが終わる。これならカードアドバンテージの部分でも安心である。「時間停止」は自ターンに使うことは稀だったが、一応、相手の除去などを打ち消す目的で使うことはできる。そして、今回の呪文はそうした「自ターンに使うカウンター」パターンの時に2マナという圧倒的な軽さで使えるようにパワーアップしたのである。さて、どんな使われ方になるだろうか。
 
心酔させる掌握 Enthralling Hold (3)(U)(U) U
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
この呪文を唱えるに際し、〜はアンタップ状態のクリーチャーを対象に取れない。
あなたはエンチャントされたクリーチャーのコントロールを得る。
 毎度おなじみパクり呪文が、今回はオーラ。そして「タップ状態のクリーチャーしか盗めない」という余計な制約がかかってしまった。元になっているのはもう20年近くも前に作られた「夢のつなぎ紐」というオーラで、制限はこれと全く同じ。ただ、あちらはレアだったのであらゆるパーマネントを対象に取ることができたが、今回はアンコモンなのでクリーチャー限定である。パクり呪文はどんな形でも強いのでこれくらいの制限は大した問題ではないが、警戒持ちなどの「絶対に張れない」連中もたまにいるのがちょっと怖い。まぁ、リミテッドなら全く問題にはならないだろう。ちなみに、あくまでも唱える時の制限なので、キャスト後に対象がアンタップしても何の問題もない。
 
Library Larcenist (2)(U) C
クリーチャー・マーフォーク、ならず者
1/2
〜が攻撃するたび、カードを1枚引く。
 今回青が押すドローギミックのサポーター。カードが引けるカードはおしなべて強いはずだが、このステータスでは3マナで出して、生き残って、1回殴って、死亡して終わりというのがほとんど。キャントリップ呪文だと考えてもそこまで効率はよくない。とはいえ、これと似た設定の「大胆な盗人」は「ちょっとでも隙があればそこからアドを繋いでいく」という役割で見事にリミテッドで存在感を見せつけたし、「結局カード引ければなんだって強い」を証明してみせた。こちらのクリーチャーはパワーが低下してますます戦闘での活躍が望めなくなったが、その分青という色を考えれば飛ばしたりなんだりで活用する手段も多く用意されているだろう。新たな時代の「巻物泥棒」として活躍できるかどうか。
 
唱え損ね Miscast (U) U
インスタント
対象のインスタントかソーサリー呪文を、そのコントローラーが(3)を支払わない限り打ち消す。
 カード名はMagic世界的には「唱える/cast」のミスなわけだが、普通の英語ならミスキャストは「配役の間違い」という意味であり、描かれたシーンもトレイリアアカデミーの先生であるバリンさんが「身の丈にあった挑戦をしなさいよ」と、学生の「役者不足」をたしなめるコメントを残しているのが面白い。さておき、対象を絞ってコスト軽減を図るタイプのカウンター呪文。インスタントだけを1マナで打ち消せるのが「払拭」、そしてソーサリーだけを1マナで打ち消せるのが「被覆」だ。その2つを合体させてコストを維持するため、一応「マナ漏出」系の条件がつけられたわけだ。わずか1マナから3マナを要求できるなら文句なしで強力。全体除去や火力など、多くの呪文をこれで弾くことができると考えれば、環境次第ではメインから投入する勝負に出てもいいだろう。ただ、現在はコントロール系のデッキでもエンチャントやPWを介したビッグアクションが多く、この呪文ではすり抜けてしまう可能性が割と高い。こうした選択肢の中から、メタを読み切ってどの対策法を搭載するかを考えるのがコントロールの醍醐味だ。
 
Rousing Read (2)(U) C
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
〜が戦場に出たとき、カード2枚引き、その後手札を1枚捨てる。
エンチャントされたクリーチャーは+1/+1の修正を受けるとともに飛行を持つ。
 盤面に影響も与えたい、けどカードも引きたい、という贅沢なお悩みに応えたオーラ。元になっているのは「空想の飛行」だろうか。1マナ軽くなり、単に2枚引くわけじゃないのでアドは少なくなったが、その分オーラとしての性能は上がっている。そして何より、3マナで2ドローできているのはまぎれもない事実なので、今回シミックで推している「ドローするたび」能力の誘発カードとしてはかなり優秀。上述のドローマーフォークと組み合わせれば、飛ばして殴りやすくした上でこれ自体もカードを引きまくれるので脳内麻薬は存分に生成されるはずだ。コモンオーラとしてはかなり良いレベルまで仕上がっていると思うが、あとはオーラであるという弱点をどれだけ許容できるか。クリーチャーの数は必要だろうし、まさにリミテッド向けの注目カードだ。
 
トレイリアのクラーケン Tolarian Kraken (4)(U)(U) U
クリーチャー・クラーケン
4/6
あなたがカードを1枚引くたび、(1)を支払っても良い。そうしたなら、対象のクリーチャーをタップまたはアンタップする。
 イラストを見る限りではとんでもないでかさに見えるのだが、これで4/6なのかよ(トレイリアのアカデミー、大丈夫だろうか)。クジラやサメに加えてクラーケンも参戦を表明。本当に今回は海産物が賑々しいセットになっているが、クラーケンの持ち味はサメなどと違い文字通りの「絡め手」勝負。カードを引くたびに起動するタップ能力は、最低でも毎ターンのドローフェイズで1体タップできることを意味するわけで、その時点でフィニッシャーの資格は充分だろう。性質上、相手の攻撃に合わせてアタッカーを封じる使い方はやりにくいので、出来れば自分の攻撃前に一気にドローしてラストアタックを迎えてしまいたいところ。これさえいればルーターが事実上のタッパーになるなど、シナジーも色々と考えられる。やっぱり、トレイリア界隈の生き物は伊達ではないな。
 
非実体化/Unsubstantiate(EMN)」 U
 2マナで打てるバウンスとしてみれば平均値、そしてカウンターとしてみるとアドロスがあるのでややマイナス。個々の効果でみれば決して性能の良い呪文ではないのだが、やはり一時的とはいえカウンターとバウンスの両方の役割を2マナでこなせるのは便利。青のデッキを組もうとすると、必ず一度は俎上にのるカードだ。あとはピンポイントでこの仕事が求められるかどうか、環境にある同型呪文と比べてどうか。異界月当時はそこまでニーズはなかったが、今回は果たしてどうなるか。ちなみにイラストもフレーバーも当時のままで再録されているため、まだリリアナとジェイスが普通に仲良くしてるのがちょっと悲しい。
 
