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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 メカニズム解説については、もう面倒なので公式記事参照。
 
 
 
 
神に愛された者、シグリッド Sigrid, God-Favored (1)(W)(W) R
伝説のクリーチャー・人間、戦士
2/2 瞬速 先制攻撃 プロテクション(神・クリーチャー)
〜が戦場に出た時、最大1体までの攻撃かブロックしているクリーチャーを、〜が戦場を離れるまで追放する。
 北欧神話に疎い僕でも流石にこれは名前から連想できる、竜殺しの英雄・ジークフリートだ。ただまぁ、名前は知ってるけど具体的に何してるかはやっぱり分からないんだけど。ほら、背中の葉っぱのせいで弱点作っちゃった人……なんだろ、キャラがテーロスのアキレスとかぶるやん。今回は残念ながら弱点設定までは再現されず、とにかくいろいろ便利な英雄としてデザインされている。流石にプロテクション(神)はネタ要素として処理していいと思うのだが、それ以外の部分もそつなく強い。瞬速で戦闘に参加しているクリーチャーを監禁するデザインはギデオンのお師匠さんである「牢獄の管理人、ヒクサス」に近いが、ダメージ発生時に現行犯逮捕するヒクサスと違い、こちらは暴力が起こる前に逮捕できるのが優秀。ただ、その分本人は割とひ弱なのであっさり退場して釈放してしまう可能性も多々。あくまで一時しのぎと割り切った方が良いだろう。全体的に「あんまりレジェンド感ねぇな」くらいの手堅いデザインにまとまっているが、問題は開けたパックにいた時に1引きするかどうか。それなりの戦闘力なのに、除去として使いたい場合には温存しなきゃいけないのが痛し痒し。うまく瞬速コンバットでアタッカーを屠ってアドを確定させる使い方をしたいところだ。
 
 
星界の神、アールンド Alrund, God of the Cosmos (3)(U)(U) M
伝説のクリーチャー・神
1/1
〜は、あなたの手札と、あなたがオーナーである予顕された追放領域のカード1枚につき+1/+1の修正を受ける。
あなたの終了ステップの開始時に、カードタイプを1つ選ぶ。その後、あなたのライブラリのトップを2枚公開する。その中から選んだタイプを持つカードを全て手札に加え、残りをライブラリの下に任意の順番で置く。

囁く鴉、ハーカ Hakka, Whispering Raven (1)(U) M
伝説のクリーチャー・鳥
2/3 飛行
〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、これをオーナーの手札に戻す。その後、占術2を行う。
 こちらはあの大神オーディンをモデルにしているとかしていないとか。オーディンには配下となるワタリガラスがおり、それが世界中から情報を集めてくることでオーディンの偉大さを支えている。今回の両面カードは「オーディンの別の姿」というよりも、関連する2つの事象を1枚のカードにまとめているっていう印象になるのかしら。伝承どおり、カラスが戦闘に出れば情報(占術)が集まる。その度に手札に戻ってくるのはバランス調整の結果だろうが、2マナ2/3飛行の時点ですでにおかしいし、戻って来れば次に神としてリキャストできるわけで、「2マナでさっさと戦闘に送り出せるパワーカード」という実にいやらしいデザインにまとまっている。神として顕現した場合には除去耐性が皆無なのは気になるところだが、とりあえずターンエンドまで場に残ればアドを稼げる可能性が高い。人間力に自信のない人は「土地」と宣言しておけば良いし、事前にカラスで殴り、戻し、出していればライブラリの上2枚は確定しているのだ。予言でもなんでもないマッチポンプの極みで手札が増え、サイズももりもり増える。酷い話である。雑にアドとるマンでデッキの構成もそこまで制限しないので、今のカードプールだと「老いたる者、ガドウィック」なんかと争うポジションになるのかな? ガドウィックと違って、レジェンドのくせに2枚まで場に出せる(1枚はカラス)というのはやっぱりずるいな。
 
 

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 さて、カルドハイムである。もう1年近くも紙のドラフトをやっておらず、私の中でもMagic熱は史上もっとも低い状態にある。まぁ、アリーナで1日2回のドラフトとかやってる気もするけど、もう、アリーナとこれまでのドラフトは別なゲームとして割り切る必要があるため、何か満たされない欲求があるのは確かだ。加えて、昨今の禁止ラッシュや様々なカードバリエーションなど、どうにも最近のWizardsは商業主義に走りすぎており、製品全体のクオリティの低下が懸念される状態にもあり、私の中でMagicというゲームをどう扱ったら良いのかという迷いが生じているのも事実だ。そんな中での新次元。私はこれをどう処理すればいいのか……。
 まぁ、いつも通りでいいかぁ……。ただ、今まで通りのモチベでスポイラを書くかどうかはまだ決めあぐねている部分はあるので、今後どうなるかはわかりません。頼むよWizards、信頼回復してくれよ。そしてコロナを吹き飛ばしてくれよ。まぁ、コロナが無くなったところで、一度消えてしまったドラフト習慣は戻ってこないと思うんですけどね……もう、メンバーもいなくなっちゃうしね……(流石に年貢の納め時である)。
 
 
 さて、正式なプレビューは間も無くのスタートであるが、現時点でリークも含めて出ている情報をまとめておこう。カルドハイムは北欧神話をモチーフとした新次元であり、それっぽい道具立てがわんさか出てきているのでトップダウンの次元と見て間違いないだろう。作り方のニュアンスはテーロスに似ている気がするが、今回はどうやらかなりがっちりめの部族環境になりそう。最近は各色のアーキタイプに部族が細かくブレンドされることも多かったので、例えばゼンディカーのパーティとかイコリアの「人間/非人間」、エルドレインにも「騎士」がテーマとして登場していたが、がっつり部族環境になりそうなのはイクサラン以来だろうか。すでに多相の再録が報告されていることから、ドラフトではかなり強めの部族シナジーを狙うような環境になりそう。オンスロートで産湯をがぶ飲みしていた身としては部族環境というだけでもワクワクする部分はあるが、その後のローウィン、イニストラードなど、部族環境はピックが単調になりがち、という欠点も指摘されている。その辺りを製作チームがどのようにアップデートしてくれるのかも見どころとなるだろう。
 以下、現時点で判明しているメカニズムである(リークも含むため、フェイクの可能性は残っています)。

 

 


・「多相/Changeling
 ローウィン生まれの便利能力。「すべてのクリーチャータイプを持つ」という特性を表したもの。ローウィン次元ではこれに加えてカードタイプ「部族」が存在したためにインスタントやソーサリーにまで多相が与えられていたが、今回は大人しくクリーチャーにのみ与えられることになるだろう。ゼンディカーに多相ならぬ「多パーティ」クリーチャーも存在していたため、特に説明を付さずとも接続できるんじゃなかろうか。多分、パーティ環境との地続きで登場しているのは構築レベルでの刺激を狙ってのものだと思われる。ちなみに今回は「天使・クレリック」や「デーモン・狂戦士」のように、いわゆる「部族」と「職業」の両方にスポットを当てることで、多相に加えてより柔軟な受け皿が用意されている。この辺りもローウィンでの失敗を経ての改善点なのだろう。
 
・「Boast
 「この能力は、このクリーチャーがこのターン攻撃している場合にのみ、各ターンに1回だけ起動できる」というクリーチャーの起動型能力。Wizards社の理念として「クリーチャーで殴り合う環境こそが正しいMagic」という考えがあるので、アタックをトリガーとする能力は数多い(督励・教導・大隊 etc.)。過去にもこうして「攻撃時に起動できる能力」は数多くあったが、それを能力語としてまとめた上で、「1ターン1回制限」を盛り込むことでバランス調整が行いやすいように設計されている。まぁ、そこまで目新しいものでもないかな。

 

 


・「Foretell
「あなたのターンの間、あなたは(2)を支払ってこのカードを手札から裏向きに追放しても良い。後のターンに、foretellコストを支払うことでこのカードを唱える」という能力。カードを唱えるタイミングをずらすもので、「待機」の亜種というのが一番近い気もするが、出来事クリーチャーのようでもあり、過去の失敗作であるエコーの再チャレンジのようにも見える。固定コストでの裏向きの処理は変異のニュアンスもあるだろうか。当然foretellコストは通常のマナコストよりも軽いため、基本的には「分割払い」のニュアンスになる(だからエコーが近い気がするのだ)。その他、手札破壊の防止になるとかのちょっとした違いはあるが序盤のターンの選択肢を増やすので、純粋に利便性の高い能力と言えそうだ。ちなみに手札からしか予約が出来ないので赤の「衝動的ドロー」とは噛み合わない。また、手札以外から呪文が唱えられる機会が増えるので「ドラニスの判事」の価値がちょっと上がった。相棒クリーチャーが「ゲーム外」→「手札」とやってくるので2つが重なると微妙にややこしい。

 

 

 


以下個別のカード。
 
戦闘の神、ハルヴァール Halvar, God of Battle (2)(W)(W) M
伝説のクリーチャー・神
4/4
あなたのコントロールする、エンチャントされているか装備しているクリーチャーは二段攻撃を持つ。
各戦闘の開始時に、対象の、あなたのコントロールするクリーチャーにつけられたオーラか装備品を、対象のあなたのコントロールするクリーチャーに付けてもよい。

領界の剣 Sword of the Realms (1)(W) 
伝説のアーティファクト・装備品
装備したクリーチャーは+2/+0の修正を受けるとともに警戒を持つ。
装備したクリーチャーが死亡するたび、それをオーナーの手札に戻す。
装備(1)(W)
 今回の神は両面カードなのか。「モードを持つ両面カード」はゼンディカーで初登場した概念だが、ホント、「単に選択肢が多い」っていうだけで強いのであんまり面白味が無いのに強いのでズルい。まぁ、「片面が土地」という圧倒的な存在意義があったゼンディカーと違い、今回は安定感のある運用につながるかどうかは微妙だけども。さらに、これまで作られてきた「神」は、必ずなんらかの方法で「不死性」を表現するという縛りがあったのだが、どうやらカルドハイムの神様はそこまで崇高な存在では無いらしく、クリーチャーとして出てきたら普通に殺せる。まぁ、「死なない」縛りって神をデザインする上では枷でしかなかったので、どこかで解放される必要はあったのだろう。そんで、こちらは雑にパワフルな攻め気の神様だが、必ず装備品やオーラと併用する必要があり、自身も4マナと決して軽くはないのでデッキの幅は割と狭い。ただ、「伝説だからいっぱい積めない」という弱点を両面カードで解決しつつ、「2枚目を引いたら装備品として出せば自己完結する」というデザインは実にずるい。装備すればめでたく「不死性」にたどり着いちゃうわけで、やっぱりひでぇデザインなのは間違いない。リミテッドでもとりあえず装備品として出しておけば無駄はないわけで、相手から怒られるのはいつも通りである。
 
 
Resplendent Marshal (1)(W)(W) R
クリーチャー・天使、戦士
3/3 飛行
〜が戦場に出るか死亡した時、あなたの墓地にある他のクリーチャー・カードを1枚追放しても良い。そうしたなら、あなたがコントロールする〜以外の、そのカードと共通のクリーチャー・タイプを持つ各クリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
 種族デッキを作ろう、の一環。墓にある死体をエネルギーに変えてしまうのはなんだか黒っぽい能力な気がするのだが、おそらく「死んだ仲間を英霊に変える」みたいなニュアンスなのだろう。うまいこと部族が固まっていれば、戦場に出た時点で全軍+1、さらに死亡時にも+1とかいうふざけたことをやってくれる可能性があるわけだ。まぁ、そのためには戦場に加えて墓地にもそれなりの枚数の味方を用意しておく必要があるので、前提条件はやや多いか。もちろん、その分自身が3マナ3/3フライヤーと普通に殴れるので、リミテッドならどちらの側面からでも理不尽を演出できるはず。構築だと、カルドハイムにはどうやら軽量の天使も数多く存在しているようなので、いよいよ構築レベルの天使部族デッキが出てくるかどうかに注目が集まる。我が身内の誰かさんの動向と財布の限界にも注目が集まる。

 


 
Righteous Valkyrie (2)(W) R
クリーチャー・天使、クレリック
2/4 飛行
他の天使かクレリックが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、そのタフネスに等しい値のライフを得る。
あなたのライフがゲーム開始時のライフの総量よりも7点以上多い限り、あなたのコントロールするクリーチャーは+2/+2の修正を受ける。
 ヴァルキリーって言葉は北欧神話由来なので、いよいよMagicにもこの単語が上陸してきた。ちなみに過去に「Valkyrie」という単語が使われたカードは、似たような極寒の世界であるコールドスナップの「アダーカーの戦乙女」のみである。そしてこちらのカード、あまりにも戦慣れし過ぎていてエグい。3マナ2/4フライヤーの時点で硬いが、なんとそこに内蔵されているのは5マナのエンチャントである「天使の合唱」(天使クレリック限定)と、ライフ回復を利用した「勇気の道」に似た増強ギミック。自分のライフをぐいぐい増やしつつ、相手のライフがゴリゴリ減らせる。ちょっと1枚のカードに盛り込みすぎじゃなかろうか。リミテッドでも置いとくだけでほいほいライフが回復してしまうだろうし、ちょっとでも放っておいて閾値を超えてしまったら祭りってレベルじゃない。何が恐ろしいって、同じ「27点」ラインを持つ「天界の語り部」との噛み合わせがあまりに良すぎること。27点になったところで「語り部」の能力を起動すると6/6の天使トークンが出るのでそれで6ライフゲイン。なめとんのか。

 