(悪魔の抱擁)Demonic Embrace (1)(B)(B) R
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは+3/+1の修正を受けるとともに飛行を持ち、本来のタイプに加えてデーモンでもある。
あなたは他のコストに加えて3点のライフを支払い、手札を1枚捨てることで、〜をあなたの墓地から唱えても良い。
 お手軽に悪魔と契約! 3マナでパワーが3上がり飛行までつくオーラというのはかなり強烈で、2ターン目に2/2程度のクリーチャーを出しておくだけでもすぐにゲームが決まりかねない危険性を持つ。っていうかリミテッドだとマジでそれで良さそう。さらに、もしその2/2が除去されたとしてもお手軽におかわりできる悪魔的大サービス。なんや親切すぎか。一応アドが取れないようにはデザインされているものの、ダイレクトに盤面に影響を与えるカードが事実上使い放題ってのはやっぱり怖いんじゃなかろうか。地味に星座能力との相性もいいので、テーロスのカード群と組み合わせて一花咲かせられないもんかね。
 
強迫/Duress(M20)」 C
 毎度おなじみ。やっぱり基本セットにはこれですよね。エルフさんのすげぇ嫌そうな顔もすっかりおなじみだなぁ。ちなみに再録のたびにちょいちょいフレーバーが変わったりはしていたのだが、今回はM20と完全に同じである。
 
Finishing Blow (4)(B) C
インスンタント
対象のクリーチャーかPWを破壊する。
 このセットの基本除去。しかし基本という割には新しい分野に踏み込んでおり、ついにPW対策がコモンまで降りてきたのである。PWを対象にとれる黒除去はこれまでその全てがアンコモン以上であり、赤の火力との差別化が一応は保たれていたのだが、ついにこの効果にもメスが入れられ、めでたくコモン除去でも対応可能になったのである。そりゃ「英雄の破滅」と比べたらたいそう重いが、レアリティの差を考えればリーズナブルなくらいだ。まぁ、使用機会の9割はクリーチャー除去だろうが、一応基本セットのリミテッドはPWが6種類もいるので、ラッキーパンチはそれなりに起こりうるよ。
 

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高山の番犬 Alpine Watchdog (1)(W) C
クリーチャー・犬
2/2 警戒
 とても、普通の、犬。もふもふしてて可愛いし、名前やフレーバーからしていわゆる高山救助のためのセントバーナードとかサモエドとかいうやつ。見た感じはセントバーナードかな。もふもふしてて大変可愛いのだが、実物に会うと思ったよりでかくてびびったりもする。そんな人の役に立つわんこは警戒を持ったごくごく普通の犬であり、リミテッドでも「まぁ、2マナ域が足りないなら」くらいのクリーチャーではあるのだが、今回は犬好きを応援するギミックが搭載されている。それが多色アンコモンに収録された「高山の犬使い」の存在。イラストを見てもわかる通りに、なんと飼い主の方にわんこ招集能力がついているのである。これと赤の「炎血の野犬」を入れておくと、飼い主を出した時に手札に加えることができる。まぁ、大したクリーチャーではないが、間違いなくアドバンテージになるのだ。先に犬を引いちゃうと手札で得できないことを考えると、できればこの犬は2枚以上採用しておきたいところだが、問題はそんなに大量の2マナ2/2が必要かってこと。まぁ、犬好きならマストで狙わなきゃね?
 
Idol of Endurance (2)(W) R
アーティファクト
〜が戦場に出た時、あなたの墓地にある、点数で見たマナコストが3以下のクリーチャー・カードを全て〜が戦場を離れるまで追放する。
(1)(W)(T):ターン終了時まで、あなたは〜によって追放されたカードの中からクリーチャー呪文1つを、マナコストを支払うことなく唱えて良い。
 なんだかよく分からない有色アーティファクト。書いてあることはかなりすごい。何しろ墓地にある3マナ以下のクリーチャー呪文が全部戻ってくるのだから。もちろん無条件でそうなるわけではなく、1ターンに1枚ずつ、起動に2マナがかかるわけだが、それでも手札以外の場所からリソースが展開できるのは紛れもない事実だし、3マナのクリーチャーを唱えればマナの面でも得が出る。考えてみれば「1ターンに1枚ずつ、低コストの呪文を唱え直せる」のだから一世風靡ルールスに近い能力のカードである。ルールスと違うのは、戦場に出た時点でストックが決まるので、何度も同じカードを使いまわしたりはできないという部分。そのため事前に墓地を思い切り肥やしておくなどの工夫が必要だし、柔軟性には欠ける。見ている方向性は明確なカードなので、何か悪いことを考えるデッキは組めそうな気がする。いっそのことアーティファクトであることを利用して「湖に潜む者、エムリー」と合わせれば、アーティファクトクリーチャーをぐるぐるして何か楽しいことができそうではないか。
 
約束の光 Light of Promise (2)(W) U
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは、「あなたがライフを得るたび、このクリーチャーの上に、その点数に等しい数の+1/+1カウンターを置く」を持つ。
 ライフゲインギミックを露骨に下世話にダイレクトに応援する節操のないオーラ。「アジャニの群れ仲間」と違って、得られるカウンターはゲインライフの数に等しい「老いざる精体」仕様。つまり「活力回復」でも+3。ゲームはすぐに異次元へ。絆魂持ちに張ってやれば自給自足の終わりなき成長物語へ。単体では何もやらないオーラなので中盤のピックでは興味のないプレイヤーからスルーされる可能性が高く、危険性の割に安くピックできそうなのも魅力と言えるかもしれない。さぁ、あとは一直線。一応、意外なところからバリスタコンビのサポートが可能なカードが出てきたわけだが(絆魂は別途ご用意ください)……まぁ、所詮オーラだしね……。
 
Rambunctious Mutt (3)(W)(W) C
クリーチャー・犬
3/4
〜が戦場に出た時、対象の、対戦相手のコントロールするアーティファクトかエンチャントを破壊する。
 最高のバカ犬。もう、初見で一目惚れしてしまった。超可愛い。犬ってネコに比べてお利口さんなイメージがあるのだけど、こういうどうしようもないところも可愛いのよねぇ。まぁ、3/4で暴れんじゃねぇよ、とは思うけども。ゲーム内では飼い主に一切迷惑をかけず、相手の置物だけを叩き割る「実はそういう風に調教されてんじゃねぇか」疑惑のムーブを見せてくれる。デザインに目新しさはないのだが、この手の対策クリーチャーって大体3マナとかなので、ある程度の肉として運用できた上で場に出た時にアドが取れるデザインは珍しいかも。あとは「相手が対象を出してないけど、とりあえず肉が欲しい」っていうときに出しちゃう欲求に抗えるかどうかなんだよなぁ。ベスト飼い主は「魅力的な王子」で決まりでしょうね。魅力的なバカ犬だぁ。
 
Selfless Savior (W) U
クリーチャー・犬
1/1
〜を生贄に捧げる:対象の他のクリーチャーは、ターン終了時まで破壊不能を得る。
 甲斐甲斐しくて涙が出る犬。同様のカードには直近でも「毅然たる番犬」がおり、わんこは常に他者のためにその身を捧げてくれるのだと涙が止まらない。「毅然たる番犬」と比べると素のステータスが低下してしまったが、その分起動にマナが必要なくなったのは大きなプラス。どうせこの手のカードに戦力としての期待はそこまでかけていないのだし、小回りの効く機動性を優先したデザインの方がうまく回せるだろう。「ちくしょう! 犬がいるからあの人間が殺せない! とりあえず犬だけでも死ね!」って除去を打ってきた相手を「一心同体」で弾いたりするとすごく気持ちが良さそうだけど、なんでそんなことしたいかはよく分からない。ちなみに最大の難点は、こちらは微妙に可愛くないイラストになっているということである。いや、このアホっぽさはむしろチャームポイントなのか?……その兜いるぅ?
 
Valorous Steed (4)(W) C
クリーチャー・ユニコーン
3/3 警戒
〜が戦場に出た時、2/2で警戒を持つ、白の騎士・クリーチャー・トークンを1体生成する。
 「独りぼっちのユニコーン」が本当に独りぼっちだったことを証明してしまうクリーチャー。あちらは別呪文として出来事を使わないと騎士が出てこなかったのに、こちらは自動で乗り手が付いてくる。マナ効率では圧倒的にこちらの方が良い。ただ、だからと言ってこっちが完全に優れているというわけでもなく、3マナアクションとして使えたぼっちの方が初動が早くて選択肢が多かったのは事実である。まぁ、この世界には出来事ボーナスなんてものはないので、やっぱり一括払いできた方がお得だとは思うけど。5マナで5/5相当というのは間違いなくお買い得。横並べ戦術の後押しとして。
 
ヴリンの翼馬/Vryn Wingmare(ORI)」 U
 「マジック・オリジン」でレアとして登場した厄介なペガサスが、何故かアンコモンに降格して登場。「スレイベンの守護者、サリア」と同様、書いてあることはかなりの問題児なのだが、当時の環境でもそこまで活躍しなかったため、大したやつではないと判断されたのだろう。確かに戦力としては最低限なので、刺さる相手以外には確かにどうでもいい馬なのだが。リミテッドで果敢デッキをやろうとしている人間にそっと出してやるとブチギレられる模様。まぁ、多分すぐに除去が飛んでくるよ。
 
Frantic Inventory (1)(U) C
インスタント
カードを1枚引き、その後、あなたの墓地にある〜という名前のカードの枚数に等しい数のカードを引く。
 過去の名作「蓄積した知識」の後継となるカード。「蓄積した知識」はその圧倒的ドロー枚数で人気を博したカードだが、相手墓地もカウントするというギミックのために同型対戦で運ゲー要素を強めてしまうのが問題で、のちに自分の墓地だけをカウントするソーサリーの「棚卸し」としてリメイクされた(ちなみに今回のカード名は「棚卸し/Take Inventory」に合わせてある)。結局そちらは弱体化が激しすぎてあまり人気がなくなってしまったため、今回は改めてインスタントに戻しての挑戦だ。素体の強いカードなのは間違い無いので、スペルカウントが重要なイゼット系やシミックフラッシュ系、それに純正のコントロールデッキなんかで声がかかるかもしれない。不安をあげるとするなら、「エルズペス、死に打ち勝つ」なんかの関係で最近はちょいちょい墓地対策も積まれているので、そのとばっちりを受けると効率が大幅に低下することだろう。いっそ自分でガリガリライブラリを削るデッキのエンジンに良いかもしれない。
 
Lofty Denial (1)(U) C
インスタント
対象の呪文を、そのコントローラーが(1)を支払わない限り打ち消す。あなたが飛行を持つクリーチャーをコントロールしているなら、代わりにそのコントローラーが(4)を支払わない限り、その呪文を打ち消す。
 「疾風」に続いて、青が飛行クリーチャーを応援する1枚。今回も青白は飛行ビートがアーキタイプになるってことなんだろうか。元になっているのは1マナで1マナ要求する「魔力の乱れ」、2マナで2マナ要求する「火消し」、そして3マナで4マナ要求する「巻き込み」ということになるだろうか。見ての通り、条件を満たさないと効率が悪く、条件を満たせば平均以上という割り振りになっている。一応2マナで1マナを要求する「目くらまし」でも普通に使えるのだから悪い呪文でもなさそうだが、よほどフライヤーの布陣に自信があるのでなければ、他のカウンターを押しのけてまで採用する意味はあんまりないだろう。これまで活躍してきた「火消し」が間も無く環境を去るわけだが……ゼンディカーで新しい2マナ枠が来るかどうか。
 
Pursued Whale (5)(U)(U) R
クリーチャー・鯨
8/8
〜が戦場に出た時、各対戦相手は1/1で「このクリーチャーではブロックできない」と「あなたのコントロールするクリーチャーは、可能なら各戦闘で攻撃する」を持つ1/1で赤の海賊・クリーチャー・トークンを1体生成する。
あなたの対戦相手の唱える〜を対象とする呪文のコストは(3)多くなる。
 今回の青、コモンにサメ、アンコにクジラ、そしてレアにもクジラでなかなかのマリンワールド。そしてそんな中でもレア鯨はかなり気合が入ってフレーバー優先の愉快なデザインになっている。素体はなんと8/8のバニラ。除去に対して若干の耐性はあるものの、7マナのファッティを出した時点で、相手のマナ事情だってそこまでタイトではないだろうし、2マナくらいの除去なら割と簡単に殺されてしまうだろう。そこまでして何を表現したかったかというと、男たちのロマン、白鯨である。こいつが登場すると、相手陣営には命知らずの海賊が煽動役として登場、鯨に向かって一直線に駆け出す指揮を取ってくれる。あとは鯨に誘われた愚かな冒険者を返り討ちにするだけ……なんだけど、果たして返り討ちにするだけの陣容が揃ってるかどうかはあんまり鯨の関与するところではない。相手が接死持ちだったりすると鯨自身すら及び腰になったり。まぁ、相手にブロッカーがいなくなるので返しのクジラパンチで勝てるかもしれんけども……このヘンテコギミックに7マナ払う価値があるかどうかを判断するのはあなたです。出てきた海賊を使って「骨の粉砕」みたいなことされたらちょっとやるせない。
 
謎変化/Riddleform(HOU)」 U
 アモンケット生まれのイゼット応援団。これが収録されていた「破滅の刻」はキーワード能力「加虐」の存在もあり、果敢を絡めたイゼットの果敢ビートがやたら強かった環境。青のくせに「呪文織りの永遠衆」のようなビートクリーチャーが活躍している様子はなんとも珍妙であった。そんな環境でのスペル戦術を後押ししていた渋い1枚がこちら。インスタントなんかを攻撃前に使わなきゃいけないのは痛し痒しだが、周りに果敢クリーチャーをはべらせれば気にならない。今後も新たなビートの形を生み出せるだろうか。
 