 
Dragonkin Verserker (1)(R) R
クリーチャー・人間、狂戦士
2/2 先制攻撃
あなたがBoast能力を起動するためのコストは、あなたのコントロールするドラゴン1体につき(1)少なくなる。
Boast - (4)(R):5/5で飛行を持つ、赤のドラゴン・クリーチャー・トークンを1体生成する。
 こちらはBoast能力持ちのバーサーカー。boastは「豪語する、鼻にかける」といった自慢げな様子を表す単語なので、多分その辺の荒くれ冒険者の武勇伝を語る能力ってことだろう。ちなみに「狂戦士」がクリーチャータイプとしてスポットを浴びるのは今回が初めてだが、これも北欧神話のテイストを考えてのことだろう。「戦士」と「狂戦士」が分かれてるあたりがややこしいな。さておき、こちらの狂戦士のご自慢はドラゴンとのマブダチ関係。危ないドラゴンだいたい友達、と豪語するこいつが攻撃すれば、どこからともなくドラゴンが駆けつけてくれる。まぁ、多分5マナ払えるような状態の戦場でこいつが殴りに行ったら多分ご当人は死ぬだろうが、生まれ変わってドラゴンになるなら僕らの心のサルカンさんも納得してくれることだろう。また、ドラゴンてんこ盛りデッキを作ればもしかしたら周りの連中のBoastサポーターとしても活躍できるかもしれない。周りにドラゴン侍らせると満足して聞き上手になってくれるんだろうか。やっぱこいつサルカンじゃね?(違います)
 
 
厚顔の無法者、マグダ Magida, Brazen Outlaw (1)(R) R
伝説のクリーチャー・ドワーフ、狂戦士
2/1
あなたのコントロールする他のドワーフは+1/+0の修正を受ける。
あなたのコントロールするドワーフ1体がタップ状態になるたび、宝物トークンを1つ生成する。
宝物を5個生贄に捧げる:あなたのライブラリからアーティファクトかドラゴン・カードを1枚探し、それを戦場に出す。その後、あなたのライブラリを切り直す。
 名前入力時に真っ先に「睾丸の無法者」って変換されたのは公然の秘密。全部たほいや譜が悪い。北欧神話ってのはどうやらドワーフの本拠地のようで、この次元ではボロスカラーで装備品推しのドワーフ軍団が活躍しているのはカラディシュと同じ。さらに今回は「坑夫」「鍛冶屋」などの特性から宝物とも関係が深いようで、こちらのロードはそんなギミックとの組み合わせ。パワーだけを増強するあたりは赤っぽい遠慮深さがあるが、2マナで全体増強ってんだからそれだけですでに強い。そして仲間が多ければそこから宝物を使った万能サーチ能力を発揮し始めるので単なるウィニーで終わらない汎用性を持ち合わせる。こうしてみるとドラゴンも北欧神話では縁が深いのだろうなぁ。ほんと、全然知らないからその辺のピンとこない感じが口惜しい。
 
 
Battle Mammoth (3)(G)(G) M
クリーチャー・象
6/5 トランプル Foretell(2)(G)(G)
あなたのコントロールするパーマネント1つが対戦相手のコントロールする呪文や能力の対象になるたび、カードを1枚引いても良い。
 foretell持ちの節操なさすぎ象さん。だからこういうなんの変哲も無いただ強生物を神話にするのやめロッテ。5マナ6/5トランプルだけならガーガロスさんと比べて「まぁ、普通じゃね?」くらいだが、事前予約ができるので特にマナソースとかを用意せずとも4ターン目に出てきちゃうのがせっかち象さん。一度着地すれば、相手の除去にさらされてもカード1枚は確定で引けるのでアド的にも実に堅実なクリーチャーである。まぁ、その分派手さは無いのだけども。相手が2ターン目に予告した時に「何が出てくるんだろう?」って悩めるような環境になればいいよね。「どうせ象だろ」みたいに使われるカードが少ないと興ざめだ。

 


 
領界渡り Realmwalker (2)(G) R
クリーチャー・多相の戦士
2/3 多相
〜が戦場に出るに際し、クリーチャータイプを1つ選ぶ。
あなたは、いつでも自分のライブラリのトップを見てもよい。
あなたは、選んだタイプのクリーチャー呪文を、ライブラリのトップから唱えてもよい。
 ローウィン世界の多相クリーチャー群はとある洞窟で生まれるスピリットのような個体群だったが、この世界ではどういう存在なんだろう。多分全部の色にいるんだろうなぁ。さて、こちらは適当な部族に溶け込んで、そのデッキの中だけならアドを稼ぎまくれるようになるというシンプルなデザイン。「トップからクリーチャー唱え放題」は「ガラクの大軍」から搭載されたものだが、最近では同じことをゴブリンがやって一定の成功を収めている。こいつは緑ってことを考えるなら、ゴブリン同様にわらわら出てくることが多いエルフなんかから声がかかることが期待できるだろう。盤面への影響力は低いが、構築レベルでも活躍できるポテンシャルを持つ1枚。ここで「神」って宣言できるような人間になれば、あなたの魂のステージも1つあがります。
 
 
秘密を知るもの、トスキ Toski, Bearer of Secrets (3)(G) R
伝説のクリーチャー・リス
1/1 破壊不能 この呪文は打ち消されない。
〜は可能ならば各戦闘で攻撃する。
あなたのコントロールするクリーチャー1体がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、カードを1枚引く。
 とりあえずものを知らないので「北欧神話 リス」でググったら「ラタトスク」ってのがヒットしました。関係あるのかどうかはよくわからんけど、厄介なやつなのは間違いなさそうだ。下の効果だけを見れば完全に「沿岸の海賊行為」。元のカードが4マナなので、まず「打ち消されない」分だけこちらが上位種といえるだろう。そして、一応こいつ自身がクリーチャーであり、毎回ちっちゃな身体をものともせずに攻撃への強制出勤。ほとんどの場合には何かにブロックされておしまいだが、相手がノンクリーチャーのコントロールデッキだったりすると刺さる刺さる。まー、最近は「絶滅の契機」のような追放系の除去もそれなりにあるので完全無敵とはいかないかもしれないが、嫌がる相手は本当に嫌なクリーチャーであろう。接死カウンターなんかが置けるとそれだけで小さな悪魔と化す可能性も。難点を挙げるとすれば、多分リスは種族ボーナスがほぼ無いこと。

 


 
The Bloodsky Massacre (1)(B)(R) R
エンチャント・英雄譚
2/3で威迫を持つ、赤のデーモン・狂戦士・クリーチャー・トークンを1体生成する。
このターン、狂戦士1体が攻撃するたび、あなたはカードを1枚引き、 1点のライフを失う。
あなたのコントロールする狂戦士1体につき(R)を加える。ターン終了時まで、あなたはステップやフェイズの終了時にこのマナを失わない。
 程よく赤要素と黒要素がブレンドされた英雄譚で、順番に「頭数」→「手札」→「それを使うためのマナ」と欲しいところが供給されるので1本のストーリーとしてはまとまっている。ただ、1章で登場したデーモンが即除去されてしまうと2章3章が空回りする可能性もあるので、運用するなら「狂戦士デッキ」を用意するべきだ。おそらくこの世界ならラクドスカラーでそれを成立させることができるんだろう。まぁ、3マナで損しないなら悪い相談ではない。ちなみにカードとしては多色だが、1章で登場するデーモンはなんと赤単色。「赤単のデーモンって史上初じゃね?」と思ったが、「鬼」がデーモンだと解釈されていた神河次元に「野蛮な血の鬼」と「血塗られしもの、死祭」がいたのであった。鬼で紅蓮、強くなれる意味を知ってそう。
 
 

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 昔はフルスポイラで雑多なコモンが大量に判明したもんだが、今はもう出がらしみたいなカードが残ってるだけだな。
 
 

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峡谷のトビネズミ Canyon Jerboa (2)(W) U
クリーチャー・ハツカネズミ
1/2
上陸 - あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。
 可愛い……のか? なんか、小動物特有の目のデカさがグロさに繋がってる気がするな。エルドレインで新しく作られた「ハツカネズミ」というクリーチャータイプを持つ、初のカードである。そう、エルドレインの時は馬車が引き連れるトークンだけが存在したので、カードとしてのハツカネズミはこれが初。いや、英語の「jerboa」は「トビネズミ」ってなってるので生物学的な分類はよくわからんけども……。とりあえず、そんな貴重なネズミである。ネズミなので戦力としてはほぼカウントできないが、こいつがいるだけで謎の癒しパワーが炸裂し、土地をおいただけで全軍発奮。ヤバい薬でもやってるんじゃなかろうか。全軍が恒常的に+1するとなればそれってつまり「栄光の頌歌」なわけで、レアクラスの能力だ。もちろん、毎回必ず発動する保証はないし、防御時にはほぼ使えないというデメリットもあるだろうが、その分、なんとかして土地を2枚3枚と置ければそれだけでゲームに勝てるプランもあるのだ。リミテッドではたまに事件を巻き起こす大きな存在になるんじゃなかろうか。あとは、これを採用すべきかどうかをデッキ構築の時にたっぷり悩むがいい。

 


 
(フェリダーの避難所)Felidar Retreat (3)(W) R
エンチャント
上陸 - 次のうちから1つを選ぶ。
「2/2で白の、猫・ビースト・クリーチャー・トークンを1体生成する」
「あなたのコントロールする各クリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。これらのクリーチャーはターン終了時まで警戒を得る」
 これも古いプレイヤーをニヤリとさせる1枚。元になっているのは「戦乱のゼンディカー」で作られた「撤退」サイクル。これは各色に1枚ずつ与えられたエンチャントのサイクルで、それぞれ「〜への撤退/Retreat to 〜」という名前になっている。そして共通するのは、上陸によって選べる2つのモード選択型能力だったということ。たとえばこれと同じ白なら「エメリアへの撤退」で、上陸することでトークンを1体出すか、全軍に+1修整を与えていた。今回はエルドラージがいなくなったのでゼンディカー民が撤退する必要もないはずなのだが、そこはフェリダーさんが隠れ住む場所として再解釈されているわけだ。レアになったので上陸1回の効果は大きめ。トークンが2/2とでかくなったし、+1モードも永続するカウンターになり、さらに警戒までつく。ぶっちゃけ、5ターン目に出して1回上陸するだけでもそこそこ元が取れてしまうレベル。2回以上の上陸ができれば、なるほどレアクラスだろう。リミテッドなら当然キラーカードになりうるが、何回も書いているけど4マナのカードを置いたあとの上陸回数ってのはかなり限られてくる。そこんところをちゃんと考えた上でのデッキ構築が求められるだろう。

 

 


(コーの祝賀者)Kor Celebrant (2)(W) C
クリーチャー・コー、クレリック
1/4
〜か他のクリーチャー1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたは1点のライフを得る。
 いわゆる「魂の管理人」能力持ちの新人。これまでこの手の能力は1マナ2マナくらいの軽量クリーチャーが持っているものだったが、今回は3マナ1/4というがっちり壁ボディを伴っての登場だ。場持ちが良いということは当然それだけ回復量が増えるということでもあり、ライフゲインとシナジーを形成するクレリックデッキなら、置いとくだけで各々のクリーチャーが勝手に仕事を繋いでくれるので一気にQOLが上昇する。また、この手の能力にしては珍しく自分自身が場に出た時でも誘発するので、下準備ができていればいきなり自分の登場でトリガーをスタートさせることも。おそらく3マナになって登場が遅れた分を補填する措置なのだろうが、どう転んでも1点はもらえるっていう安心感は地味にありがたい。ちなみにライフゲインするクリーチャーを「ありがたい」と称えるのは真木孝一郎テキストの基本。「ありがたい老修道士」が元ネタである。

 


 
ナヒリの束縛 Nahiri’s Binding (1)(W)(W) C
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャーかPW)
エンチャントされたパーマネントでは攻撃もブロックもできず、その起動型能力を起動できない。
 怨敵ソリンへの憂さ晴らしが終わって少しは大人しくなるかと思ったのに、さっぱり自重しないナヒリさん。今度はジェイスとばちばちしとる。まぁ、確実に他所者のジェイスに「俺の土地に勝手に踏み込むな」って文句言うのは理解できなくはないけども。カードとしては「拘引」の上位種。マナ拘束が厳しくなった分、なんとPWにも対応可能になった。黒除去が先駆けてM21でコモンでのPW対策を可能にし、続いて白までもがその波に乗った。これって、「もうコモンでも除去れるようにしといたから、ちょっとくらい強いPW作ってもいいよね」みたいなことだったらどうしよう。とりあえずリミテッドならいつも通りに超必須カード。今回は白も緑も適正コストのエンチャント対策カードが存在しているので、信頼度は並だ。
 
 
オンドゥの転置 Ondu Inversion (6)(W)(W) R
ソーサリー
全ての土地でないパーマネントを破壊する。

オンドゥの空遺跡 Ondu Skyruins 
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(W)を加える。
 このセットのラスゴのコーナー。コーナー……。うん、そうか……まぁ、いいんじゃないかな。土地だしな……。効果は「次元の浄化」と全く同じで、シンプルかつ大雑把。一応「次元の浄化」も採用実績はあるものの、やはり他のラスゴ系呪文と比べると一歩劣っていると言わざるを得ない。そして、2マナも重くなったこいつをや、である。流石にこれなら平地を採用した方が安心な気もするのだが……何かとんでもないマナ加速をぶち込んだデッキ? でも、これ使うとマナアーティファクトとかも全部吹き飛ぶんだよなぁ……。ちなみにフレーバーテキストでは「地鳴りが始まったらなんでもいいから神様に祈れ」と書かれているが、ここでエメリアとかコーシとかウーラの名前を出すとゼンディカー民から袋叩きにあうので注意。

 


 
大物潰し/Smite the Monstrous(BFZ)」 C
 久しぶりの再録だったので確認したら、これって前回もゼンディカーで再録されてたのね。おそらくインスタントにすることで上陸なんかの一時的なサイズアップにも対応できるようにする措置なのだろう(まぁ、当時はでかいエルドラージ対策の意味の方が大きかった気がするが)。
 
 
兵団の統率者 Squad Commander (3)(W) R
クリーチャー・コー、戦士
3/3
〜が戦場に出た時、あなたのパーティー1体につき、1/1で白のコー・戦士・クリーチャー・トークンを1体生成する。
あなたのターンの戦闘開始時に、あなたのパーティーが全員揃っているなら、あなたのコントロールするクリーチャーはターン終了時まで+1/+0の修整を受けるとともに破壊不能を得る。
 みんなが揃えば怖くなさすぎるリーダー。点呼をとって全員揃ってたときと、誰か1人欠けてるときのテンションの差が激しすぎるので、かなり神経質なやつなのだと思われる。とりあえず自身が戦士なので、場に出た時に最低でももう1戦士の追加。パーティー狙いのデッキにしか入らないだろうから、そこから2体3体とトークンを伸ばすことも難しくはないだろう。だが、3体と4体では雲泥の差。単なるゾロゾロと戦士を連れた烏合の衆で終わるか、それらの戦士が精鋭部隊となり、死を恐れずに突っ込めるようになるか。さぁ、あとはなんとかしてパーティー構築が安定するデッキを作ろう。皮肉なことに、コンプリートを狙う場合に一番有用なのは穴埋め役の緑なんだよなぁ。緑の「どの職業にカウントしてもいいよ」クリーチャーをかき集めて、見た目だけでもパーティーにしちゃえはまさにお祭り。パーティーパーティーを始めよう。
 
 
Beyeen Veil (1)(U) U
インスタント
対戦相手のコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで−2/−0の修正を受ける。

Beyeen Coast 
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(C)を加える。
 青におなじみのパワーだけ下げるよ系トリック。ベースになっているのは「形勢一変」で、効果は全く一緒だが土地モードの追加でアンコモンに格上げされている。もともとメインデッキには入れづらいタイプの呪文であったが、さて、土地にもなると言われたら入れる……かなぁ……。一応イゼット系では土地を圧縮しながらスペルカウントを水増しできるので、そういうニーズはあるかも。

 


 
Deliberate (1)(U) C
インスタント
占術2を行い、その後カードを1枚引く。
 なるほどそうきたか。あの名作呪文「定業」が、2マナインスタントになって帰ってきた。1マナソーサリーだと強すぎるレガシークラスの呪文になってしまうが、2マナなら適正という判断だ。実際、こうしてみると「選択」の豪華版だとみることもできるし、「予期」の微調整版とみることもできる。まだまだ呪文開発の可能性ってのは残されているもんである。「予期」よりも見られる枚数は1枚減ったが、2枚ともいらないと判断すれば3枚目が引けるのでそこまで大きな差でもなかろうし、2枚とも必要な場合にトップに置く選択肢がある。さらに正式にドローになったのでエルドレインやM21の「2枚ドローしたら」系のシナジー、テーロスの「相手ターンにドローしたら」ギミック、「テフェリーの後見」の誘発など、細かい部分で噛み合うカードが増えた(ドローを咎めるナーセットは環境を退場するのである)。今後のコントロールデッキでは常に検討されるべき1枚になるだろうし、リミテッドでも程よい調整カード。相変わらずこういうカードは人気だわ。

 


 
玻璃池のミミック Glasspool Mimic (2)(U) R
クリーチャー・多相の戦士、ならず者
0/0
あなたは、〜のクリーチャータイプが他のタイプに加えて多相の戦士・ならず者であることを除き、あなたのコントロールするクリーチャーのコピーとして戦場に出ることを選んでも良い。

玻璃池の岸 Glasspool Shore 
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(U)
 このセットの「クローン」。レジェンドルールの変更以来、相手クリーチャーの除去に使えなくなったクローン系カードは価値が低下し、様々なボーナスで復権を狙っているが、3マナというコスト軽減もその1つ。このクリーチャーも、3マナクローンである「鏡像」とだいたい一緒。そこにレアリティが追加されたおかげで、「ならず者はキープできるのでパーティーとして使いやすい」というサポートと、土地としても置けるサポートの二段階強化が施された。なるほどここまでしてくれるのなら、「とりあえず入れとこか」の精神で使えるカードにはなっているだろう。これ、パーティーを狙うよりも率先してならず者デッキに入れた方が使いやすい気もするんだけど、ならず者デッキだとどうせコピーするのもならず者だから旨味が少なくなるっていう。

 


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炎刃の突撃者 Fireblade Charger (R) U
クリーチャー・ゴブリン、戦士
1/1
〜が装備している限り、これは速攻を持つ。
〜が死亡した時、〜は任意の対象にそのパワーに等しい値のダメージを与える。
 装備支援クリーチャー軍団の1体。装備品というカードタイプが初登場したミラディンの時からそうだったが、一応装備品はもっとも推しているのが白で、次点に赤がきている。こちらのゴブリンは装備されると速攻という部分は正直あんまり魅力じゃないのだが、増強しとくと単純に死亡時ダメージが増えますよ、という形での売り出しになっている。何もせずとも「ゴブリンの付け火屋」以上なのだからその性能は保証されている(一応、厳密にいうと「付け火屋」はダメージを与えないことが選べたが、こちらは必ず与えなきゃいけないという違いはある)。そして、どうせ1マナクリーチャーに装備を貼って殴って速攻を得ることがプラスになる状況なんてほとんどないのだから、「付け火屋」と全く同じものと割り切って使うか、さらなるパワー増強を前提として活用するか。増強手段としては、いちいちこいつにオーラや装備品を貼ってやるほどのこともないだろうから、全軍を増強できる手段でついでに上げるのが良さそう。次のスタンだと「紋章旗」を採用した赤単なんかに盛り込めば普通に強そう。1マナゴブリンは常にその動向を注目されるのだ。

 


 
溶鉄破 Molten Blast (2)(R) C
インスタント
次のうちから1つを選ぶ。
「〜は対象のクリーチャーかPWに2点のダメージを与える」
「対象のアーティファクトを破壊する」
 一斉を風靡した優良火力「削剥」を徹底的に丸くしてコモンに落とし込んだもの。レアリティが違うので比較してもしょうがないのだが、1マナ重くなった上に火力が1点下がっている。レアリティってのはこういうことなんだ、というのをわかりやすく伝えてくれる1枚である。まぁ、「削剥」自体がだいぶ過去のカードだし、そんなもんと比較してもしょうがない。とりあえず最低限使える火力である。ゼンディカーは本来装備品次元でもあるのでアーティファクト対策は念を入れたいところだが、今回は装備品が強いんだかどうだかよくわからないので、「火力で一応対策も兼ねられる」くらいのこのカードはちょうどいい。コモンからメインで投入できるアーティファクト対策が多めに確保できるのは悪い相談じゃないはずだ。問題は火力としてあまりよろしくないという部分だが、そこはまぁ、戦闘とか絡めてなんとか処理してくれ。一応、上陸で大きくなるクリーチャーなんかも多いので、「あ、意外にタフネス低いやん」って処理できるケースもあるはずだ。
 
 
拾った刃 Scavenged Blade (1)(R) C
アーティファクト・装備品
〜が戦場に出た時、対象の、あなたのコントロールするクリーチャーにこれをつける。
装備されたクリーチャーは+2/+0の修整を受ける。
装備(2)(R)
 そんな身も蓋もない名前を付けんでも……。まー、実際拾ってきたならしゃーない。その辺に落ちてた割にはそこそこの性能で、いわゆる「放射籠手」や「匪賊の斧」なんかと同じデザイン。色付きになったくせに装備コストは1マナ重くなってしまったが、今回の装備品全般に共通するのでそこはしょうがないだろう。赤の攻めっ気の強いデッキなら、張り替える手間に目を瞑って、初期投資の安さをプラスに捉えることも不可能ではない。ちなみにこれをふた回りくらい強くした装備品が「海賊のカットラス」である。あれ、ほんとなんだったんだろうな。

 


 
(髑髏砕きのミノタウルス)Shatterskull Minotaur (4)(R)(R) U
クリーチャー・ミノタウルス、戦士
5/4 速攻
この呪文を唱えるためのコストは、あなたのパーティーのクリーチャー1体につき(1)少なくなる。
 僕もパーティーにいれてよ系ミノタウルス。5/4速攻ということはアンコであることを考えれば相場は5マナくらいなので、実は素出しでもそこまで悪い性能ではない。サイクリングつきの「溶岩の海蛇」が最近まで使われていたので、それを思い出せばイメージしやすいだろう。そこからコストを軽くしていけるなら、なるほど悪くないアタッカー。2ターン目3ターン目に仲間を集め、4ターン目に転がる5点速攻はかなりのド迫力だ。是非とも仲良くしてくれるお友達多めで使いたい。逆に戦士デッキとかの固まっちゃったデッキだとそこまで慌ててとるもんでもないか。多分戦士デッキだとサイズより速度が重要視されそうだしな。

 


 
(焼け付く弾幕)Sizzling Barrage (1)(R) C
インスタント
〜は対象の、このターンにブロックしたクリーチャーに4点のダメージを与える。
 実はかなり珍しい呪文だ。「ブロックされたクリーチャー」を咎める呪文は白に多く、「強打」の系譜に連なり、そこから戦闘に参加してるならブロックしていようがされていようが阻害する、いわゆるレンジストライクと呼ばれるジャンルが作られていった。白がブロックされてる側、つまり攻撃側を咎めるなら、逆に赤はブロックしてる側を咎めるのかというと実はあまりそうした例はなく、白と組んでマルチカラーになった際に「正義の矢」や「燃える油」などが作られるくらい。赤からしたら、「戦闘がどうとか関係なしに焼けよ」ってな話である。そんなわけで、こうした制限付きの赤単の火力はかなり珍しい。そして、実際に使おうとすると単に面倒なだけなのでやっぱりいらん制限である。2マナで4点とダメージ量は優遇されているが、トランプル持ちでない限りはこれで確実に1回は攻撃が防がれてしまうわけで、攻めを急ぎたい赤からすれば小さくない制限である。まぁ、リミテッドならそれなりに使うしかないだろうが、できればもうちょい素直な火力が欲しかった。

 


 
(雷鳴の叱責)Thundering Rebuke (1)(R) U
ソーサリー
〜は対象のクリーチャーかPWに4点のダメージを与える。
 というわけでこちらがその素直な火力である。そう、これでいいんだよ。ちゃんと2マナで4点与えられてるし。アンコモン・2マナ・ソーサリーという並びからすると、比較すべきは入れ替わりで環境をさる「溶岩コイル」だろう。あちらは追放効果がついており、こっちはPWも射程に収められるところが売り。一長一短だが、個人的には赤である程度コントロール気味のデッキを組んだ時の厄介のタネといえばやはりPWなので、「溶岩コイル」に負けない利便性になっているんじゃないかと思う。どうせソーサリーだからウーロ対策にもならないし、やきもきするのは主に「悲哀の徘徊者」とのマッチか。墓地対策は他のところでやりくりするしかないな。

 


 
(轟く火花魔道士)Thundering Sparkmage (3)(R) U
クリーチャー・人間、ウィザード
2/2
〜が戦場に出た時、これは対象のクリーチャーかPWにX点のダメージを与える。Xは、あなたのパーティーのクリーチャーの数である。
 パーティーのギミックが発表された時点で絶対出てくると思ってた、「パーティー分だけダメージを与える赤のウィザード」。そりゃね、こんなにデザインしやすいカードもないからね。4マナ2/2というサイズもなんとなく想定できる範囲で、イメージとしてはウィザードを集めて頑張っていた「火拳の達人」あたりのポジションを狙うことになるだろう。自身がウィザードなので、いっそウィザードが薄いデッキの方が活躍は安定させやすい。戦士デッキに1枚さしておくと4マナ2点火力のプチ火炎舌。それだけでも充分使えるよね。
 
 
(タクタクの瓦礫砦)Tuktuk Rubblefort (2)(R) C
クリーチャー・壁
0/3 防衛 到達
あなたのコントロールするクリーチャーは速攻を持つ。
 あのタクタクさんが作ったと思われる塁壁。いや、「あの」っていうほどタクタクさんのこと知らないけど、とりあえず「探検家タクタク」は死亡して石のゴーレムになっている。今調べたら、その後に「こいつの石食べたら強くなれんじゃね?」と思った「面晶体の掘削者、ザダ」に食べられてしまったらしい。なんだその壮絶な人生は。お疲れ様です。とにかくそんなレジェンドゴブリンが作った壁である。全軍に速攻をつけるという効果自体が「熱情」という3マナのエンチャント(しかもレア)の効果なのだから、それがコモンの壁に付いているというだけでも信じられない。タップして速攻を付与する「戦闘塁壁」や、直近では同様の「跳ね橋」などもあったが、これらは速攻を与えようとしたらタップしてガードが下がるので、一応デメリットがあったわけだ。こちらの壁なら、置いとくだけで全軍の速度が3割増し。様々なシナジーも考えられる、なかなか危険なカードである。ただまぁ、最近は「護法の要塞」が同じ問題を抱えていたが、そんだけ攻める気概のデッキが3マナパワー0のクリーチャーを入れてるのはどうなんだっていうジレンマもあり、押し引きのバランスは結構難しい。「護法の要塞」は地上を固めて空から殴るという方法論が成立したが、こちらのカードはそういうわけにもいかないので本当に愚直に殴る速度を早めて、クリーチャー1枚分のダメージをどこかで埋め合わせるしかないだろう。タップ能力者が多めに引けたなら、そのあたりのシナジーを見込む方法もあるか。