Stormwing Entity (3)(U)(U) R
クリーチャー・エレメンタル
3/3 飛行 果敢
この呪文を唱えるためのコストは、あなたがこのターンにインスタントかソーサリー呪文を唱えていたなら(2)(U)少なくなる。
〜が戦場に出た時、占術2を行う。
 間接的にイゼット系応援団に所属するいぶし銀のエレメンタル。インスタントかソーサリーをなんでもいいのでそのターンに唱えておけばコストはなんと6割カット。「選択」を呼び水にすれば3ターン目に着地できる戦力としてはかなりの優良株。当然、そうして軽い呪文をたくさん唱えられるように構えておけば、こいつが登場した後の果敢のタネとしても運用できるのでデザインとして一貫している。まぁ、そうして出た時のおまけは占術だけだし、そこまでびっくりするほどの肉でもないのだが……多分、そんだけインスタントやらを連打できるデッキなら「弾けるドレイク」の方がダメージは安定するだろうからなぁ。長所を活かすなら、例えば3ターン目に「ショック」で相手クリーチャーを除去しながら展開、みたいな形でアグロ寄りの構成にするべきんなんかな。
 
(大悪魔の器)Archdemon’s Vessel (B) U
クリーチャー・人間、クレリック
1/1
〜が戦場に出た時、あなたの墓地から出たか、墓地から唱えられていたなら、これを追放する。そうしたなら、5/5で飛行を持つ、黒のデーモン・クリーチャー・トークンを1体生成する
 「器/Vessel」というカード名を見て「ん? また有色アーティファクトかな」と思ったら実際はクリーチャーの名前。まだまだ出てくる異次元の発想。なんと、普通に使うとどこをどうひっくり返しても1/1バニラ。今のご時世、そんなクリーチャーはなかなか印刷されないだろう。1/1を脱却するための方法はただ1つ、文字通りに「地獄を見る」こと、そして地獄から生還すること。一度墓地に行って「何か」を手に入れることで、こいつは現世に戻ったときに脱皮することが可能になるという。うまく超進化を遂げれば1マナ5/5フライヤー。そりゃ何が何でも地獄を体験してもらいたい。現在安価での爆誕を狙うなら、噂の問題児ルールスさんにお願いするのが一番手っ取り早いし、他にも「屍豹」の変容で釣る、「死住まいの呼び声」で戻して「威迫と接死が勿体無いやんけ!」と叫ぶなど。特に「死住まいの呼び声」なら最大3体までのこいつをまとめて釣り上げて特大デーモン祭りが開催される可能性もある。いっそ「死の頂点、ネスロイ」でこいつ4体+「炎の騎兵」とか釣って一発20点(24点)パンチを叩き込むなんてコンボもありかも。手間がかかるだけに、デッキメイク欲を刺激してくれるのは間違いない。
 
闇の掌握/Grasp of Darkness(OGW)」 C
 ミラディン生まれの高性能単体除去が2度目の再録。生まれた時はコモン、再録された際にアンコモンに昇格したが、この度またコモンに戻ってきた。拡張セットでアンコだったのにコモン落ちってどういうことやねん、とは思うが、まぁ、そういうことさ。これで黒の2マナ域は「無情な行動」との2択、いや、今回3マナ以下ならPWも除去れる「Eliminate」も作られたので3択かな。なんとも悩ましい選択肢だ。
 
Conspicuous Snoop (R)(R) R
クリーチャー・ゴブリン、ならず者
2/2
あなたはライブラリのトップを公開したままプレイする。
あなたはライブラリのトップからゴブリン呪文を唱えても良い。
あなたのライブラリのトップがゴブリンカードである限り、〜はそのカードの持つ全ての起動型能力を持つ。
 ゴブリン好きのためのゴブリンなゴブリン。ゴブリン限定での「未来予知」効果は、とにかく数に物を言わせたいデッキタイプにがっちり噛み合っている面白いギミックだ。まぁ、その分性能は2マナ2/2とごく普通だが、後のことは仲間に任せてしまえばいい。現在の環境ではそこまでの爆発力はなさそうだが、下の環境などのゴブリン愛好家たちの手によっていい具合に地雷になってくれることを祈ろう。ただ、あんまり「起動型能力を持つゴブリン」ってイメージできないんだけどね。そうか、「火花鍛治」か。
 
焦熱の解放 Fiery Emancipation (3)(R)(R)(R) M
エンチャント
あなたのコントロールする発生源がパーマネントやプレイヤーにダメージを与えるなら、代わりにそれは3倍のダメージを与える。
 「倍にする」ことが大好きだったマロー。そんな彼が「倍なんてもんじゃなくてもいいんじゃないか?」と気づいて訳のわからないカードを作った結果生まれたのが「ニクス咲きの古きもの」である。「倍で足りないなら3倍だ!」というその発想は実にバカバカしく、カードとしても実際に「こんなにマナ出して何がしたいねんwww」というネタ程度ですんだ訳だが……今度は「ラースの灼熱洞」の3倍バージョン……。確かにトリプルシンボルの6マナは割とネタ枠ではあるんだが、最近はこのくらいのコスト域でも普通に使われるわけでさぁ……怖くない? 何が起こってもおかしくなくない? なくなくなくない? これ、下手したら「創案の火」と同じ環境で使われてたんだよなぁ……こんなバランスで大丈夫か?
 
猛然たる顕現/Furious Rise(THB)」 U
 テーロスに収録されていた獰猛応援カードが早くも再録。テーロスではサブテーマ程度の扱いで赤緑にちょいちょい入っていた「パワー4以上」だが、どうやら今回はガラクとの絡みもあり、赤緑でかなり大きくフィーチャーしているようだ。機能させる条件はそこまできつくなく、一度置いてしまえば継続的に恩恵が得られるので狙いすましたデッキなら悪くないアドバンテージソースになってくれる縁の下の力持ち。できることなら遅めで引けるのを待ちたいところだが。
 
ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist(M13)」 C
 これまた可愛いところが再録。頭に被っている面晶体の破片がチャーミングで、今のところこのイラストは一度も変更されていない。やっぱり人気なんじゃなかろうか。現在は同じ能力の「脚光の悪鬼」が活躍している訳だが、これで秋まではやろうと思えば8枚体制で挑めるようになる。突き詰めてやればいいじゃない。
 