 


 
(古代の緑守り)Ancient Greenwarden (4)(G)(G) M
クリーチャー・エレメンタル
5/7 到達
あなたは墓地から土地をプレイして良い。
土地が戦場に出ることであなたのコントロールするパーマネントの誘発型能力が誘発するなら、その能力は追加でもう1度誘発する。
 「緑守り/Greenwarden」という名前は一般名詞かもしれないが、過去には「ムラーサの緑守り」が登場していることから、おそらくゼンディカー・エレメンタルの上位階層を指す言葉なのではなかろうか。「ムラーサの緑守り」も神話レアだったからね。先輩緑守りはとにかく墓地からカードを回収するという優しさとエコロジーにあふれた存在だったが、新たな緑守りはルールブレイカーっぷりで神話の危険さをアピール。上についた「世界のるつぼ」能力はまだいいとして、こいつがいるだけで上陸能力は全て効果2倍。+2系の増強上陸ならこれ1体で大きく後押しできることになる。まぁ、6マナクリーチャー置いた後の上陸ってなんだよって話だが……。一応上陸以外の誘発型能力も2倍にできるので、占術土地の占術がちょっと強くなったり、「お菓子の小屋」から食物が2個取れたりもする。何か爆裂しそうな土地がある環境を探してみよう。ちなみに、個人的には「戦慄の存在」で沼を置いた時の効果を倍にして楽しむっていうのをやってみたかったのだが、残念ながらスタン落ち。ヒストリックでどうぞ(結構です)。ちなみに、両面カードの土地のやつは、裏面が土地の扱いが大半なので、「呪文として唱えて墓地から置く」みたいなことはできないので注意。

 


 
(カザンドゥのマンモス)Kazandu Manmoth (1)(G)(G) R
クリーチャー・象
3/3
上陸 - 〜はターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。

(カザンドゥの谷)Kazandu Vale
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(G)を加える。
 シンプルながらも切れ味鋭い両面カード。緑の3マナ3/3は過去にも「訓練されたアーモドン」を指して「象」ステータスなんて言ったもんだが、久しぶりにそんな純正の「象」が現れ、しかもそこにはおまけが2つ。上陸による増強は単純だが強く、4ターン目に殴りにいける5/5は手軽に手に入っちゃダメなやつ。これだけでも最悪レアとして成立しているのかもしれないが、その渋さをさらに後押しするのが土地としての選択肢。「そこそこというには強すぎるクリーチャーに土地事故防止の保険付き」ってかなり便利なんじゃなかろうか。強いて難をあげるなら、現在緑は「パワー4以上」を推すカードが増えているため、何マナであっても素のパワーが3だとシナジーを形成しにくいという部分。この渋めの仕事がヨルヴォさんらを押しのけて緑のデッキに食い込むことはあるのだろうか。まぁ、押しのけるのはヨルヴォじゃなくて森でよくね? っていう話もあるのだが。

 


 
カザンドゥの踏みつけ Kazandu Stomper (5)(G) C
クリーチャー・ビースト
6/5 トランプル
〜が戦場に出た時、最大2つまでの対象の、あなたのコントロールする土地を手札に戻す。
 名前とイラストを見る限り、過去にレアとして登場した「土を踏み付けるもの」と同種族と思われるビースト。ちなみにこれの幼少期の姿である「踏みつけの子」もいます。四足獣だと思ってたんだけど、もしかして二足歩行も出来んのかな。まぁ、どう見ても腕(脚?)6本あるから絶対四足獣とは言わんけども。とりあえず、部族特性である「ダイナミックなサイズとトランプル」は持ち合わせている。その上で今回手に入れたのは通好みの上陸応援能力。これまで散々「重たいカードの上陸能力なんてそんなに起動しねぇよな」と文句を言っていたわけだが、こいつさえいれば、6マナ域からさらに最低2ターンは土地を置き続けることが可能になる。それなりのフィニッシャーが使う小技としては面白いし、ここまで土地が伸びたら多少数を減らしても気にならないという状況的な後押しもある。また、今回だけの特典として、土地として置いてしまった両面カードを回収してスペルとして唱え直すという選択肢もある。これなら上陸にフィーチャーしていないデッキでも存在意義を見出すことができるだろう。重たいカードなので何枚も入るようなもんでもないが、使いこなせればゼンディカーを満喫してる感がある、面白い1枚。

 


 
ムラーサの発芽種 Murasa Sproutling (2)(G) U
クリーチャー・植物、エレメンタル
3/3 キッカー(1)(G)
〜が戦場に出た時、これがキッカーされていたなら、対象の、あなたの墓地にあるキッカー能力を持つカードを手札に戻す。
 普通に良いサイズのボディに、キラリと光るキッカー応援機能を備えたテクニシャン。墓地のカードを戻す呪文は「自然のらせん」の2マナくらいが適正コストなので、対象に制限があるとはいえ、ついでにそれができる良いサイズの肉というだけで充分強い。さらにこいつ自身がそこそこ安価でキッカーできるのでシミックカラーの「キッカーした時」誘発能力を無理なく後押しできるのもセールスポイント。もちろん、これが2枚あれば5マナで延々キッカーを唱え続けることも可能になるわけだ。ギミックを後押しするカードだが、最悪でも3/3なので別にシナジー無しでも使えてしまう。キッカーに殉じたい人は早めの確保を。
 
 
オラン=リーフの軟泥 Oran-rief Ooze (2)(R) R
クリーチャー・ウーズ
2/2
〜が戦場に出た時、対象の、あなたのコントロールするクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
〜が攻撃するたび、+1/+1カウンターが置かれた各攻撃クリーチャーに、+1/+1カウンターを1つ置く。
 とにかく+1/+1カウンターが好きすぎるウーズ。出た時に1個ばらまくので2ターン目までに先行している味方のサポートに回してもいいし、自身を3/3にしてもいい。どちらかというとオススメは後者で、自身をサイズアップしておけば、次のターンに攻撃して4/4になりながら生き残るプランも取りやすくなるだろう。または、ゴルガリカラーのカウンターギミックで固めてカウンター持ちを大量に展開しておき、とどめのひと押しとして出撃させるプランもある。攻撃クリーチャーにしか対応していないので、かなり攻めを意識したデッキ構築が求められることになる。手っ取り早い育成方法として「バスリの結束」を使っての万歳アタックってのがある。「寛大なる者、アジャニ」がスタン落ちするのが惜しいな。

 


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(従者つきの癒し手)Attended Healer (3)(W) U
クリーチャー・コー、クレリック
2/3
あなたが各ターンで最初にライフを得るたび、1/1で白の、猫・クリーチャー・トークンを1体生成する。
(2)(W):対象の、他のクレリックはターン終了時まで絆魂を得る。
 従者っつっても、ネコなのよ。山岳救助隊が犬を連れてるのは理解できるけど、癒し手が猫を連れてるのはどういうことなのか……しかも、誰かを癒さないと猫出てこないし。おかしくない? 猫がいて初めて癒されるんじゃない? まぁ、とにかくM21で勃発した犬猫大戦争を支援する1枚だ。ライフゲインがトークンにつながる構造は「グリフィンの高楼」と同じだが、こちらは1点のライフでも誘発するし、相手ターンでも誘発する。両方使えばグリフィンと猫の両面体制で癒しにいけるが、ぶっちゃけ猫は1/1バニラなのでそこまで求めるもんでもないか。これで猫もちゃんとクレリックだったら再生産が見込めたんだけどなぁ。まぁ、今回のクレリックデッキはライフゲインに絡めたシナジーは多いみたいなので、その中に自然に混ぜ込んでおくとライフゲインの方策も報酬も増量できるので各方面に連携しやすいんじゃなかろうか。猫トークンが増えればそれだけで勝ちみたいなもんやろ?
 
 
(不屈の結束)Dauntless Unity (1)(W) C
インスタント
キッカー(1)(W)
あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。この呪文がキッカーされていたなら、代わりに+2/+1の修整を受ける。
 全体増強の基本のキ。現在の基準だと既に+1なら「突撃」の1マナだが、おまけがついていることを考えれば2マナ(つまり「栄光の突撃」)でも文句なく実用レベル。これにさらにキッカーモードもついていて決め技になってもいるのだから至れり尽くせり。まぁ、そうは言っても結局はある程度数が並ぶデッキでないとデッキインはためらわれる気もするけど。アンコモンの方には土地にもなる全体+2呪文もあるが、そちらはソーサリーなので一長一短。まぁ、持っているカードでなんとかするしかないってどこぞの犬も言ってますからね(Magicの解説でその例えを使うのはむしろどうなんだろう)。

 


 
解呪/Disenchant(M20)」 C
 お世話になります。一応これでスタン落ち回避ではあるが、ぶっちゃけ今のスタンで見かけたことあんまり無いな。

 


 
(忘却への旅)Journey to Oblivion (4)(W) U
エンチャント
この呪文を唱えるためのコストは、あなたのパーティー1体につき(1)少なくなる。
〜が戦場に出た時、対象の対戦相手のコントロールする土地でないパーマネントを、〜が戦場を離れるまで追放する。
 このイラスト、完全に「AWOL」じゃんね。いよいよ銀枠世界がここまでゲームを侵食するようになったか……いや、多分「AWOL」じゃなくて「未達への旅」が元ネタでしょうけどね。そういや「未達への旅」もゼンディカー産なんやね。カード名からもオマージュがわかりやすく、「未達への旅」に「忘却の輪/Oblivion Ring」を足したようなストレートな名付け。これこそまさに「リング系除去」の最新作と言える。効果は最近のリング系のスタンダードな仕上がりで、トッピングとしてパーティーによるコスト軽減を導入。この手のカードのコストは3マナなら強くて4マナで普通くらいなので、だいたいパーティー1人でも採算が合うようになっている。少なくともリミテッドなら必須カード間違いなし。構築では「払拭の光」が現役なので、さすがに出番はないかなぁ。

 

 


(光輝王の野心家)Luminarch Aspirant (1)(W) R
クリーチャー・人間、クレリック
1/1
あなたのターンの戦闘開始時に、対象の、あなたのコントロールするクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
 すげぇ雑に強化。どこの次元にいてもおかしくないけど、どこの次元でもひどい強さなのは間違いない。放っておいたら必ず毎ターン1つずつ強くなっていくので、軽量クリーチャーのくせに長期戦に向いているという変なクリーチャーだが、まぁ、速攻デッキに入れても十分機能するだろう。効果だけを見れば「ハダーナの登臨」や「原初の共感」と同じではあるのだが、やはり自身の強化が可能なクリーチャーが、2マナという軽さで持っているのは脅威だ。ご丁寧に誘発が「戦闘開始時」なので出したターンから使えるのがほんとずるい。まー、シナジーもなにもあったもんじゃないけども。こんだけ前のめりなのがこの世界のクレリックなんだなぁ。

 

 


(台地のオオヤマネコ)Mesa Lynx (1)(W) C
クリーチャー・猫
2/1
あなたのターンでない限り、〜は+0/+2の修正を受ける。
 最近の白ではむしろ珍しい印象のウィニー。最近は「As long as/〜な限り」の書式で書かれたクリーチャーの能力といえば「あなたのターンである限り」が多く、攻撃時に先制攻撃だの絆魂だのが得られて前のめりになるクリーチャーが多かったのだが、なぜかこいつは「自ターンでない限り」。つまり、防御に回した方が効率がいいと書かれている。この1枚だけを見れば、開発チームが多少遅い環境を目指しているといえるわけで、「ゼンディカーって、やっぱり土地が主役なんだから土地はいっぱい置いてくれよ!」というメッセージが込められているのだ。過去には見事にその狙いは外れたが……今回はどうでしょうね?

 

 


(タジームの猛禽)Tazeem Raptor (2)(W) C
クリーチャー・鳥
2/2 飛行
〜が戦場に出た時、対象の、あなたのコントロールする土地をそのオーナーの手札に戻しても良い。
 他の次元、他のセットなら「邪魔してるだけやん」と思われるような能力だが、今回のセットに置いては唯一無二の、替えの効かない能力を持つ期待の1枚。普通に展開するなら、土地なんて戻す必要がない3マナ2/2フライヤー。それだけでも問題なく採用できる。そして、こいつのスペシャルは土地ならなんでも戻せるという点。つまり、ゲーム序盤には置くしかなかった両面土地が、「もう土地も足りてるし大丈夫やろ」というタイミングで戻ってきて、今度はスペルとして再利用可能になるのである。まぁ、両面土地を序盤に「置いちゃってる」時点で何か損してた気はするのだが、途中から選択肢がぐっと増えるのは間違いない。リミテッドでは人気のギミックになるのは間違いないだろう。

 


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(燃えがら地獄)Cinderclasm (1)(R) U
インスタント
キッカー(R)
〜は各クリーチャーに1点のダメージを与える。これがキッカーされているなら、代わりに2点のダメージを与える。
 一昔前なら1セットに1つは入っていた「赤の全体火力」だが、最近は案外そうでもない。確認したらアンコモン以下だと直近は「死の国の火」。インスタントだと最近なら「焦熱の連続砲撃」がリミテッドではよく見かけただろうか。こちらの呪文は全体火力の不便さを細やかなダメージ調整で解消した意欲作で、なんとわずか1マナの追加で2点火力になる。2マナで全体1点も、3マナで全体2点もコスパは標準以上と言えるので、この選択肢はかなりありがたい。相手がトークンを並べるようなタイプだったら通常モードだけで足りるし、コンバットも絡めて盤面をコントロールしていく目的なら3マナモードが文字通りに火を噴く。持っていて損するようなもんでもないので、見かけたら是非とも確保しておきたい。

 


 
(探検隊の英雄)Expedition Champion (2)(R) C
クリーチャー・人間、戦士
2/3
〜はあなたが他の戦士をコントロールしている限り+2/+0の修正を受ける。
 3マナ2/3から3マナ4/3への成長譚。パワー2ではリミテッドでもイマイチレベルだが、3マナパワー4ならコモンでは一線級。こりゃもう是が非でも戦士を取り揃えにゃならん。現時点で既に相手のブロックを制御する戦士などの前のめりメンバーはそれなりの数が紹介されており、コモンで頭数を揃えながらパワーがぐっと上がるのは適切に求められるパーツだ。戦士デッキ以外の人間からはとにかく地味な存在にしか見えないので安く集められそうなのも追い風。力こそパワーだ。
 
 
(法外な怒り)Inordinate Rage (1)(R) C
インスタント
対象のクリーチャーは、ターン終了時まで+3/+2の修整を受ける。占術1を行う。
 今回の赤トリック。ベースになっているのは「タイタンの力」で、1マナ重くなった分、タフネス修整が1点多くなった。多分、トータルでの使い勝手は1マナ重い「タイタンの力」に軍配が上がる気はするが、まぁ、微差である。最近は赤トリックも色々と器用になってきたわねぇ。あとイラストがなんか可愛い。

 


 
(カルガの威嚇者)Kargan Intimidator (1)(R) R
クリーチャー・人間、戦士
3/1
臆病者では戦士をブロックできない。
(1):次のうちから、このターンに選ばれていない1つを選ぶ。
「〜はターン終了時まで+1/+1の修整を受ける」
「対象のクリーチャーは、ターン終了時まで臆病者になる」
「対象の戦士は、ターン終了時までトランプルを得る」
 初見では思わず膝を打ったナイスなネタカード。ある程度経験値のあるプレイヤーなら一目でわかる通り、こちらは「ボールドウィアの威嚇者」のオマージュ。常在型能力は全く同じだし、起動型能力も「戦士を増やす」以外の部分は用意されている。これを思い切り軽量化し、今風の要素として個性的なモード選択を付与することで斬新な新カードに生まれ変わった。もともと「ボールドウィアの威嚇者」は「未来予知」で初登場して翌年の「モーニングタイド」での登場が予告されるというギミックがあったが、「臆病者」という妙なクリーチャータイプを指定する設定が、「職業」というタイプにフィーチャーしたモーニングタイドのギミックにぴったりだったので非常に面白い味わいになっていたのである。今回はそんな「威嚇者」がフォローしていた戦士にスポットが当たったおかげで、ナチュラルに世界観をスライド。この世界にも、きっと臆病者がたくさんいるのである。いないなら脅して作ればいいのである。さぁ、戦士軍団で相手をふみつぶせ。
 
 
(力線の暴君)Leyline Tyrant (2)(R)(R) M
クリーチャー・ドラゴン
4/4 飛行
あなたは、ステップやフェイズの終了時に、未使用の赤マナを失わない。
〜が死亡したとき、あなたは(R)を望むだけ支払っても良い。そうしたなら、〜は任意の対象に、その数に等しい値のダメージを与える。
 今回の神話ドラゴン。毎度無茶を更新して刺激を提供し続ける神話ドラゴン枠だが、今回もなかなかの問題作だ。4マナ4/4はすでに既定路線なので驚くべきことでもないが、そこに盛り込まれているのは謎のマナプール能力。多分同じ次元のオムナスさんにでも教わったのだろう。オムナスさんの場合はそうしてプールした緑マナをそのまま筋肉に変換していたが、こいつの場合は、体内に溜め込んだマナが死亡時に破裂する仕様。相手からしたら、数ターン放っておいたこいつはもう除去することも叶わないので多方面から詰みの状態である。幸いにして、そうした爆発物貯蔵庫になるためにはある程度の時間はかかるし、バウンスや追放などの除去で処理してやれば貯蓄は霧散し世界恐慌待った無し。対策法はそれなりにあることはある。即時効果でやばかった「峰の恐怖」に比べれば、まだおとなしい方とも言えるか。唯一無二の能力なので、またどこか異次元からの悪さを考えるプレイヤーは出てきそうだなぁ。
 
 
(マグマの交感者)Magmatic Channeler (1)(R) R
クリーチャー・人間、ウィザード
1/3
あなたの墓地に4枚以上のインスタントやソーサリーカードがある限り、〜は+3/+1の修整を受ける。
(T)、手札を1枚捨てる:あなたのライブラリを上から2枚追放する。その後、その中から1枚を選ぶ。あなたはこのターン、そのカードをプレイしても良い。
 根っからのイゼット的呪文応援団。墓地にある程度の枚数が必要なので始動までの時間はかかるが、タップ能力で強引に墓地を調整していけば、遠からず4/4のマッチョにはなれるはず。ただ、そうしてマッチョになれるのはあくまで副次効果だ。タップすれば「衝動的ドロー」を利用した変則ルーターみたいな能力が使えるのだから、まずは攻撃よりもそちらを優先するだろう。まぁ、手札にプレイできるカードがあるなら、無理に起動する必要もないけどさ。やろうと思えば3ターン目くらいにも強引に4/4で殴りにいける可能性があるので、開き直ってスペルデッキの脳筋担当にした方が住み分けはしやすいのかな。でも、今の時代だったら「スプライトのドラゴン」っていうもっとしっくりくるやつもいるしなぁ。

 


 
(アクームの憤怒、モラウグ)Moraug, Fury of Akoum (4)(R)(R) M
伝説のクリーチャー・ミノタウルス、戦士
6/6
あなたのコントロールするクリーチャーは、そのターンに攻撃した回数分だけ、+1/+0の修正を受ける。
上陸 - これがあなたのメイン・フェイズであるなら、このフェイズの後に、追加の戦闘フェイズを得る。その戦闘フェイズの開始時に、あなたのコントロールする全てのクリーチャーをアンタップする。
 カタカナで書いたら「ウラモグ」のアナグラムになってヒヤッとしたが、英語だとウラモグのスペルは「Ulamog」なので多分関係ない。安心。殴れば殴るとき、殴ったらいいと思ってるミノタウルスの親玉。「追加戦闘フェイズ」は赤が絶対に忘れちゃいけないギミックの1つではあるのだが、実際に構築クラスにまで食い込める人材はほとんどいない。かろうじて「戦闘の祝賀者」がコンボチックな活躍を見せたくらいだろうか。しかし、ここまでやりきったらどうだろうか? サイズも充分だし、パワーをどんどん重ねる能力のおかげで破壊力が増し、強引にでも「戦闘が増える」ことにポジティブな意味を追加している。この手のカードが微妙になる理由の1つは「どうせ相手は最初の戦闘で全力でブロックしてくるから第2陣なんてそんなに揃わない」というところだったが、こいつのいやらしいところは、別にこいつ自身が殴らずに戦闘フェイズが増えるところ。つまり、一発目の攻撃でそれなりに被害が出そうだと思ったら、無理にこいつ自身が出陣する必要もないのである。加えて、上陸を使っているのでフェイズの獲得に一切マナがかからないというのも重要。コンバットトリックの効果が2倍3倍に膨れ上がるので、同一ターンに使えるマナの量は成果に直結するのだ。例えば二段攻撃をつける呪文なんかがあれば、それだけでゲームが終わるだろう。さぁ、あとはこのコストをいかにクリアするか。どんなデッキが受け入れてくれるかは分からないが、頑張って出すだけの価値はありそうだ。

 

 


(ナヒリの石術)Nahiri’s Lithoforming (X)(R)(R) R
ソーサリー
土地をX枚生贄に捧げる。この方法で生贄に捧げた土地1つにつき、カードを1枚引く。あなたはこのターン、追加でX枚の土地をプレイしても良い。あなたのコントロールする土地は、このターンタップ状態で戦場に出る。
 伸び伸びと里帰りを謳歌しているナヒリさんの技。この人、どうやらソリンとのドロドロ関係を除いたとしてもかなり激しい性格の持ち主だったようで、かつては「ナヒリの怒り」でもむやみにカードを捨てまくったり、割と捨て鉢なコストを払う呪文を唱えがち。そりゃヒステリーに巻き込まれたソリンさんも災難である(いや、どう見ても自業自得だが)。今回の呪文はなんと土地をたくさんサクれと言われる。その見返りはサクったのと同じ枚数だけのドロー。何一つ得してないやんけ、とは思うが、そこはゼンディカーのこと。引いたカードから土地を復興させれば、それだけで上陸しまくりングの上陸パラダイスである。あとはまぁ、試合終盤にだぶついた土地のロンダリングとしてはそれなりの効率か。まぁ、あんまり試合序盤で使う様子を想像できないので、かなり通好みの1枚な気はするが……他のセットの生贄エンジンとかと組み合わせて何か良からぬことができないもんだろうか。ご丁寧に追加土地がタップインで悪さしづらいようにチューンされてるのがなぁ。

 

 


 
(乱動の爆発)Roil Eruption (1)(R) C
ソーサリー
キッカー(5)
〜は任意の対象に3点のダメージを与える。この呪文がキッカーされているなら、代わりに5点のダメージを与える。
 普通に使いやすそうでコメントにこまるタイプの新生火力。キッカー火力の先輩というと最近なら「シヴの火」があるし、さらにその先輩の「噴出の稲妻」もある。これらの先輩はどちらも「ショック」を下敷きにした1マナインスタントだったが、今回はガラリと趣向を変えて「火山の槌」がベース。基礎ダメージが3点に増えた代わりにソーサリーになってしまったところのバランスをどう取っていくか。PWも狙える火力なので、どんなデッキを相手にしてもまず無駄にならないのが最大の売り。リミテッドなら何も考えずに採用できるだろうし、7マナモードでは相手本体に投げつけての決め技にもなりうるだろう。2マナ火力枠は「溶岩コイル」がスタン落ちするので、その穴に入れ替わりになるかどうかが焦点であるが、現在は「砕骨の巨人」あたりのライバルも多く、このコモンに出番が回ってくるかはちょい微妙。

 


 
(焦土乗り)Scorch Rider (3)(R) C
クリーチャー・人間、戦士
4/3 キッカー(1)(R)
〜が戦場に出た時、これがキッカーされていたなら、ターン終了時まで速攻を得る。
 4マナ4/3の戦士、普通。6マナ4/3速攻の戦士、微妙。つまり、総じて普通。そこまで優先度は高くないパンピーコモン。一応、緑にはキッカーコストを軽減する方策がいくつか用意されているので、そういうカードが集まれば多少速攻の恩恵を受けやすくなるかも。まぁ、それでも普通。おっちゃんくらいの歳になると「うねるカヴー」のことを思い出してちょっとノスタルジー。カヴーが速攻で殴ってくることを、我々のコミュニティでは「うねる」と称していました「うねれ!」「うねった〜!」。マジで20年前の記憶やんけ(絶望)。

 


 

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運命の天使 Angel of Desitny (3)(W)(W) M
クリーチャー・天使、クレリック
2/6 飛行 二段攻撃
あなたがコントロールするクリーチャー1体がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたとそのプレイヤーは、それぞれその点数に等しい値のライフを得る。
あなたの終了ステップの開始時に、あなたのライフが初期ライフよりも15点以上多かった場合、〜がこのターンに攻撃したプレイヤーはこのゲームに敗北する。
 なんやこいつ(困惑)。自軍クリーチャーが対戦相手にダメージを与えるたびに、「その分だけみんな回復」するという謎シチュエーション。つまりこれがいる限り、戦闘ダメージは全部チャラ。相手を殴り倒すことはできなくなる(一応、絆魂と違って誘発型能力なので、解決前に相手のライフが0になったら死ぬが)。何が楽しくてそんなことをするかというと、与えたダメージが「相手の傷」じゃなくて「自分の利益」に転化される。相手のライフはゼロにならないが、自分のライフが35点になれば、「この天使に殴られたプレイヤー」は敗北。つまり2人プレイなら、「この天使が殴ったターンに、自分のライフが35点に到達すれば、終了ステップに勝ち」である。感覚的には、「相手のライフを20点削る」を「自分のライフを15点回復する」に置換するデザイン。かつて存在した謎カード「卓絶」の解釈違いみたいなカード。この転換は「相手のライフを20点削るより、自分のライフを15点回復した方が楽じゃね?」という部分を売り出すもの。確かに、ダメージソースよりも回復ソースの方がチェックが緩いのは事実であり、現在もヴィトさんがその穴を突こうと奮戦しているところ。この天使はヴィトさんのような特別な工夫をせずとも、出すだけで全てのクリーチャーが回復方向に回れ右をするのでコンセプトが統一しやすい……のかなぁ。でも、クリーチャーが並んでるなら、そのクリーチャーは前のターンまでは相手のライフを削ろうとしてたと思うのだが……。いや、まぁ、回復デッキなら別にその辺はいいのか。最大の懸念点は、やはり勝利条件に「こいつが殴ったターンの終了ステップ」という文言が盛り込まれている点。どれだけライフの回復準備を整えたとしても、最終的にこいつが着地して、召喚酔いを超えて、攻撃して、生き残る必要がある。こいつが茨の道なんよ。そこのハードルを超えるくらいなら、やっぱりヴィトさんの方が素直で簡単な気がするんだよなぁ。まぁ、特殊勝利条件マニアの人は頑張ってみよう。一応タフネス6で二段攻撃持ちの天使はそれなりに強いは強いしな。リミテで出されたらやっぱりきついよ。
 