心火の供儀者 Heartfire Immolator (1)(R) U
クリーチャー・人間、ウィザード
2/2 果敢
(R)、〜を生贄に捧げる:〜は対象のクリーチャーかPWに、自身のパワーに等しい値のダメージを与える。
 なんとあの「燃えさし運び」の上位種が登場。果敢を持ちその果敢で上昇したパワーがそのまま火力になるために除去としてもクリーチャーとしてもかなり能力が向上している。「燃えさし運び」の時点でかなりのユーティリティクリーチャーだったわけで、スペルも使いこなすタイプの赤にとっては、綺麗に欲しいところを埋めてくれるナイスウィニーだ。一応先輩と違ってプレイヤーには飛ばせなくなってしまったが、そこは微差だろう。そこがOKだと例えば「著大化」や「巨怪な一歩」でスーパーシナジーになってしまうのでね。
 
ヘルカイトの懲罰者 Hellkite Punisher (5)(R)(R) U
クリーチャー・ドラゴン
6/6 飛行
(R):〜はターン終了時まで+1/+0の修正を受ける。
 フレーバーテキストの市長が気になってしょうがない(死亡)。しょうがない、こんな化け物に人間が喧嘩売っちゃいけないってことだ(死亡)。なんと一回り大きくなった「シヴ山のドラゴン」である。まぁ「なんと」とか言ってるけどシヴドラ自体が使われなくなって久しいわけだが……アンコモンでも簡単にこのスペックが実現するようになったあたり、ドラゴンヒストリーも着実に進化を遂げているのである。リミテッドではとっておきのフィニッシャーとして常にデッキに入れるかどうかを迷うことになりそう。出されば強いんだけどなー、出せればなー。
 
炎血の野犬 Igneous Cur (1)(R) C
クリーチャー・エレメンタル、犬
1/2
(1)(R):〜はターン終了時まで+2/+0の修正を受ける。
 すでに紹介した「高山の犬使い」でサーチできる犬のもう一匹の方。最近は赤で定番になっている「2マナのブレス持ち」。プレーンな仕上がりで、同じイヌ科である「燃えさし眼の狼」なんかとだいたい同じ性能だ。パンプをチラつかせて序盤から圧力をかけ、あわよくば大物との相打ちを狙っていくスタイルは常に一定のニーズがあるはず。そして「わざわざデッキインするかなぁ」みたいな微妙な気持ちを、犬使いさんが解決してくれるはず。全然飼い主の方を引かずにひたすらわんわん王国になったらそれはそれで可愛い。試合には負けそう。
 

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(Angelic Ascension) (1)(W) U
インスタント
対象のクリーチャーかPWを追放する。そのコントローラーは4/4で飛行を持つ、白の天使・クリーチャー・トークンを1体生成する。
 白らしい新たな除去の形。「剣を鍬に」の昔から、白は「相手に恩恵を与える代わりに容赦ない除去」という理不尽な交渉を持ちかける色。ライフを送るソープロは「ライフゲイン」がいかにも白だったし、土地を送る「流刑への道」は「土地税」のイメージ。クリーチャートークンを送るってのはどっちかっていうと緑のイメージだったので「内にいる獣」が作られたが、この「ご褒美除去」の文脈は白にこそふさわしいってんで、「過大な贈り物」という形でカラーシフトが行われた。そして新たな時代のこれ。2マナインスタントという激軽い設定の代わりに、送る塩のサイズが桁違い。厄介なPWを除去するにしても、この天使が許容できるかどうかは考える必要があるだろう。そして当然、自軍クリーチャーを天使に生まれ変わらせる手段としても検討することができる。1ターン目に適当な1/1、そして2ターン目にインスタントタイミングで天使爆誕。これだけでもゲームが終わりかねないスペックである。はてさて、どんな使われ方になるものか。
 
バスリ・ケト Basri Ket (1)(W)(W) M
伝説のPW・バスリ
<+1>: 最大1体までの対象のクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。そのクリーチャーはターン終了時まで破壊不能を得る。
<-2>: このターン、1体以上のトークンでないクリーチャーが攻撃するたび、その数に等しいだけの、1/1で白の兵士・クリーチャー・トークンを、タップして攻撃した状態で戦場に出す。
<-6>: あなたは「あなたのターンの戦闘開始時に、1/1で白の兵士・クリーチャー・トークンを1体生成し、その後、あなたのコントロールする各クリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く」という紋章を得る。
【3】
 やぁやぁやぁ。鳴り物入りで参戦する新たなPWである。バスリについての導入は公式記事で大きく扱われているので未読の方はそちらを参照。個人的に注目したいのは、オケチラ様との関係性の深いアモンケットの希望の残り火という設定だろうか。思い返せば、初めてアモンケットを訪れたギデオンさんがオケチラの姿を見て恐ろしいテンションになり、まるで子供のように彼女の試練に参加して楽しげにしていたものである。オケチラの教義ってのは、生来的に「白」の人間には深く沁むものなのだろう。ギデオンはそんなオケチラと共に去ってしまったが、新たな戦士としてのバスリが、彼女の遺志を継ぎ、新たな白の物語を刻み始めるのである。
 で、そんなバスリの能力を見ると、「防御を意識しながらの集団戦闘」がテーマになっていることがわかる。白のPWを並べると、ギデオンは「自身が戦場に行く現場型」、アジャニは「回復も絡めたコントロール型」であり、一番近いエルズペスとの差別化については、エルズベスが「攻撃的な聖騎士」であるのに対し、バスリは「保護も視野に入れた聖騎士」であるらしい。さらに守備一辺倒のテヨ君が次にいつ出てくるかはわからんが、まぁ、それなりに差別化は図れているだろうか。先んじての兵備は必要だが、3マナと軽く、かなりアグレッシブな動きが可能なデザインは白系ビートが上がってくれば当然検討に値する能力。特にマイナス能力による大規模な人員配備は過去のPWにも類を見ない能力で、中盤以降に登場しても一気に盤面を作れる可能性がある。新たな伝説の1ページ目、とくとごろうじろ。
 
バスリの侍祭 Basri’s Acolyte (2)(W)(W) C
クリーチャー・猫、クレリック
2/3 絆魂
〜が戦場に出た時、最大2体までの対象の、あなたのコントロールする他のクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
 バスリさんの垂直デザイン(各レアリティに配置されたサイクル)のコモン枠。「集団での支え合いと保護」をモットーにするバスリさんの支援者は、その身に「支援2」(ゲートウォッチで登場したキーワード能力)を内包している。同型のカードと比較すると、4マナで支援2を持つのは「鞍背ラガーク」。あっちは緑だが、4マナ3/1バニラとあまりステータスに魅力がなかったことを考えると、絆魂を持ち独自の仕事がこなせるこの猫は充分魅力的だ。3ターン目までにちゃんと2体以上の対象が準備できるデッキなら、コモンとは思えない働きを見せるだろう。ちなみに「Acolyte」という単語はこれまで「見習い」という訳と「侍祭」という訳が併用されているが、ここで「侍祭」の訳が使われているあたりにバスリの出身次元であるアモンケットのニュアンスがあるのは良い配慮である。
 