 
(天使心の守護者)Angelheart Protector (2)(W) C
クリーチャー・人間、クレリック
3/2
〜が戦場に出た時、対象のあなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで破壊不能を得る。
 天使心とか言っちゃいるが、やってることは「ほれ、お前死なねぇから突っ込んでこい」という特攻製造マシーン。まぁ、死なないなら別にいいんだけどさ。ちなみに「天使心/Angelheart」という名称はかつて「天使心の薬瓶」で使われたことがあるので、単に「天使様の御心」というだけでなく、ゼンディカー次元特有の名称なのだと考えられる。3マナコモンとしてはそれなりのお仕事で、うまく先陣が配置できていれば、本来殴れなかったところが殴れてダメージを稼げるかもしれない。逆に言うと、そうして他人の力を借りることが必須なので、状況が用意されてないと単なるバニラ。瞬速が付いてればかなりのやり手だったのだが、多分そこまでいくとアンコモンになっちゃうからなぁ。
 
 
(エメリアのアルコン)Archon of Emeria (2)(W) R
クリーチャー・執政官
2/3 飛行
各プレイヤーは、各ターンに呪文を1つしか唱えられない。
あなたの対戦相手のコントロールする基本でない土地はタップ状態で戦場に出る。
 出た、どこの次元でも節操なく顔を出す割に、結局なんなのかよく分からない存在、アルコン。せっかく「猟犬」が「犬」になったこの令和の時代にも、残念ながらアルコンの日本語は執政官から変わらずである。しかしこのアルコン、実はこれまた歴史を塗り替えた1枚だったりする。どの部分が新しいかというと、そのコストだ。レアなどに配置されることが多いアルコンはどうしても重量級フライヤーになることが多く、5〜8マナあたりが基本なのだが、これが更新されたのがエルドレインで登場した「赦免のアルコン」の4マナ。すぐにこれに「太陽の恵みの執政官」が続き、この度さらに1マナ軽くなって、3マナ2/3というありえない軽さの執政官となった。まぁ、デザインとしては白がよくやる諸々の制限付与クリーチャーなので、あんまり新鮮味もないけども。「法の定め」効果は3マナなので割と普通だが、アタッカーとして優秀なボディにくっついている分だけ効率的。そして下についているのはさらに相手を締め上げる能力なので、なるほど総じて見れば確かにレアか。せっかくのゼンディカー、今回も変な土地は多くなりそうだが、一番見かけるのは元からタップインの両面カードなので、今んところそこまで大きな影響はなさそうかな?

 


 
(恐れなき雛)Fearless Fledgling (1)(W) U
クリーチャー・グリフィン
1/1
上陸 - 〜の上に+1/+1カウンターを1つ置き、〜はターン終了時まで飛行を得る。
 これはなかなか育てがいのある子供。2マナで出てくるので上陸の恩恵を受けやすく、うまくいけば3ターン目には2/2飛行。その後も毎ターン土地を置ければ常に最前線で戦えるステータスのままで成長を続けるので、1枚でゲームに勝ててしまうレベルである。土地が置きにくくなる中盤以降までくれば地上でもそれなりに戦えるサイズにはなってるだろうし、飛行の付け外しもそこまで大きな問題にはならない。まぁ、グリフィンのくせにサポート無しで飛べないのはどうかと思うが。ただ、問題はそうしていつも2ターン目に出せるわけではないという部分。2マナクリーチャーに高望みしてもしょうがないが、中盤以降のドローで出会った時のガッカリ感はちょい寂しい。そう考えるとやっぱり飛行はデフォで欲しかったところだが……それだと強すぎたのかしらねぇ。

 


 
(カビーラ式叩き伏せ)Kabira Takedown (1)(W) U
インスタント
〜は対象のクリーチャーかPWに、あなたのコントロールするクリーチャーの数に等しい値のダメージを与える。

(カビーラのプラトー)Kabira Plateau
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(W)を加える。
 土地兼用の除去。除去呪文なんていつだって必須なんだし、流石に土地として置くことはないやろ! と思われそうなところだが、そこはちゃんと2択問題を作ってある。何しろ自軍にクリーチャーがいなければ全く役に立たないのだから。これなら確かに除去ではあるがいらんタイミングは分かりやすい。ただ、このカードをわざわざ入れてるのにいらんタイミングって、割と手詰まりになってる気もするけども……。

 


 
(マキンディの暴走)Makindi Stampede (3)(W)(W) U
ソーサリー
あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。

(マキンディの台地)Makindi Mesa
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(W)を加える。
 白のお家芸、全体増強に土地をミックスしたもの。こうしてはっきりと使い時が決まっているタイプのカードは土地として置く判断がやりやすいので相性は良さそうである。一応悩ましいパターンとして、中盤以降に「そこまでクリーチャーも並んでないし、あとの引きを考えたらもう1枚くらい土地を置いといてもいいけど、もしかしたらクリーチャー並ぶかもなー」みたいな時の判断だが、まぁ、そんなタイミングはそうそう無い。っていうか、悩むタイミングがゼロのカードはモード選択式としては失敗だってマローも言ってたしね。
 
 
(二人組の戦術家)Paired Tactician (2)(W) U
クリーチャー・人間、戦士
3/2
〜と少なくとも1体の他の戦士が攻撃するたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。
 ベースとなっているのは、リミテッドレベルでちょいちょいお世話になる「間に合わせの大隊」。あちらは名前の通りに大隊能力(3体以上で殴って誘発)でカウンターがもらえたが、今回は相棒を戦士に限定することで1体少ない人数でのカウンター獲得が可能になった。「大隊」の悩みは、3ターン目に出しても次のターンにカウンターを得ながら殴るのが難しく、結局この辺のマナ域の戦いだと相打ちになることが多いって部分だが、この設定ならば、2ターン目に相方の戦士が1体出せればノルマクリア。4ターン目に4/3で殴れるので生存率もかなり上がってくるんじゃなかろうか。ただ、おかげでアンコモンになっちゃったのはちょい足元を見過ぎという気もする。戦士デッキにオールインできるかどうかだが、別に「これを引いて戦士デッキに行こう!」と思えるほどの人材でもないのよなぁ。

 


 
(海門の旗持ち)Sea Gate Flagbearer (W) C
クリーチャー・コー,戦士
1/2
(4)(W):あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。
 なんか見たことあるデザインなのに、カード名はどう考えても初見だなぁ、と思ってちょっと悩んだのだが、ほぼ同じデザインのクリーチャーに「絶壁の見張り」がいたのだった。1マナで出てきて、マナフラッドの受けになる全体強化能力を持っているのは完全に一緒だが、セットが異なるために職業が同盟者から戦士に変更され、時代に置いて行かれないようにタフネスが1アップしている。今更の話だが、コモンでも1マナ1/2にボーナス付きは当たり前なのだ。「絶壁の見張り」については、個人的にはほとんど使ったことはないのだが、相手に出されてそれなりに鬱陶しかった記憶はある。中盤以降では、これが後ろに控えているのが見えるだけで戦闘の状況がかなり変わってくる。起動コストは重いのだが、相手からは見えている分だけ、むしろ「起動されるかもしれない」と思わせるだけでも意味があるのだ。無理に横並び戦術を意識せずとも、意外と貢献してくれるやつではある。
 
 
(泡の罠)Bubble Snare (U) C
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
キッカー(2)(U)
〜が戦場に出た時、これがキッカーされていたなら、エンチャントされたクリーチャーをタップする。
エンチャントされたクリーチャーは、そのコントローラーのアンタップステップにアンタップしない。
 キッカーを使って分業に成功した青除去オーラ。キッカーを払えば「金縛り」とだいたい同じ。最近は「捕獲球」に慣れてしまっているので瞬速が無い分だけ物足りなくはあるが、代わりにこちらは1マナで唱えられるという非常に大きなアドバンテージがある。「捕獲球」などのカードの最大の難点は、どうしてもアクションとして重たいのでリミテッドだと1ターン丸々そのマナのために犠牲にする必要があり、テンポでの優位を築きにくいところだった。こちらのカードなら、相手に1回殴らせる覚悟さえあれば、簡単に他のアクションと複合させながら除去を展開できる。いわばマナコストをライフで賄っているようなものだ。そして、単なる代替コストではなく「選択可能」というところに意味がある。殴られるのが嫌なら普通に4マナで唱えればいいだけで、そこに不便はほとんどない。このセットを象徴する青の必須カードになるのは間違いないだろう。

 


 
滝の予見者 Cascade Seer (3)(U) C
クリーチャー・マーフォーク、ウィザード
3/3
〜が戦場に出た時、占術Xを行う。Xは、あなたのパーティーの人数に等しい。
 このセットの「予言ダコ」。叡智を求めるウィザードさんがタコと比較されるのも屈辱かもしれないが、実際にやれることはほとんど同じである。タコは占術が2で固定だが、こちらの御仁はパーティー規模による変動制。まぁ、一応期待値的には2.5なのでタコよりは有利と言えなくはない(期待値とは?)。「予言ダコ」は他に際立ったシナジーもないくせにリミテッドでは割と活躍した印象があり、青が持て余す4マナあたりの地上戦力として無難な数字を保持しつつ、未来への可能性をつなぐ良い1枚であった。こちらはパーティー構成のサポートもこなしつつのお仕事なのでタコ以上にやることが多い。マナカーブに注意しつつ、必要な枚数を見極めたいところ。

 


 
珊瑚兜の僧侶 Coralhelm Cleric (1)(U) C
クリーチャー・マーフォーク、クレリック
1/3
〜がクリーチャーをブロックするたび、そのクリーチャーは、そのコントローラーの次のアンタップステップにアンタップしない。
 最近は類例があまり無いタイプの能力だが、過去を遡れば一応「眩暈の落とし子」というかなり似たようなクリーチャーが見つかる。「落とし子」は2マナ0/3の壁でこの能力、こちらは2マナ1/3で一応殴れてこの能力。しかも先輩はアンコモンだったがこっちはコモンだ。色んなところでクリーチャーの進化というのは確認できるもんである(一応、「落とし子」はブロックしたクリーチャーをタップする能力も持っているが、警戒持ち以外には意味のない部分である)。どこをどう見ても防御要員。そしてタフネスは3しかないので、この能力で長時間にわたって2体のクリーチャーを止め続けるなんてのも難しい。あくまで時間稼ぎと割り切って、序盤に自信のないデッキがなんとか場をつなぐために採用する程度だろうか。一応青のクレリックなので、白や黒に触らずにパーティーを集めたい時にはニーズがあるかもしれないが。ちなみに「青単色のクレリック」というのもなかなか珍しい設定で、考えてみても私はさっぱり前例が出てこなかったのだが、調べてみたら過去には14体もいた。そのうち実に8体がアモンケット出身で、なるほどあの次元の特徴が分かるというものだ。
 
 
海門の嵐呼び Sea Gate Stormcaller (1)(U) M
クリーチャー・人間、ウィザード
2/1 キッカー(4)(U)
〜が戦場に出た時、このターン、あなたが次に点数で見たマナコストが2以下のインスタントかソーサリー呪文を唱える時にそれをコピーする。〜がキッカーされていたなら、代わりにその呪文を2回コピーする。そのコピーの新しい対象を選んでも良い。
 なんか能力の表記が色々ややこしいこだわりの神話。能力自体は誘発型能力で「When節」を持っているのに、実際に効果が確定するのが出た時じゃなくて、その次に呪文を唱えたときってのがややこしい。コピーしたいなら瞬速持ちにして呪文にスタックできるようにした方が楽なのだが、そうすると瞬唱チックになってむやみに強化されてしまうので、苦肉の策としてこんな形になったのだろう。瞬唱なんかと違って面白いのは、こいつが出て能力が確定した時点では、相手は何をコピーされるか分からないということ。次に答えが撃たれた時点でコピーは確定しているので、こいつが出たところで1つ目の対応を迫られ、その次の呪文でも悩まされる。そう考えると、小難しいことが書いてある割にシンプルな嫌がらせクリーチャーである。まぁ、2マナ以下と書かれているのであまり大きな悪さも出来ない気はするが、専用デッキを組んで「真実の視認」を墓地から唱えると4マナ6ドローとかいう化け物が誕生する。是非ともトライしてみたい。それにしてもこのキッカーは……俺が生きている間にこの能力を有効利用する瞬間を見るチャンスはあるのかな……。

 


 
確実な潜入者 Sure-Footed Infiltrator (3)(U) U
クリーチャー・マーフォーク、ならず者
2/3
他のあなたがコントロールしているアンタップ状態のならず者を1体タップする:〜はこのターンブロックされない。
〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、カードを1枚引く。
 いわゆるカササギ能力に、回避能力を混ぜ込んだ危険な存在。4マナ2/3は本家カササギよりは大きいが流石に戦力としては微妙。なんとしても相手の防御網をかいくぐり、恒常的なドローにつなげていきたい。必要なのは仲間のサポート。幸い、今回はならず者にかなり軽い連中も多いし、頭数を揃えるだけならそこまで難しい話ではなさそう。協力者の方は召喚酔いしてても問題ないし、出したターンに除去されなければ結構な確率でドローは呼び込めるんじゃなかろうか。あとの問題は、そうして技巧派ばっかり取り揃えてると、引いたカードを使う間も無く殺されてしまう危険性があるということ。序盤の防備は抜かりなく。

 