バスリの副官 Basri’s Lieutenant (3)(W) R
クリーチャー・人間、騎士
3/4 警戒 プロテクション(多色)
〜が戦場に出た時、対象の、あなたのコントロールするクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
〜かあなたのコントロールするクリーチャー1体が死亡するたび、その上に+1/+1カウンターが置かれていたなら、2/2で警戒を持つ、白の騎士・クリーチャー・トークンを1体生成する。
 バスリの垂直サイクルのレア枠。レアなのでさらっとむちゃくちゃしても怒られない。今回バスリが推している+1/+1カウンターがらみの「支援」は1つ止まりだが、自身がプロテクションを含む悪くない素体を持っているので、サポートとしてはこれくらいでも充分だろう。このカウンターによってさらなる騎士を引き込む下準備も行えるわけで、1枚のカードから出てくるリソースとしては充分すぎる。問題は、出てすぐに除去されると自身から代理騎士を呼び出しにくいという部分か。せっかくなので「石とぐろの海蛇」と一緒にプロテクション(多色)ブラザーズを結成するのも面白い。あいつはカウンターを乗せて出てくるので丁度良さそうだし。あと、エルドレイン以来久しぶりに登場した騎士であるという点も一応気にしてもいい部分か。騎士デッキの新たな選択肢ではあるが、4マナと重いので構築クラスでの戦力になりにくいのは残念。
 
バスリの結束 Basri’s Solidarity (1)(W) U
ソーサリー
あなたのコントロールする各クリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
 シンプルにして豪胆。効果としては灯争大戦にあった「団結の誓約」とだいたい同じ。あちらは3マナインスタント、こっちは2マナのソーサリー。単色で使えることも考えれば悪くないコスト調整である。一応灯争大戦には増殖という露骨なサポートがあったことは割り引いて考える必要があるが、今回だってバスリ関係のカードが色々とカウンターをいじってくれそうなので、白が濃いデッキなら重要度は高いと考えていいだろう。ちなみにこの手のカードが出てくるといつも比較してしまうのが「生育」である。20年の間に、どんどんカードが強くなるなぁ、と思う。いや、そもそもプロフェシーのカードと比較するのがおかしいのだが……当時は「おっ、これ強いやん!」って思ったものだけど。
 
信仰の足枷/Faith’s Fetters(RAV)」 U
 みんな大好き! フェターがいよいよ基本セット入り。「ラヴニカ」で初登場し、リミテッドでは絶大な人気を誇った超がつくほどの便利カード。あらゆるパーマネントに対処できるという汎用性と、4点というおまけにしてはデカすぎるライフゲインが除去の枠を飛び越えた心遣いをみせ、いつのまにやらスタンレベルでも活躍していた。その歴史を鑑みて、各種サプライセットでもなんども再録されてきた名脇役である。そしていよいよ、ついに基本セットにて初再録。リミテッドで初手級の強さを誇るのはもちろんのこと、PWにまで対処可能なので構築だって充分に活躍の可能性があるだろう。なお、当然のようにアンコモンに格上げされているが、改めて見るに、これがコモンなわけないよな。
 
活力回復/Revitalize(M19)」 C
 1年のブランクを開けて復活した手軽なライフ調整&手札調整呪文。普通はライフゲイン呪文ってのはあまり出番が無いものだが、これだけ軽くてキャントリップだとなんとなくデッキインしてもそこまで抵抗はない。また、M19では白黒のライフゲインギミックのサポートとしても結構なニーズがあった。今回も白黒は同じギミックがあるのでさっさと再録されたのだろう。安易ではあるが、わかりやすくていいよね。
 
Seasoned Hallowblade (1)(W) U
クリーチャー・人間、戦士
3/1
手札を1枚捨てる:〜をタップする。〜はターン終了時まで破壊不能を得る。
 イクサランの白い悪魔(吸血鬼)、「アダントの先兵」を思い出させるデンジャラスじじい。もちろんアダントとは色々と違っている。最大の違いは支払うべきリソースで、この手のビート用クリーチャーを採用したいデッキなら、アダントが支払っていた4ライフは事実上のノーコストみたいなもの。残念ながら手札1枚というのはあらゆるデッキでバカにならないリソースなので、「お高く」ついたのはこちらだ。さらに起動時にタップするおまけもついたため、攻撃に対応して除去が飛んだ場合、アダントならカエルのツラに小便をかけるがごとき意味しかなかったが、こちらのおっさんはその時点で一休みしてしまう。アダントに比べればまだまだ隙の多いクリーチャーだ。しかし、その分パワーはずっと3で固定されているのでブロック時にも文句なしで仕事をしてくれるのは老獪さのなせる技だし、ライフの支払いが無いということはもっと速いデッキとの対戦では渋く効いてくる要素となりうる。適材適所で、輝くデッキが現れる可能性は十分にあるだろう。
 
Siege Striker (2)(W) U
クリーチャー・人間、兵士
1/1 二段攻撃
〜が攻撃するたび、あなたのコントロールする好きな数のアンタップ状態のクリーチャーをタップして良い。〜は、この方法でタップしたクリーチャー1体につき、ターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。
 みんなの力をオラにくれ、擬似「賛美」クリーチャーの新作。直近の先輩は「レーデヴの勇者」で、セレズニア出身のあちらは自力で後援会員の人数を増やすスカウト業務に優れ、リミテッドではゲームを決められる1枚だった。こちらの兵士はよそからサポーターを揃える必要があるが、その分戦闘能力に特化しているのが見どころ。二段攻撃を持つので1体タップするだけで脅威度は2倍。3/3や4/4程度でも人を殺せるキリングマシーンに変貌するだろう。やはりセレズニア系の横並べ推奨デッキでの活躍が期待される。その分、裸のオマエは1/1と超虚弱。そこを守れるかどうかが運命の分かれ道だ。
 

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 イコリア騒乱も冷めやらぬ中でも、時間は決して止まってくれない。次の環境はすぐにやってくるのである。まぁ、夏は基本セットだから他の時期に比べればいくらかウェイトは軽いんだけど……とか言えてたのも今は昔。3色環境が見事にはまっていたM20など、最近の基本セットは下手な拡張よりもアツかったりする。何より、基本セットのくせに禁止カード3枚も出してるし……。まぁ、今からそんなことを気にしてもしょうがないが、「ちゃんと基本セットの役割を果たせているのか?」と疑問ばかりが飛び交う新たな基本セットの始動である。フェイジングは……フェイジングは流石に……。
 
精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)」 M
 今回のメインテーマはテフェリーだが、同時にウギンさんにもスポットがあたるとかなんとか。無色で使える万能PWはどんな時代にも輝いている。これにより、夏以降は2種類のウギンを同時に使えるという珍しい環境に突入。色マナなんて必要なかったんや。

 


悪斬の天使/Baneslayer Angel(M11)」 M
 空を駆るその姿は、時代が変わってもなお美しい。そんな謳い文句はこれまで「セラの天使」を形容するのに使われていたが、さて、この御仁はどうだろう。久しぶりの復帰で世界のカードパワーも随分変わっているだろうが、今の基準でもやっぱりおばけはおばけ。活躍のチャンスは訪れるだろうか。同じ世界に超強いドラゴンか超強いデーモンがいると輝くチャンスが増えるんだけどなー。
 
封じ込める僧侶/Containment Priest(C14)」 R
 なんとまぁ、この人が基本セットに再録とは。これまでの収録先は「統率者2014」と「アルティメットマスターズ」だけなので、リーガルセットでの登場は今回が初。こいつが登場したことで、アンフェアなデッキにどんな影響が及ぶだろうか。パッと思いつくところでは「ジャイルーダ」「ヨーリオン」の相棒コンビが涙目になるかと思ったけど、すでに別な要因で涙目になってるので……。「エルズペス、死に打ち勝つ」あたりの(多少の)対策にはなるか? なお、ウィノータさんから毎晩届く恨みつらみは見て見ぬふり。
 
(外交官、マンガラ)Mangara, the Diplomat (3)(W) M
伝説のクリーチャー・人間、クレリック
2/4 絆魂
対戦相手がクリーチャーで攻撃するたび、2体以上のクリーチャーがあなたやあなたのコントロールするPWを攻撃しているなら、カードを1枚引く。
対戦相手が各ターンに2つ目の呪文を唱えるたび、カードを1枚引く。
 マンガラ! マンガラじゃないか! とびっくりしてみたものの、冷静に考えればマンガラについての知識ってほとんどなかったわ。「時のらせん」当時のリミテッドで「コロンドールのマンガラ」にはちょいちょいお世話になったが、あのセットは懐古ネタがあまりに多すぎたので、このよく知らないレジェンドのことを調べようという気もあんまり起こらず、「へぇ、そういう有名人がおるんやな」くらいでスルーしていた(流石のおっちゃんもミラージュ当時の世界は知らんのよ)。一応Wikiの記述はこちら。なかなかの苦労人の様子。「名前はアナグラムのアナグラム」とかいうわけのわからん情報もあるぞ。有能な外交官、というのが彼の性格特性のようだが、Magicにおける外交は「相手への理不尽な要求」と同義。相手が徒党を組もうとすると騒乱罪、呪文をいっぱい唱えようとするとテロ等準備罪でしょっぴくという。なんという弾圧政治だ。戦闘性能はそこそこだが、置いとくだけで相手は確実にげんなりする新たなタイプのヘイトベアー(4マナ)。まぁ、真っ先に殺されるんちゃうかな。
 
群れを導くもの Pack Leader (1)(W) R
クリーチャー・犬
2/2
あなたのコントロールする他の犬は+1/+1の修正を受ける。
〜が攻撃するたび、このターン、あなたのコントロールする犬に与えられる戦闘ダメージを全て軽減する。
 犬!!!!!! 正直、個人的なこのセット最大のトピックは「犬」である。ついにWizards社がこの問題にメスを入れた。いわゆる、「ネコ科は全部ネコなのにイヌ科のクリーチャーの分類細かすぎ問題」である。一般的な犬っぽいやつには「猟犬/hound」が当てられているが、それ以外にも狼、狐、ジャッカルなどなど、それに比べてネコはライオンもチーターもカラカルも(レオニンも)全部ネコ。おかげでネコデッキは組めるのに、わんこデッキは絶対に組めないという不平等があったのだ。そしてついに、この問題が解決を見る日が……くるんだろうか。クリーチャータイプにエラッタは出されるのだろうか。正直、猟犬と狼はギリギリわかるけど狐は同じタイプになると違和感がある……いっそ「犬・狼」みたいな表記になったり? うーむ。まぁ、とにかくそんな革命の旗印となるわんこロードがこちら。軽量で手堅いロード性能に加え、殴った時に自身にもバリアを貼ってのびのび殴れるドッグラン仕様。今後の犬陣営の軍備に注目。わたしゃ猫派だけど、わんこも大好きです。今から超絶犬バカの真木孝一郎がハンドブックでどんなことを書くか想像できるわ。
 
ルーンの光輪/Runed Halo(SHM)」 R
 当時の環境でも渋く活躍し、下の環境では特定のコンボデッキへのサイドボードなどに見ることできる名バイプレイヤーがリーガルセットで初の再録。今後の世界でもサイドボード候補として面白い存在。まだまだテーロスの存命期間が長いので、白単オーラみたいなエンチャント偏重のデッキなら良い選択肢になりそう(信心も多いぞ)。
 
ジェスカイの長老/Jeskai Elder(KTK)」 U
 今回のセットでは果敢が久しぶりに復活。一応常盤木能力に認定されてたはずなのに、今やせいぜい落葉樹レベルになっているため、たまにこうして青と赤が思い出してあげないと。そんな記憶の発掘のためにわざわざタルキールから出てきてくれたご老人だが、正直、当時の環境でもそこまで活躍してなかったので改めて帰ってきても「おうちでゆっくりしてたら?」くらいの印象。「ジェスカイの賢者」の方でも良かったんだけどな。
 
啓示の雨/Rain of Revelation(MH1)」 U
 これもちょっと驚き。なんと「モダンホライゾン」から初の再録である。流石にそのままの流用はまずいのでレアリティはコモンからアンコモンに格上げされているが、性能を考えたら当然の処置か。モダホラ環境でも渋い活躍を見せた1枚だが、今回のリミテッドは墓地を肥やすことにそこまで意味はなさそうなので純粋にアドバンテージ要員としての任務を任されることになるだろう。同じ環境にいることになる「闇の取り引き」がちょっとかわいそう。
 
(難破船の探査者)Shipwreck Dowser (3)(U)(U) U
クリーチャー・マーフォーク、ウィザード
3/3 果敢
〜が戦場に出た時、対象の、あなたの墓地にあるインスタントかソーサリーカードを手札に戻す。
 「秘密の回収者」をゴリゴリにマッチョに仕上げたマーフォーク。ステータスが上昇した上に果敢までつけられており、登場時に完全に仕事が終わった感を出していた「回収者」と違って、こちらは盤面でもまだまだ頑張る所存。登場時に果敢のタネを回収できているので次のターンのアタックで4/4が保証されているのは固い。まぁ、当然アンコモンになってしまっているが、多方面に色気を見せるリミテッド界の便利屋さん。
 