 
(血の招き)Blood Beckoning (B) C
ソーサリー
キッカー(3)
対象の、あなたの墓地にあるクリーチャーカードを手札に戻す。この呪文がキッカーされていたなら、代わりに、2枚の対象のあなたの墓地にあるクリーチャーカードを手札に戻す。
 今回の墓地回収呪文。これまた「キッカー版って無かったんだ」というのが意外なジャンルだが、過去のゼンディカーだとやっぱり上陸をフィーチャーした「魂の階段の探検」なんかが作られている。キッカーって、単純すぎて逆に抵抗があったのかもね。1マナで使えば完全に「墓暴き」と同じだし、キッカーを使えば「蘇りし者の行進」と同じ。どちらで使っても素直にコスト分の働きになる気安い存在。相手がならず者デッキだった場合には勝手に墓地をアレンジしてくれるので評価がちょいあげ。

 


 
(名門の吸血鬼)Highborn Vampire (3)(B) C
クリーチャー・吸血鬼、戦士
4/3
 こんなにそっと自然にバニラを出されても……。いや、コモンだから別にいいけども。一応、今回黒は戦士の第3種色なので、全体的に数は少なめ。青黒や黒緑でパーティーを組みたい場合にはそれなりの候補に。でも、名門の出身がこんな下働きでいいのだろうか……。頑張れゼンディカー吸血鬼。

 


 
(マラキールの血の僧侶)Malakir Blood-Priest (1)(B) C
クリーチャー・吸血鬼、クレリック
2/1
〜が戦場に出た時、各対戦相手はX点のライフを失い、あなたはX点のライフを得る。Xは、あなたのパーティーの人数である。
 痛そうで痛くない、少し痛い吸血鬼。2マナであることを考えるとわざわざ温存しておくのも微妙なので、さっさと2ターン目に出して1ライフドレインという展開も多いことだろう。それだけでももちろん悪いお仕事ではない。うまいことパーティーデッキが組めたなら、そこはぐっと温存して、5ターン目くらいに4ライフドレインを叩きつける選択肢があるのが偉い。あの「アスフォデルの灰色商人」を思い出せば、4ライフ吸われるってのは結構なダメージなのだ。この僧侶ならば、うまくいけばアスフォデルの半分以下のコストで、似たような効果を発揮できるかもしれないのだ。死にやすさは決してデメリットばかりではなく、残りのパーティーメンバーを盤面に控えさせておきつつ、墓地から回収して連打するデッキだって不可能ではない。とりあえずかき集めておいて、ピックの流れ次第でクレリック単に行くか、パーティーデッキにするかを選ぶ戦術は案外成立しそうだ。

 


拍手


 
(エメリアの呼び声)Emeria’s Call (4)(W)(W)(W) M
ソーサリー
4/4で飛行を持つ、白の天使・戦士・クリーチャー・トークンを2体生成する。あなたのコントロールする天使でない各クリーチャーは、次のあなたのターンまで破壊不能を得る。

(砕かれたスカイクレイブ、エメリア)Emeria, Shattered Skyclave
土地
〜が戦場に出るに際し、あなたは3点のライフを支払っても良い。そうしないなら、〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(W)を加える。
 天使様のハイパーご支援呪文。2体の天使が駆けつけ、しばらくの間は民を庇護してくれる。安全安心だし、次のターンに天使が殴れば勝ちは固い。強いのは間違い無いのだが、まぁ、7マナ神話だと考えるとそこまで驚くようなもんでも無いかな……。ちなみに天使さん自身は破壊不能じゃないので除去られるという部分が無駄にフレーバーに忠実。そして7マナのソーサリーなんてそうそうデッキに入れられるか! というニーズにお応えして土地としてもプレイ可能。さらに神話なのでアンタップインの選択肢ももらっている。至れり尽くせりだが、そのための3ライフはそれなりの代償。まぁ、初手にあったら1ターン目タップインとかでごまかしておけばいいんじゃないかな。リミテッドで初手にあったら死ぬほど悩みそう。どこかに土地も戻せるバウンスはないもんですかね?

 


 
(マキンディの雄牛)Makindi Ox (4)(W) C
クリーチャー・雄牛
4/4
上陸 - 対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーをタップする。
 ゼンディカー産の雄牛といえば、本当に見どころがなくてしょんぼりだった「柱平原の雄牛」のイメージだったが、この数年で雄牛業界だってちゃんとアップデートしている。1マナ重くなったが4/4としっかりしたボディを手に入れ、さらに攻撃を後押しするための有用な上陸能力まで。5マナのカードの上陸はそこまで使用する機会もなかろうが、相手としても4/4が盤面に追加された上でブロッカーが1体排除される展開はかなり警戒レベルを上げざるを得ないはず。臆すことなく突っ込もう。オックスだけに。
 
 
(スカイクレイブの大槌)Maul of the Skyclaves (2)(W) R
アーティファクト・装備品
〜が戦場に出たとき、対象のあなたのコントロールするクリーチャーにこれをつける。
装備されたクリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともに飛行と先制攻撃を持つ。
装備(2)(W)(W)
 どうやら、今回の装備品は「場に出たとき自動でつけられるけど、その分装備コストはクソ重い」という設定になっているようだ。そこで白に多数用意された「自動でつける」能力が効果を発揮するのだね。ただ、こちらの装備品は効果が高いため、このくらいの装備コストでもそれなりに納得できる。そしてわずか3マナで出たときに張れるので、使い減りしないやべぇオーラみたいな運用が可能なわけだ。なるほどここからスタートしたら白の装備能力を集めたくなるのも納得だ。1枚でゲームを壊せる性能なので、リミテッドの際には各色でアーティファクト破壊を怠らないように。これまでの装備品と違って、バウンスで時間稼ぎしにくいのが怖いな。

 


 
Practiced Tactics (W) C
インスタント
対象の攻撃クリーチャーかブロッククリーチャーを選ぶ。〜はそのクリーチャーに、あなたのパーティーの人数の2倍のダメージを与える。
 パーティーみんなでよってたかって袋叩きにする呪文。1マナで使える白のダメージ呪文の基準は、「正義の一撃」の2点である。つまりパーティーが1人でもいれば基準を満たし、2体になればこれは1マナ軽い「神聖なる矢」。トリックとしてはかなり強力な部類だ。この手の呪文はリミテッドなら常に警戒されるものだが、流石に我々も1マナから4点だの6点だのが飛んでくる心の準備はできていない。そういう意味でもかなり奇襲性が高い面白い1枚だ。解決に対応してパーティーを減らされるとダメージ量が変わってしまうので、是非、たくましい友達を多めに用意しておこう。

 


 
(うろつくフェリダー)Prowling Felidar (3)(W) C
クリーチャー・猫、ビースト
2/3 警戒
上陸 - 〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。
 フェリダーの新種が久しぶりに。フェリダーはネコ科の何らかの獣だが、ゼンディカー次元発見された「フェリダーの君主」が史上初。その後はゼンディカーで仔フェリダーが見つかった他、カラデシュ、イコリアなどの次元でもいくつかの個体が確認されている(まぁ、カラデシュでは法的に禁止されて絶滅した可能性もあるけどな)。そんなフェリダーの最新作だが、例によってあんまり共通した特徴はない。一応警戒持ちが多い種族だが、それが特徴ってのも違う気がするし。今回は上陸による成長機能が与えられ、珍しくサイズ感でのアピール。悪くない能力ではあるが、このコスト域だと最善手で出した場合でもどこまで大きくなるかは微妙。デッキに2枚3枚と入れにくいのが悩ましい。今回+1/+1カウンターがらみのギミックはゴルガリカラーなので、緑白や白黒になった時のオプションとして考えておくといいか。

 


 
(毅然たる一撃)Resolute Strike (W) C
インスタント
対象のクリーチャーはターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。それが戦士であるなら、あなたはあなたのコントロールする装備品をそれにつけても良い。
 今回白が推している装備品ギミックを露骨に売り込む1枚。ちなみに装備品推しという意味ではイニストラードの白も似たような傾向があり、同様に「1マナ+2のコンバットトリックに装備品を絡める」という試みでは「腕っぷし」というカードもあった。今回は親玉であるナヒリを筆頭に、こうして装備コストを踏み倒す方向でのボーナスが顕著。白ユーザーは率先して装備品を集めておいても意外となんとか運用できるかも。「巨像の槌」と入れ替わりでこうしたギミックが入ってきたのは、一応の気遣いなんだろうな。
 
 
(セジーリの防護)Sejiri Shelter (1)(W) U
インスタント
対象のあなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まであなたの選んだ色1色に対するプロテクションを得る。

(セジーリの氷河)Sejiri Glacier 
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(W)を加える。
 土地にもなるコンバットトリック。性能は「歯止め」レベルで、「抵抗の妙技」や「神々の思し召し」など、環境に居並ぶ同型呪文と比較すると随分シンプルな仕上がり。正直、このくらいの小技の場合はあんまり「土地としておける」はメリットになりにくい気がするので、構築クラスで積極的に採用する意味は薄そう。どうせ2マナなので、「まぁ、置かずにとっておいてもすぐに使えるタイミングがあるやろ」と思ってしまうのでね。対して、1戦1戦での事故率が生死を分けるリミテッドの場合にはこれだけでも文句なしの自由度。初手が「土地4枚」の場合と「土地3枚+これ」を比べたら気楽さが随分違うし、同様に「土地1枚とコンバットトリック」の場合と「土地1枚とこれ」の場合を比較すればやっぱり可能性が桁違い。平均勝率をあげるための頼れる保険。人間力に自信のないアニキはすがりつきたくなること間違いなし。まぁ、どうせそういうアニキはその後の選択も誤るのだろうが……(うるせえ)。

 


 
認識否定 Anticognition (1)(U) C
インスタント
対象のクリーチャー呪文かPW呪文を、そのコントローラーが(2)を支払わない限り打ち消す。いずれかの対戦相手の墓地にカードが8枚以上あるなら、代わりにその呪文を打ち消し、その後占術2を行う。
 色々と変則的な「本質の散乱」。同じ2マナのカウンターとしては、環境を去る「火消し」との比較になるが、「2マナ追加要求」の部分が同じで、対象はこちらの方が圧倒的に狭い。ただ、「本質の散乱」と違ってPWも視野に入れているのは存外大きく、今時の試合なら、この2面体制だけでもかなり対応範囲は広いはず。そして、「火消し」はゲーム中盤以降に使いづらい局面が増えてくるが、こちらの呪文は相手の墓地さえ用意できればむしろ威力が増す。2マナの完全カウンターが占術まで提供してくれるってんだから、「悪意ある妨害」に満足していた我々にさらなる発展を見せてくれている。今後の世界ではそれなりに見かける呪文になるんじゃなかろうか。墓地のケアまで考えると、マジで「盗賊ギルドの処罰者」あたりのニーズが高まる気もするな。
 
 
(珊瑚兜の年代史家)Coralhelm Chronicler (2)(U) R
クリーチャー・マーフォーク、ウィザード
2/2
あなたがキッカーされた呪文を唱えるたび、カードを1枚引き、その後手札を1枚捨てる。
〜が戦場に出たとき、あなたのライブラリを上から5枚見る。あなたはその中からキッカー能力を持つカードを1枚公開し、手札に加えても良い。残りをライブラリの下に無作為に置く。
 どうやら今回のキッカー応援団は青のようだ。戦場に出た時点で1枚分のアドの可能性をちらつかせ、さらにその後も恒常的なルーターで後押し。なるほど便利には違いないが……キッカーってそんなに応援したくなるようなギミックだっただろうか……。やっぱり「そんなに連打するもんか?」っていうのが現時点では引っかかる部分なのよね。まぁ、こんなんがいるくらいだし、このセットのキッカーはとてもお手軽コストに設定される可能性もあるが。正直、レアかと言われると微妙な気がする。

 


 
Field Research (2)(U) C
ソーサリー
キッカー(2)(U)
カードを2枚引く。この呪文がキッカーされているなら、代わりにカードを3枚引く。
 「まぁ、そんなもんやろな」というシンプルなコモン。普通に使えば「予言」と全く一緒だし、中盤以降に余裕があるときのためのオプションが加えられた完全上位互換。キッカーモードだとマナ効率はあまり良くないが、コモンでこの選択肢があるのは悪い話じゃない。青のウィザード系デッキのソーサリー水増しの選択肢としては至極真っ当だ。ちなみに意外なことに、この手の「キッカーしたら枚数が増える青のドロー呪文」というのはこれまで歴史上存在しておらず、「前のゼンディカーはどうなってたっけ?」と思ったら上陸でドローが増える「深遠の謎」があった。まだ未開発の部分ってあるもんなんやね。

 


 
(Lullmage’s Dominance) (X)(U)(U)(U) U
ソーサリー
この呪文を唱えるためのコストは、墓地にカードが8枚以上あるプレイヤーがコントロールするクリーチャーを対象にとるなら、(3)少なくなる。
対象の、点数で見たマナコストがXであるクリーチャーのコントロールを得る。
 今セットの誘拐呪文。今回はオーラの形ではなくソーサリーになり、さらに相手コストによる変動相場制が採用された。この手の呪文で個人的に印象深いのは、おそらくこれのベースとなっているであろう「威圧」。どうしても強いクリーチャーをパクろうとするとコストがネックになっていたわけだが、今回はその部分をならず者ギミックで解消してやろうというデザインだ。これで、条件さえ満たせば「相手クリーチャーと同じ分だけマナを払えばパクれる」ということになる。さらに、コピーじゃないトークンなら3マナでいつでもパクれたりもするので、変なところからの活躍が可能。環境が環境なら相手が出した「ハイドロイド混成体」が3マナでもらえたりもしたが、残念ながら(?)同じ環境にいることはない。まぁ、相手が特大でハイドロイド出すのを通したらパクったところで勝てない気はするが……。

 


 
Risen Riptide (2)(U) C
クリーチャー・エレメンタル
0/5
あなたがキッカーされた呪文を唱えるたび、〜の基本のパワーとタフネスは、ターン終了時まで5/5になる。
 極端ボディの壁役エレメンタル。3マナタフネス5は最低限のお仕事だが、普通はあまり求められるものではない。あとは「キッカーを唱える」というのがどの程度実現するか。近い環境だと、ドミナリアでは同じ条件を持つ「炎矢師、ハラー」がいたが、かなりデッキを絞り込まないと「キッカーを何度も使う」というのはなかなか大変な行程ではあった。マナを大量に使うキッカーは、そもそも連打するようなギミックではないのである。となると、わざわざこのカードを使う意味はあんまりない気もするが……今回はマナコスト以外のキッカーもなさそうだしなぁ。
 
 
Deadly Alliance (4)(B) C
インスタント
この呪文を唱えるためのコストは、あなたのパーティーのクリーチャー1体につき(1)少なくなる。
対象のクリーチャーかPWを破壊する。
 ふむ、時代の流れを感じさせる1枚だ。「5マナで制限なしの除去呪文」は黒コモンではおなじみの設定で、環境によってはこれが4マナまで軽量化されたり、6マナになってボーナスがついたりする。今回は一番基本的な5マナだが、パーティーによるコスト軽減がついたのでかなり強化されたとみていいだろう。1体でも仲間がいれば4マナインスタントで、それより安ければアンコモンでも文句なしというクオリティ。そして、この呪文の効果範囲がPWにまで広がっているのが、M21の「とどめの一撃」と同じ設定になっているわけだ。というか、コスト削減効果がなかったら完全に「とどめの一撃」と一緒。今の世の中、コモンでもばっちりPW対策できるようにしとかないとダメってことですね。黒をやる有力候補となるだろう1枚。除去イズジャスティス。

 


 
(悪魔の信奉者)Demon’s Disciple (2)(B) U
クリーチャー・人間、クレリック
3/1
〜が戦場に出た時、各プレイヤーはクリーチャーかPWを1体生贄に捧げる。
 「肉袋の匪賊」に端を発する、「お互いサクろうぜ」系クリーチャーの新作。現在もたまに「疫病造り師」を使うデッキは見かけることがあるが、「疫病造り師」は基本形から「タフネスが1高い」「クリーチャーサクれないなら手札捨てろや」などなどのボーナスを加えた豪華版なので、このクリーチャーは残念ながらそれに及ぶものではない。ただ、一応「造り師」の功績の1つである「PWも巻き込める」という部分は継承しているので、相手がまずPWを出してきた場合などには、対応しにくいところに手が届く安全保障が得られるのは悪くない。懸念する点があるとするなら、みんなしてパーティーを組みたいと思ったら、場に出てるクリーチャー数は増えそうだなぁ、ということだろうか。

 


 
(探検の潜伏者)Expedition Skulker (1)(B) C
クリーチャー・吸血鬼、ならず者
2/2
〜はあなたが他のならず者をコントロールしている限り接死を持つ。
 2マナ2/2のクマボディにちょっとしたボーナスをトッピング。ならず者が集まると良からぬことを考え出すっていう事例。2マナ2/2は基本的にリミテッドの数合わせ要員だが、接死が付与されると防御力が向上するので中盤以降にも無駄になりにくいのが良い。考えてみれば、序盤に仲間がいない状況ならアタッカーとして機能するし、中盤以降に人数が増え始めたら防御に回れるっていうデザインなので理にかなってはいる。ただ、自分のパーティーにこんな胡散臭いやつがいるのはいいんだろうか、という気もする。ならず者ってRPG的にはシーフとかスカウトの位置なんだろうけど、必ず1人はそういう奴がいるっていう認識は何が起源なんだろう? 幼少の頃にウッドチャックにトラウマ植え付けられた身にはちょいと気になるところだ。

 

 


(群れ養い)Feed the Swarm (1)(B) C
ソーサリー
対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーかエンチャントを破壊する。あなたは、そのパーマネントの点数で見たナマコストに等しい値のライフを失う。
 なんとまぁ、こんな形で歴史に爪痕を刻んでくるとは……。こないだのテーロスで「ファリカの献杯」が登場した時にも話題になった、「黒いエンチャント対策」である。長い長いMagicの歴史の中で、黒はエンチャントにさわれない(アーティファクトにもさわれない)という不遇の立場がずっと続いており、その結果が古の「日中の光どうしようもない問題」などを生み出したわけだが、いよいよ製作チームはこの聖域にもメスを入れる判断を下したということか。「ファリカの献杯」は相手が選んでサクる形だったのでギリギリ「色の曲げ」で成立していた部分かもしれないが、今回ははっきりと「エンチャントを破壊する」と書いてある。Magic 25年以上の歴史の中で、明確な転換点である。まぁ、無理してるおかげで多少のライフは減るが、こんなもんは黒なら日常茶飯事。今まで流した涙の数に比べれば些事も些事である。ちなみに「対戦相手のコントロールする」と限定されているのは「裏切る恵み」や「悪魔の契約」といった黒特有のカース系エンチャントを機能させるための措置だろう。相手のエンチャントにはなんとか触れるようになっても、自分のところの負債は返済できない。さて、黒が守るべきボーダーラインは、今後どう変化していくのだろうか。あ、除去としては普通に使えるのでありがたいと思います。まる。

 


 
(グール・ドラズの泥主)Guul Draz Mucklord (2)(B) C
クリーチャー・クロコダイル
2/3
〜が死亡した時、対象のあなたのコントロールするクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
 次元を超えて、パワーとタフネスが入れ替わった「背骨ムカデ」。「ムカデ」は圧倒的消耗戦を得意とするゴルガリの基盤クリーチャーとして当時のリミテッドでは渋い活躍を見せたが、パワーが2になってしまうとリミテッドでもますます地味な存在になってしまう。パーティー編成にワニなんて絶対必要ないのもややネックか。今回の(今回も)ゴルガリは+1/+1カウンターを絡めた戦術がベースになっているようなので、その辺りのシナジーを活用し、うまいこと死をメリットに変えらえるデッキに組み込みたい。しかし、なんでワニが死んだら周りの連中が強くなるんだろう。ワニ革で防具でも作るんかな。

 


 
(ハグラの締め付け蛇)Hagra Constrictor (2)(B) C
クリーチャー・蛇
0/0
〜は+1/+1カウンターが2つ置かれた状態で戦場に出る。
あなたがコントロールする+1/+1カウンターが置かれたクリーチャーは、威迫を持つ。
 ゴルガリが支援する+1/+1カウンター応援ギミックの1つ。登場した直後から+1/+1カウンターがらみの支援は全て受けられるし、周りの連中の突破力も上げてくれるので攻めのデッキでシナジーが見込めるならワンチャン。ただし、攻めのデッキという割には3マナ2/2とサイズが小さいのが悩みどころだし、支援するにしても条件が多いのが微妙なところ。よほどゴルガリ戦術に自信があるんじゃなけりゃ優先度はそこまで高くなさそう。それこそ「巻きつき蛇」でも再録されりゃ価値が跳ね上がるんだが。

 


 
(精神刻みのナイフ)Mind Carver (B) U
アーティファクト・装備品
〜が戦場に出た時、対象の、あなたのコントロールするクリーチャーにこれをつける。
装備されたクリーチャーは+1/+0の修正を受ける。いずれかの対戦相手の墓地に8枚以上のカードがあるなら、代わりにそれは+3/+1の修正を受ける。
装備(2)(B)
 ならず者応援装備品。1マナで出して、修正値は+1だけ。最初に無料お試し権があるとはいえ、なかなかの詐欺設定。装備コストが重いという今回の装備品共通の特徴も大きく足をひっぱり、流石に使いたいカードには見えない。しかし、相手をスレッショルド(+1)まで追い込めば、その価値は激変する。+3/+1ならば3マナ支払うのだって我慢できる数字だろう。つまり、このカードを使うからには何としても相手のライブラリを削らにゃならん。ならず者は小器用ではあるかもしれないが全体的にサイズは不足気味。そうした苦手ジャンルを埋め合わせる1枚になってくれるかどうか。レッツミル。しかし、これはどういうイラストなんだろう……。「くたばれ、シビュラシステム」みたいな話か?
 
 
(夜鷲のゴミあさり)Nighthawk Scavenger (1)(B)(B) R
クリーチャー・吸血鬼、ならず者
1+*/3 飛行 接死 絆魂
〜のパワーは、あなたの対戦相手の墓地にあるカード・タイプの総数に1を加えたものに等しい。
 夜鷲!!!!! そういうのもあるのか!!! 確かに、「吸血鬼の夜鷲」はゼンディカーが生み出した名作中の名作。3マナ2/3のシンプルボディに飛行・絆魂・接死とキーワードを3つ乗せただけでここまで強くなるものかと驚愕した、当時も名誉神話アンコモンとして様々なデッキで活躍した。そして今回、その夜鷲がパワーアップしての復活。なんと、変化したのはパワーの部分だけで、なぜだか分からんが基準にはあの「タルモゴイフ」ギミックを採用。さらに何故だか分からんが相手の墓地だけを参照するギミックになっているのは、おそらく今回ならず者が切削能力と関係が深いためだろう。単なるアンコモンのパワーの値だけ変化させたらレアになっちゃうあたり、元のカードやばすぎだろ、というのが今更よくわかるのである。1/3だとしても接死があるので決して無駄になることはなく、試合が進めば5点くらいの絆魂フライヤーがわずか3マナで手に入っちゃったり。やはりトチ狂ってるのは間違いない。ならず者業界、一気に盛り上がってない?

 


 
(忘却の飢え)Oblivion’s Hunger (1)(B) C
インスタント
対象のあなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで破壊不能を得る。そのクリーチャーに+1/+1カウンターが置かれているなら、カードを1枚引く。
 黒の軽量コンバットトリック部門。黒には大きく「接死で殺意高める系」と「破壊不能でとにかく死なない系」の2部門があるが、こちらは後者で、最近だと「予期せぬ助力」あたりの系譜。パワー修正も何もないので本当に防御策にしかならず、先輩カードに比べて取り回しがあまり良くないが、そこはボーナスがでかいが故の不自由さ。カウンターギミックが支援できればなんとキャントリップになるので、しっかり使えばここからアドバンテージを生み出すことが可能になる。緑黒系なら複数枚採用しても使い道がありそうだ。

 


 
(魂の粉砕)Soul Shatter (2)(B) R
インスタント
各対戦相手は、自分のコントロールするクリーチャーとPWの中で点数で見たマナコストが最も高いもの1つを生贄に捧げる。
 黒のサクり系除去、期待の新作。もともと黒は「なんかサクれ」というくらいのざっくりした命令をすることが多く、ここに余計な注文をつけるのは鬱陶しい白の役目。「関税」なんかの古い呪文でこの手法が取られていたが、最近は「サクり系はやっぱり黒の領分だなぁ」ってんで、白と黒が手を組んだ時にだけ、この注文付きサクり呪文が開発されていた。少し前には「はじける破滅」が大活躍したほか、現在も「昇華/消耗」をたまにライフ系のコントロールで見かけることがある。そして今回は、いよいよ黒が単色でこのわがまま系サクりカードを実現させた。面白いのは、クリーチャーとPWを区別無く見ている部分。軽いクリーチャーがどれだけいようが、重たいPWがいれば問答無用でそいつが御陀仏。最近いろんなところで姿を見かけるウギンさんはまず間違いなくこの呪文で息絶えるだろう。また、低コストのクリーチャーはマイナス修正なんかで一掃しておいて、残ったデカブツをこれで刈り取るなんてプランも組み立てやすい。変容系やバントオーラなど、とにかく1体を育てるタイプのコンボデッキもあることだし、今後は常に注目される1枚になるんじゃなかろうか。
 
 
隠然たる襲撃/Subtle Strike(KLD)」 C
 渋いところからの再録で、一瞬「あれ? これってどこのカードだっけ……」と思い出すのに時間がかかってしまった。正解はカラデシュのコモン。当時も緑黒はカウンターがらみのギミックを押し出す色に認定されており、今回も全く同じ動機で採用されたのだろう。コストの割に盤面に与える影響が大きく、リミテッドでは特に有用だ。
 
 
Taborax, Hope’s Demise (2)(B) R
伝説のクリーチャー・デーモン、クレリック
2/2 飛行
〜はその上に+1/+1カウンターが5個以上置かれている限り絆魂を持つ。
あなたのコントロールする他のトークンでないクリーチャーが死亡するたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。そのクリーチャーがクレリックであったなら、あなたはカードを1枚引く。そうしたなら、あなたは1点のライフを失う。
 ぽっと出のデーモン。今回はパーティーギミックのおかげでデーモンやら天使やらの超常的なクリーチャーでも律儀に職業を名乗ってるのがなんか可愛い。こちらはデーモンかつクレリックという設定で、調べてみたらこの2つを同時に名乗るクリーチャーは史上初らしい。まぁ、普通はクレリックがデーモンを呼び出す側だから、兼任してるのは確かにおかしいんだよな。そして、見ての通りあんまりクレリック的な癒し成分はなくて、サイズアップした時にやたらライフを稼ぐ様子はむしろ癒しというより恐喝にしか見えない。さらに自軍クリーチャーの死亡を自分の力に変え、自軍クレリックの死を明日への財産に変える。ここまで狙いを絞り込まれると、さてクレリックデッキを組もうか、という気にさせてくれる。ごちゃごちゃした能力のおかげで見逃しがちだが、3マナ2/2というプリティキュートなボディサイズを持つ珍しいデーモンなので、普通にビート要員しても強かったり。いっそのこと同じく3マナで他人の死を喜ぶ「冠滅ぼしのガドラク」と並べて狂言自殺デッキとか組んでみたいな。

 


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