時間の支配者、テフェリー Teferi, Master of Time (2)(U)(U) M
伝説のPW・テフェリー
あなたは〜の忠誠度能力を、あなたが任意のプレイヤーのターンにインスタントを唱えられる時に起動できる。
<+1>: カードを1枚引き、その後、手札を1枚捨てる。
<-3>: 対象の、あなたのコントロールしていないクリーチャーをフェイズアウトする。
<-10>: このターンの後に、追加の2ターンを得る。
【3】
 訳のわからないことが書いてある訳のわからないハゲ。だからさ、世間的にはこれ以上ないくらいにテフェリーへのヘイトが溜まってるんだから(俺調べ)、これ以上余計な波風は……立てていくんだよなぁ……それがテフェリーだからなぁ……こいつの最大の問題は、キャラ特性のせいで他人が踏み込まない「時間/タイミング」にガンガン踏み込んでいくところなんだよなぁ。
 「は? 相手ターンにも起動できるの? 頭おかしくない?」とは思うが、まぁ、忠誠度+2の能力も世間には多いわけで、初期忠誠度を見ればそうした+2能力者をベースにデザインされていることは感じられる(多人数戦? 何それ?)。その上でプラス能力は凡庸だし、マイナス能力もコストは高め。そこまでおかしな性能にはなっていない……と思いたいけども……どうなんだろう。いや、しらんねん。フェイズアウトとか使ったことないからどうなるか知らんねん。おっちゃんも詳しく説明でけへんから、知りたい人はwiki見ておいてな! これ、絶対にわざわざテフェリーのためだけに引っ張り出してきたやつだよな……。「テフェリーの防御」あたりが数年越しの伏線だったわけだ……。こうして相手クリーチャーを「2ターンに1回しか使えない」状態にする割に、自分が「相手ターンにも使えるから倍動ける」になってるあたり、煽り性能が尋常じゃないんだよなぁ……。3ターン目3マナテフェ、4ターン目こいつのハゲコンボは本当にもう……。統率者デッキに入っていたあの頃の純朴なテフェリーを返して!(いや、別にいいです)
 
テフェリーの永遠の洞察 Teferi’s Agless Insight (2)(U)(U) R
伝説のエンチャント
あなたが、あなたのドローステップに最初に引く以外にカードを1枚引くなら、代わりに2枚のカードを引く。
 「アルハマレットの書庫」の機能制限版エンチャント。あの忌まわしきジェイスの師匠と同等の能力を持っているあたり、テフェリーのタチの悪さがうかがい知れる。単体ではドローエンジンとしては機能せず何か追加でドロー呪文などを用意する必要があるが、当然その筆頭候補は上述のテフェリー本人である。毎ターンルーターでみるみるアドバンテージが膨れ上がる様子は確実に訴訟モノ。そこまで行かずとも、現環境なら「常智のリエール」と手を組んでサイクリングデッキで手札が爆発することに。悪さができるのは間違いない1枚。「創案の火」の禁止でエンチャント対策が緩くなった世界が狙い目。
 
テフェリーの徒弟 Teferi’s Protege (2)(U) C
クリーチャー・人間、ウィザード
2/3
(1)(U)(T):カードを1枚引き、その後手札を1枚捨てる。
 各色のPWには垂直サイクル(同じ色の中で、各レアリティに配置されるサイクル)が存在しており、テフェリーの名を関するレア・アンコ・コモンが並んでいる。これはそのコモン担当で、パワーが1上がった代わりに1マナ重くなった「突飛な幻想家」。ステータスのバランスが良いので最低限の戦闘に絡める上、ルーティングコストもそこそこなので常にお仕事は任せられる。これくらいのルーターの設計が程よいところなんだろうな。
 
テフェリーの後見 Teferi’s Tutelage (2)(U) U
エンチャント
〜が戦場に出た時、カードを1枚引き、その後手札を1枚捨てる。
あなたがカードを1枚引くたび、対象の対戦相手はカードを2枚切削する。
 こちらも個人的には無視できないトピックだろう。そう、ついに「ライブラリを上からN枚墓地に置く」がキーワードで処理されるようになったのだ。「mill/切削」という用語も、プレイヤーにはおなじみのものなので使いやすいだろう。この用語が使われるようになるってことは、発掘のテンプレートとかも変わるのかしらね。とりあえず、名前から分かる通りに性能としては「スフィンクスの後見」なんかと大体同じ。追加の切削能力はなくなったが、代わりに187でルーティングできるのでいきなり2枚削れるし、ちょっとだけ手札の調整も行える。あとはリミテッドでこれが何枚拾えるかだ(もうそこしか見えない)。頼む、ピックがぐちゃぐちゃになっちゃうから1パック目で出ないでくれ……(鼻がにょきにょき伸びる)。
 
Bad Deal (4)(B)(B) U
ソーサリー
あなたはカードを2枚引き、各対戦相手は手札を2枚捨てる。各プレイヤーは2点のライフを失う。
 自分が2枚引いて、相手は2枚捨てる。その差分なのでアドバンテージは3枚。コストも「心理共生体」なんかと比較したら妥当なところではある。あるのだが……2枚引いて2ライフルーズの基本形が3マナなので、そこに「精神腐敗」がくっついて6マナだと「そんなもんか」という印象は拭えない(一応相手の2ライフルーズを考えれば「精神的苦悶」なので4マナ相当ではあるが)。重たい手札破壊は、「そのタイミングなら致命的なカードを捨てられる」というプラスの側面と「すでに手札がない可能性」というマイナスの側面があり、試合も煮詰まっている中盤戦以降に盤面に影響しない6マナアクションを取るのはなかなか勇気のいる選択である。これ、いっそこっちは2ライフゲインでも良かったデザインな気がするんだけどね。
 
(Plunge) (1)(B) U
インスタント
対象の、点数で見たマナコストが3以下のクリーチャーかPWを破壊する。
 これも「なるほどな」と思わせるうまいデザイン。「マナコスト3以下」は「燻し」で作られたデザインで、2マナで3マナまで除去できるという安定感と、明確な指向性のおかげで常に一定のニーズがある効果。そして今回は、その矛先をそのままPWにまで拡張した。かつては「3マナ以下のPW」自体がそこまで多くなかったのでわざわざ作る意味が薄かったが、今の世の中、これで殺したい憎らしいカードは山と溢れている。特にどこぞのハゲとかね。もしかしたら開発スタッフはこれの登場でどこぞの鹿アニキを抑制する効果も狙っていたのかもしれないけども……。今後の環境では常に検討される黒の武器の1つ。まぁ、当面は「残忍な騎士」で足りてるかもしれんけど。
 

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